プロ翻訳者の単語帳

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As follows

      2023/06/16

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以下の通り

報告書など、 堅めの堅めの文書を作成する際、

  •  以下の通り
  •  下記の通り
  •  次の通り

と内容を記す場面は多々生じる。

英文でも同様。

これらの文言は、 決まり文句  である。

  •  “The time frame for implementation is as follows: June 19-23.”
    (導入時期は、以下の通りです:6月19~23日。)

◆  英語では、as follows   が、最も一般的な印象

2語ワンセット > で 「 副詞句 」

応用範囲が広く、 ほぼ万能

  直後に提示する項目数は問わない
→  単数でも複数でもOK  =  「 単複不問

2語ワンセット > の 「 副詞句 」 だから、
動詞の 三人称複数形 などを考える必要がない。

→  成り立ちとして「 三単現のS 」つき ( 後述 )


” s ” 抜きの ” as follow ” が正しくない理由は、
後ほど有力辞書を掲げてご案内する。

 

◆  多用される同義フレーズは、次の通り。

単複不問 >     ※  文頭・文中・文末を問わない

「 以下に 示した 通り 」  「 下記の通り 」

  •  as  described  below
  •  as  indicated  below
  •  as  mentioned  below
  •  as  stated  below

太字は  < 他動詞の過去分詞形 >  である。


◆  接続詞 ” as ” の直後に、 使い手の主格( 通常 ” I ” )
を入れることもある。

「 私が以下に示した通り 」

( 文頭 )  As  I  described below,   –
( 文中 )  –   as  I  indicated  below,   –
( 文末 )  -,  I  mentioned  below.

< 単複別 >    ※  文頭が一般的

ここに ~ があります

  •  Here is
    ※  1つだけ示す場合
  •  Here are –
    ※  複数を示す場合


着眼点に違いはあるものの、 2つの黄枠内の
表現すべてが 「 以下の通り 」 を意味する。

少々煩雑であろう。

” as follows ” は、もっとすっきりしており、
深く考えなくても使える便利さ  が特長。

まさしく 「 以下の通り 」 同然で、手間いらず。

この強みで表題に選んだ。

◆  文法構成も単純。

  • 様態・状態の 接続詞  as
    ( ~ のように )
  • 他動詞  follow
    ( ~ に続く )


◆  ” as ” には、接続詞・副詞・代名詞・前置詞がある。

LDOCE6( ロングマン )の指標によれば、
最頻出かつ最重要レベルの英単語である。

  • 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
  • 書き言葉頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
  • 話し言葉頻出度:最上位 <トップ1000語以内>

ここでは、様態・状態を示す接続詞 の ” as

  •  ~ のように
  •  ~ の通り
  •  ~ のまま

◆  様態・状態の接続詞  ” as

~ のように 」  「 ~ の通り 」  「 ~ のまま

ビジネス用途では頻出。

as follows ” に加え、 代表的なものはこちら。

  • as advertised ( 広告通りに )
  • as agreed ( 合意に従い )
  • as directed ( 指示に従い )
  • as described ( 記載の通りに )
  • as discussed ( 話し合いに従い )
  • as mentioned ( 述べた通りに )
  • as promised ( 約束に従い )
  • as planned ( 計画通りに )
  • as scheduled ( 予定通りに )
  • as is ( 現状のままで )

◇  全部 「 2語ワンセット の  「 副詞句 」扱い   が原則

※  ” as is ” は「 形容詞句 」になる場合もある

◆  上記の副詞句は、本来の意味として、

  •   過去形 ( past tense ) の受動態  ” as it was ○○ ”
    または
  •  過去完了形 ( past perfect ) の受動態  ” as it had been ○○ “

ゆえに、 動詞 ○○ はどれも 過去分詞形 past participle )。

唯一、 末尾の  ” as is ” は、 もともと  ” as it is ” で、
人称代名詞の単数主格 ” it ” が省略されている。

副詞句 ” as follows ” も、 似たパターンで、
as it follows ”  が本来の形。

こちらの ” it ” は、 非人称の ” it ” であり、
「 非人称構文 」と解説する、 英語ネイティブ用辞書がある。

1926年から版を重ねる、ファウラーの語法辞典によれば、

The reason for its fixed form is that
it was originally an impersonal construction
=  ‘ as it follows ’.




P.71.

Jeremy Butterfield
Fowler’s Dictionary of Modern English Usage
Oxford University Press  (4th ed. 2015).


文中の  “ impersonal construction ” ( 非人称構文 )
とは、 最初から主語をとらない構文のこと。

あるはずの主語が省略されている構文では ない

論理的主語は不要なので、” it ” は人称代名詞ではない。

すなわち「 非人称 」の  ” it ”  とされる。

この「 非人称の it 」の典型は、天候や時を指す “it”。

人称代名詞ではないのに、この ” it ” も形態上は、
三人称単数の主格となるため、三人称単数語尾を伴う。

つまり、「 三単現のS 」( ※ )がつき、 ” follow” となる。

※  主語が「 三人称 」かつ「 単数 」で、動詞の時制が「 現在形 」
→  動詞「 原型 」の語尾に ” s ” がつく

 

◆  なんだか、わけ分からない話である。

その他、諸説あるが ( 下記の外部サイト参照 )、

単複不問 で “ as follows


この点に対する異論は見当たらない。

 

【参考】    ※  外部サイト

The singularity of  “ as follows ”

https://www.grammarphobia.com/blog/2013/02/as-follows.html

2013年2月21日付


成立の経緯はともかく、

 ◇  単複不問 で “ as follows ” 


これだけは覚えておこう。

 

◆  ” follow ” には、他動詞・自動詞・名詞がある。

【発音】 fɑ́lou
【音節】 fol-low  (2音節)
【活用形】  follows – followed – followed – following

語源は、 古英語 「 後についていく 」( folgian )。

基本的意味は、 この意味合いを貫く。

動詞  ” follow ”  の持ち味は、” follow through ” で、
かなり深堀りしている。

–  他動詞 「 後について行く 」「 次に来る 」「 続く 」
–  自動詞 「 後から行く 」「 次に起こる 」「 続く 」
–  不可算名詞 「 追うこと 」「 追随 」

ここでは、他動詞 「 続く 」 の意味合い。

しかし、” as follows ” の 2語ワンセット >で、
 副詞句 ( adverb phrase )
 される

もとは ” as it follows ” だった点は、既に触れた。

” as follows ”  は 「 ~ のように続く 」 だから、
以下の通り 」となる。

as follows

used to introduce a list of things that
you will mention next.

( ロングマン、LDOCE6 )


これまで見てきた通り、” as follows ” はシンプルな常套句。

留意点はこちら。

  複数  の内容を示す場合も、” as follows

【正】  The 20 books are as follows.
【誤】  The 20 books are as follow.
(その20冊の本は、以下の通りである。)


単複不問 で  “ as follows

2語ワンセット > の  副詞句( adverb phrase ) 
として扱われるため、  単数形・複数形は関係ない。

” as it follows ” 由来とはいえ、 副詞句  ” as follows ”
の ” follow ” は、 もはや動詞扱いされていない。

 


◇  箇条書きなどに使う記号「」は、” bullet ” という。

【発音】 búlit
【音節】 bul-let  (2音節)

語源は、 中期フランス語 「 小さな球 」( boullette )。

日本では、「 中黒 ( なかぐろ )」 または 「 ビュレット
と呼ばれてきたが、「 バレット 」でも定着しつつある模様。

世界的人気を博す手帳術「 バレットジャーナル 」は、
” bullet journal “。

【公式サイト】  https://bulletjournal.com/


上記 LDOCE 同様、独立項目(見出し)として
” as follows ” を掲げている英英辞典は少なくない。

 ” as follows “

You use as follows in writing or speech to introduce
something such as a list, description, or explanation.

コウビルド(COBUILD)/ Collins


【 参考和訳 】

文面または口頭で、リスト・内容・説明などを
紹介する時に使う。

※  下線・太字は引用者


◆  日本語の 「 以下の通り 」と同じく、文面に用いる方が多いが、
コウビルドの語釈( 下線部 )にあるように、筆舌両方で使える。

本稿でご紹介した同義フレーズも同様である。

  • “Our teachers are as follows: A. Smith; C. Johnson; W. Gate.”
    (我々の先生は以下の通り:スミス、ジョンソン、ゲート)
  • “You can finish this if you do as follows.”
    (以下の通りやれば、君はこれを終えられる。)
  • “Let me clarify my understanding as follows.”
    (自分の理解していることを、以下の通り説明させてください。)
  • “My suggestions are as follows: call her up and
    ask her out.”
    (俺の提案は以下の通り。 彼女に電話し、デートに誘え。)
  • “Our replies are as follows.”
    (我々の回答は以下の通りです。)
  • “Our plan is as follows.”
    (私たちの計画は以下の通り。)
  • “My address is as follows.”
    (私の住所は以下の通りです。)
  • “Your interview date is as follows.”
    (あなたの面接日は以下の通りです。)

◆ 対義の常套句は、先述の同義フレーズ
と対になるものなので、理解しやすい。

副詞 ” below “(下の)で、 ” above “(上の)
を置き換えればよいだけ。

他動詞の過去分詞形は、そのまま流用できる。

単複不問 >     ※  文頭・文中・文末を問わない

「 以上に 示した 通り 」 「 上記の通り 」

  •  as  described  above
  •  as  indicated  above
  •  as  mentioned  above
  •  as  stated  above

※  副詞 “above”  →  副詞  “before” 「前に」 に置換え可

 

  •  as previously  described
  •  as previously  indicated
  •  as previously  mentioned
  •  as previously  stated

※  ” previously ”  =  副詞 「 以前に 」

【発音】 príːviəsli   
【音節】 pre-vi-ous-ly (4音節)

  •  as  seen above
  •  as  aforementioned

※  ” seen ”  =   他動詞 ” see ” の過去分詞形

※  ” aforementioned ”  =  形容詞 「 前述の 」

【発音】 əfɔ́ːmènʃənd
【音節】 a-fore-men-tioned (4音節)


いずれも  ” as ” を用いている。

繰り返すが、

この  様態・状態の接続詞  ” as ” 

  •  ~ のように
  •  ~ の通り
  •  ~ のまま

は、根拠提示を常とするビジネスで重宝する。

上掲の黄枠の用法を押さえておくとよい。

【関連表現】

“ to the extent possible ”
https://mickeyweb.info/archives/18574
(可能な限り、できる限り)

 

 

 

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