プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

No need.

      2024/04/27

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 61 minutes

不要です。

” need ”  には、 名詞・他動詞・自動詞・助動詞  がある。

語源は、 古英語 「 必要 」 ( nēd )。

【発音】  níːd  (1音節)

” need ” は、「 1音節 ( one syllable ) 」 だから、

腹の底から  ゲロする  迫力で、 一気に吐き出し発音。

 

日英の音は、 舌・唇・歯・呼吸間の相互作用が
まったく違います

  英   語 「 息の音 」
  日本語 「 声の音 」

 

に ~

 

「 音節 」( syllable、シラブル ) とは、 発音の最小単位

「 発音の最小単位 」 に切れ目がない 「 1音節 」 のため、

ゲロの凄みが出る。

「 音節 」 の日英比較は、 ” integrity ”  で詳らかにしている

( 図入り、 動画入り )。


単語学習も発音訓練も、 「 音節 」 を意識することで、 随分と楽になる。

見知らぬ単語を前にして、 「 どの部分で切ればよいか 」 見えるからだ。

音節は英単語の奥義であり、 小手先の収拾策ではないため、 常に有効。

ネイティブ児童の発音ルール 「 フォニックス( phonics )」 を取り入れる
英語学習法は、 母語と外語の習得過程を区別しておらず、 日本人学習者には
必ずしも実効がないが、 「 音節( syllable )」 は必ず有益で即効性がある。

今、 この瞬間から役立つ。

( 中略 )

音節を知らずして、 新しい英単語を記憶したり発音したりすることは、

私にとっては 「 100% 」 あり得ないし、 自分には不可能と言い切る。

未知の英単語に接した時は、 まず音節を調べてから、 発音を練習する。

どの部分で切ればよいか 」 分かれば、 暗記も発音もしやすくなる。


integrity  より


ホワイトボードにも 書きまくる

線を入れ、 番号を振り、 アクセントにマークし、 発音する

【発音】 kɑ̀ːnvəlésənt    【音節】 con-va-les-cent (4音節)

  別稿 「 単語の覚え方 」 より

 

「 フォニックス( phonics )」 を導入する難点は後出する。

 

◆  ” need ” の用途は多岐に及ぶが、「  必要  」 という

基本的意味は一貫する。

need ” は、 日本語の「 必要 」に比べ、


「 感情 」に強く訴えかける単語


切羽詰まった「 神経質 」な響き


それゆえの < 注意点 > は、 本稿中盤にて詳述する。

【参照】   動詞  ” hope ” と  ” wish “” want ”  の比較

  • “We need to help families in distress.”
    ( 追い詰められた世帯を助ける必要がある。)
    ( 苦しむ世帯を救うべき。)

  • “If you need more time,  let me know.”
    ( 時間がもっと必要であれば、お知らせください。)

    ( 時間が足りなければ、教えて。)

  • “We need to admit our mistakes to move forward.”
    ( 前に進むために、自分たちの間違いを認める必要がある。)
    ( 間違いを認めて、先に進もうよ。)

  • “This battery needs to be changed immediately.”
    ( この電池を、直ちに取り替えなければならない。)
    ( 今すぐこの電池を取り替えないとやばい。)
  • “We may need to change.”
  • “There may be a need for a change.”   (※)  名詞用法
    ( 我々は変わる必要があるかもしれない。)
    ( 変化が必要だ。)
  • “We need an influencer with a strong social media presence.”
    ( ソーシャルメディアで強い存在感のある インフルエンサー が必要だ。)
    ( 強烈な存在感を放つソーシャルメディアのインフルエンサーが欲しい。)
  • “I need to maximize the chances of receiving a scholarship.”
    ( 奨学金受給の可能性を最大限にする必要がある。)
    ( どうにか奨学金をもらわないとやっていけない。)
  • “Personal growth needs to be a fun experience for me.”
    ( 私にとって個人的成長は楽しい経験でなければならない。)
    ( 楽しくない個人的成長なんて、 絶対あり得ない。)
  • “I need to sit down with you.”
    ( あなたと話し合う必要がある。)
    ( 話したいことがあるんだけど。)
  • “You need to sit down.”
    ( 座ってください。)
    ( 座りなさい。)
  • ” I still need more sleep.”
    ( もっと睡眠が必要です。)
    ( まだ起こすなよ。)
  • “She needs constant attention from everybody.”
  • “She feels the need for constant attention from everybody.”
    ( 彼女はいつもみんなの注目を必要とする。)    (※)  名詞用法
    ( 彼女って、 かまってちゃん。)
  • “You need more education.”
    ( あなたにはさらなる教育が必要です。)
    ( もっと勉強しろ。)
  • ”You need to do better.”
    ( あなたはもっとうまくやる必要がある。)
    ( きちんとやれ。)
  • “I need to prepare my weapon.”
    ( 武器を準備する必要がある。)
    ( 丸腰は無理。)
  • ”You need to get going.”
    ( あなたは急ぐ必要がある。)
    ぐずぐず するな。)
  • “He needs to be in prison.”
    ( 彼は刑務所にいるべきだ。)
    ( あいつを豚箱にぶち込め。)
  • “You need professional help.”
    ( あなたにはプロの助けが必要です。)
    ( 医者に診てもらえ。)
  • “We need to smooth out differences first.”
    ( まず差異を解決する必要がある。)
    ( 最初に温度差を埋めないと。)
  • “We need your consent first.”
    ( 最初に同意していただく必要があります。)
    ( 同意が先です。)
  • “If you need help, simply reply to this message.”
    ( お困りの際は、 このメッセージにお気軽にご返信ください。)
    ( お問い合わせは、このまま返信してください。)
  • “We have 24/7 tollfree number for anyone who needs assistance.”
    ( 支援が必要な方には、フリーダイアルを24時間体制で提供しています。)
    ( 困った時には、24時間365日いつでも無料電話をおかけください。)
  • “You don’t need to tell your parents about that.”
    ( そのことは親に言う必要はない。)
    ( そんなこと親に言わなくてよい。)
  • “You need an inner will to change your life.”
    ( 人生を変えるには内なる意志が必要だ。)
    ( 覚悟なくして人生は変わらない。)
  • “I need a distraction.”
  • “I need to distract myself.”
    ( 気晴らしが必要なのです。)
    ( このままではおかしくなるわ。)
  • “We need to push back the party 30 minutes.”
    ( パーティーを30分遅らせる必要があります。)
    ( パーティーを30分後にずらして。)
  • “You need to find your own way home.”
    ( 帰宅する手段を自分で見つけてください。)
    ( 自力で帰れ。)
  • “You need to cancel it.”
    ( それをキャンセルする必要があります。)
    ( キャンセルしなさい。)
  • “I need your address.”
    ( あなたの住所が必要です。)
    ( 住所教えて。)
  • “You need to push them for action.”
    ( あなたは彼らに行動を迫る必要があります。)
    ( きちんとやらせろ。)
  • “You need to check it out.”
    ( それを確認する必要があります。)
    ( 見てみて。)
  • “You need to leave here.”
    ( ここから退去する必要があります。)
    ( 出ていけ。)
  • “You need to fix it.”
    ( それを直す必要がある。)
    ( それを直しなさい。)
    – 
  • “All I need is proof.”
    ( 必要なのは証拠だけです。)
    ( 証拠を出せ。)
  • “That’s all you need to know.”
    ( あなたが知るべきことはそれが全部です。)
    ( それ以外は教えません。)
  • Need I say more ? ”    ※  反語的
    ( これ以上言う必要ありますか。)
    ( なんで分かんないの。)
  • “Do we need them ? ”    ※  反語的
    ( 彼らを必要としますか。)
    ( 彼らは邪魔。)
  • “What do you need ?
  • “What do you want ?
    ( ご用件は何でしょうか。)
    ( なんの用。) ( あんた誰。)
  • “You need to close your browser.”
    ( ブラウザを閉じてください。)
    ( ブラウザを閉じろよ。)
  • You need to RSVP to join. “
    ( 参加するにはご返信ください。)
    ( 返信しない限り、参加できません。)
  • “We need to take a stand for what is right.”
    ( 正しいことのために、立ち上がる必要がある。)
    ( 正しいことを守らなければ。)
  • “We need to rent a fully-equipped meeting room.”
    ( 完全装備の会議室を借りる必要がある。)
    ( 備品完備の会議室を借りねばならない。)
  • “I need to prioritize my workload.”
    ( 自分の仕事に優先順位をつけねばならない。)
    ( 仕事にメリハリつけないとやってられない。)
  • “I don’t need your approval.”
    ( あなたの承認は必要ありません。)
    ( 認めてくれなくて結構。)
  • “I need to be stronger.”
    ( もっと強くならなければならない。)
    ( 負けるな、自分。)
  • “You need to back up every day.”
    ( 毎日バックアップする必要がある。)
    ( 毎日バックアップしなさい。)
  • “These are the high-priority items that need
    immediate attention.”
    ( 至急対応する必要のある優先事項はこちら。)
    ( これらが直ちに対応すべき優先事項だ。)
  • “I need you to work on this.”
    ( これに力を入れてもらいたい。)
    ( これやっておいて。)
  • “I need you to be there.”
    ( そこにいてもらいたい。)
    ( そこで張りついてろ。)
  • “Something needs to be done here.”
    ( ここでなんとか対処する必要があります。)
    ( なにかせねばならない。)
  • “This needs work.”
    ( 手直しが必要。)
    ( ちゃんとやれ。)
  • “This is good,  but needs some tweaks.”
    ( よくできているが、 微調整がいくらか必要。)
    ( もっとうまくできる。)
  • “This needs to stop.”
    ( これを止める必要がある。)
    ( こんなこと、もうよそう。)
  • “I don’t need that in my life.”
    ( 自分の人生にそれは必要ありません。)
    ( そんなの人生に不要。)
  • “This translation needs work on the Japanese side. ”
    ( この翻訳の和文には手入れが必要です。)
    ( この翻訳の日本語はまずい。)
  • “I need to keep my belongings safe.”
    ( 持ち物を安全に保管したい。)
    ( 所持品をしっかり管理せんと。)
  • “Don’t keep everything you need in one place.”
    ( 必要なもの全部を一箇所に保管するな。)
    ( リスクは分散しなさい。)

    “Don’t put all the eggs in one basket. ”      似通う中身
    ( すべての卵をひとつのバスケットに入れるな。)
    ( 分散投資しろ。)
  • “You need to pay for traveling expenses yourself.”
    ( 旅費はご自身で支払う必要があります。)
    ( 旅費は自己負担よ。)
  • “I need professional equipment at hand to do my work.”
    ( 仕事をするためにはプロ用の機器が手近に必要です。)
    ( 商売道具が手元にないと仕事はできない。)
  • “We need to ensure integrity and accountability to the public.”
    ( 国民の皆様に対する誠実さと説明責任を確実にする必要がある。)
    ( 国民に誠実さと説明責任を示さないと大変なことになる。)
  • “You need to treat all the staff in a fair manner.”
    ( 全スタッフに対して公平に接する必要がある。)
    えこひいきすんなよ。)
  • “This program needs updating.”
    ( このプログラムは更新が必要です。)
    ( このプログラムの更新をしてください。)
  • “You need to update your profile.”
    ( プロフィールを更新する必要があります。)
    ( プロフィールを更新しなさい。)
  • “I need to visit Japan once in my lifetime. ”
    ( 一生に一度、必ず日本に行きたい。)
    ( 死ぬまでに絶対、日本に行くべし。)
  • “This needs to be done by Friday.”
    ( 金曜日までに終わらせる必要があります。)
    ( 金曜までに終えておけ。)
  • “Residents need to remain indoors. ”
    ( 住民は屋内にとどまる必要がある。)
    ( 住民は 外出禁止。)
  • “You need to take the lead.”
    ( あなたがリーダーシップを取る必要がある。)
    ( 率先してやってもらいたい。)
  • “We need to hire a 24-hour live-in caregiver.”
    ( 24時間体制の住み込み介護人を雇う必要がある。)
    ( 住み込みで24時間対応してくれる人に介護してもらおう。)
  • “You can install it without needing professional assistance.”
    ( プロの手を借りなくても設置できます。)
    ( 自力で設置可能です。)
  • “This website has a lot of red flags you need to be aware of.”
    ( このウェブサイトには、 気づくべき危険信号が山と出ている。)
    ( やべー兆候がめちゃくちゃあるから、 こんなサイトやめとけ。)
  • “You need to be aware of two important changes.”
    ( 2つの重要な変更点に注意する必要があります。)
    ( 重要な変更点2つを見落とすな。)
  • “He needs to use momentum for chin-ups.”
    ( 彼は懸垂をするのに反動を使う必要がある。)
    ( 反動がなければ彼に懸垂は無理。)
  • “I need to take a dump.”
    ( くそしたい。)
    ( 漏れそう。)
  • “You need a shower.”
    ( シャワーを浴びる必要がある。)
    ( 臭いよ。)
  • “You need a haircut.”
    ( 髪を切った方がよい。)
    ( 髪切りな。)
  • “You need to take action.”
    ( 対応してください。)
    ( やれよ。)



    Wi-Fi を設定せよ

  • “I’m needed elsewhere.”   (※)  形容詞 「 必要とされる 」
    ( 他にも用事があります。)
    ( もういいですか。)
  • “Your input is needed.”   (※)  形容詞 「 必要とされる 」
    ( あなたの意見が必要です。)
    ( ご意見をお聞かせください。)
  • “Volunteers are needed.”   (※)  形容詞 「 必要とされる 」
  • “We need volunteers.”
  • “Volunteers needed ! ”    →  ポスター ( be動詞 は 省略
    ( ボランティアが必要です。)
    ( ボランティア募集 !





    電子署名の証明書が必要

  • “I will give you everything you need.”
    ( 必要なものはすべてご用意いたします。)
    ( 欲しいものはなんでもあげる。)
  • “You need to attribute the author.”
    ( 著者への言及が必要です。)
    ( 無断引用するな。)
  • “You need to get married soon.”
    ( あなたは早く結婚する必要がある。)
    ( さっさと結婚しろよ。)
  • “You need to stay organized in this dorm.”
    ( この寮では、常に整理整頓しておいてください。)
    ( この寮は、きれいなままにしておいて。)
  • “I need you here for the conference.”
    ( 会議に君が必要だ。)
    ( 会議に来てくれ。)
  • “I need to borrow some money.”
    ( お金を借りる必要があります。)
    ( 金を借りたい。)
  • “Before we subscribe you, we need to confirm you are a human.”
    “We just need to make sure you’re not a robot.”
    ( ご登録前に、人間であることを確認させていただく必要があります。)
    ( ロボットでないことを確認する必要があります。)
    サブスク するなら、自分が人間だと証明して。)
  • “The public needs a coronavirus vaccine ASAP.”
    ( 国民には、コロナウイルスのワクチンが至急必要。)
    ( 今すぐ、国民のためにコロナワクチンを用意せよ。)
  • Please feel free to take what you need.”
    ( 必要なものをご自由にお取りください。)
    ( 欲しいものを好きなだけ持ってって。)
  • “We need to provide a translated copy to her.”
    ( 彼女には翻訳版を提供する必要があります。)
    ( 彼女には翻訳版を渡さないと。)
  • “You need to take this class.”
    ( この講義を受ける必要があります。)
    ( この講義を受けろ。)
  • “Class attendees need to read & write English
    without assistance.”
    ( 受講者は独力で英語の読み書きができなければなりません。)
    ( 英語の読み書きが自力でできないなら、参加しないこと。)



再起動せよ

  • “Your computer needs restarting.”
    ( コンピュータの再起動が必要です。)
    ( コンピュータを再起動してください。)
  • “You don’t need to do anything.”
  • “There’s nothing you need to do.”
  • “There is no need to take action.”
    ( なにもする必要はありません。)
    ( 放っておけ。)
  • “There is no need to be on camera.”
    ( カメラに写る必要はありません。)
    ( 顔出し不要です。)


  • “There’s nothing else you need to do. ”
    ( 他に何一つする必要はありません。)
    ( もうなんもやらなくていいから。)
  • “We need additional information to proceed.”
    ( 進めるには、追加情報が必要となります。)
    ( よく分からないまま、進めるわけないだろ。)
  • “We need to do something about disgruntled employees.”
    ( 不満を抱く従業員に対し、
    なにかしら対処しなければならない。)
    ( 不満分子をどうにかするべし。

  • “You need to break off relations with your toxic parents.”
    ( あなたは毒親と縁を切る必要がある。)
    ( 毒親なんかと縁を切れ。)
  • “We need to work together.”
    ( お互い協力し合う必要があります。)
    ( みんなで協力すべき。)
  • “I do not need to learn English.”
    ( 私は英語を学ぶ必要はありません。)
    ( 英語なんて要らない。)
  • “Bullying needs to be addressed now.”
    ( 今こそ、いじめに対処する必要がある。)
    ( いじめを早くなんとかしないと。)
  • “I need help now.”
    ( 今、支援が必要なのです。)
    ( すぐ、助けて。)
  • “You need to quit your job.”
    ( 今の仕事を辞める必要がある。)
    ( 仕事辞めな。)
  • “The child needs your love.”
    ( あの子にはあなたの愛が必要だ。)
    ( あの子を愛してあげろよ。)
  • “I need to wear a wig for the rest of my life.”
    ( 一生かつらをかぶる必要がある。)
    ( づらなしでもう生きられんわ。)
  • “You need to pay us upfront.”
    ( 前払いでお支払いいただく必要があります。)
    ( 前払いのみです。)
  • “You need to rest.”
    ( あなたには休養が必要です。)
    ( ちゃんと休みなさい。)
  • “You don’t need to be burned out to go on hiatus.”
    ( ひと休みするため燃え尽きる必要はない。)
    ( 休みが取れるように自己管理しておけ。)

  • Needs  improvement.”
    ( 改善が必要。)
    ( もっと頑張りましょう。)

 

もっと がんばりましょう

 


動詞  ” need ”  の典型例を挙げてみた。

(※)  名詞 ” need ”  と  形容詞 ” needed ” も含む

直接耳にすれば、 どれも神経に響く 「 きつい 」 感触。

いかがだろうか。

◆  名詞  ” need ” は、 可算名詞と不可算名詞を兼ねる。

–  不可算 「 必要 」「 必要性 」「 要求 」「 欲求 」「 窮地 」
–  可算 「 必要なもの 」「 必需品 」

  • “We should help each other in times of need.”
    ( 必要な時は、お互い助け合うべき。)
    ( 窮地に陥った際は、相互に助けるべき。)
    ( 困った時は、お互い様。)
    →   不可算名詞の  ” need ”
  • “Please consider helping those in need.”
    ( 困っている人たちの支援をご検討ください。)
    ( 困窮者を助けることを考えてみてください。)
    →   不可算名詞の  ” need ”
  • “She was a refugee in need of safe haven.”
    ( 彼女は 安全な避難場所を必要とする難民だった。)
    →   不可算名詞の  ” need ”
  • “I’m in need of a dog sitter.”
    ( 犬の面倒を見てくれる人を探しています。)
    →   不可算名詞の  ” need ”
  • “Donate masks to hospitals in need.”
    ( 窮地の病院にマスクを寄付しよう。)
    →   不可算名詞の  ” need ”
  • “I’m in desperate need of another cash handout.”
    ( なんとしても、もう一度、給付金が必要なんです。)
    →   不可算名詞の  ” need ”
  • ” A friend in need is a friend indeed. ”      ことわざ
    ( 困った時に助けてくれる友こそ、真の友。)
    →   不可算名詞の  ” need “

    The words  ” need ”  and  ” indeed rhyme.   
    ” need ”  と  ” indeed ”  が 韻を踏む  …  押韻

  • “Children are in urgent need of help. ”
    ( 子どもたちは早急の支援を必要としています。)
    →   不可算名詞の  ” need ”

  • “There is an urgent need for blood.”
    ( 血液が緊急に必要です。)
    →   可算名詞の  ” need ”



英文法解説  改訂三版 』  p. 7.

江川 泰一郎 ( 著 )
金子書房、 1991年刊

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天ブックス>

※  下線は引用者


◆  カタカナ「 ニーズ 」は、 可算名詞  ” need ”  の複数形  ” needs “。

【発音】  nidz  (1音節)


ニーズ 【needs】

必要。  要求。  需要。
広辞苑 第七版

  ニーズ 【needs】

必要。  要求。  需要。
デジタル大辞泉 )

  ニーズ 【needs】

必要。  要求。
大辞林 第四版

  ニーズ 【needs】

必要。  要求。
明鏡国語辞典 第三版

  ニーズ  

求め。  要求。  需要。  必要。
▽  needs
岩波 国語辞典 第八版

  ニーズ (名)
〔 needs = ニード(need)の複数形 〕

要求。  求め。
三省堂国語辞典 第八版


それぞれ語釈全文である。

” needs ”  本来の、

ぴりぴり 神経をとがらせた、 待ったなしの 緊張感

を表す上で、 「 必要 」 「 要求 」 「 需要 」 「 求め 」
では、 やや物足りない感がある。

カタカナで日本社会に根づいたのは、 穏当な流れと考えられる。

  • “We should decide who receives the cash handout
    based on their needs.”
    ( この給付金の受取人は、各自のニーズに応じて決めるべきだ。)
  • “We will take care of all your social media needs.”
    ( 貴社のソーシャルメディアのニーズは、すべて弊社にお任せください。)


Hope this website meets your needs.

( 弊サイトが皆様のニーズを満たせることを願っております。)

定訳に至った ” needs ” もある。

  • “Special needs peer groups are very important for
    children with special needs.”
    ( 特別支援を必要とする子どもたちにとって、
    特別支援の仲間グループはとても大切である。)

    ◇  ” special needs education ”  =  特別支援教育
    →  各自の 「 特別なニーズ 」 に応じた教育の提供
    が目的で、必ずしも身体障がいに限定されない

    ◇  2022年9月9日、「 障がい児を分離した特別支援教育 」に
    対し、 国連の障がい者権利委員会が 日本政府に中止を要請した

◆  日頃、 英語の時事ニュースでよく見かける 「 ニーズ 」 は、
次の通り。

  •  basic needs  ( 基本的 )
  •  emotional needs  ( 情緒的、心理的、精神的 )
  •  fitness needs  ( 健康増進の、 フィットネスの )
  •  individual needs  ( 個別の、 一人ひとりの )
  •  medical needs  ( 医療の )
  •  personal needs  ( 個人的な )
  •  physical needs  ( 身体的、 肉体的 )
  •  social needs  ( 社会的 )
  •  financial needs  ( 財政的、 経済的 )    ※  後述

和訳は代表例。

  •  ” It’s time to prioritize your emotional needs.”
    ( ご自分の心が求めるものを優先すべき時が来た。)
    ( そろそろ自分に素直になったら。)

主体が個人か組織かによって、 訳し方が違ってくることもある。



◆  例えば、 ” financial ” は、「 金銭 」的意味を幅広くカバー。

  •  企業  →  財政、 財務、 会計、 金融、 資金
  •  個人  →  経済、 家計、 資金

※  「 ~ 」 「 ~ 」「 ~ 」などの接尾辞的な語
を加えた形も含む

【発音】  fənǽnʃəl 
【音節】  fi-nan-cial  (3音節)


financial backers ”  ならば、 文脈に応じて、

  •  資金支援者
  •  スポンサー
  •  財政援助者
  •  資金提供者
  •  たにまち ( 谷町 )
  •  出資者


◆  援助交際 の相手を、 この ” financial backers

と英訳している記事を読んだことがある。

婉曲的  な呼称だが、 役回りに忠実な呼び名かも。

  •  パパ、 ママ ( 援交相手 )
  •  パトロン

【発音】  bǽkər 
【音節】  back-er  (2音節)

「 援交パパ 」 は、 ” sugar daddy ”  が英語の通称。

【発音】  ʃúgər  dǽdi 
【強勢】  súgar  dàddy 

「 援交ママ 」 は、 ” sugar mommy ”  または  ” sugar mama “。

【発音】  ʃúgər  mɑ́mi 
【発音】  ʃúgəmɑ́mə


シュガー  ” sugar ” ( 砂糖 ) みたいに、 甘ったるい雰囲気。

実際のところ、 甘く言い寄るのはどっちか

当のご本人は、  ” sugar baby “。

【発音】  ʃúgər  béibi

パパ活 」 「 ママ活 」  は、

  •  sugar  daddy  dating
  •  sugar  mommy dating
  •  sugar  mama dating

他動詞を用いて、

  •  find  a sugar ○○
    ( 援交○○ を見つける )
  •  found  a sugar ○○
    ( 援交○○ を見つけた )
  •  have  a sugar ○○
    ( 援交○○ がついている )

    ※  ○○ は、 パパ または ママ

パパ活詐欺は、 ” sugar daddy scam “。

【参考】    ※  YouTube ( 全長 14分10秒 )


I Found SUGAR DADDY Tiktok

https://www.youtube.com/watch?v=mWU_L1zkreo

2022年7月8日
Joce Bedard

  後掲の おすすめ カナダ人 YouTuber ( ユーチューバー )

◆  あえて大胆な言い方をすれば、

限界状態に身をよじり、 もう 我慢できず、
ギャー ギャー 騒ぎ立てる有様 が  ” need “


ヒステリックな気配で、 押しが強い。

日本語の 「 必要 」 「 要求 」 「 需要 」 「 求め 」
が備える、 品よく、 しっとりした落ち着きには乏しい。

どこまでも自分側の意思通りに、 無理無体に事を運ぼうとする
強引さ。

とにかく、 余裕がない。


切羽詰まると( ” under the gun ” )、 こうなる。

◆  ” no need ” は、 シンプルだが、 応用の効く表現。

口頭で  ” No need. ”  と2語完結した場合、 通常、
これを略したもの。

 ” There is no need. “
( その必要はない。)


” no need ”  の後にまだ続く場合、
” No need to. ”  と3語完結になることも。

代不定詞 ( PRO-infinitive )である。

文脈から不定詞の内容が明らかな場合、 ” to ” だけ残し、
以下を省略することがある。



 徹底例解  ロイヤル英文法  改訂新版 』  pp. 467-468.

綿貫 陽 ( 改訂・著 )   マーク・ピーターセン ( 英文校閲 )
旺文社、 2000年刊

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天ブックス>

 

◆  一見、「 There is 構文 」 に見えるが、 そうではない。

「 There is 構文 」は、 主語( Subject )と 動詞( Verb  ※ )
の語順が逆となる基本構文。

日本の学校教育でも初期に学ぶ構文で、 基本中の基本の位置づけ。

存在を表す構文 ( ~ がある、  ~ がいる ) の筆頭である。

※  具体的には、 述語動詞 ( Predicative Verb )で、
主語と同じく、「 基本5文型 」 に必須の動詞。

必須でないのは準動詞 ( verbal )。

【参考】    ※  外部サイト

–  述語動詞と準動詞の違い


すなわち、 「 S  →  V 」  ではなく  「 V  ←  S 」。

そういう 「 倒置 」( inversion ) の修辞を用いており、
実は高度な基本構文なのが、「 There is 構文 」 である。

「 There is 構文 」 は、 日本人学習者が乱用しがち。

 ■  私の本はテーブルの上にあります。

 △   There is(V)my book(S)on the table.
 〇   My book(S) is (V)on the table.

動詞( Verb ) は be動詞 ” is “、 主語( Subject ) は ” book “。

前者は、 間違いとまでは言えないものの、 若干不自然な英語。

ところが、 日本人の英作文においては、 珍しくもなんともない。

◆  ” There is no need. ”  は、 英語ネイティブも普通に使う。

「 There is 構文 」 の特徴である 「 倒置 」は見られず
” No need. ” は単なる 「 省略構文 」( 狭義 ) である。

語句を省略しても、 文脈上意味が伝わるため、 語句が略されている
だけで、 修辞上のひねりはないのが、 狭義の「 省略構文 」。

簡潔明快を旨とする、格言・ことわざ・慣用句・常套句に目立つ。

こちらも「 省略構文 」パターンで、 両者とも自然な英語。

 〇   There is no smoke without fire. 
 〇   No smoke without fire. 
 〇 火のない所に煙は立たない。)

◆  なお、 文脈上省いても理解に支障なければ、 英語でも筆舌問わず、

かったるい 「 主語 」 は日常的に省略されている。

完全な文として 「 英文法上は 」 必要でも、 実務ではしきりに略される 。

文頭が動詞の原形でも、 「 命令形 」 (  imperative  form ) ではなく、

主語が略されている用法は、  プログラミング英語  においては割と普通。

” Could you update me on – ”  の末尾で具体的に述べている ( 図入り )。

Hope this helps.”  でも図示した。

 

◆  下記3つには、 述語動詞( Predicative Verb )が入っておらず、
英文の 「 基本5文型 」 からは外れる。

  •  No need.
  •  No need to.
  •  No smoke without fire

「 基本5文型 」 とは、 英文の分類を指すのではなく、 「 動詞 」
の種類を区別するための用語であるから、  動詞がなければ論外

  •  第1文型 : SV
  •  第2文型 : SVC
  •  第3文型 : SVO
  •  第4文型 : SVOO
  •  第5文型 : SVOC
  •  S ( subject、 主語 )
  •  V ( verb、 動詞 )
    →  動詞の中でも、 述語動詞 ( Predicative Verb )
  •  O ( object、 目的語 )
    →  4.  SVOO の目的語は、 間接目的語 ( indirect object ) に
    直接目的語 ( direct object ) が続くので、 SVOO の代わりに、
    S V IO DO  と表すこともある。  S V O1 Oも同義。
    間接目的語は 「 人 」、  直接目的語は 「 物 」 が多め。
  •  C ( complement、 補語 )

無骨でぶっきらぼうだが、

この上なく明瞭

 

  ぴしゃり「 不要です

There is no need.


◆  表題  ” no need ”  では、 名詞。

既に触れたように、 可算・不可算兼用。

” need ”  = 「 必要( 必要性 )」を
形容詞  ” no ” で否定し、 「 不要 」。

この場合の  ” need ” は、
不可算名詞  の  単数名詞 が通例。

「 単数名詞 」 ( singular noun ) とは、
単数形で使われるのが一般的な名詞

英英辞書では  “ S ”  または  “ sing ”  と略記されたりする。

【発音】  síŋgjulə 
【音節】  sin-gu-lar  (3音節)

◆  上述の通り、 もともとは  There is no need.   の略。

2語単独で使え、 応用が効くのがポイント。

口頭の2語完結以外の頻出表現は、

  •   no need to –  ( 主に動詞が続く )
  •   no need for –  ( 主に名詞が続く )

意味は「 ~ する必要はない 」 または 「 ~ は不要 」。

「 不要 」  =  ” no need ” 


こう覚えておけば、 意思は伝わる。


◆  ” It is not necessary ”  や  ” not necessary ”

とほぼ同義だが、 次の 3つの持ち味 を押さえておきたい。

  ” no need ” の方が、

1 ) 簡明直截
2 ) 強い否定
3 ) 感情的


” It is not necessary ” は、副詞 ” not “  で
be動詞 ” is ” を否定( = isn’t )するのに対し、

” no need ” は、 形容詞 ” no ”  で、 名詞 ” need ” を否定。

この場合、 形容詞 ” no ” の方が、 副詞 ” not ” よりも、
否定の度合いが強い。

取りつく島もなく、 拒絶する勢いの ” no need “。

 

「 神経質 」で「 感情的 」な ” need ” の語感  
と相俟って、 すげない印象を与えがち


もっとも、 個人的感情を排する事務的な冷たさ
であり、 必ずしも悪気があるわけではない。

片や、

◇  ” not necessary ”  と  ” unnecessary
は、 単に
不必要 」であることを表し、 ずっと中立的


【発音】  nésəsèri          【音節】  nec-es-sar-y  (4音節)
【発音】  ʌnnésəsèri      【音節】  un-nec-es-sar-y  (5音節)


感情抜きで、 淡々と「 必要ありません 」「 要りません 」。

現状では不要であることを、 客観的に示すにすぎない。

◆  否定の接頭辞 ” un “、” in “、” non ” が 同じ語につく場合、

強い否定の順に、 in  >  un  >  non

◇  これらの「 接頭辞 」以上に 強い否定 が、 副詞  ” not ”

副詞 ” not ”  >  接頭辞  ” in ”  >  ” un ”  >  ” non “


既述のように、 形容詞 ” no ” の方が、 副詞 ” not ” よりも、
さらに否定の度合いが強いため、 大づかみの順序は次の通り。


 no need   >   not necessary
   >   unnecessary 

 形容詞  ” no ”    >   副詞  ” not   >   接頭辞  ” un ” 


「 大づかみ 」 なのは、” need ”  と  ” necessary ”  が異なる単語だから。

同一単語みたいに、 単純比較はできない。

「 ほぼ同義 」 とはいえ、 主な品詞すら異なる。

■  need  →  動詞・名詞中心  (※)
■  necessary  →  形容詞中心

” need ” に、 名詞・他動詞・自動詞・助動詞がある点は、
冒頭に記した。

” necessary ” には、 形容詞 と 名詞がある。

語源は、 ラテン語 「 必要な 」( necessārius )。

ne – ” ( 否定 not )+  ” cess ” ( 譲る )  +  ” – ary “( ~ の )

” need ”  に形容詞はなく、 ” necessary ”  に動詞はない。

にもかかわらず、 両方とも 「 必要 」 を表し、 同義扱いされている。

これは、 大方の日本人学習者が混乱する、 品詞と和訳の問題である。

この辺りは、” aware ”  と  ” vocal ”  で、 詳細にご説明しているので、
ご覧いただければ幸い。

 

(※)  LDOCE6( ロングマン )の指標によれば、

  動詞  “ need ”
–  重要度 : 最上位 <トップ3000語以内>
–  書き言葉の頻出度 : 最上位 <トップ1000語以内>
–  話し言葉の頻出度 : 最上位 <トップ1000語以内>

  名詞  “ need ”
–  重要度 : 最上位 <トップ3000語以内>
–  書き言葉の頻出度 最上位 <トップ1000語以内>
–  話し言葉の頻出度 : 最上位 <トップ1000語以内>

【発音】  níːd  (1音節)


  動詞用法も名詞用法も、
全項目において、 最重要かつ最頻出
  英単語全体における立ち位置が、 最高水準の   ” need

こんな英単語は、 そうそうない。

重要単語であっても、 品詞によって、 頻出度に違いのある方が普通。

例えば、 動詞 ” want ” ( 後述 ) も最高水準で、 最重要かつ最頻出。
なのに、 名詞 ” want ”   の頻出度は、 書き・話しとも、 3000語圏外。

” want ” の名詞用法は、 動詞用法に比べて、 はるかに格下ということ。

抜きん出る英単語だからこそ、 本稿では  “ need ”  と  ” want

の要注意な 「  強烈さ  」 を強調したい。

私たち日本人は、 使い方を誤りやすい。

【参照】

 ” No need ”  も 『 断る力


  • “No need to fight.”
  • “No need for a fight.”
    ( 喧嘩は不要。)
  • “I’ll help you.”   “No need.”
    ( 手伝いますよ。)  ( 不要です。)
  • “No need to change a tire.”
    ( タイヤ交換は不要。)
  • “No need for lockdowns.”
    ( ロックダウンは不要。)
  • “No need to shout.  I hear you.”
    ( 叫ばなくてよい。聞こえてます。)
  • “No need to yell.”
    ( 怒鳴らなくてよい。)
  • “No need to get angry.”
    ( 怒る必要ないだろ。)
  • ” No need to extend the deadline.”
    ( 期限を延ばす必要はない。)
  • “No need for your approval.”
    ( あんたの承認なんていらん。)
  • “No need to remind me.”
  • “No need for a reminder.”
    ( 教えてくれなくて結構。)
    ( 思い出させないでよい。)
  • “No need to discuss it.”
  • “No need for discussion.”
    ( 話し合いは必要ない。)
    ( 議論は不要。)
  • “No need to talk.”
  • “No need for a talk.”
    ( 話し合わなくてもよい。)
    ( 話さなくてもよい。)
  • “No need for an invoice.”
    ( インボイス不要。)
  • “No need to pay you.”
  • “No need for payment.”
    ( 支払う必要はない。)
  • “No need for installation.”
  • “No need to install.”
    ( インストール不要。)
  • “No need for a signature.”
    ( 署名は不要。)
  • “No need to compromise.”
    ( 妥協は不要。)
  • “No need for me to be here.”
    ( 私がここにいる必要はない。)
  • “No need to use fancy words.”
    ( 気取った言葉は不要。)
  • “No need to run a manual backup.”
  • “No need for a manual backup.
    (手動バックアップは不要です。)
  • “No need to register.”
  • “No need for registration.”
    ( 登録は不要。)
  • “No need to stay up late.”
    ( 夜更かししなくてよい。)
    ( 夜更かし不要。)
  • “No need to translate.”
  • “No need for translation.”
    ( 翻訳は不要。)
  • “No need to worry.”
    心配無用。)
  • “No need for experience.”
    ( 経験不要。)
  • “No need to react that way.”
    ( そんな反応しなくてもよい。)
  • ”No need to overreact.”
    ( 過剰反応は不要。)
  • “No need to overthink it.”
  • “No need for overthinking.”
    ( 考えすぎる必要はない。)
    ( 考えすぎだよ。)
  • “No need to reapply.”
    ( 再応募は不要。)
  • “No need to raise your voice.”
    ( そんな大声を出さなくてよい。)
  • “No need to bribe politicians.”
    ( 政治家たちに賄賂を渡す必要はない。)
  • “No need to reply all.”
    ( 全員に返信しなくてよい。)
  • “No need to reset your password.”
    ( パスワードの再設定は不要。)
  • “No need for training.”
    ( 研修は不要。)
  • “No need to intrude here.”
    ( こちらに侵入する必要はない。)
  • “No need for a mask.”
  • “No need to wear a mask.”
    ( マスク着用は不要。)
  • “No need for gimmicks.”
    ( 小細工は不要。)
  • “No need to interview. “
  • “No need for an interview.”
    ( 面接は不要。)
  • “No need to explain. “
  • “No need for explanation.”
    ( 説明は不要。)
  • “No need to take action.”
    ( 対応は不要。)
  • “No need for vaccination.”
    ( ワクチン接種は不要。)
  • “No need for violence.”
    ( 暴力は不要。)
  • “No need to apologize.”
  • “No need for an apology.”
    ( 謝る必要はない。)
    ( 謝罪は不要。)
  • “No need to be sorry.”
    ( 謝る必要はない。)
    ( 残念がる必要はない。)
  • “No need to go there.”
    ( そこへ行かなくてよい。)
  • “No need to act like a queen.”
    ( 女王みたいに振る舞わなくてよい。)
  • “No need to scan this.”
    ( これはスキャンしなくてよい。)
  • “No need to wait around.”
    ( そこで待っていなくてよい。)
    ( 時間を持て余す必要なし。)
  • “No need for citations for verification.”
    ( 検証のための引用は不要。)
  • “No need to cry.”
    ( 泣くな。)
  • “No need for you.”
    ( あんたなんか要らん。)

【 ご注意 】
need ” と ” want ” は、 差し迫った要求。
きつく聞こえがち なので、 対人では 注意 !

日本語の 「 必要 」 に比べて、 かなり感情的


<対面>
で使う際は要注意。

特に相手が <目上> の場合

  やたら ” I need 〇〇 ” と 要求 してはならない。

前記の ギャー ギャー 騒ぎ立てる有様 」 そのもの。




◆  名詞 ” need ”   と   名詞 ” want ”   の複数形を組み合わせた、

wants and needs ” は、 「 欲求とニーズ 」。

既記の通り、 要注意な 「  強烈さ  」 が特質の2語。

決まり文句に近いペアで、 文脈次第で、
欲望と要求 」 「 要求と必要性 」  などとも訳される。

  • satisfy someone’s wants and needs “
  • ” meet someone’s wants and needs ”
    ( 誰々の欲求とニーズを満たす )
  • ” free of wants and needs ”
    ( 欲望や要求から解放されている )
    ( 欲求や要求はなしで )
  • the wants and needs of customers
  • the customer’s wants and needs
  • the customers’ wants and needs
    ( 顧客の欲求とニーズ )



◆  相手との関係・状況・言い振りにも左右されるが、
ここでは日常的なビジネスの場を想定する。

例えば、

■  上司に面と向かって、

I need it. “

私はそれが必要なのです
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

とっとと渡せよ

早くやれ

こんな風に受け取られる可能性がある。


ギャー ギャー

 

すぐやれ!

 


命令の勢いを帯び、 上司ならカチンと来ても不思議でない。

部下にいきなり 「 大至急やれ 」 と居丈高に厳命された心境。

よって、 平時には  ” I need – ”  の出番は少なめ。

文面でも、 同じ傾向が見られる。

  •  ” I need – ” による要求は、高圧的な感じで、
    誤解を 招きやすい

  • 他動詞  ” want ”  の  ” I want – ” も、
    同様の印象を伴う

トラブル予防には不可欠な知識なのだが、 日本の学校教育では
教わる機会が少ない。

至極残念である。

  • 自分の目標 抱負を述べ ような使い方にはよいが、
    対人用途 では 高リスク

学校の教え通りに、 ” I need 〇〇 “、 ” I want 〇〇 ” と無邪気に
口にする日本の中高生を思うと、 なんともやりきれない。

 

◆  日本のコンビニ店などでは、 有料レジ袋の要否を確認するため、
外国人客に対し、 端的に  ” Need a bag ? ”  と聞き出していたりする。

「 対人用途 」 であるものの、 相手の希望 ( 必要性 )を尋ねており、
なにかを要求しているわけではない  ので、 上記の危険は該当しない。

Need a help ? “、” Need help ? ” ( 手伝おうか ) も同じ論理。

Need a ride ? ” ( 乗りますか )( 送っていこうか ) もそう。

嫌味っぽかったり、 語気 ( tone )鋭くなければ、 基本非礼はない。

簡約すぎる向きは否定できないとはいえ、 なれなれしくなければ可。


【参照】  「 英語は3語で伝わりません 」 は、 本当か
【参照】  「 品格 」 よりは、 有用な援助が物を言う


◆  よろしくない例は、 こちらのシーン。

動画開始後  21:08  で飛び出した、 堀江貴文氏の  I want ”  発言である。


I want you to –

レバノンで カルロス・ゴーンと 対談しました ( 2020/3/6 )


堀江貴文 ホリエモン ( 公式チャンネル
2020年3月10日 公開



◇  ゴーン元会長に対する物言いとしては、不適切と考える。

「 ぜひとも  ~  をやっていただきたい 」 とおっしゃりたいのだろう。

ところが、 前後の文脈を勘案しても、 「  おまえ、 ~  をやってくれ  」。

おまけに、 人差し指で指差しつつ述べているから、 厳かに命じる感。

ひどい。

暴挙に近い無礼さに、 見ていて恥ずかしくなってしまう。

 ■  日本語字幕 ( 公式版 ):
「  私はあなたに 日本の司法制度が良くない事を
世界に広めて欲しいと思っています  」

 ■  実際の口調 ( 拙訳 ):
「  日本の司法制度が良くないって、
おまえが世界中に広めてくれ  」


思うに、

  失礼な一幕で、 手振りも 口振りも、
  ゴーン氏に対する 「 命令 」


かのようだ。

先述のまずい会話を、 見事なまでに具現している。

無性に活発な両手の動きが人目を引く。

とりわけ、 人差し指は上図と紛うばかりの存在感。

ジェスチャーは、 大勢の認識以上に注目されやすい。

なにより、 対談中、 何度も頬杖をつくのが目立ちすぎ。

” want ” の弱点  はともかく、 指差し頬杖  は基本マナーに背く。

堀江氏は気づいていない模様。 

癖かもしれない。

しかし、「 キャラ 」 「 個性 」 で済まされる所作とは言えないだろう。

社会人として、 もったいない。

◇  一方、 ゴーン氏の聞き手としての態度は、 誠実で立派と感じる。

世界を舞台に長年活躍してきた、 トップマネジメント特有の物腰。

射る眼光が放つ荘厳さに加え、 底知れぬ静穏な佇まいが醸すオーラ。

多様性に日々揉まれ、 職務上 「 異文化理解力 」 を要求されてきた
ビジネスパーソンに共通する雰囲気。

経験上、 そんな気がする。

数々の無作法な言い回しにも、 気分を害する素振りを見せることなく、
集中力を維持したまま、 熱心に討議する姿が動画を通じて見て取れる。

英語力は言わずもがな、 体の構え( 姿勢 )の差異も際立っている。


※  ホリエモン風にやったら、 私なんかは  即刻クビ  になる


◆  「 英単語の丸暗記こそ、最強の英語勉強法 」

と公言する方々は、 応分の高い英語力を有する割には、
なぜか「 場違いな 」基礎表現を乱発するきらいがある。

40年以上に渡り、 幾多の学習法と学習者を見聞きしてきた感想。

なぜかしらん。   基礎なのに。   難しい単語もご存じなのに。

高度な語彙力の持ち主として推断すると、 異様なギャップに驚く
こともしばしば。

並外れて優秀な頭脳を加味すれば、 完全に不相応で怪奇なほど。

真剣に商談していた有用な人材が、 突然、 赤ちゃん言葉で
ばぶばぶ話し始める、 衝撃的な場面に立ち会うかのごとし。

「 英単語の丸暗記 」 に重点を置きすぎた方の陥りがちな陥穽
なのか、 堀江氏の英語を拝聴し、 ふと典型を見い出してしまう。

数ある著作で「 英単語の丸暗記 」の有効性を主張し続けるホリエモン。

確かに 「 英単語の丸暗記 」 は、 受験対策には効率がよく、 効果的。

◆  けれども、 実力が  中級 に達した後は、 めったに出会わない単語
を羅列する教本に執着せず、 リアルな英文に接することの方が大事。

市販の単語集で一生懸命勉強し、 どんなに語彙数を増やしても、

英文を読まねば、 無意味に近く、 紙上に兵を談ず。

仮に、 記憶術などを駆使して、 3万語を覚えることができたとする。

見上げた努力だが、 これだけで英語力が上がったと言えるだろうか。

とんだ勘違いであろうが、 こういう日本人学習者は相当数にのぼる。


文章を機械翻訳を使って外国語に置き換えていけば
意思疎通が可能だと思っている人が多いのですが、
これは間違いです。

機械翻訳は、言葉の置換はできても、
それがその文章に適切な表現なのかを判断することはできません。


「 間違いだらけの多言語サイトで危ぶまれる翻訳の未来 」
https://diamond.jp/articles/-/287089
2021年11月11日付

※  太字は引用者


こうした指摘同然の懸念が浮かぶ。

AI( 人工知能 )翻訳の品質評価で、 頻発している問題点。

世間一般には、 流布していない実態である。

【参照】   AI vs 通訳AI vs 翻訳

 


  主語抜きの邦文を機械英訳した失敗例

( 2023年 ビックカメラ なんば店 )


勝手に 「 幻覚 」 を生み出す怖さ

人間が翻訳していれば絶対に起こり得ない誤訳を、
生成型AIは確率論の名において平気で冒すことが出来る


「 AIが間違えるハズがない 」 は危険。
平気で嘘をつく生成型人工知能の限界
https://www.mag2.com/p/news/583243/3
2023年8月31日付


AIを過信する危うさは、 ” Vocal about – ”  で追究した。


◆  さらに、 具体例を挙げる。

以下、 ” vocal about – ”  より再掲。

2017年のサービス開始以来、 「 世界一高精度な翻訳ツール 」 と
自称する、 多言語翻訳サイトの 「 DeepL 」 ( ディープエル )。

本拠地はドイツ。

世に名声をとどろかせる AI翻訳 が仕出かした 「 重大な誤訳 」 をご紹介。

和訳の自己レビュー中の出来事。

英文を自分で和訳して作った日本語文書を、 DeepL で機械英訳して、
英語に戻す作業により、 自ら和訳の品質( 精度 )を点検していた。

原文は英語  →  和訳 ( 私 ) →  英訳 ( DeepL、下記の通り )

懲戒処分( disciplinary  action )の一環としての始末書関連の翻訳。

2022年7月21日実施。



画像の拡大

※  赤字の 「 ← 誤訳 」 は追加


赤い矢印は、 完全な誤訳で、 これはまずい。

意味があべこべ。

否定の形容詞  ” no ”  は余計。

No need  for a ” no ” here !

拡大してみる。



直下の 「 別の訳語一覧 」 は誤訳になっていないから、
なおさら妙な気がした。

どうしてこうなったのかは不詳。   不気味で怖い。

熟練の翻訳者は、 この手のミスはしない。

全体を見据えながら翻訳を進め、 完成前に異常値を阻止する。

同日すかさず、 DeepL で 類義の 「 自己の責めに帰する
を機械英訳。

次の英訳が現れ、 明らかな問題は見られなかった。

  •  attribute blame to oneself
    別の訳語一覧:
  •  take the blame for one’s own actions
  •  take the blame for one’s own faults
  •  take the blame for one’s own fault

「 DeepL Pro 」 の文言が示すように、 有料版である。

▲▲  再掲終わり  ▲▲

この  ” vocal about – ”  には、 その他の誤訳例もたっぷり掲載している。

( 実名入り、 図入り )

◇  語義が分かることと、的確に使いこなせることは、まったく別の話

 

日本語だって、 そうではないか。

私たちが普段おおよそ使わない、 日本語の難しい語彙をたくさん
知っている日本語学習者が、 実質的に使える日本語ができるとは限らない。

「 ちょいと眉唾物かも … 」 どことなく勘ぐりたくもなってくる。

外語ゆえんなのか、 こと英語に関しては、 さして思考し整理することなく、
ごっちゃにした末に、 単語一辺倒の風潮に色濃く染まっているのが悔しい。

長期に渡って、教材に取り組み続けると、「 勉強している 」 自己満足に
酔った挙句、 上辺だけの見せかけ英語に流れてしまう危険が待ち受ける。

やばくない ?

かるたみたいに、単語を並べるのみなら、それでよいかもしれない。

ニュアンスで使い分ける視点も理解力もなく、ほとんど暗記ゲーム。

真面目な日本人学習者にありがちなのは、 単語数を増やすほどに、
英語ができるようになると妄信し、 上級語の暗記に精を出す盲進。

お馴染みの勉強法だが、 思い通りに結実する中長期の展望は暗め。

それより、 「 使えない 」 自己満英語に向かって、 まっしぐら。

◇  語感の持つ重要性を知れば、闇雲に単語数を増やそうと思わない

 

なぜなら、 まともに使いきれない上級語を増やして悦に入るよりは、 皆
が使う基礎単語と 句動詞 phrasal verb ) を習得する方が、 実用に
即しており、 確実に通じるようだ、 と感知するから。

今覚えようとしている難しい単語、 ご自分で使う機会はありそうですか

日常語すら心許ないのに、 高難度の語に飛びついたところで、 まず使えない。

マニアックなものに手を出す前に、 誰もが使う単語と表現をきっちり固める。

日常会話さえできないのに、 ハイレベルの知識を詰め込んでいるのが日本人。

自ら使うに至らぬまま、 しゃかりきに習い理論武装を重ねる方が極めて多い。

高難度な単語を覚えることに精一杯で、 簡単な単語を使いこなす余裕がない。

会話なくして口を動かさない 「 英語の勉強 」 に満悦し、 時間を使い果たす。

勉学に専念し、 user になることなく、 English learner だけで一生を終える。

おかしな話だ。

 

読めればよいのなら、 必然の帰結として、 スピーキング実現から縁遠くなる。

もし、 自ら話せるようになりたければ、 考え方を改めなくてはならないかも。

もっとも、 受験・資格対策であれば、 割り切って覚えるしかないと考える。

◆  漠然と単語の意味が分かるぐらいでは、4技能( 聞く ・ 読む ・ 書く ・ 話す )
を万遍なく、 一定水準まで高める目的には程遠く、 的外れな注力となる。

はっきり申し上げると、 使い物になりそうもない、 偽の英語で終わる。

通じる英語から、 知らず知らずかけ離れていく、 几帳面で必死な勤勉さ。

痛ましい結果が、「 使える英語 」とは別物の、 自己満英語の出来上がり。

ご本人は 「 英語ができる 」と思い込んでいるから、 とてつもなく厄介。

言葉の使用場面を誤るとどうなるかは、 先ほどの映像が示唆してくれる。

誰しも使うような、 最重要かつ最頻出の基礎単語の誤用は避けたい。

限られた時間で学習する以上、 実際に使える英語を目指そう

勉強時間の使い方を間違えてはならない。

やるべきことの優先順位を間違えてはならない。

もったいない。

【参考】    ※  外部サイト

–  英検1級に必要な語彙数は、 英語ネイティブなら中学生未満

◆  いつ使うか予期できぬ字面をひたすら暗記するより、現に目の前
で取り上げている具体例から学ぶ方が、 殊の外、 気楽で飽きにくい。

英会話や英作文を通して、 自ら語彙を運用できれば、 なおよい。

「 語彙力 」は教養の土台を形作るが、 相手あってのコミュニケーション。

受け手の理解度及び反応に寄り添って、 語彙運用する心遣いが望ましい。

「 頭がいい人 」 「 できる人 」 と思われたいなんて、 もってのほか。

そもそも、場にそぐわない難解な言葉を用いても、本能的に反発されて、
心理的に 距離を置かれて しまうどころか、 そっぽを向かれるのがおち。

【参照】   ” perceive

衒学的な尊大さが、 鼻につくのだろう。

ましてや、 私たちはノンネイティブ ( 非英語母語話者 )。

ネイティブを英語力で打ち負かそうなどと、 思い上がらないことだ。

【参照】   ” Please advise. ”

◆  こう考えた私は、 「 生の英語 」に触れるよう、 多読・多聴に努めた。

ここで言う「 生の英語 」とは、 一般人の生活で多用される英語。

インターネットが普及した現在では、メルマガ  及び  インターネットラジオ
も存分に活用している。

便利な時代だ。

今の若者がうらやましい。

 

散歩 や 筋トレ では、 骨伝導ヘッドホン
耳が疲れにくく、おすすめ

( Shokz  OpenMove

 

古いスマホを再利用して、 浴室でも リスニング

 

のんびりごろごろ、 長続き

 

室内で揺らめき、 ひらめくぶらんこ

  別稿 「 単語の覚え方 」 より

◆  「 単語力か、多読か 」は、 英語学習の不朽不滅の論点。

1980~90年代、 本気の英語学習者の一部に知られていたのが、
渡部昇一 ( 1930-2017 ) と  松本道弘( 1940-2022 ) の論争。

英語学者として 「 単語力 」 を強調する渡部教授に対し、 一貫
して 「 多読 」「 速読 」 を力説する、 通訳者の松本氏に私淑
していた若かりし頃の私は、 氏の説く手法をやんわり踏襲した。

松本氏の初期の著作、 ことさら  『 私はこうして英語を学んだ 』、
速読の英語 』、  『 「タイム」を読む 』、  『 「FEN」を聴く 』、
速聴の英語 』 は、 むさぼるように何度も読んだ。

そして、 毎日、 愚直に実行した。

※  いずれも旧版、  80年代頃の松本作品は良質だった

1975年刊の 『 GiveとGet 』 は、 何べんも反復して読み返し、
サイデンステッカー( 1921-2007 )との共編 『 日米口語辞典 』
の 「 増補改訂版 」 は頭に叩き込んだ。( 「 決定版 」は 2021年刊 )

◆  「 単語力 」 以上に 「 多読 」 を優先してきて、 大正解。

分からない単語に   いちいち気を揉む代わりに、
力量に見合った  英文を  大量に  読み込む心構え。


単語の暗記・単語帳の作成 よりは、 英文を読む時間 を重んじた。

不明部分に拘泥しなくても、 決定的な支障が出ない読み方を会得した

試験には通用しがたいかもしれないが、 これぞ自然な「 読書 」に似通う。

常日頃、多くの人は母語で活字を楽しむ時、 無意識にこうしているだろう。

外語は勝手が違うとはいえ、 力がついてくると、 母語の読書に近づく。

文脈・用例から意味を推理し、 かれこれ読み取っていく読解力の発露

一部抜粋されると誤読・誤訳してしまう晦渋な英文であっても、 文脈
に沿ってだいたい読めていれば、 すらすら読み解けていたりするもの。

試験並みの厳しく丁寧な吟味がなくとも、 一応 「 読書 」できている。

読めるようになってくると、 英文法のあれこれに気を取られなくなる

文法は大事であるが、 英語が使えるようになると、 意識から遠のく感。

母語を気兼ねなく行使する際、 文法を念頭に置かない状況に似てくる。

以前みたいに、 文法のために中断を強いられ、 頭を抱える時間が減る。

文法の煩雑さが低減していく手応えは、 英語力増進の物差しとなりうる。

目にした瞬間、 脳天に一撃を食らわす、 あの猛烈な英語アレルギー。

英文に見慣れれば、 そんな心理的障壁も薄れ、 心地よくなってくる。

辞書を通読する気力があるなら、 多読に充てる方がベターと感じる。

◆  しんどい一因は、 他人が集めた 片言隻語 ばかりに向き合っているから。

多読・多聴で学んだためか、「 よく我慢できるな …  」 と生真面目さに心底感心。

身近にあふれる面白い英文を無下にして、単語集に没頭する理由がどうにも不可解。

無気根者の私は、 ” No need  for  much  secondhand  info ! ”  と激しく思う。

暗記中心で、 英語の実力が本当に伸び続けるなら、 無論こうは言わない。

実は「 受け身 」的な、つらい苦行。    無味乾燥で、つまらなくて当然。

いつまでも既存の単語集・表現集に依存せずに、 早々切り上げて、

得意分野の英文を がんがん読もう


そっちの方が、 変化に富み、 きっと無理なく続く。

少なくとも、市販の教材にしがみつくより、「 自信 」がつくぞ !!  

「 案外、読めるぞ。  なんか、いけるかも …  」  芽生えが始まる。

これまでの積み重ねの成果を目の当たりにして、 バイリンガルの
仲間入りする自覚が高まり、 苦労が報われた実感で胸がときめく。

能力と相性に沿う英文を選ぶことが、 なによりも大切で、 成否を決す。

なんとなく、 心身の調子が上向く程度の難易度がちょうどよい。

もし、 ストレスがたまるなら、 まだまだ難しすぎるため、 選び直す。

辞書を引かなくても、充分読めるレベル 」 からスタートしてみる。

ご自身と相談しながら、 難易度  及び  ペース  を上げ下げしつつ調整。

こうすれば、中級者は、能動的に働きかける学習態度を養うことができる。



◆  インターネットが普及した現代は、 自分に適した英語を自由自在に選べる。

それ以前の日本社会では、 英語に接するまでに、 手間暇・コストを要した。

英語のケーブル放送を目当てに、 都内のホテルにて自主合宿したもんだ。

自宅では、 高価な 短波ラジオ で、 ノイズにめげずに国際放送を受信していた。

2か国語放送は1980年代、 BS・CSは90年代より徐々に家庭に浸透していった。

英字新聞・雑誌を 定期購読 し、 海外発送分は「 国際郵便為替 」で毎年送金。

やっとこさ手にした大抵の雑誌は  ” cover-to-cover ”  で舐めるように読んだ。

なにかにつけ、 あれやこれやと費用がかさんだ。

選択肢が手薄い当時は、 しくじると浪費に直結したので慎重だった。

一般個人は、 こうもしないと、 生の英語までたどり着けなかった。

◆  勇気を奮って、「 補助輪 」 を取り外し、 思い切りペダルを漕ぐべし !

教材づくめの学習法には、 それほど期待できない濃厚な目覚め。

この喜びは、原文を読みこなして、 味わっていただくしかない。

英文の場数を踏むと「 弾みがつく 」現象は、やってみれば分かる。

素材さえ合っていれば、 中級者は着実に進歩し、 自信がぐっと高まる。

あらぬ方向に突き進んで、 自滅してしまう可能性は低い。

この安定感こそ、 初学者とは 一線を画す、 実力者の本領なのだ。

教材相手では到達困難な領域を自ら開発し、 独自に展開していく興奮よ。

自発的・内発的な動機の底力と、 自主的な行動力の効き目はすさまじい。

早めに 原文に 着手しましょう

 


◆  一般的な日本人の生活環境を考慮すると、 インターネットなどで英文を読む
ことこそ、「 英語を使う 」 ことに接近するための手軽で手近な手段と考える。

市販教材は、 部分的に抜き出した抄出素材ゆえに、 真の読解力を体得できず。

著作権の問題があり、 欲しい題材を安易に取り込むことはできないのである。

そこまで関心のない過去の話題中心なので、 好奇心も湧かず、 退屈な勉強に。

紙幅に制限がある中、 学習者の役に立ちそうな内容に焦点を絞り、 出版側の
都合及び執筆者の能力範囲という制約内で説明を加えるのが、 学習教材の主流。

編集者・監修者・出版社など、 大勢のフィルターを通した学習となっている。

それが教材学習の本質であり、 知るや知らずや、 他人に多分に依存する仕様。

かっちり骨組みを決められ、 がっちり主導権を握られていることに気づくべし。

良心的な教材であるほど、 学習者の引っかかりやすい箇所をあぶり出してくれる。

その反面、 弱点を補完する意図の本ばかり読んでいると、 全体から文意を主体的
につかみとる読解力は育ちそびれ、 解説なしでは気が臆し、 もろくもくじける。

理屈が通りにくい、恣意的・気分的要素を踏まえ、 解き明かすことはややこしい。

その解説が妥当であればまだしも、 言語の世界は一筋縄ではいかないことが多い。

あらゆる角度から分析した達意平明の教材よりは、 粗製濫造じみた傾向がある。

高い素養を積んだ外国人学者の説ですら、 異議を挟みたくなる記述が散見される。

Could you update  – ?  ”  の後半にて、 ネイティブ学者の説に反証してみた。

vocal about – ”  では、 「 日本の第一人者 」 の 杜撰な論考に反駁してみた。
※  後述

その辺の教材に付き合うくらいなら、 心より読みたい素材の方が幸せをもたらす。

 

加えて、 自力でいけるかどうか、ざっと相対的に判別していく貴重な経験を放棄。

資源と所要時間を見積る能力が、 段取りと産物をいかに決するかは身に染みる話。

それどころか、 依存的体質が染みついてしまい、 いつまでたっても自立できない。

ずるずる他人に頼ると、 こうなる。

下手すると、 心は 「 万年受験生 」 ( 後述 )。

正否の 線引き を厳格に定める本に執心すると、 通じる英語の枠組みを設けづらい。

理論と運用が秩序立たない用途も数多く、 時に白黒つけがたく泥臭いのが、 実用。

初級なら指導者の手引きに従うべきだが、 中級以降はもっと能動的になってよい

お膳立てを整えてもらうのでなく、 切望するスキルを突き止め、狩りに行く心意気。

これから記すが、 リスニング教材も単語帳も、 自分で作ってしまえばいいのでは。

いろいろ手を打って、 うきうきする教材を自前で用意すれば、 退屈とは無縁になる。

私はそうした。

 

自分で作れば 自信 喜び が湧く

【参考】    ※  外部サイト

–  コミュニケーションと違い、 リーディングは自学自習できる

 

中級者なら、 主導権を奪われるな

 


初級者だった昔と違って、 なんとなく気乗りしなくなってきている …

教材選びに失敗するとこうなる。  

慢性的に 「 退屈している 」 危ない状況を自覚できていない人たち。

一途に市販教材に取り組む 「 勤勉さ 」 が及ぼす危険の典型である。


「 自分の世界 」 が広がる英語  より

◆  YouTubeの コメント や商品 レビュー( アマゾンなど )も、
一般ユーザーが気軽に発した生の英語に触れるチャンス。

お手元に英語素材がなければ、 手始めに コメントとレビューから
取り掛かるとよい。

玉石混交といえど、 楽しい教材となる。

旧来の新聞・雑誌の読者欄は言うまでもない。

なにしろ、 投稿者の感情がほとばしり、 エネルギーが充満する。

コメント回り 」と称し、 めぼしい日英表現を 語彙採集 し、

営々と単語帳 に登録するのが、 永年の私の日課である。


◆  世界中の英語学習者に対して発信される、 本場発の講義動画も絶賛推奨する。

一例として、 ” Oxford Online English ”  を  ” integrity ”  でご案内している。

お気に入りの作家・映画の作品をリピートする習慣 も、 ぜひ取り入れておこう。

しっくりくる素材を元手にして、 丈夫な柱を埋め込む大人の勉強法は後述する。

オーディオブック は名実ともに充実しており、 作家自らが朗読する作品も豊富。

誰もが知っている俳優が、 何時間もかけて自著を朗読していたりするから驚く。

ナレーターとは違う個性が丸出しで、 出演映画以上に気合が入っていたりする。

気になる人物の自伝朗読は、 うれしさにわくわくして、眠れないほど胸が躍る。

憧れの人に個人教授されているつもりで、 一言一句を吸収し、 真似てしまおう。

◆  著作権切れの  ” pubic domain ”  にある創作物の朗読は、 基本的に無料。

https://tunein.com/audiobooks/

【参照】  「 TuneIn Radio 」 で英語リスニング、  ” public domain

YouTube でも、 英語作品の朗読を提供するチャンネルはごろごろしている。

https://www.youtube.com/results?search_query=read+story+in+english

気に入った作品を録音し、 自習用のリスニング教材を 「 自作 」 してしまえ。

【参照】  自習教材を自作するために使っている道具

◆  セレブらの追っかけ ( 記事・動画・書籍 ) は、 私には非常に効果があった。

大昔の情報も映像も、 インターネットで探せば、 独力で仕入れられる幸せよ。

40年以上前、 紙面に見入り、 想像をたくましくして、 そっと思い浮かべた
光景の動画を、 今や検索するだけで難なく探し出せ、 自宅でゆっくり楽しめる。

果てしなく続いた夢が、  幾星霜を経て一飛びに叶い、  感謝感激をかみしめる。

あぁ、 生きててよかったな …

情景を味わい尽くそうと、 じろじろ見つめ、 躍起になって反すうし胸に刻む。

唾液飛ばして舌を動かし、 幼児みたいに声を出し、 きゃっきゃっと真似っこ。

画面越しに食らいつく。

気に入った作品は執拗に反復し、 暗唱するまで仕上げると、 堅固な支柱が立つ。

得意な分野に集中して、  英語の柱を立て並べながら、  基盤を踏み固めていく。

中級の大人は、 大好きな方面の英語をとっかかりにする方が、 楽に成長できる

子どもと違い、 自分の素質に合う分野はどの辺か、 ある程度は目星がつくはず。

いかにも教科書的な進捗よりは、 得意分野から足場を固める方がスムーズに捗る。

外堀を埋めるのではなく、 造詣が深い専門の牙城に直に切り込む方が実は楽ちん。

英語力は不十分でも、 動機が盤石、 なぜだか話の流れは分かり、 継続しやすい。

英語から遠ざかる隠れた原因は、 砂をかむ教材で、 げんなりと意気阻喪するから。

何十年も生きてきた大人が、 学生向けの素材で勉強し続けるのは大儀でならんわ。

 

◆  よほど惚れ込んだ対象となれば、 専用の 単語帳 を作り、 着々とひそみに倣う。


これ1本で、 YouTubeなどの動画と音声をダウンロードし、 保存できる。

動画のURLを入力( コピペ )して、 提示された複数のファイル形式から
希望を選べば、
あとは内蔵の動画ダウンローダが保存先にダウンロード。

動画の音声のみのダウンロード・保存も楽々できる。

私的利用目的の範囲内で、 「 自習教材 」 を好き放題に作れて楽しい。

自ら取捨選択し編成した素材なので、 市販教材よりも引きつけられる。

MP3で保存した動画音声を、 移動時間などに年がら年中聞いている。

殊に、 リスニング ・ 書き取り ・ 語彙採集 ・ 発音訓練  に有益。

直感的に操作でき、 数百のファイル形式に、 ワンタッチで高速変換。

( 中略 )

音声を聞く iOS アプリは、 2009年から上掲  GoodReader  を使う。



辞書の 「 自炊 」 と辞書アプリ  より

  自習教材を自作するために使っている道具を記述


1990年代までは、 ラジオは主にラジカセで録音していた。

映画は、 ビデオデッキから、 オーディオケーブル1本で音声出力。

VHSからカセットテープに音声入力し、 ウォークマンで音声再生。

インターネット普及後に振り返ると、 なんだか冗談めいた話だが、

私にとっては、 なんの変哲もない学習習慣で、 久しく定着していた。



◆  あまり大きな声で言えないが、 40年以上、 物真似して生きてきたためか、

ひいきのネイティブ多数に、 お口の中に住んでもらっている感覚。

「 暗唱するまで仕上げる 」 と、 肌身離さずどころか、  24/7、 同居状態。

語学目的なので性別不問、 日毎夜毎、 うじゃうじゃ外国人と痛快に過ごす。

うっとりとした夢現の境を漂いつつ、 英語に揉まれて、 夢見心地の暮らし。

こうなると、 否定感情がまとわりつく隙はなく、 すがすがしくて常時快適。

これこそ外国語学習の醍醐味で、 頭の中に 「 別世界 」 を心任せに作れる。

英語好きな人に幸せそうな人が多いのは、 多重の場をこさえているからかも。

” What’s the use of – ? ” 、  「 Gmail 」で作る単語帳 、 ” integrity ”  で
詳らかにした。




これから述べるが、 個人的体験より思うに、

初学者・初級者 の段階で、 漫然と聞き流しても無意味に近いが、

中級以上になれば、 好みの音声を空で言えるほど繰り返すとリズムが高まる。

好きなインタビュー映像や オーディオブック を、 丸ごと脳に焼きつける意気込み。

◆  空読みできるくらい、 読んだり聞いたりしている作品の一つは、


映画の舞台裏や人間模様を  ブルック本人が  13時間かけて 語ってくれる

” There Was a Little Girl : The Real Story of My Mother and Me ”
Dutton  (2014).    Narrated by : Brooke Shields

Audible    CD    Kindle    ハードカバー    ペーパーバック



絶世の美少女が、 元美人とみなされ、 大学卒業後は仕事に恵まれず、 苦節十年。


I don’t think I’m good,  I know I am.

Hollywood doesn’t take me seriously – yet.

( 自分が優秀だと思っているのでなく、 優秀だと知っている。
まだ、 ハリウッドが私を真剣に考えてくれていないだけ。)

1991年 7月 ( 26歳 )


発展に貢献した業界から冷酷非情に突き放され、誹謗され、物笑いになり、 重度
のアルコール依存症に明け暮れた母 ( 兼マネージャー ) とは仕事上は決別後も、
認知症で他界するまで面倒を見た愛憎のホラー話を、 ユーモア交じりで物語る。



プリティ・ベビー 』  ” Pretty Baby ”
米 1978年 ( ルイ・マル 監督 )


少女時代( 1978年 ) –  同年公開 『 プリティ・ベビー 』 ( ルイ・マル 監督 )


  この映画の 児童ポルノ ( child porn  /  child pornography  /  CP )

の該非は、 今なお、 かまびすしい論議の的

【音節】  porn (1音節)

【音節】  por-no (2音節)
【音節】  por-nog-ra-phy (4音節)

 

  2023年1月の サンダンス映画祭 で、 ドキュメンタリー映画が上演された。

Pretty Baby :  Brooke Shields ” ( 全長 2時間16分 )
https://festival.sundance.org/program/film/638a193ad406b28cf1f2d067

上記ドキュメンタリー映画のひとこまで、 昔、
ハリウッド関係者に暴行されたと打ち明ける。

https://www.thedailybeast.com/brooke-shields-reveals-rape-by-hollywood-insider-in-sundance-doc
2023年1月20日付
https://apnews.com/article/brooke-shields-pretty-baby-documentary-1069e5d156b276b5f3fcb62291719bdb
https://mainichi.jp/articles/20230121/k00/00m/030/309000c?dicbo=v2-f5c7cae3b43b68d54e573d4392353be8
2023年1月21日付


大卒後の10年は、 屈辱的な扱いまみれだったと、 数多くの動画で回顧している。

成人後、 容姿が変貌し、 見向きもされなくなったと語り、 胸が締めつけられる。

90年代前半、このまま消えそうな彼女の低迷期を、リアルタイムで私は見ていた。

目を覆いたくなる残酷な仕打ちで、 節度なき侮辱を浴びせられ、 悲痛を極めた。

不調時も、日本からはお呼びがかかり、ダイエット系を含むいくつかのCMに出演。

ほぼ唯一の セミヌード集 ( 1993年刊 ) を日本で出したのも、 まさにこの頃。


Japan was still a world that wanted me.

( 日本はまだ、私を必要としてくれる世界だったのです。)

There Was a Little Girl : The Real Story of My Mother and Me
第12章

ハードカバー  p. 235.

 ” want ”  に着目

(  本稿末尾で和訳を分析 

褒めそやした若い女性を、 掌を返して公然と地獄に落とすマスメディアの不義理。

” the cruelty of Hollywood “、 ” an industry that has no loyalty whatsoever ”
” based on rejection ”  などと 告白 し、 随分と憂き目に遭ったと推察がつく。

美少女時代に、 世界中のメディアに過度に露出した代償なのか、 有名税 なのか。

物心ついて以来、 昼も夜も酒に浸る最愛の母親との 共依存、 世間の誤解と猛攻。

これほど苛酷な試練の連続に耐えうる人はいない、と叫びたくなるほどひどすぎた。

見るに忍びない痛々しさに、 ひっそり引退される方が幸福なのでは … と私は切願。

かつての居場所から門前払いされまくった、 ブルック・シールズ の吐露する 教訓



Go where the water is warm.

( 歓迎してくれるところへ行け。)


One door gets slammed in my face

and I search for another.

( 門前払いを食らったら、 次の道を探します。)


If one window closes,

run to the next window

– or break down a door.

( もし窓が閉まったら、 次の窓に向かうか、 ドアを押し破れ。)

2006年 3月 ( 40歳 )



その後、数十年かけて、キャリアを再構築し浮上、 米国では再評価されている。

映画・ファッション界から、 テレビ・舞台に活動の場を変えて努力し成功した。

もてはやされていた最盛期には反感を食らった、 同世代女子の支持までゲット。

起伏に富む半生から繰り出す話は、 洞察力がずば抜けており、 眼差しが温かい。

凄惨な修羅場を駆け抜けた人間が湛える、 和やかで吸い寄せられるような魅力。

引退のよぎった暗雲が晴れて、 ひとしお感慨無量、 復活を遂げてあっぱれ。

徳仁天皇陛下が、 ブルック ( 1965- ) の大ファンだったことは有名な話。


They didn’t look pretty,  but they fit.

( 格好よくなかったけど、 とりあえず履けたわ。)


on successfully ” pouring ”  herself into her old Calvin Klein jeans

( 昔の カルバン・クラインのジーンズ に、 無事 「 詰め込み 」 成功  )

2010年 9月 ( 45歳 )



It makes me happy that Brooke has definitely stood  the test of time.

プリンストン大学  を優等で卒業した彼女の表現力と語彙力には定評がある。

不妊と産後うつの克服を記録した 前著 ( 2005年刊 ) はベストセラーに。

オーディオでも入手でき、 中級の力があれば、 両書籍の読み・聞きは可能。

巧みな朗読で、 女優業より適性があるのでは、 と意地悪を吹っかけたいほど。

既記の「 出演映画以上に気合が入っていたりする 」の類型に当てはまるかも。

申し分のない出来映えなので、 ご興味あればお手に取っていただければ幸い。


厚かましくも、 私の「 家庭教師 」と仮想し、 長らくお世話になっている。

Brooke 先生の使った単語やフレーズは、 全部自ら使えるよう努めている。

無論、 彼女専用の 単語帳 を作成しており、 倦まずたゆまずエントリー。

秀でた表現力と語彙力は、少女期から顕著に発現していたので、栴檀双葉 だろう。

今なら法に抵触する際どい質問の鋭鋒を、器用にかわす未成年時の腕は見もの。

They kept asking her why she didn’t do the nude/love scenes herself.

(  YouTube 動画 :  例1例2例3

40年以上、 ありがたくもファンでいられたおかげで、 英語が身につきました。

もとよりルックスに惹かれたというより、 ブルックの発する英語を追いかけてきた。

英語の 「 家庭教師 」 として、 とても理想的な人選だったことが、 今では分かる。

彼女の口唇と舌は、 発音( 調音 )時に派手に躍動し、 舌運びが観察しやすい。

th ”  の  ð ( 有声 )も  θ( 無声 )も、  べろんと舌を突き出して発話する。

舌の存在を疑うくらい、 一切見えない話者も多いので、 「 見え具合 」 が絶妙

対面と違って失礼はないため、 口元を食い入るように見つめ、 学び取っていく。

口周りこそ、 舌・唇・歯・呼吸間の相互作用が奏でる、 発音の生産現場だから。

【参照】  ð・θ とも、舌先と上前歯で隙間を作る  →  ” smooth out ” ( 図入り )


◆  職業柄、 ベロが発音を決めることを熟知するためか、 真っ先に口元に目が行く。

平板で、 均一なリズムの日本語を母語にする私たちは、 普段は舌運びを意識せず。

日本語を話す場合、 舌・唇・歯・呼吸の相互作用は小さく、 顎も大きく動かない。

見本にする英語の先生を選ぶ際は、 ベロ出しの有無が目のつけ所のひとつとなる。

そういえば、 彼女の優れた見目形は二の次で、 よく動く唇ばかり凝視してきた。


ネイティブの英語が聞き取れない主要因は、 発音などが

「  速すぎるから  」 と思い込んでいる日本人は極めて多い。

けれども、 決して   速度だけの 問題ではない

これまで見てきた、  日英の音言語習慣音節構造  

の恐るべき乖離から、 ご理解いただけるのではないだろうか。

日本語は 「 声の音 」、 英語は 「 息の音 」 と呼ばれる。

口を開いてものを言う 「 発話 」( utterance ) と、 出てくる
音声 」 の両方の構造が、 この上ない度合いで相違する。

日英の「 舌・唇・歯・呼吸間の相互作用 」 は極端に離れている。

口周りどころか、 音声器官の動きが違うと言っても過言ではない。

声帯・喉頭・咽頭・鼻腔・肺・気管・顎・口蓋も、 もれなく関与。

それこそ口の中に手を突っ込み、 プロが矯正するくらいでないと。

従来の学校教育でカバーできるわけないことに、 すぐさま感づく。

英語の不得手な日本人が大多数を占める一因も、 すんなり知れる。

「 発音 」 だけで判断するのは、 とてつもなく危険で浅学すぎる。

根底からして異質な言語がお安く口から出るって、 結構なホラー話。

適切な訓練なくして、 現実的にはあり得ないことに気づきましょう。


integrity  より


ブルックの英語を幼児みたいに真似して、 プロの通訳者・翻訳者になれました。

語学の基本は「 真似 」 と、 弊サイトでしつこいまでに言い続ける近因である。

もちろん、 代表映画の台本・台詞( scripts ) は、 全編暗唱しています

1980年代初頭の公開時から、 軒並み「 駄作 」と唾棄されてきた映画数点が、
40年以上の時を経ても忘却されず、 一転して好評価されており、 複雑な気分。


【参考】    ※  YouTube ( 全長 8分48秒 )


Michael Jackson Memorial – Brooke Shields Tribute
( マイケル・ジャクソン追悼式  –  ブルック・シールズの弔辞 )

https://www.youtube.com/watch?v=2pxjujsW0v0

2009年7月7日  LIVE ( 生放送 )
この映像のように真正面からでは、 舌の動きは見えにくい。
演壇に降り注ぐ目眩ましの照明 ( professional lighting ) の効果も
両々相俟って、 ご本人は艶やかに映る反面、 ベロ出しは全然見えない。
学習者としては、 斜め前または横のアングルからでないと困るのだが、
舌の出し入れに注視できるように撮影していないから、 しかたがない。


【 英文トランスクリプト ( 台本 )】
https://amagazinecalledlove.blogspot.com/2009/07/brooke-shields-eulogy-of-michael-jackson.html
http://kyonenglish.blog98.fc2.com/blog-entry-1125.html
https://transcripts.cnn.com/show/ec/date/2009-07-07/segment/02
↑  最後の公式版はニュースの台本なので抄録。 公式版の全文は見当たらなかった。



◆  YouTube などの動画からは、 低コストでたんまり学べる。
舌・唇・歯・呼吸間の相互作用が分かりやすい、 口周りの運動が大振りな
英語ネイティブの発信者は、 知名度・老若男女
を問わず、 わんさといる。
  若手の YouTuber であれば、 例えば、 こちらのお方の動画。
※  カナダ人女性  Joce Bedard ( 1992- )、   既出 … 上掲 「 パパ活 」 参照

■  独立前の別チャンネルは、 ” Sassy ”
https://www.youtube.com/c/Sassyofficial

2021年2月23日  ~  2022年3月3日  終了  →  独立
※  疾風怒濤のトークで、  聞き取りの難易度は高め
既存動画を紹介し、 感想を表現する 「 リアクション動画 」 が主題。

【発音】  ri(ː)ǽkʃən
【音節】  re-ac-tion  (3音節)
芝居も演じるらしく、 プロの発声訓練を経てきていると推し量れる。
学生時代はダンス選手だったので、 ノリノリで踊る艶姿が異彩を放つ。
(  YouTube  ショート動画 : 例1例2例3例4例5例6例7
例8例9

自動生成 ( auto-generated ) の英文トランスクリプトも、 かなり
正確に反映されている。
【発音】  trǽnskript
【音節】  tran-script  (2音節)


聞き取った英語を英文に書き起こし、 スクリプトを見て答え合わせする。
書き取り訓練 ( dictationpractice ) である。

手っ取り早くでき、 リスニングと口述筆記力の即効・卓効が期待できる。


その場で正誤が分かるので、 軽妙なテンポがクイズめいてて小気味よい。

自ら課す抜き打ちテスト( popquiz ) として、 毎日数行はやっている。

スクリプト の時刻をクリックすると、 その時点まで動画が一挙に飛ぶ。

スクリプト を全選択し検索かけると、 望む表現がどんぴしゃで現れる。

Joce の口と画面に視線を往復させ、 声を合わせて音読すると特効がある。

  字幕 ( subtitles ) とは別個の YouTube の機能 ( 2021年開始 ~ )



  パソコン
  iPad

  パソコン、 タブレット 共通

…  前出  ” sugar daddy ” ( 援交パパ、 パパ活 ) 動画  より

氏名などの固有名詞を除けば、 発言の97%以上は再現されている感触。
早口すぎて聞き取れない時は、 なんて言ったかその場で確認でき重宝。

語り口の特徴は、 句動詞phrasal verb )の多用で、 ネイティブが
しきりに口にする割に、 学習者には馴染みのないフレーズが目立つ。

中級学習者なら既習の基本単語中心で、 難しい単語が出ない点も推し。

ご本人自ら、 難しい言葉 ( big words )は使わないと ぼやいている

関連記事を画面に映し、 読み上げてくれるので、 包括的に役立つ。

毎日更新 ( 平均14分間 )・ 経歴 ・ 人生観 ・ お人柄・ 勤勉さ ・
声質 ( やや高め )・ ユーモアの質量 ・ コンテンツの面白さが
心地よく、 日々勉強させていただいている。

大げさに感ずるしぐさが煩わしい時もあるが、 舌運び に集中しつつ、
上下左右に伸び縮みする口元を見つめていれば、 気にならなくなる。

この度合いの激動は、 日本語を話す際には、 見られないと言ってよい。

日英の音言語習慣音節構造 ジェスチャーの大差が垣間見れる。

ゴムのように伸縮自在の口唇から放たれる、 抑揚満載の口調がたまらん。

とりわけ、 有声 [b] [m]、 無声 [p]  の子音で始まる単語を発音する口元。

  •  破裂音  plosive  /b/
  •  鼻音  nasal  /m/
  •  破裂音  plosive  /p/

3つとも 「 両唇音 」( bilabial ) で、 上唇と下唇が強めに接触。

両唇を勢いよく口中に巻き込み、 直後にぷっと一息で突き出す。

これほど分かりやすい動きを示す英語話者を私は見たことない。

口唇と舌の激しい動作にしびれ、 毎度うっとり見とれてしまう。

音声を消して、 口周りを凝視すると、 日本語にはない動きを見て取れる。

外国人の仰々しい表情とジェスチャー( 身振り )に見慣れる上でも役立つ。

頭の回転が速く、 語りは猛スピードであるが、 中級者 であればいける

表現力も豊かゆえ、 彼女専用の「 単語帳 」 を2022年より作成している。

画面にしがみつき、 オウム返しを繰り返し、 「 単語帳 」 に即日登録。

→  Joce の  頻出表現

恐れ多くも家庭教師と思い做し、 Brooke 先生と等しく、 Joce 先生の
使った単語とフレーズを首尾よく使えるよう、 精一杯打ち込んでいる。

Joce 先生からは、 句動詞・寸言・成句 を中心に、 毎日平均6つを 採集中。

コメント欄も盛り上がり、  実人生に基づく 「 生の英語 」 がてんこ盛り。

タブー表現以外は、 さっそく真似して、 しれっと自分で使ってしまう。

以下、 ” This is not the case. ”  より再掲。


語学の基本は 「 真似 」 だから、 幼児のように無邪気に真似る。

昨日学んだばかりでも、 今日のメールに忍び込ませたりする。

日常に即刻ぶち込む


せっかく学んだ表現、 高揚感が冷める前に、 ちゃっかりと起用。

使い道を作り出し、 速やかに実行して、 一気に脳に焼き付ける。

こうすれば、 自律性・能動性を保ちながら、 ずんずん学習が進む。

どんどん使ってやれば、 新入りも喜び、 ちゃんと定着してくれる。

日常にそんな機会はない

そう、 だから英語ができない。

ぶち込む機会が平素になければ、 オンライン英会話などで作り出す。

※  「 ネイティブキャンプ 」 と 「 レアジョブ 」 を推す

( 2024年4月 現在 )

趣味を含むライフスタイルを、 可能な範囲で2か国語環境に改造する。

「 英語でなんて言うんだ 」 と調べ、 好きな領域をバイリンガルに。

機会ゼロだと便便だらり身につかず、 英語はできるようにならない。

相性のよさそうな

発信者や番組を見つけて、

がっつり食らいつく。

 

  日本人学習者を主たる顧客と想定した素材は、

長期的にはあまり望ましくないと私は考える。

中級学習者  が潜在能力を引き出し上達するには、

日本人相手ではない番組を中核に据える方が名手。

【 主な理由3つ 】

日本語母語話者向けに、 ほどよく加減され、

念入りに作り込まれた印象を受ける番組が多い。

登録者を増やすためか、 販売促進のためか、

どうしても視聴者におもねる調整が欠かせない。

理由は3つのデメリット。

(1) 漫然と視聴しただけで、 会得したと勘違いし、 英語学習した自己満足に陥りがち

(2) 自分の頭や口を動かさずに時間を使い切り、 成長しそびれているのに気づけない

(3) 手入れ後の日本人受けする英語なので、 そう自然ではない状態の英語が目立つ

一般向けの素材に慣れ親しんできた学習者であれば、

割合すぐ見透かせると思う。

 

さしあたり、

発音記号や音節を考えずに、 興味本位でじっと眺めてみる。

画面を戻して、 とことん観察 ( rewind and rewatch )。

必要に応じて、 コマ送りにする。

▼ TH

▼ F

▼ L


▲  焼肉しゃぶっているよう

日本語を話す時、 このようになりますか。

一瞬たりともないと思います。

なぜなら、 日本語の発音には不用な動きだからです。


Joce’s YouTube “  より


Joce Bedardカナダ人女性    先述の推しの YouTuber

◆  「 似て非なるもの 」 の区別を認識しないと、 悲惨な学びを招く。

詐欺 まがいの英語教材も然りで、 昔から出ては消えての繰り返し。

好例は、「 文法不要 」 「 カタカナで学ぶ 」 「 聞き流すだけ 」。

お口で うんこ の教材、 と私は密かに銘打っている。

文法無視で丸暗記する 「 九官鳥 」 「 インコ 」 系が殊に人気。

原理を理解せずに暗唱しているだけだから、 「 九官鳥 」 寄り。

旅行者向けだったら、 「 うんこ 」 でも 「 インコ 」 でもよい。

正確な文法解説には、 日英の文法に精通する高い学力 を要するため、
ネイティブ音声を吹き込んだ素材を売る方が、 手間いらずなのです。

「 文法不要 」 の背景には、 両言語の学識が浅すぎる事情がからむ。

日本語と英語の文法を、 ろくすっぽ知らないために、「 文法不要 」。

真っ当な商材で勝負せんとして、 精進されなかったのだろうか。

以下、 「 英語を使う仕事に変えるべきか 」 より再掲。


日本人が書く英語教育系のメルマガを、 私は多数購読している。

取り上げる表現及び説明により、 発信者の英語力は推量可能。

めったに使われない英語表現が、 頻繁に記載されていれば、
ご自身の実生活で、 英語は疎遠であることが明らかになる。

おそらく、 和英辞典などから抜き出したのだろう。

自ら使いこなしてきていないから識別できない。

上っ面をなすったありきたりの解説からも分かる。

失敗に基づく実例や具体的用法は望むべくもない。

いわば コピペ 依存であり、 浅知恵が露見する。

英語ができるふりを装っても、 結局ばれるわけだ。

いつも英語を使っていれば、 こんな見様に行き着かない様態。

真っ当な発信者を探す方が難しい感で、 もう 詐欺師 だらけ。

詐欺師呼ばわりは失敬だが、 見分けのつかない学習者に、
器量不足の者が企画した商材を売りつけるのは許せない。



◆  自分の口を動かさずに、 耳で聞き流すだけでペラペラなんて、

口から排便するようなもの。

×  お口で うんこ

 

たぶん 無理です。

にもかかわらず、 大枚をはたき、 時間を投じる人が後を絶たない。

お口で うんこ したがる日本人学習者が、実に多い模様。

どうも正気の沙汰とは思えない。



◆  不自然な英語学習法は、 見る人が見れば、 即座に見抜いたりする。

たとえ見破っても、 見透かしたことは、 おくびにも出さない。

お見通しでも、 黙っている。

わざわざリスクを冒して、 他人の流儀に口を挟んだりしないのが大人。

【参照】   ” hiatus “、 英語を使う仕事に変えるべきか


何十年も延々と、 漢字ドリルだけを 一心不乱に解きまくる日本語学習者
をもし見かけたら、 日本語母語話者として、 どのような気持ちになるか

そうやって、日本語が身につきにくいことは、我々ネイティブには感じ取れる。

思わず 「 ちょっと違うよ 」 と、 くるりと方向を変えて差し上げたくもなる。

無駄骨を折る結末を予想し、 見るに見かねて 口出し するのも、 これまた大人。

教材まみれで英語を継続している私たちの様子も、 大して変わらないのでは。

日本語に置き換えて眺めると、 えらく常識外れで噴飯物のおかしさを大発見。

「 聞き流すだけで、 日本語ペラペラ 」
「 文法不要で、 日本語マスター 」
「 ○○日間で、 日本語習得 」
「 動画を毎日○分見れば、 日本語堪能 」
「 ○語以内の文を覚えれば、 聞き取れる 」
「 聞くと、 突然日本語が口から飛び出す 」
「 たった○○のみで、 日本語は話せる 」
「 使えば、 ネイティブ発音が身につく 」
「 動画を見るだけで、 日本語脳になれる 」
「 ○○で、 日本語ネイティブになれる 」

こんなこと信じられますか ?
このような教材に投資しますか ?
日本語学習者にお勧めしますか ?

第一、 「 ペラペラ 」 や 「 マスター 」 の水準とは ?

販促のキーワードに起用する際、 用語の定義は不可欠と考える。

「 ネイティブになれる 」 に至っては、 頭がおかしい。

軽々しい戯言に、 だまされる側もどうかしてるわ。

 


あなたも ネイティブになれる

( 2024年3月14日  筆者撮影 )

◆  日本語の4技能 ( 聞く ・ 読む ・ 書く ・ 話す )のうち、
最も難易度が高いとされているのは 「 書く 」。

アニメ・映画・ドラマを観まくって、 日本語が堪能になる
外国人もいるが、 同程度の日本語が書ける人は皆無な印象。

このタイプは 「 聞く・話す 」 特化型 が中心を占める。

日本語ペラペラの YouTubers の動画を観ていると、
ネット検索かける際に、 日本語ではなく母語の英語
を使っている姿を見かける。

日本関連の調査をするには、 日本語で検索する方が桁違い
に効率的なのだが、 どうやら 「 書く 」 のは不得手なのか。

  しげしげと注意深く観察すれば、 察知可能
→  川端・芥川・三島が読めても、 ほとんど書けない人も多い

日本語の 「 ローマ字入力 」 自体に手間取る諸氏も数多い。

◆  日本語ペラペラの外国人が用いる日本語の講演原稿・
台本・台詞・カンニングペーパーが、 ローマ字表記で構成
される場面は珍しくない。

ひらがな・カタカナ・漢字では、 充分読めないらしく、
和文原稿をローマ字変換する作業を私は何度も担当した。

まさか、 ローマ字原稿だなんて、 視聴者には思いもつかない。

初めて目にすると、 息が止まるほど、 びっくり仰天する原稿。

舞台裏 のすっぱ抜き話でなく、 ざらにありふれた手順なのだ。

口上はうまく、 いささかのよどみもないのだから、 さすが。

しかし、 「 日本語の達人 」 と称するには、 まあまあ微妙。

中級以上の英語に熟達している日本語母語話者の英文原稿は、
ほぼ例外なく原文の英語のままであり、 著しく対照的である。

中級者は、 ちゃんと英語で読める。

表音のみで表意文字を持たない英語と、
表音・表意を併用する日本語の特異性。

語学上、 看過できない懸隔である。

脳内で 「 表意文字 」 を同時処理しきれないからだと考えられる。

【原文】 日本語 ( 表音・表意 )  →  【変換】 ローマ字 ( 表音 )

こういった実情は明るみに出ない。

語学力を判定するには、 「 4技能 」 を万遍なく精査すること
が望ましい。


◆  表意文字を持たず、 表音文字みどろの英語母語話者には、

” chimpo ”  と  ” tinpo ”  がともに 「 ちんぽ 」 を示すこと

は到底納得できない感。

普通名詞なのにスペルを異にし、 等しく 「 ちんぽ 」 を

表すなんて、 概念そのものが一向に不可解な様子である。

表意文字を何一つ知らないため、 とんと話が通じない。

 

◆  外国人の 「 私の名前を漢字で書いて 」 という突飛で難儀な依頼。

決して珍しくないリクエストだが、 表意文字を知らないがゆえである。

ある時、 たっての頼みに吉相の漢字を当てて差し上げたところ、 後日、

そのキラキラネームが彩る手首を得意げに見せつけられ、 ほとほと困惑。

まさかと目をむくしかなかったが、 言語・文化の開きを如実に物語る。

通訳者・翻訳者でなくとも、 こうした依頼に出くわすことはあるかも。

彫り物はまずい、 現在は必死に説得するか、 お断りして逃げ切る流儀。

 

表意文字の基礎概念が理解できていない外国人に、
当て字漢字の名前入りプレゼントを贈るのも危うい。

そのインフォーマルな当て字で、 なにされるか分かったものでない。

うちらの認識はエンタメ・遊び心、 その後の責任は取りかねる。

表音文字しか持たぬ一般人の知見が追いつかないのが、 表意文字。

外語学習と 異文化理解  の難しさの一端を披瀝する。

 

概念を整理し規定するシステムは言語・文化で異なり、 定義された
概念の中身と範囲も相違する。

見えている世界とその解釈は依拠する言語・文化で食い違うのだが、
各自が血肉化した世界認識は、 概ね無意識・無自覚に作用する。

外語習得と 異文化理解 が生易しくないのは、 必然の成り行きである。

( 中略 )

時に誤訳とミススペルを疑われるため、 翻訳者にとって、

日本語のローマ字変換は面倒事が頻発し、 手間がかかる。


What’s the use of – ?  より

 

◆  日本語が母国語でない人に向けた 「 日本語能力試験 」
JLPT ) は、 世界最大の日本語能力の認定試験である。

「 言語コミュニケーション能力 」 を 「 マークシート方式 」
で測定する形式で、 試験を構成する3要素  は、 次の通り。

言語知識 ( 文字・語彙・文法 )・ 読解 ・ 聴解

最難関の 「 N1 」 でさえ、 作文が含まれていないのは、
語学力の試験としては、 望ましくないとつくづく思い知る。

私の経験上、 日本語・英語の真の運用能力は 「 話す 」
以上に、 「 書く 」  に表れやすい。

  •  「 書く 」 と 「 話す 」  →   産出能力output skills
  •  「 聞く 」 と 「 読む 」  →   受容能力receptive skills

マークシートで測るとなれば、 産出能力は確認しかねる。

基礎文法を体得していないと、 外語はまともに書けない。

難しい日本語が読めても、 書けない人がごまんといる点は前記した。

「 ペラペラ 」 はすごいが、 あまり惑わされない方がよいと感じる。

  作文・口述抜きで、 こうして評価するのは、 へんちきりん

 

◆  第一言語( 母語 )は、 環境・知能などに問題がなければ、
自然に習得できるよう 「 人間の本能 」 にプログラムされている。

普通に育った子が、 文法を勉強する前から、 母語となる現地語
を話せるようになる、主な理由である。

基礎文法がいつしか無自覚で内面化できているのは、 母語ゆえ。

母語と外語とでは、 習得過程が異なるため、 特殊な環境・
才能に恵まれた人を除けば、 読み書きを含む文法を別途
学ばない限り、 外語としての「 4技能 」は身につかない。

文法学習なしで、 4技能を一定水準以上まで会得できるのは、
特殊な環境・才能に恵まれた人を除けば、 「 母語に限る 」。

特殊な環境・才能に恵まれた人であっても、 厳密に検証すると、
彼らの一部は、 なんと 「 セミリンガル 」 だったりする。

【参照】 母語が確立できていない 「 セミリンガル 」 の悲惨

 

◆  複数の言語が飛び交う家庭環境と聞けば、 理想的に感じて、 うらやましくなる。

興奮すると、 別言語が飛び出し、「  かっこいい ~ !  」 などと他人におだてられる。

ところが、 つぶさに検査すると、 どの言語も平均を下回るケースがあふれている。

言語をミックスしない限り、 会話が成り立ちにくいのが真相だったりする。

4技能がまちまちで、 第一言語 ( 母語 ) がどれだか、 なんだかよく分からない。

「 セミリンガル 」、「 ダブル・リミテッド 」 またはそれに準じるものと推測する。

日常会話は 「 ペラペラ 」 なので、 後年に及ぶまで保護者すら気づかないことも。

母語の習い直しは生易しくないのだが、 警戒すべき差し響きは知られていない。

抽象・概念・観念的な思考がぎこちなくなり、 その表現が拙くなるのが典型例。

話は理解できたとしても、 抽象化する能力のせいで、 説明がごたつく。

記述式の作文で試験してみると、 問題点はひときわくっきり浮き出る。

だからこそ、 作文と口頭試問を含めた適切な検査の重要性を私は力説している。

私自身、 学校時代から現在に至るまで、 そうした家庭環境を近くで見てきた上、
「 セミリンガル 」 らしき方々と関わる職場に長らく身を置いて勤務してきた。

一緒に働けば、 不都合を覆い隠しきれず、 直に体験した事例には事欠かない。

conclusive ”  にて、 具体的にご案内した ( 地図入り )。

歴史を振り返りつつ、 世上流布しない「 セミリンガル 」 の苦難をはじめとする、
暗い裏側にも触れた。

 

◆  説明する能力は、 一般人の個人生活でも欠かせない。

事故・事件など、 思わぬトラブルに巻き込まれた際、

他者に分かるように言語化し、 状況説明できないと、

供述弱者 」 に類する態勢に追い込まれかねない。

現場で第三者に説明しなくてはならない、 緊急時はなおさら。

例えば、 空港の入国審査でいわれない疑いをかけられ、 別室送り
となった時、 審査官らの質疑応答を自力で切り抜け、 解決できるか。

基本的に、 スマホなど通信機器の翻訳機能の使用は禁止される。

ご本人が言語化できない場合、 法律家や通訳者を入れても、

暗中模索することになる。


理解力をすばやく 「 品定め 」 するような視点も欠かせない。

受け手の能力に応じて使用する語を変える理由は、 所与の時間内
に確実に伝達し終えるためである。

多人数の個別面談を短時間にこなす事情聴取の際には、 特に重要
な戦略であり、 理解度のばらつきに配慮して、 それぞれに適した
言葉を選ばない限り、 時間不足で聴取しきれない人が出てくる。

これでは、 目標未達で業務遂行できず、 皆を不利な立場に追い込む。

同じ言い方でも、 理解してくれない人がいることは、 すぐ知れる。

そこで、 初対面の相手を 矯めつ眇めつ観察し、 切り口を加工する。


Perceive “  より



母語は、 生きていく上で、 頼りになる後ろ盾かつ自衛手段。


「 英語は簡単 」 などと、 気安くほざく人間 ( 国籍不問 ) は、

日本語と英語の 「 全体像 」 をまるで理解していない勉強不足の不届き者、

または、 飛び抜けて俊逸な才覚の持ち主のいずれか。

日英の 「 4技能 」 を  厳密に試験 すれば判明する。

日本語と英語、 両方の 「 4技能 」 すべてが大事。

殊に、 産能力 ( 書く・話す ) をしっかり検査。

言語の真の運用能力は、 「 書く 」 に表れやすい。

その場  課題を出し、 実力を確認するとよい。

 

詐欺師かどうか、 すぐ分かる。

残念ながら、 詐欺師だらけ

 

外語の場合、  基礎文法を知らないと、 まともに書けない。

「 4技能 」 のうち、 「 書く力 」 はごまかしにくい。

したがって、 日頃の学習量と取り組み姿勢を反映する。

今は機械翻訳 ( AI ) が身近にあり、 見抜きづらい。

 

日本語ペラペラの 英語教育系 YouTubers の一部に、 要注意。

参考にはなるものの、 学術的な裏付けに欠けた感覚的理解

に基づく生半可な知識をまき散らしている諸賢がのさばる。


ペラペラでも、 両言語をその場で書かせれば、 正体はバレる。

地味で地道な長期的研鑽を要するのが、 「 書く力 」。


日本語と英語の違い  より


さらなる裏話は、 ” conclusive ”  に記した。

 

◆  以下、 ” conclusive ”  より再掲。

社外はもちろん、 社内会議でも録音禁止の状況は珍しくない。

私の現職でも、 秘密録音を禁ずる旨が明文化されている。

( 中略 )

そこで、 耳で聞き取り、 書き取る ( dictation ) 形式で記録する。

使用言語で筆記しないと、 ここ一番の時に引用 ( quote ) できず、
「 言った言わない 」 ( a he-said she-said situation ) を招く。

そのため、 その時の使用言語で書き留める能力がビジネスでは入用。

しかしながら、 和文の議事録 ( meeting minutes ) の作成業務は、
日本語 「 ペラペラ 」 な英語母語話者には依頼しかねるのが常例。

日本語を書く能力が足りないから。

「 ビジネス英語 」 に相応する、 ご本人の 「 ビジネス日本語
の運用能力を問われれば、 日本語母語話者としては即答に窮する。

既出の言葉を流用してみると、 「 まあまあ微妙 」。

私の率直な回答は、 「 聞く・話すの特化型、 だと思います 」。

事務系業務は根強い文書主義 ( 電子文書 含む ) であり、
読み書き能力なしで 「 堪能 」 とは評価できないと考える。

「 ビジネス日本語ができる 」 水準に達していないことは、 うちら
求められる 「 ビジネス英語 」 の目安に突き合わせて推論できる。

読み書きできず 「 ビジネス英語ができる 」 では一笑される日本人。

こうした 「 ペラペラ 」 が非常に多い   実情を意識しておきたい。

そうすれば、 不勉強な 「 ペラペラ 」 には惑わされにくくなる。

音が極端に少ない日本語の 「 聞く 」 「 話す 」 の難易度は
そう高くない一方、 「 書く 」 「 読む 」  がとても難しい。

日本語の特徴 ( 初級・中級 ) である。

日本人の皆様、 「 ペラペラ 」 にだまされることなかれ。

がらんどうな 「 ペラペラ 」 を見破れず、 憧れる人が多すぎ。

既に述べたが、

中級以上の英語に熟達している日本語母語話者の英文原稿は、
ほぼ例外なく原文の英語のままであり、 著しく対照的である。

こういう日本人は、 英語で話している時のメモは、 英語中心。

両言語で、 議事録や報告書を一通り作成する語学力を有する。

▲▲  再掲終わり  ▲▲

◆  日本語があまり読めないということは、

日本の英語学習者向けに書かれた日本語の参考書を、
どれも精読できていないと推断できる。

日本人が取り組む教材を、 よく知らないということ。

英語を教わる側であるなら、 もしやと不安になる。

そういう 日本語ペラペラYouTubers の背後には、
日本語の有名参考書が、 これ見よがしに飾ってあったりする。

「 ご自分でお読みになりましたか

それとなく尋ねてみたくなる。

もし読んでないなら、 画面に映さない方がよい気がする。

教える側として、 いくらなんでも恥ずかしい。

integrity  の弱みをさらけ出す。

本格的な語学訓練においては、 華やかな局面はごく一部。

慎ましくしたたかな根気で、 へこたれずに粘り抜く営為。

文法を含む言語理論を修得するには、
文献を渉猟し、 閲読する必要がある。

その道のプロなら、 言うに及ばない習わし。

当人の日本語の読み書きについて意地汚く指摘したいのではない。

そうではなく、 外語習得の真の難しさを知るに至るほどの鋭意で
努力してこなかったことと、 その自覚が足りないことを述べたい。

日本語ペラペラと言っても、 満足に読み書きできないのであれば、
先述の日本語の難しさに、 真っ向から挑んでこなかったのだろう。

外語習得の困難を知覚する語学力に未達なのではと疑いたくなる。

隘路に迷い込み、 出口が見えず絶叫して悔しがる絶望をご存じか。

英語の4技能を希求する私たちの、 あの血眼の奮励を思い起こせ。

毎晩の自習、 定期試験・受験・資格の対策、どれほど勉強したか。

地道な努力を積み上げて習熟した人は、 たやすく報われない骨身を

削る難路を這いつくばってきたから、 気安く 「 簡単 」 と言わない。

 

◆  絵日記ほどの日本語すら書けない日本語ペラペラの人は、 全国に遍在する。

小学校低学年レべルの文章力のない外国人たちが、 日本語を知り抜いたつもり

で粋がり、 日本人学習者にいきっているのが日本の英語業界の隠された秘密。


業務上の文面やり取りは、 英語または機械翻訳 ( DeepL など ) 頼み。

よっぽどのことがない限り、 困らないし、 バレないのだろう。

日本語の著作物は名義貸しで、 ゴーストライターに書かせる慣習が常態化。

または母語で仕上げ、 翻訳者が和訳するのだが、 和訳者の名は出てこない。

語学を教える立場であれば、 顔から火が出る知的怠慢だと私は感じるが、

彼らの衷心は、 外語にさしたる思い入れを持っていないのかもしれない。


私は 「 Foreign Language Review Services Department 」
( 多言語証拠解析部 ) の部長職なので、 部の雇用には当然
深く関わっています。

日本語関連の仕事に関して私は何百と言う面接を行ってきましたが、
人を落とす最も多い理由は 「 日本語能力不足 」 にあります。
と言うか、98%以上 それです。

「 中学 ~ 高校を通して日本語を選択し、大学4年間日本語を専攻し、
日本で外資系で3-4年仕事経験あり 」 等の履歴書を持ち、
日本語で面接してみると日本語がぐちゃぐちゃ、
日経新聞等の記事を音読させてみようとすると、
全然読めない、 意味も分からない等と言う人も全然珍しくもありません。

そういう履歴書を持って、 日本人とも結婚していると言っている方で
全然ダメだった面接もありました。

そういう人は私の部署では雇えませんが、
結構競合では雇ってもらったりしているのを見るのは驚きます (^_^;)

別にそれらの人は履歴書を偽証しているとか、さぼって来ていたとか
言う問題では無く、それぐらいに努力しても 「 ビジネスレベル 」
の日本語を身に着けるのは
難しい  のだと思っています。


https://jp.quora.com/gaikoku-nin-kara-shitara-nihongo-ha-muzukashii-gengo-nanode-suka-muzukashii-to-kanji-ru-tokoro-ha-nande-suka/answers/1477743736859710

※  2024年3月22日 アクセス

※  改行・色・太字は引用者

 

◆  もしも、ご自分が日本語学習者であるとすれば、 どうやって日本語を学ぶか。

日本語ネイティブ ( 日本語母語話者 ) の視座から考察してみよう。

特殊な環境・才能に恵まれた人を除けば、 母語と外語とでは、習得過程が異なる。

さりとては、 こうした見方をしてみると、 意外な気づきが視野に浮かぶ。

果たして、 「 〇〇〇点が目標です 」  と周囲に宣言し、 高得点と資格取得に
ふつふつ執念を燃やし、 過去問を買い続け、 平気で何十年も費やすだろうか。

【参照】   ” I have a question for you.


これも昔から存在する方法だが、 英語ネイティブの児童向けの教材を用いた成人
の英語学習は、 表面的には合理的に思えるとはいえ、 必ずしも合目的ではない。

ネイティブ児童の発音ルール 「 フォニックス( phonics )」 を取り入れる手法
と同根の難点。

母語と外語の習得過程を区別しておらず、 前提からして現実離れと感じる。

◆  毎年、 新作がのべつ出てくる教材大国の我が国では、 良かれと思い、
やり始めたら  きりがなく、英語をろくに使うこともなく寿命が尽きる。

これでは、 単なる亡羊の嘆にとどまり、 せっかくの苦心が水の泡。

酷ではあるが、 愚の骨頂。

たまらなく、 悲しく切ない話である。

しかしながら、 心掛け次第で、 この悲劇は回避できる。

一日も早く危機を察し、 皆様に脱出してもらえればと祈っている。

 

◆  やっても、 やっても、 一向に不明点がなくならない …

そんなの当たり前で、 語学とはそうした性質の学問。

むしろ、 向上すればするほど、 次々と疑問が生じたりする。

それを 「 正常 」 とみなして、 受け入れる方が、 気が楽。

分からない箇所は、 後日戻るべく目印をつけて飛ばし、 先に進む。

英語の「 全体像 」 がうっすら見え始めて、 ようやく手掛かり
の得られるようになる「 基礎項目 」 は数多あると体感している。

冠詞・時制・前置詞 は、 私にとって、 このパターンだった。

つい最近まで、 詳しく分かってなかったことを潔く白状します。

長期間あいまいな知識で、 平然と使ってきたわけだが、 初級
レベルで把握できるほど、 浅はかな領域ではないに違いない。

己の理解は、 とんでもない自惚れだったと後から知りました。


当初は私も、「  深さ50cm、 最深せいぜい2m  」 くらいに見積った。

けれども、 実相は底なしの奈落であることを、 数十年後に知りました。

職業選択を間違ったかも、 と絶望して泣きました。

英文法の参考書 『 一億人の英文法 』  より


際限のない語学なのに、 きっちり勉強さえすればマスター
できる、 とノンネイティブの私たちが信じ切る背後には、

身のほど知らずの虚栄心と傲慢な思い違いが潜んでいる。

初歩はとっつきやすい英語だが、 中級以降はそう簡単でもない。

日本語の教本ばっかで、 口を動かすことなく、 英語で会話も試みず、
英語習得を切に欲する無思慮の幼稚さに思い当たらないのだろうか。

底の知れない深淵ゆえ、 きりがない  と強硬に言い張りたい。

このことを認め、 腹をくくれば、 やるべきことも見えてくる。

いくら教材をやり続けても、 どうせ 埒が明かない状態が今後も続く

間違いない。

それが語学。

それならば、 踏ん切りをつけ、 原文に切り替える方が賢い。

中級学習者であれば、 決め所の判断は自力でできるはず。

繰り返すと、

この安定感こそ、 初学者とは 一線を画す、 実力者の本領なのだ。

もし見当すらつかないのであれば、 中級の力量の持ち主ではない。

このように私は考える。

 

◆  40年以上、 文字通り毎日英語を勉強してきたものの、 私
の実態なんぞ、 途方もなく無様な格好で、 内心忸怩たるもの。


何を隠そう、 脳に渦巻く猛烈な焦燥のあまり、 半ベソかきながら、
勉強したり翻訳したりと、 情けないあがきの、 星霜ここに幾十年。

受験が苦しいのは言うに及ばず、 プロになっても、 なかなか大変。

やっと勘所を押さえた、 と喜びも束の間、 新たな疑問がすぐ浮き
上がるから、 いつまでたっても、 輪郭がおぼつかない状態のまま。

英文法の参考書 『 一億人の英文法 』  より


それなのに、「 プロ翻訳者 」 と自称しつつ、 利いた風な口をきき、

偉そうにブログまで披露しているんだから、 いけ図図しい奴だわ。


弊サイトではなく、

生の英文素材を 読みましょう

 

 

◆  本質的に、

言語習得の決め手は、持続性。


資格を取得したら、 一丁上がりでなく、 日々使ってなんぼ。

点数 単語数 を気にしまくる受験生の意識は、 もう卒業しよう。

その  完璧主義  が、 不毛な自己嫌悪と停滞をもたらしているのだ。

あろうことか、 教材大国・翻訳大国 という世界に誇るべき美点が、
日本人全般の英語力を巧まずして弱めてきた、 と私は考えている。

教材も翻訳も乏しい国では、 原文に当たるより致し方なく、
それがかえって無駄を省き、 英語習得を加速させている。

頼れる手立てがないから、 全身全霊で原文に向き合うしかない。

教材を選り好みできる、 私たちのような 「 甘え 」 が許されない。

原文尊重の正攻法 「 眼光紙背に徹す 」 を、 否が応でも達成する。

教材や翻訳に依存できない厳しい境遇ゆえに、 速習が実現しやすい。



◆  翻って、 我が国の現状はどうか。

英語教育業界の巧妙な不安のあおりを真に受け、 適従すべく、
高品質の「 補助輪 」をつけっぱなしのまま、 脇目も振らず、
せっせとインプットに励む、 至極素直な日本人。

原文を押しのけ、 教材がのさばる危ない潮流に乗って流され、
はっと気づけば、 時間切れで、 残りいくばくもない我が命。

  •  なんか、 あんまり英語を使った気がしないんだけど …
  •  なんのために、 長く英語やってきたんだっけ …

  •  教材やるためだったのか  !?
  •  人生こんなはずじゃなかった。

気づかないと、 高い確率で、 後年こうなります。

日本の英語教育業界がそういう仕組みですから。

教材や資格には 「 中毒性 」 があり 「 向学心 」 を刺激する。

教科書・問題集・試験 に親しんでいる日本人にとって、 これらは安堵を誘う。

前掲の軽率な自己満にはまり、 迷路に踏み込む土壌が丹念に整備されている。

1963年の開始当初は3級しかなかった級認定を、 約30年間で7級まで増やし、
くまなくキャッシュポイントを設けた 「 実用語技能 」 が分かりやすい。

 

◆  2014年から日本でも運用が始まった 「 TOEFL Primary 」 は小中学生用。

「 世界基準の小中学生英語テスト 」 と高らかにうたい、 手堅く売り込む。

測定技能は 「 リーディング 」 と 「 リスニング 」 で、 へんちきりん型。

そして、 「 TOEFL Junior 」 は 「 世界基準の小中高生英語テスト 」 とある。

留学・進学の 「 試験対策 」 としては、 きっと有益な有力商品 ( 下記 )。



※  2023年9月 アクセス


先行き不確実の中、 事業を継続し生き残るために、 商品を創造していく。

未来ある次世代に資格取得のメリットを訴求し、 潜在顧客として囲い込む。

ビジネスの動向としては至当であろうが、 個々人の希望に適う寸法かは、

各々が頭を使って検討する必要がある。

 

自分の人生になくてはならないものか、 おおよその見極めをつける覚悟

–  Do you really need it in your life ?
–  Is it truly significant to you ?

さもないと、 日本で英語を続ける限り、 終始一貫、 教材尽くしで終わる。

英語教育産業の思う壺。

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お客様のやる気をつなぎ止めないと。

有望な鉱脈だから、 さもありなん。

お客様のバラ色に輝く未来のために。

「 母語 = 日本語 」 の宿命を背負う私たちが、 人並の努力で英語を習得する
のは相当難関である無残苛烈な内情に知悉する、 プロ集団の営利事業である。

製品・サービスを研究開発して販売、 それらの商品から利益を得るのが主目的。

 

◆  以下、 ” integrity ”  より再掲。

  ◇  英独仏を含む、 大規模な印欧語族 ( インド・ヨーロッパ語族 ) を
母語とする学習者と異なり、  母語が日本語の私たちは、

手掛かり・足掛かり が全然つかめない

文字表記発音・音節・アクセント・語順  はほとんど重ならない。

舌・唇・歯・呼吸間の相互作用  が大違いで、 発音時の口周りも異次元。

言語面にとどまらず、 物事の見方を左右する、 文化的な違いも天地。

だから、 「 異文化理解力 」  も身につけなければならない。

 

  母語 = 日本語の宿命を担うと、

  英語習得はやたらと難しくなる。


母語が 「 踏み台 」 になってくれないから

 

やること多すぎ

 


母語に比べて、 「 言語系統が別次元 」 とは、 こういうこと。

母語に存在せず、 イメージしづらいことだらけだから、
どうあがいても理解できない。

 

→  「 日本語と英語の違い 」  にきめ細かく記した ( 図入り )

 

印欧語族同士は 「 りんご – ぶどう 」 、

日英間は 「 りんご – くるま 」 みたいな差。

この雲壌の相違が、 英語習得の難易度の隔たり。


英語に近い言語とは、 立ち位置が違う。

例えば、 「 オランダ人は英語がペラペラ 」。

語順も文法も、 英語に類似する印欧語の代表格が、 オランダ語。

出自が同じだから、 学習上の手掛かり・足掛かりはかなり多い。

初歩から洗いざらい手ほどきを受けなくても、 普段使っている母語との
共通点を見出し、 規則性を汲み取ることで、 ある程度は独力で体得可能。

Both languages share the same root.

 「 オランダ人から学ぶ英語学習法 」

これに類した情報商材が堂々と売られている。

日本語母語話者の悩みを解決するには的外れ。

言語・文化が完全異質ゆえ、 逐一ねじり鉢巻きで勉強して学ぶ日本人。


日本語と英語の違い 」  より


本稿中盤に、 有力な根拠を掲げる。

 

◆  一方、 中国人には英語堪能な方が多いとの反論がある。

確かに、 中国語は日本語と同じく、 印欧語族に属さない。

しかし、 日英に比べれば、 文法と語順が似通っていることは検証済み。

中国語( Mandarin )を大学の第二外国語で学んだ際、 自ら実感した。


「 動詞 」 が出る前に詰まるから通じない

日本語は語順が違うから、 機械的に置き換えにくい

→  語順を入れ替えないと、 動詞までたどり着けない


ITエンジニアが覚えておきたい英語動詞30 』  pp. 8-11.

板垣 政樹 (著)
秀和システム、 2016年刊
A5判、 248頁

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天ブックス>

音声ダウンロード 無料


日本語の動詞は後半に来るから、 語順を全面的に再構成しないと通じない。

むごい試練で、 頭がしっちゃかめっちゃか、 その場で思考がフリーズする。

母語と英語の語順が似ていれば、 ぱかぱか代入するだけで伝わったりする。

 

◆  英語と中国語・日本語・フィンランド語の語順を見比べた図の一例。

英語の動詞 ( to 不定詞 ” want to try ” )  がどこに該当するか目を向ける。

中国語は英語と同じく前半、 ぱかぱかいけそう。

日本語は末尾部に飛ばされ、 頭がこんがらがる。



https://awed-frog.tumblr.com/post/617561392469393408/whoa

※  2024年3月22日 アクセス


最終の  ” Finnish ”  とは 「 フィンランド語 」。

日中同様、 印欧語 ( インド・ヨーロッパ語族 )  ではない。


そのため単語も文法も全く異なります。


https://twitter.com/FinEmbTokyo/status/225793076612972544

※  2024年3月22日 アクセス


ちなみに、 韓国語と日本語の語順は酷似するが、 語族は別。



https://blog-imgs-101.fc2.com/t/e/s/tesuto93/oXzhjas.jpg

※  2024年3月22日 アクセス

 

◆  英語は 「 印欧語族 」 ( the Indo‐European languages )。

インド・ヨーロッパ語族系統図


画像の拡大

【出典】  小学館 日本大百科全書 ( ニッポニカ )  より


▲▲  再掲終わり  ▲▲

◆  日本語と英語の埋めがたい差異を踏まえると、 日本語で
英語をどこまでも理解しようとする 思惑そのものがよくない。

日本語は、 英語習得の 「 踏み台 」 になりにくい言語

強引に結びつける熱意自体が、 激しいストレスを作り出す

無理強いして、 嫌がる男女をくっつけようと奮闘するかのよう。

相性悪いんだから、 やめとけ !


先の 「 りんご – くるま 」 の共通点をあくせく探るようなもの。

それほど生真面目ではない学習者は、 一筋に思い詰めない。

必要以上に日本語と比較検討せず、 くよくよ思い煩わない。

「 ああ、 英語ってこうなんだ〜 」 くらいに別物として捉え、
ピッチを上げてぐいぐい取り込み、 まっすぐ伸びていける感じ。

「 りんご – くるま 」  がどう違うか焦慮し、 始終かりかりしたり、
やきもきしないから、 疲れず、 意気消沈しにくく、 挫折しない。

神経をすり減らさず、 エネルギーを消耗せず、 のんきに続ける。

思わず知らず 「 習うより慣れよ 」 をあっさり具現・体現する。

初級を卒業し、 基礎単語・基礎文法を修得した 中級者 ならば、
- 
日本語で詳細に解説するような教材よりは、 ぜひ早め早めに

力量相応の 「 生の英語 」
を中心に据える方が、

良好な結果を生む。

 

◆  とは申せど、 教材をこなすことや資格取得を、 ご自分の
究極の狙いに定めるのであれば、 なんら問題はない。

各人各様の目標設定があって、 しかるべきである。

※  「 長期目標 」 としては、 いびつで味気なく、 勧奨したくない。

◆  英語を盛んに使って仕事する実務家は、 TOEIC に構わない方が大半。

天下に威勢を示す TOEIC の弊害を、 苦々しく受け止める人も目立つ。

高得点なのに即戦力から程遠い、 多数の社会人にお会いするとこうなる。

洋画どころか、 定例会議で聞き取れないのだから、 発言には至らない。

まるで冗談だが、 よくある実話。

ナレーターやキャスターら、 プロのしゃべりに慣れてはまる、 落とし穴。

プロ音声と違い、 速度も口調も間合いも容赦のないのが、 リアルな社会。

もごもごしてる間に、 びゅんびゅん意見が飛び交い、 スルーされてお終い。

敢えないものである。

一体、なにを試験してるのか、 との疑念と警戒心が沸き起こってくる。

「 TOEIC満点 」 と自惚れを口走れば、 笑い者にならぬとも限らない。

話題の糸口になりえないくらい、 皆一様に歯牙にも掛けない印象。

「 すごいけど、 よくそんなヒマあるな … 」  本音はこんな感じか。

「 録音相手に、 なにやってんのやら … 」  空しくならないのかねぇ。

生身の人間相手に勤しんでくれば、 人為的な匂いを敏感に嗅ぎ取る。

「 ごっこ遊び 」。

人間相手に英語を使う機会が増えてくると、 こう感じるようになる。

録音音声は模造品にすぎないと、 まざまざと実感できるようになる。

実際にやり取りして得る体験は、 試験とは別物であることが分かる。

容易に感づく。

試験と違い、 理解できなければ、 確認させていただくこともできる。

双方向のコミュニケーションが生じる瞬間であり、 生の英語の出番。

羨望の的となる 「 TOEIC満点 」 を誇負する振る舞いが、 大概の
実務家の目にどのように映っているか、 ご想像いただければと思う。

【参考】    ※  外部サイト

  •  「 TOEIC は実にくだらないですね
    国立大の  “ ギャル准教授 ”  が日本の受験制度を破壊したい理由
    天文物理学者 BossB 氏 インタビュー #2
    https://bunshun.jp/articles/-/68931
    2024年2月24日付

 

◆  TOEIC は上質な試験であり、 高得点獲得までの学習過程の意義は大きい。

けれども、 一途に 「 満点 」 を狙い、 ずっと問題集中心なのは、 やはり妙。

実務家の見地に立てば、 建設的で生産性 ( constructive and productive
の高い企てとは到底思えず、  時間をかけて対策する価値を見出しがたい。

「 満点 」 目指す意欲に恵まれているならば、 仕事関連の最新情報を
貪欲に吸収する方が、 より賢明で妥当な戦略と考えるが、 どうだろう。

とかく、 フルスコアに固執する労力が惜しく、 私なら迷いなく手を引く。

この点、 教育産業に身を置かれる方々とは、 基本的見解が一致しない。

現場の英語と試験英語を一緒くたにするのは、 無謀な感が否めない。

日本語だって、 そうではないか。



◆  英語教育畑で食い扶持を稼いでいない私は、 教育行政や業界の意向を

忖度する ポジショントーク 抜きでも、  からっきし困らない立場に立つ。

「 先生 」 でもなんでもなく、 一介の通訳者・翻訳者 でございます。

「 先生 」 では、 語学と密接にからむ 艶笑譚 を活写できなくなるわ。

There is no need for a nickname like ” 変態 先生 ” in my career.

また、 専業のブロガーではないから、 広告収入には頓着していない。

企業様からの有償オファーやタイアップも、 一律お断りしてきました。

これからも弊サイトは、 すべて無料公開することをお約束いたします。

” financial backers ”  に該当する利害関係者がいないからできること。

詐欺師と一緒にされたくないし。

したがって、 弊サイトでは、 己の信じることを、 好き三昧ぬかしている。

教育者には見えづらい側面を、直の見聞に基づき、ご紹介できればと願う。


Trying to be perfect leads to procrastination.

( 完璧を目指すと、 先延ばしを招く )


「 自信 」 と 「 喜び 」 につながらない学習法は、 見切りましょう。

おそらく、 ご自分に合わない努力をしているから、 苦しいのです。

◆  森一郎 ( 1923-1991 )の 『 でる単 』 や  伊藤和夫 ( 1927-1997 )
の 『 英文解釈教室 』 で試験勉強した、我が世代から大きく様変わりして、
近頃の単語集は例文も豊富に掲載している。

頻出単語の推移を積極的に把握すべく、 改訂頻度が高めで素晴らしい。

この事実は、 重々承知している。

それでも、 是が非でも 「 多読 」 の効用を唱えてみたいのである。

ちょこっと例文をつまむのと、 長文から解釈するのでは 全然違う

脳の働きがまるで違うと言っても、 そう差し支えない気もする。

後者はまさしく、 前述の  文脈推理力と読解力を発揮させる行為

繰り返すと、

文脈・用例から意味を推理し、 かれこれ読み取っていく読解力の発露

長い目で見れば、 どのぐらい大差がつくか …

英語が苦痛なら、 やり方に頭を巡らし、 やりやすく工夫してみよう。

【参照】   従来の 演繹法 でダメなら、 帰納的アプローチ にトライ


中級の英語力があれば、 最重要かつ最頻出の英単語は習得済み。
英文法の基本も仕上がっているため、 あらかた大意はつかめる。

つまり、分からない単語はどんどん飛ばしても、 どうにか読める。
どうしても無視できない位置づけらしい単語は、 きちんと調べる。

単語帳に載せずして、 多読中に自ずと身についた英単語は数知れず。

単語についても、 やり始めたら  きりがなく、 それよりは多読して、
文脈推理力と読解力  を磨く方が 現実的 で、使える英語を引き寄せる

【参考】    ※  外部サイト

–  大学受験用 「 日本三大英単語集 」
–  英単語帳の始まりは 「 赤尾の豆単 」から

◆  中級学習者 であれば、

  相性がよさそうで、自力でも対応可能なレベルの英文を探し出そう

■  これができれば、他人が作った単語集にすがる違和感に気づくはず



単語帳 は自作し、 手塩にかけて育てることで、 学習の歩みと成長の軌跡
を反映した、 長期的に資する道具、 かけがえのない資産にまで成熟する。

人生がきつい時、 自分を救う拠り所となってくれる、 尊く貴重な知的財産。

なんといっても、 何十年も人生に随伴し、 苦楽を共にしてくれたのだから。

むかつく知人が 「 恩人 」 に成り変わる 「 歩く単語帳 ♪」 の作り方は、

「Gmail」で作る単語帳   で事細かにご案内している。

こういう仲間を、 たくさん作っておけば、 逆境にさらされても平常心。

自分を支える味方作りに、 いつも気を配ることは、 力強い習慣となる。

どんな状態に置かれた時が自分は心地よいか常々観察し、 心に留める。

平生から意識しておき、 きつい時にその状態を作り出し、 逃げ込む。

◇  採用した英文の選択基準 ( 中級時 )

(1) 実力相応 の難易度→  難しすぎるのはパス
(2) 興味が湧く 内→  つまらないと挫折する
(3) ジャンル・媒体 は問わない→  コメント欄も必見


既に述べた通り、

辞書を引かなくても、充分読めるレベル 」 からスタート

してみると、 ストレスを抱えずに着手できる。

換言すると、 最初のうちは、 造作なく読める素材を選ぶとよい。

辞書抜きで、 かっ飛ばしていこう。

ご自身なりの要領を心得たら、 実力相応分にトライしてみたい。



  初学者・初級者は、 しっかり教材に従い、 基礎固め

基礎知識は、 常に大事。   基礎力が弱いと、 行き詰まる。

基礎単語と基礎文法は、 今後ますます手放せなくなる宝。

英語学習にとどまらず、 一般教養としても、 欠かせない。

いかなる進路を取っても、 心強い味方になる素養である。

全力を投入しておけば、 人生の支えとなり、 結構尽くめ。

【参照】   英文法の参考書

 

  中級以降になると、 一段と増長する要素が、

習うより慣れよ



相性抜群の「 生の英語 」を、 孜孜として読んで聞く。

遮二無二猛進すれば、 日増しにずんずん伸びていく。

得意で大好きな分野に、「 的を絞る 」と実効性が上がる。

市販教材にかまけず得意分野を多読・多聴  せよ

この「 成長期 」に、 凡百の教材に投資するのは、 下策。

伸び盛りに、 そんじょそこらの教本に取り組む暇はない。

四の五の言わずに、 大好きな方面の英語を攻めろ。

 

★ 日常生活で英語に接する機会が極端に少なければ、
インプット量もアウトプット量も圧倒的に足りない ★

 

◆  細かいことは気にせず、 好きな対象にのめり込むとよい。

ざっくり 「 7割主義 」 の心積もりで、 てきぱき進めていく。

意味不明の 「 3割 」 は、 気にするな。

このまま踏ん張れば、 じわじわ分かるようになるから、 今はパス。

神経質になりすぎずに読み進められるようになるから、 じっと辛抱。

この時期は、 相性の合わない英語素材に手を出さない方が上達する。

苦手の克服より、 急ピッチの進行を優先する方が、 ぐんぐん伸びる。

大好きな分野を大量にこなせば、 向上が目に見え、 失望を遠ざける。

いけそうな英文を見つけて、 果敢にチャレンジ、 無理なら乗り換え。

中級の実力の持ち主であるなら、 この辺の判断はすんなりできる。

胸突き八丁の プラトー を見事に乗り越え、 過信しにくいからだ。

頓挫しても、 うじうじ悩まず、 すたこらさっさ、 次へと移れ

素材は 「 無限 」 に広がるから、 そんなに抱え込まなくても大丈夫。

失敗分は、 再度挑戦する際、 英語力の伸長の目安になってくれる。

 

◆  プロであれば、 好き嫌い抜きで、 強行突破する折が多々生じる。

お金をいただいており、 正式に職責を負うためで、 言うを俟たない。

対して、 アマチュアの英語学習者の場合、 苦手でしんどい課題に、
あまり時間をかけすぎない方が、 好手ではないかと感じている。

強行突破で金稼ぐプロ以上に、 不振に見舞われる危機に立たされる。

素材はどこにでもあるので、 ” cover-to-cover ” ( 前出 ) は不要。

No need  to read everything cover-to-cover these days.

非現実的な 「 理想 」 に執着するよりも、 ご機嫌に続ける方が、
最終的に勝ることは、 おびただしい学習者の挫折を見て学べる。

最初から欲張らずに、 さして無理なく継続できるペースを保つ。

不得手分野は、 そこそこ自信がついてから、 戻ってくればよい。

一旦棚上げにし、 得意分野をきびきび歩む方が、 ぐんと伸びる。

手つかずでも、 影響がなさそうであれば、 後回しまたは手放す。

辞める・病める人間になる前に達成しやすい目標に修正

自己評価が健全で成熟した勇気のある学習者なら、きっとこうする。

  中級の大人であれば、

苦手分野には構わず

相性と力量に釣り合う、 得意分野の「 生の英語 」 に絞り、

 日常にぶち込む 

 

「 人生に残された時間 」 との兼ね合いを考慮すると、

苦手分野に近づかない勇気と決断は大切。

 

英語で稼ぐプロとは違う。

プロは 「 お金をもらう側 」。

予算も設備も人脈も桁違い。

実力と努力量も当然違う。

 

「 お金を払っている側 」 の中高年であれば、

暮らしが 「 楽しくなる 」 学習法がベター。

得意分野の英語を突破口にする。

手痛い挫折から逃れられ、 ご機嫌に続く。

日本語と英語の違い  より


目標が違うプロ・セミプロの基準は別で、 軌を一にするはずないのが常識。

同じ野球でも、 「 プロ野球 」 と 「 高校野球 」 を同水準で論じない。

どちらも食うか食われるかの真剣勝負だが、 同じ土俵で向かい合わない。

あるいは、 草野球を楽しむアマチュア選手にプロ野球の厳しさは不相応。

並々ならぬ犠牲を伴うのがプロの道、 無報酬で立ち入るべき世界でない。

こと英語教育に限っては、 久しく混こぜにしてきた異常さに気づくべし。

conclusive  より


一般向けの語学でも、 異文化理解 ・ 人間理解 ・ 人心掌握

の実体験がかなり役に立つため、 長い人生経験が物を言う。

若い人よりも、 分かりが早く、 会得しやすい要素が多め。

「Gmail」で作る単語帳  より

 

◆  1日30分以上、 2か月間続ければ、 なんらかの変化を自覚する。

無変化なら、 多分、 中級の力量がなかった and/or  素材の選択ミス

「 成長期 」 を粗末に取り扱うのは、 本当にもったいない。

萌芽を閉じ込め、 手ずから根こそぎ摘み取る愚挙に他ならない。

伸び盛りに、 ちまちま問題集を解くゆとりなぞ、 決してありませぬ。

多読・多聴で速習した人は何十人も知っているが、 問題集に熱中して、
「 使える英語 」 を短期習得した人に、 ついぞ出会ったためしがない。


ぶっちゃけ、 そんなヒマないよ。

物騒な話だが、 「 か月間で日常会話が通用しなければ、 あなたを殺します

と脅されたとしたら、 問題集・多読・多聴のうち、 択一でどれを選ぶか。

この期に及んで、 問題集やりますか。

いつ終わるか知れぬ我が命の中高年、 余生 は長くないと観念する方がよい。

推定残り時間を直視し、 今、 必要なさそうなものは、 ひとまず打ち捨てる。

「 理想 」 の代わりに 「 持ち時間 」 と力量を考え、 不要なものは後回し

正確性に一喜一憂するよりは、 趣旨が伝わる図太い気概の方が心丈夫では。

日本の英語教育は、 大抵 「 点取り勉強 」 なので泥臭くなく上品。

生真面目な学習者ほど、 「 理想 」 を過大評価して、 蹴つまずく。

さっきも取り上げたが、 弊サイトでしばしば書き出す逆転現象だ。

学者主導で策定した教育方針の欠点で、 ” conclusive ”  で解明した。


語学上の旧来の陋習を続けていると、 このままずっと英語ができない

なぜなら、 日本語と英語は、 なにもかも異にする言語と文化だから。

日本の英語教育が望み薄であることは、 かなりの日本国民が感づいている。

結局、 日本語母語話者には凡百の 「 科学的 」 習得法は当てにならない。

長年、 日本人全般に施してきた英語教育の評価しかねる出来が証明する。

公教育で受けた英語教育に会心している国民はほとんどいないのではないか。

とすれば、 これまでの英語教育には大きな問題があり、 軌道修正を要する。

日本の将来を見据え、 前代未聞のてこ入れを敢行し、 一擲乾坤を賭すべし。


conclusive  より


日本語で事足りる暮らし振りは、 他国の迫害から無縁であれた歴史の恩恵。

独立を貫き通した日本と母語を剥奪されなかった日本人は、 独自の地歩に

強みを持つ反面、 いかなる英語教育を施しても、 不自然さに突き当たる。


こうして、 異質すぎて調和しがたい外来文化を、 否応なく受け入れる

危機的状況の回避と引き換えに、  当然の代償  として

強制的ではあれど実用に足る外語習得の時機を逸した。

これが、 日本国民の実相なのである。


conclusive  より


異民族による征服で 植民地化された諸国  の国民が忍んだ苦境を思えば、

まずもって母語だけで暮らせる日本の倖に思いを馳せ、 愛惜したくなる。

 

◆  「 成長期 」 を 逃がすと、 契機不足で、 たくましく発達しない。

結局、 さっぱり手応えがつかめず、 大いなる損失になりかねない。

初級者同様に、 教材中心のまま だと、 こうなりやすい  と感じる。


しんどい蛍雪の勤めの延長で、 いつまでも

「 点取り勉強 」 を続ける 「 万年受験生 」 の

日本人学習者が多すぎる。

日本語と英語の違い より

「 点取り 」 「 丸暗記 」 中心の英語は、

受験勉強が終わったら、 けりを付ける。

 

◆  来る日も来る日も教材学習の果てに、 いつの間に 「 万年受験生 」。

あたかも 「 勉強のための勉強 」 に堕し、 懐疑にとらわれ、 立ち往生。

「 こんなこと、 いつまでやってればいいのか … 」

学ぶ楽しみは、 とうに失われ、 どうしたいか定かでなく、 惰性に流れる。

心ならずも、 教材にまみれて溺れてしまった学習者は少なくない様相。

TOEIC などにこだわりすぎると、 この運命が待ち構えている。

点数が下がるのが怖くて、 強迫的に受け続けるしかない無間獄。

これはつらい。

みじめだわ。

こうなりたい ?

私の感覚では 「 目を覚ませ」 とぶん殴りたいくらいの異常事態。

意気地なしなのか、 怠け者なのか、 バカなのか、 わけ分からない。

Life is way too short for such stupidity.

もしかして、 どこぞの 「 先生 」 に、 洗脳されているのかしらん。

それとも、 どこかの認定団体 教義 評論家 ?  世間体 自己愛 ?

中級に達するほど頑張ったのに、  なんで今も教本ばっかやってんだ。

その滑稽な行路に追いつくことあたわず、 当方の身の毛がよだつ。

手入れの行き届いた解釈入りの 「 補助輪 」 に、 死ぬまで頼るの ?

ゆえなくして、 幼児三輪車をこぎ続けている大人をイメージしてみて。

中級らしく、 そろそろ自立し、 生の素材に堂々と挑んでみたらどうよ。

うんうん教本に立ち向かってきた中級者であれば、 当面ぶいぶい読み散らかす。

目下 「 7割主義 」 でいこう。

どっちが  「 弾みがつく 」  か、 一度お試しあれ。

ご自分の切実な願望に向き合い、 学習計画を見直してみましょう。

 

◆  ここで、 再び、 機械翻訳の検証。

先ほど記した一文を、 有名どころの5つのウェブ翻訳サイトで和訳してみた。


Life is way too short for such stupidity.

( そんな愚行には 人生は あまりにも短すぎる。)


結果は次の通り。

   2つ  「 DeepL Pro 」 「 Bing

×   3つ  「 Weblio 」 「 Mirai 」 「 Google

※   「 DeepL Pro 」 以外は、 無料版。   誰でも利用可能。

2022年10月13日実施。

〇  【 和訳OK 】 DeepL Pro 」 「 Bing

  〇  「 DeepL Pro 」  ↑  画像の拡大

  「 Bing 」  ↑  画像の拡大


====================================

×  【 誤訳 】 Weblio 」 「 Mirai 」 「 Google

×Weblio 」  ↑  画像の拡大

×Mirai 」  ↑  画像の拡大

×Google 」  ↑  画像の拡大


たった一文でも、 こうも違う。

ひどい和訳だわ、 後ろの3つ。

「 Weblio 」  は論外として、 この訳はどうした。

  •  人生はそんな馬鹿にしては短すぎる。 ( Mirai )
  •  そんな愚か者の人生は短すぎる ( Google )

私、 こんなこと書いてませんから。

書き手としては、 憤慨したくなる。

なにが、 AI ( 人工知能 ) だ  !

【発音】  stjupídəti
【音節】  stu-pid-i-ty  (4音節)



◆  ” vocal about – ”  には、 その他の誤訳例もたっぷり掲載した。

( 図入り、 実名入り )

『 AI翻訳革命 』 と題する和書 ( 2022年刊 )の 評論 も試みた。


AI翻訳革命  あなたの仕事に英語学習はもういらない

隅田 英一郎 (著)
朝日新聞出版、 2022年刊
四六判並製、 272頁

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天ブックス>

ひと口で愚見を申し上げると、

でかでかと表紙に掲げる販促文言として、

これで大丈夫なのでしょうか。


自動翻訳 の英語力は TOEIC 900点


日本人の大好きな英語資格だから、 この上ない説得力を持つが、

現場の内幕に熟知する者が読めば、 気恥ずかしくなるだろう。


人工知能は TOEIC900点 の英語能力

ネイティブ一歩手前  に到達した


同書  p. 22.


思わず苦笑してしまう。

vocal about – ”  で理由を述べた。

学者・研究者の視座はユニークである旨、 改めて思い知った。

誤訳の恐ろしさと語彙運用の機微を知らぬ 「 日本の第一人者 」。

★  とんでもない趣旨を、「 第一人者 」 が恬として表明する 「 トンデモ本 」


自動翻訳の歴史・仕組みの詳述と引用文献は素晴らしく、

さすが 「 日本の第一人者 」 とつくづく感服する反面、

素人じみた翻訳実務の解説とのギャップがもったいない。

◆ 「 打開策は全件を自動翻訳で処理してしまうことだ 

( p. 212. )

とは、 いかんともしがたい思考回路。

精度9割 」 やら
TOEIC 900点 」 やら
ネイティブ一歩手前 」 やら、

のけぞりたくなるほど、 見当違いの見所がいかにも惜しく、

よもやと学識を疑う。


Vocal about – ”  より


検証不十分の訳文を一般公開するよう組織に奨励する学者

これほど乱暴な邪説を、 よくまあ商業出版したもんだ。

こんなにずれていれば、 日本の英語教育はうまくいかないわ。

この辺りの話は、 ” conclusive ”  で深掘りした ( 地図入り )。

2022年11月公開のAIチャットボット  ” ChatGPT “  の

潜在的かつ深刻な危険性も、 ” vocal about – ”  に記した。



  英語力が「 上級 」に至ると、概ねなんでも読める。

相性・難易度などは、 さほど気にかけなくてよくなる。

「 語彙力 」に傾注すると、 英語力が本物になる段階。

 

【参照】  語彙力のピークは70歳代、 バイリンガルはぼけにくい

 

新鮮な素材のおかげで、 倦怠感なく、 実に楽しく学び続けられた。

特定の教材に頼らず、 したい放題ゆえ、 八方塞がりになりにくい。

とことん自律的で、 うっとうしい 「 やらされ感 」 から解放されている。

あまりにも愉快で、 すっかり夢中、 刻苦勉励なんて、 どこ吹く風。

計り知れない英語の喜悦で活力がみなぎり、 彩り鮮やかに生が輝く。


【参照】


適性を重視し、 試行錯誤と決断を重ね、 自分に合う方法を実践しただけ。

度重なる 転職 後、 幸運にも念願叶い、 英語・外国に関わる仕事に就いた。

多年、 無数の失態と恥を忍んで習い、 日夜こうやって訓練しているのだ。

 

お口で 発音

日英の音は、 舌・唇・歯・呼吸間の相互作用が
まったく違います

 

  英   語 「 息の音 」

  日本語 「 声の音 」

 

 

ご自分のお口

を 動かしましょう


日本語母語話者にとって、

英語の発音は動物の鳴き声に近い。

日本語で表記しがたいのは言うもおろか。

犬猫の声と一緒で、 そもそも日本語では書き起こし

きれないのに、 英語音を無理くり邦文で表現しようとする。

等しく不条理だからアプローチを変える。

口周りをまじまじと見据えて、 模倣する。

※  やり方は、 ” integrity ”  へ  ( 図入り、 動画入り )

【参考】    ※  外部サイト


いつまでも自立しないから

できるようにならない



  「 英単語 」 と 「 英文法 」 に、 時間をふんだんに投下しても、

英語が使えるようになるとは限らない。

試験では通用するものの、 ほとんど駆使できない 「 古文・漢文 」
にも共通する事象。

「 英単語 」 と 「 英文法 」 に必要以上に時間をかけてはならない。

拙い自己満足に堕し、 報われない努力になりがち。

 

  単語集や文法書を読み込んで 「 マスターした 」 と喜び勇み、

いざ自分で使ってみようと張り切ると、 さっぱりだったりする。

となると、 大して分かっていない    のだ。


ものすごく勉強したはずなのに、 自ら使えない。

それって、 勉強したことになるの ?

自己満足に酔っているのでは ?

 

この 「 勘違い 」 に陥っている

「 勉強家 」 のひしめく日本。

 

これぞ、 慢性的な教材学習に隠された罠。

「 できたつもり 」

「 できるつもり 」

自己満英語一直線。

現に 「 できたつもり 」 「 できるつもり 」 の勘違いが圧倒的多数。

 

実直な 「 勘違い 」 と 「 自己満足 」 

→  「 使える英語 」 が逃げていく

 

早期の気づきが、 我が身を救う。

既述の通り、 「 英語の資格 」 にも同様の弊害が見受けられる。

 

日英は、言語の性質が雪と墨

 

そもそも論として、 努力云々などの個別的な域にはない懸案である。

万事に天と地の開きが見られるためで、 真に理解するのは至難の業。

根源的に相異なる実在であり、 永遠に交わらざる平行線をたどる。

大まかに概括すると、 日本語と英語には互換性がない。

本源を一にする 印欧語族 とは別格の、 第一義的な不調和である。

あちらの根っこはつながっている。

この点を過小評価したのが、 日本の英語教育が犯した最大級の過ち。

日本語とだいぶ違うため、 単語・文法・英文読解・リスニング・
日常会話・ビジネス会話など、 ばらばら分けて教わることになる。

資格取得が、 上達と軌を一にすると言い切れない点が悩ましい。

  日本語に置き換えて、 英語学習法の適否を見越してみる。


  現実として、  きりがない   のが言語と語学の本義本分。

際限のない性質をまず認め、 ご自分の求める未来像を思い描く。

そうして、 早めに 「 生の英語 」 に取り掛かる。

教材中心から、 能力相応の 「 未加工素材 」 に切り替える。

「 本物 」 に接している限り、 大幅には外れない。

万巻の教本を読破しても、 英語の使えない方が大勢いる日本。

  教材に依存しすぎると、 知らぬ間に逸脱して危険極まりない。

 

  外語については、 理論武装するよりも、 使ってみることだ。

基礎単語 と 句動詞 phrasal verb ) の活用に腐心する方が、
はるかに役立つことは、 日頃より英語を使っていれば自明の理。

生素材に接触していると、 鋭いセンスがめきめき育つ。

既に凝り固まった教材と違い、 今現在を映し出しているからである。

せっかく学んできた英語、 しまい込まずに、 使ってあげましょう。



初級と中級を隔てる分水嶺は

市販教材から自立できるかどうか


繰り返すと、

中級者なら、 主導権を奪われるな


中級の大人なら、  つまらないテキストではなく、

読みたい内容に早く向かえ

 

正しい文法は尊ぶべきものだけれども、

日英の総合的な雲泥の差を加味すれば、

深入りしすぎる前に切り上げないと、

それだけで人生が終わってしまう

さながら、 何十年も本気で日本語を学び続けている外国人の

教材が 『 桃太郎 』 周辺に掛かり切りになる無粋さ。

長らく時間を費やす価値のある中身か、 今一度熟慮されたい。

大人を主力読者として想定していない筋なので、 飽きてくる。

自覚があれば移れるのに、 正しい道と信じ込んでいたりする。

ついに嫌気がさして、 やればやるほど英語嫌いになっていく。

うんざりして当たり前、  空回りする 情熱を思うと胸が痛む。

◆  自分の英語学習・職務経験を踏まえて結論すると、

ばんばん使ってみないことには、すとんと腑に

落ちる具合に知識も意識も赴かないのが、 外語としての英語。

常日頃、 やり繰りして、 英語を使う機会を作っていない 人が、

教材中心に学び、 まともに理解できているとは、 到底思えない。

残酷な話だが、 「 勘違い 」 と 「 自己満足 」  で終わっている

可能性が高いと思う。

それゆえ、 くどくどしく不羈奔放な筆致で喚起を図ってきた。

 

自力で英文を書いていますか

ご自分の口を動かし、 発声していますか

テキストと問題集をやりすぎていませんか

うろうろ当惑している訪日客に声掛けできますか

 

もっとも、 「 できたつもり 」   「 できるつもり 」  の英語で

納得できるならば、 それはそれで学習の形を成すかもしれない。

 

◆  ちなみに、 通訳者・翻訳者も、 プロ( 見習い含む )となり、

日に日に現場で学んでいく方が、 スキル向上は早いと感じる。

現実世界で報酬を得て働く方が、 真剣味が増し確実に身につく。

緊張感も責任も、 受講生とは別次元だから、 当然と言える。

顧客に苦情を出され、 上司に叱られ、 涙流しつつ会得する。

駆け出しなら、 恥かき学び改め、 恥かき学び改め、の連続。

ベテランでも、 恥かき学び改め、 恥かき学び改め、の連続。

それが語学。

◆  笑われたり、 バカにされたり、 差別を受けることも語学修行の一環。

傷つくことを変に避けてしまうと、 身につけがたくなる気がする。

異質な対象を疎むのは、 人間の摂理 ( human nature ) と考える。

同類を好む人間の本能で、 縄張りにずかずか踏み込まれるのを嫌がる。

「 外人 」 という言葉を陰で使い続ける日本人は少なからず存在する。

人種 ・ 男女 ・ LGBTQI+  などの差別問題は、 教育と法政策で対処
する方が穏当で、 人の生理的反応に介入するのは道理に反し難儀する。

理性ではコントロールできるが、 好き好んで関わり合いたくはない。

こういった偽りのない気持ちは、 表立って非難されるべきではない。

相容れない不快感に起因する、 自己防衛の言動にすぎないこともある。

理性・倫理観・法規制が差別意識の発露を抑えれば、 とりあえずOK。


外語学習の本質は、 異文化に立ち入ることだから、 傷つく場面も多い。

英学徒たる者、 皆が通る道だと覚悟すべし。

笑われたり、 バカにされたりして、 一人前に近づく と思っておこう。

その方が、 気楽ですぞ。

どんなに笑われても、 バカにされても、 構わず居直るふてぶてしさ。

不逞な決意を貫く。

くだらないことを、 気に病んではならない。

人生、 因果応報 だし、 畢生修行だし。

※  ただし、 明らかに歓迎されていない場には居直ってはならない。

身の安全を確保するため、 直ちに立ち去る。

 

◆  50年以上、 もう散々な目に遭っているがなんのその、 まあ慣れます。

冷たくあしらわれる都度、「 はいはい、 また出た と意に介さず。

何食わぬ顔でかわし、 てんで取り合わないので、 今は余裕です。

がつんと打ちのめされ、 打ちひしがれた涙の思い出は忘れない。

嫌な思いをした分、 びっくりするほど銘記しやすく、 効果抜群

長期記憶 ( long-term memory ) に直行する、 段違いの力。

直接体験 ( firsthand ) なので、 忘れにくいに決まっている。

なんか癪に障るが、 おかげ様で長期記憶化して学び取れました。

 

死ぬほど  恥かかないと !!

 


英語がうまい方が自信がありそうかといえばそうでもなく、 英語を

使いこなそうと果敢に立ち向かう人が自信を強める傾向が見受けられる。

失態・落胆・侮辱・赤っ恥の一切合切が、 血となり肉となり糧となる。

大恥かくほど克明に覚えられて、 ” No pain,  no gain. ”  を地で行く。

外語を常時使って働く者ならば、 実体験から分かり切った道理である。

汚辱と恥辱にまみれ、 面子を失い、 懲りずに日英を学び続けて半世紀。

使ってみることがいかに有意義か知り尽すので、 がみがみ言い立てる。

conclusive  より



◆  「 ミス厳禁 」 で、 外語を学ぼうとするのは野暮。

四角四面な 「 万年受験生 」 の偏狭な マインドセット は捨てる。

学習教材にしがみついていたら、 チャンスは遠ざかる一方。

先述のごとく、 授業料を含む利潤追求こそスクールの主目的。

一定数の再履修や上達の見込みがないことを前提に経営する。

あっという間に修得し卒業されたら、 採算取れずに困ります。

名ばかりの 「 プロ養成 」 講座があるから注意を促している。

講師陣の適格性も俎上に載せたいが、 そのことは問うまい。

現場で現実からもぎ取る方が、 概して結果良好と私は考える。

実経験は生々しく記憶に残るから、 スキルも身につくわけだ。

【参照】  英語を使う仕事に変えるべきか

怒られまくって半世紀、 どうにか日英を学んでこられました。

【参照】  語彙採集、  ” Puke / Barf “、  ” hopefully ”

上述の通り、 「 be動詞 」 は 極めて基礎に位置する 英語の必須知識。

議論の余地はないが、 実は「 be動詞 」 を抜いても、 おおよそ趣旨は伝わる。

その証拠のひとつとして、 記事見出し ( headlines )・ 看板 ・ 掲示板 ・
格言 ・ 慣用句 ・ 常套句では、 「 be動詞 」 と 「 冠詞 」 を略すのが一般的

視認性を重視する指示・注意喚起と等しく、 簡潔明快を旨とするため、 英文法
の基本から逸脱する表記が少なくなく、 「 be動詞 」 と 「 冠詞 」 なしが普通

プロの手による文言とはいえ、 「 be動詞 」 と 「 冠詞 」 を省略 して世間一般
公開され、
必要十分な情報伝達ができている。

◇  「 見出し 」 英語の解説は、 こちらが秀逸  ↓
英語ニュースの読み方 ( 見出し編 ) RNN時事英語

「 be動詞 」 がないと絶対通じない、 と神経質になりすぎないことだ。

大意は伝わるから、 学習者は英語の間違いをそんなに恐れないでよい。

日本人はむしろ、 英語を使わずじまいになる損失に、 神経質になるべき。

これこそ深刻な事態、 人生を費やし骨折り損のくたびれもうけに終わる。


Please be aware that – “  より



◆  私が  ” I need 〇〇 “、” I want 〇〇 ”  と他者に 要求する のは、
締切日 が迫っているのに、 相手が ぐずぐずし、 承認の 署名
いただけないようなケースである。

きつめに 「  さっさと サインして ちょうだい 」 と 命令調

  •   I need your signature.
  •   I want your signature.
  •   I need you to sign this.
  •   I want you to sign this.

率直 この上ない。

こっちは 締切 厳守なので、 鬼気迫る。

もはや、 遠慮はない。

生意気にも、 脅迫 めいた言い様である。

◆  もちろん、 普段はたおやかに、

  •   Would you sign this for me ? 
  •   I would like to ask you to sign this.
  •   May I have your signature ?
  •   I would like to ask for your signature.
  •   Could you sign your name here ?

などとお願いしている。

【参照】

【類似表現】

◇  以下の Q&Aサイトでは、” no need ”  の日本語表現を
英語で議論している。

日本語母語話者( 日本語ネイティブ )の目にはどう映るか。

https://japanese.stackexchange.com/questions/62770

日本語学習者も大変に違いない。

 

 

【参考】    ※  外部サイト

◇  英語母語話者 ( 英語ネイティブ ) 対象の 「 言語習得難易度表 」

米国務省の外務職員局 ( FSI : Foreign Service Institute ) 発表

日本語は最難関 ( 4段階中、最高位 )

超難しい言語 」


Super-hard language

exceptionally difficult for native English speakers


https://www.state.gov/foreign-language-training/

※  2024年1月30日 アクセス

※  赤・黄・青字は引用者


割かし頻繁に引用される資料なので、 信用に値すると考えられる。

76 years of experience in teaching languages to U.S. diplomats ”

米外交官に、 76年間、 外国語教育を施した実績が叩き出したランキング。

英語ネイティブにとって、 日本語がかなり難しいのは、 確かであろう。

要は、我ら双方にとって大変であり、 本稿で挙げた側面からも明らか。

まったくもって、 お互い様。

先に掲げた 「 オランダ語 」 とは歴然の差。

 

integrity ”  にて、「 音声 」 「 音節 」 の詳細比較をしている

( 図入り、 動画入り  )。


【参考】    ※  外部サイト

 

◆  和訳の考察 ( 上文参照 )


Japan was still a world that wanted me.

( 日本はまだ、私を必要としてくれる世界だったのです。)

There Was a Little Girl : The Real Story of My Mother and Me
第12章

ハードカバー  p. 235.

Brooke Shields ( 1965- )


この通り翻訳した根拠は、 第12章を読むと、 どん詰まりの中、 仕事
で招いてくれた日本に対し、 感謝を寄せる真意が汲み取れたからである。

※  原書 ( 2014年刊 )の邦訳版は未発売、 和文はすべて拙訳

しかし、 この英文だけを読めば、 次のように訳すことも可能。

  •  日本はまだ、私を必要としている世界だった。
  •  日本はまだ、私を必要とする世界だった。
  •  日本はまだ、私を欲しがる世界だった
  •  日本はまだ、私を欲しがっている世界だった。

和文をそれぞれ一読すると、 がらりと印象が打って変わる。

謝意を述べるどころか、 やけに傲慢じゃん。

感情的な 「  強烈さ 」 をぶっ放つ   ” want “。

この  ” want ”  は、 他動詞 ( transitive verb )で、
目的語は  ” me “。

 

◆  無生物の  ” Japan  →  a world ”  が、 他動詞  ” want ”
の主体になれる点は英語の特色。

不定冠詞  ” a world ”  と定冠詞  ” the ”  の使い分けもチェック。

誰もが想起する、 抽象的な 「 世界 」 を指しているのではない。

そうではなく、 ここで描写したいのは、 惨めな自分を受け入れて
くれた、 類いまれで  稀有な 「 世界 」 である  ” a world “

感動の面持ちで、 纏綿たる情緒を前面に押し出したくて  a



画像の拡大

これならわかる!  英語冠詞トレーニング 』  pp. 119-120.

石田 秀雄 (著)
DHC、 2012年刊

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天ブックス>

※  下線は引用者


◆  日本が、 ガツガツ欲望露わに貴女を追い求める( want )から、

「 私を必要とする 」  「 私を欲しがる 」 ?

ブルック、 めっちゃ生意気。

一体、 何様だ。

バブルの余韻が漂う1993年頃の我が国は、 そう世知辛くなかった。

ましてや、 落ち目の米女優をそこまで必要とするわけないぜ。

日本人なら、 かくして突っぱねたくなる、 破廉恥な言い分。

心証を損なう和訳が、 無用な怒りを引き起こす。

 

◆  けれども、 この1文だけを見て和訳した場合、 全部ありなのだ。

  •  Japan was still a world that wanted me.

文脈を織り込まないと、 まるっきり別の解釈が成り立つことがある。

趣意に沿って本書を読めていれば、 反発の生じる余地はない箇所。

全体から切り離された 「 一部抜粋 」 の怖さである。

著者の言わんとしている所存とは、 裏腹と言っても過言ではない。

問題集などの教材は、「 一部抜粋 」 が中心となる。

抜粋に甘んじる、 やむを得ない出版事情は、 既に本稿で論じた。

これまで文中で、 「 生の素材 」  の多読の効用を依怙地になって
説いてきたのは、 こうした事例がしょっちゅう見受けられるから。

これでは、 文脈推理力と読解力  は身につきかねる。

なにしろ、 著者の旨趣とは 「 裏腹 」 じみた解釈をしている。

それなら、 「 だいたい読めて 」 すらいない  ではないか !

悪気も自覚もなく、 こんな読み方されてしまうと、 著者が哀れ。

べらぼうに稚拙な読書に陥る危うさをご理解いただけるだろうか。

 

◆  両スキルを逸失するインパクトを思えば、 背筋が凍てつく。

しかも、 刻一刻と失っている価値ある実体が見えていない。

時間内に正しく解答できればいいんだから、 関係ないもん  …

こうして、 意識も態度も 「 万年受験生 」 になっていく。

知らぬが仏で、 救いなのか。

もったいないぞ、 日本人。

 

得意分野の英文を がんがん読もう

早めに 原文に 着手しましょう

生の英語素材に 慣れましょう

 

 

  青い下線部は、 生の ( raw ) 食品 が苦手な人の常套手段



  アマゾン Kindle  より

※  下線は引用者


  ハードカバー   p. 235-236.  に該当


” There Was a Little Girl : The Real Story of My Mother and Me ”
Dutton  (2014).    Narrated by : Brooke Shields

Audible    CD    Kindle    ハードカバー    ペーパーバック


  ベイジル・ポールドゥリス ( 米作曲家、 1945-2006 ) の初期の名作。

青い珊瑚礁 』 ” The Blue Lagoon ”  米 1980

【英文台本】  http://www.brooke.artspb.com/bluelagoon/bluelagoon00.htm 

【原作】  https://www.gutenberg.org/ebooks/393




2016年、 「 完全版 」 サントラ新発売。

2022年、 アマゾンミュージック  、 アップルミュージック にも追加。

1980~90年代のレコード及びCD 「 全16曲 」 の2倍以上の楽曲「 全35曲 」
が収録され、 不使用曲や効果音 ( ボーナストラック ) まで網羅している。

入手困難なため、 長年、 プレミアム価格で取引されてきたサントラ盤。

新旧CD( 全35曲、 全16曲 ) いずれも、 新品未開封の相場は数万円。

※  2024年4月 現在

ダウンロード配信なので、 CD版と異なり、 最初から圧縮音源ではあるが、

完全版 「 全35曲 」 が、 2,000円以下で楽しめるようになった。

  • The Blue Lagoon (Original Motion Picture Soundtrack)
    –  Expanded

    Music Composed and Conducted by Basil Poledouris
    アマゾン>    <アップル

【 ご注意 】  旧CDにある  ” Sand of Time ” ( 2分27秒 ) は未収録。
EP盤 ( T.K.Records 07SP-494 ) の B面に 「 子供たちのテーマ 」
と和訳されて収録された。



  本作品は、 徳仁天皇陛下( 1960- )のお気に入りとされる 映画 である。

1980年代の学生時代、 微笑ましいファンぶりが日本社会に喧伝されていた。

在学中のブルック・シールズと面談するため、 プリンストン大学  にもご来訪。

90年代に入っても、 タブロイド紙・女性誌はもちろん、 堅めのメディアで
お忍び面会が取り上げられていたほど。

ご自身の過去の活動においては、 割と開けっぴろげなブルックだが、
陛下の話題は軽はずみに触れておらず、 公私の別をわきまえている。
深い思慮分別を具備している。
Or maybe just because of gag orders.

 

 

 

 

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