先例にならう
◆ ” follow ” は、名詞・他動詞・自動詞がある。
【発音】 fɑ́lou
【音節】 fol-low (2音節)
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語源は、古英語「 後についていく 」( folgian )。
基本的意味は、この意味合いを貫く。
動詞 ” follow ” の持ち味は、 ” follow through ” で
事細かに述べている。
ご確認いただければ幸い。
– 他動詞 「 後について行く 」 「 次に来る 」 「 続く 」
– 自動詞 「 後から行く 」 「 次に起こる 」 「 続く 」
– 不可算名詞 「 追うこと 」 「 追随 」
ここでは、 他動詞 「 ~ に続く 」。
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◆ ” suit ” にも、名詞・他動詞・自動詞がある。
【発音】 súːt
【音節】 suit (1音節)
語源は、ラテン語「 後についていく 」「 従う 」( sequī )。
” follow ” の語源と重なる内容である。
同源の単語は、
- pursue ( 後を追う ) ※ 他動詞・自動詞
- subsequent ( 次に続く ) ※ 形容詞・名詞
- suite ( 一続きの部屋、スイートルーム ) ※ 名詞
他動詞・自動詞は「 適合する 」が共通の意味だが、 名詞は多義。
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【参照】
■ ” Suitable for – ”
( ~ に適している。 ~ に向いている。)
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◇ ” follow suit ” では、可算名詞 の “suit”。
トランプ (trump) の「 柄 」 を指す。
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heart ( ♥ ) ・ club ( ♣ ) ・ diamond ( ♦ ) ・ spade ( ♠ )
トランプの 「 柄 」 が ” suit ” ( スート )
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◆ 日本では 「 スート 」 または 「 スーツ 」と表記される。
それぞれ ” suit “(単数形) と ” suits ” (複数形)。
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■ ” follow suit ” とは、
- もともと 「 トランプ 」 で使う表現
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- ” suit ” とは、トランプ の 「 柄 」 を表す 「 スート 」
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- 前に出たカードと同じ 「スート 」 のカードを出す こと
– - ” play a card of the same suit “ と同義
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長ったらしい ” play a card of the same suit ”
に比べ、 はるかにシンプルな言い回しが、
■ ” follow suit ” = 先のスートにならう
転じて、 「 先例にならう 」 の意に。
「 ならう 」は、「 倣う 」と書く。
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まねっこ
◆ 家庭、学校、オフィスなど、所構わず出てくる。
–
「 トランプ 」由来と知らずに使っている人々が、
圧倒的多数だろう。
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” follow suit “
to do the same as someone else has done.
( ロングマン、 LDOCE6 )
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「 口語 」「 話し言葉 」と記す英和辞書がある。
実際には、 堅めの新聞・雑誌にも普通に出てくる。
- “Other students will follow suit.”
(他の学生もそれにならうだろう。)
– - “If you call it quits, I will follow suit.”
(君が辞めるなら、俺もそうする。)
– - “Let’s follow suit.”
(私達も後に続こう。)
◆ 平板で、均一なリズムの日本語では、
” trump ” は 「 ト – ラ – ン – プ 」 で 「 4音節 」。
【発音】 trʌmp
【音節】 trump (1音節)
英語では「 1音節 」なので、 腹の底から ゲロする 勢いで、
トウランプッ
と一気に吐き出す。
第45代米国大統領のドナルド・トランプ ( Donald Trump, 1946 – )
の姓 ” Trump ” も、同様に発音する。
音節の差異が顕著な日英比較は、” integrity ” で深掘りした。