プロ翻訳者の単語帳

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No need.

      2020/05/21

不要です。

“need” には、名詞・他動詞・自動詞・助動詞がある。

【発音】  niːd (1音節)

語源は、古英語「必要」(nēd)。

用法は多岐に及ぶが、
必要」という基本的意味は一貫する。

◆ “need” は、日本語の「必要」に比べ、

「感情」に強く訴えかける単語  

それゆえの<注意点>は、本稿後半にて詳述する。

【参照】


◆ “no need” は、シンプルだが応用の効く表現。

口頭で “No need.” と2語完結した場合、通常、

“There is no need.”
(その必要はない。)

を略したもの。

“No need to.” と3語完結になることもある。

 無骨でぶっきらぼうだが、この上なく明瞭 

  ぴしゃり「不要です

表題の “need” は名詞。
可算名詞不可算名詞を兼ねる。

“need”「必要(必要性)」を
形容詞 “no” で否定し「不要」。

この場合の “need” は、
不可算名詞単数名詞が通例。

「単数名詞」(singular noun)とは、
単数形で使われるのが一般的な名詞
英英辞書では “S” または “sing” と略記されたりする。

◆ 上述の通り、もともとは
There is no need.” などの略。

2語単独で使え、応用が効くのがポイント。

口頭の2語完結以外の頻出表現は、

  • “no need to – “(主に動詞が続く)
  • “no need for – “(主に名詞が続く)

意味は「~する必要はない」または「~は不要」。
口頭・文面ともに頻出。

「不要」= “no need” 

と覚えておけば、意思は確実に伝わる。


◆ “It is not necessary” や “not necessary”
とほぼ同義だが、次の3つの持ち味を押さえておきたい。

■ “no need” の方が、

1)簡明直截
2)強い否定
3)感情的

“It is not necessary” は、副詞 “not”
be動詞 “is” を否定(= isn’t)するのに対し、
“no need” は、形容詞 “no” で、名詞 “need” を否定。

この場合、形容詞 “no” の方が、副詞 “not” よりも、
否定の度合いが強い。

結果的に、取り付く島もなく、拒絶する勢い
のあるのが “no need”。

感情的な “need” の語感と相まって、
すげない印象を与えがち。

もっとも、個人的感情を排する事務的な冷たさ
であり、必ずしも悪気があるわけではない。

片や “not necessary” や “unnecessary” は、
単に
「不必要」であることを表し、ずっと中立的

感情抜きで、淡々と「必要ありません」「要りません」。
現状では不要であることを、客観的に示すにすぎない。

【参照】

 ”No need” も『断る力

“No need to fight.”
“No need for a fight.”
(喧嘩は不要。)

“I’ll help you.” “No need.”
(手伝いますよ。)(不要です。)

“No need to shout. I hear you.”
(叫ばなくてよい。聞こえてます。)

“No need to get angry.”
(怒る必要ないだろ。)

“No need to remind me.”
(教えてくれなくて結構。)
(思い出させないでよい。)

“No need to stay up late.”
(夜更かししなくてよい。)
(夜更かし不要。)

“No need for translation.”
(翻訳は不要。)

“No need to bribe politicians.”
(政治家たちに賄賂を渡す必要はない。)

“No need for an interview. ”
(面接は不要。)

“No need to take action.”
(対応は不要。)

“No need to apologize.”
(謝る必要はない。)

“No need to cry.”
(泣くな。)

“No need for you.”
(あんたなんか要らん。)

【ご注意】 “need” “want” は、差し迫った要求。
 きつく聞こえがち なので、対面では特に注意! 

  日本語の「必要がある」に比べて、かなり感情的  

<対面>で使う際は要注意。 特に相手が<目上>の場合
  やたら “I need 〇〇 ” と 要求 してはならない。


◆ 相手との関係・状況・言い振りにも左右されるが、
ここでは日常的なビジネス場面を想定する。

例えば、

■ 上司に面と向かって、 I need it.

私にはそれが絶対必要なんだ
—— —↓ ↓————– –
とっとと渡せよ」「早くやれ

こんな風に受け取られる可能性がある。

すぐやれ!

 

命令の勢いを帯び、上司ならカチンと来ても不思議でない。

だから、平時には “I need – ” の出番は少ない。
文面でも同じ傾向が見られる。

  •  “I need – ” による要求は、高圧的な感じで、
     誤解を招きやすい 

  •  他動詞 “want” の “I want – ” も、
    同様の印象を伴う。

トラブル予防には不可欠な知識なのだが、日本の学校教育では
教わる機会が少ない。 至極残念である。

  •  抱負を述べ ような使い方にはよいが、
     対人用途 では高リスク

学校の教え通りに、”I need 〇〇”、”I want 〇〇” と無邪気に
口にする日本の中高生を思うと、なんともやりきれない。


◆ よろしくない一例は、こちらのシーン。

動画開始後 21:08 で飛び出した、堀江貴文氏の I want 発言である。

I want you to –

レバノンでカルロス・ゴーンと対談しました  (2020/3/6)

堀江貴文 ホリエモン (公式チャンネル)
2020年3月10日公開

ゴーン元会長に対する物言いとしては、不適切と考える。

おまけに、人差し指で指差しつつ述べている。

思うに、

失礼な一幕で、手振りも口振りも、
ゴーン氏に対する「命令」

かのようだ。

先述のまずい会話を、見事なまでに具現している。

無性に活発な両手の動きが人目を引く。

とりわけ、人差し指は上図と紛うばかりの存在感

ジェスチャーは、世間一般の認識以上に注目されやすい。

なにより、対談中、何度も頬杖をつくのが目立ちすぎ。

動画を通じて、無作法な英語の言い回しも少なくない。

“want” の弱点 はともかく、指差し頬杖 は基本マナーに背く。

堀江氏は気づいていない模様。 癖かもしれない。

しかし、「キャラ」「個性」で済まされる所作とは言えないだろう。

社会人として、もったいない。

◆ 一方、ゴーン氏の聞き手としての態度は、誠実で立派と感じる。

世界を舞台に長年活躍してきた、トップマネジメント特有の物腰。

射る眼光が放つ荘厳さに加え、底知れぬ静穏な佇まいが醸すオーラ。

多様性に日々もまれ、職務上「異文化理解力」を要求されてきた
ビジネスパーソンに共通する雰囲気。

経験上、そんな気がする。

英語力は言うに及ばず、体の構え(姿勢)の差異も際立っている。


※   ホリエモン風にやったら、私なんかは 即刻クビ になる


◆ 私が “I need 〇〇”、”I want 〇〇” と他者に要求するのは、
締切日が迫っているのに、相手がぐずぐずし、承認の署名
いただけないようなケースのみである。

きつめに「 さっさと サインして ちょうだい」という具合。

  • “I need your signature.”
  • “I want your signature.”
  • “I need you to sign this.”
  • “I want you to sign this.”

率直この上ない。

こっちは締切厳守なので、鬼気迫る。

生意気にも、脅迫めいた言い様である。

◆ もちろん、普段はたおやかに、

  • Would you sign this for me ? “
  • “I would like to ask you to sign this.”
  • May I have your signature ? “
  • “I would like to ask for your signature.”
  • Could you sign your name here ? “

などとお願いしている。

【参照】

【類似表現】

◆  以下の Q&Aサイトでは、”no need” の日本語表現を
英語で議論している。

私たち日本語ネイティブの目にはどう映るか。

https://japanese.stackexchange.com/questions/62770

日本語学習者も大変に違いない。

 

 

 

 

 

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