As follows
2020/01/07
以下の通り
報告書など堅めの文書を作成する際、
- 以下の通り
- 下記の通り
- 次の通り
と内容を記す場面は多々生じる。
英文でも同様。
これらの文言は、決まり文句 である。
◆ 英語では、“as follows” が最も一般的
<2語ワンセット> で「副詞句」扱い
応用範囲が広く、ほぼ万能
直後に提示する項目数は問わない
単数でも複数でもOK (単複不問)
<2語ワンセット> の「副詞句」扱い だから、
動詞の三人称複数形などを考える必要がない。
多用される同義フレーズは、次の通り。
<単複不問> ※ 文頭・文中・文末を問わない
「以下に示した通り」「下記の通り」
- as described below
- as indicated below
- as mentioned below
- as stated below
太字は<他動詞の過去分詞形>である。
接続詞 “as” の直後に、使い手の主格(通常 “I”)
を入れることもある。
「私が以下に示した通り」
(文頭) As I described below, –
(文中) – as I indicated below, –
(文末) -, I mentioned below.
着眼点に違いはあるものの、2つの黄枠内の
表現すべてが「以下の通り」を意味する。
少々煩雑であろう。
“as follows” は、もっとすっきりしており、
深く考えなくても使える便利さ が特長。
まさしく「以下の通り」同然で、手間いらず。
この強みで表題に選んだ。
ー
◆ 文法構成も単純。
-
様態・状態の 接続詞 “as”
(~のように) -
他動詞 “follow”
(~に続く)
■ “as” には、接続詞・副詞・代名詞・前置詞がある。
LDOCE6(ロングマン)の指標によれば、
最頻出かつ最重要レベルの英単語である。
- 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
- 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
- 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
ここでは、様態・状態を示す接続詞、
「~のように」「~の通り」「~のまま」。
◆ 様態・状態の接続詞 “as”
「~のように」「~の通り」「~のまま」
は、ビジネス用途では頻出。
“as follows” に加え、特に目立つのがこちら。
-
as agreed (合意に従い)
-
as discussed (話し合いに従い)
-
as promised (約束に従い)
-
as planned (計画通りに)
-
as requested (ご要望の通り)
-
as is (現状のままで)
全部 <2語ワンセット> の「副詞句」扱い が原則
※ “as is” は「形容詞句」とされる場合もある
■ “follow” には、他動詞・自動詞・名詞がある。
【発音】 fɑ́lou
語源は、古英語「後についていく」(folgian)。
基本的意味は、この意味合いを貫く。
動詞 “follow” の持ち味は、”follow through” で詳述している。
ぜひ、ご確認いただければと思う。
– 他動詞「後について行く」「次に来る」「続く」
– 自動詞「後から行く」「次に起こる」「続く」
– 不可算名詞「追うこと」「追随」
ここでは、他動詞「続く」の意味合い。
しかし、”as follows” の<2語ワンセット>で、
副詞句(adverb phrase) 扱いされる。
動詞のような中身だが、動詞扱いされないということ。
“as follows” は「~のように続く」だから、
「以下の通り」となる。
“as follows”
used to introduce a list of things that
you will mention next.
(ロングマン、LDOCE6)
これまで見てきた通り、”as follows” はシンプルな
常套句であるが、留意点はこれ。
◆ 複数 の内容を示す場合も、“as follows“
【正】The 20 books are as follows.
【誤】The 20 books are as follow.
(その20冊の本は、以下の通りである。)
—- 単複不問で “as follows” —
<2語ワンセット> の 副詞句(adverb phrase)
として扱われるため、単数形・複数形は関係ない。
“as follows” の “follow” は動詞扱いされない。
※ 箇条書きなどに使う「・」は、”bullet” という。
【発音】 búlit
語源は、中期フランス語「小さな球」(boullette)。
世界的人気を博す手帳術「バレットジャーナル」は、
“bullet journal”。
【公式サイト】 https://bulletjournal.com/
上記 LDOCE 同様、独立項目(見出し)として
“as follows” を掲げている英英辞典は少なくない。
“as follows”
You use as follows in writing or speech to introduce
something such as a list, description, or explanation.
<和訳>
文面または口頭で、リスト・内容・説明などを
紹介する時に使う。
※ 下線・太字は引用者
日本語の「以下の通り」と同じく、文面に用いる方が多いが、
コウビルドの説明(下線部)にあるように、筆舌両方で使える。
本稿でご紹介した同義フレーズも同様である。
- “Our teachers are as follows: A. Smith; C. Johnson; W. Gate.”
(我々の先生は以下の通り:スミス、ジョンソン、ゲート)
– - “You can finish this if you do as follows.”
(以下の通りやれば、君はこれを終えられる。)
– - “My suggestions are as follows: call her up and
ask her out.”
(私の提案は以下の通り。彼女に電話し、デートに誘え。)Z
– - “Our replies are as follows.”
(我々の回答は以下の通りです。)
– - “Our plan is as follows.”
(私たちの計画は以下の通り。)
– - “My address is as follows.”
(私の住所は以下の通りです。)
– - “Your interview date is as follows.”
(あなたの面接日は以下の通りです。)
ー
◆ 対義の常套句は、先述の同義フレーズ
と対になるものなので、覚えやすい。
副詞の “below”(以下の)で “above”(以上の)
を置き換えればよいだけ。
他動詞の過去分詞形は、そのまま流用できる。
<単複不問> ※ 文頭・文中・文末を問わない
「以上に示した通り」「上記の通り」
- as described above
- as indicated above
- as mentioned above
- as stated above
※ 副詞 “above” → 副詞 “before“「前に」 に置換え可
- as previously described
- as previously indicated
- as previously mentioned
- as previously stated
※ “previously” = 副詞「以前に」
【発音】 príːviəsli
【音節】 pre-vi-ous-ly(4音節)
- as seen above
- as aforementioned
※ “seen” = 他動詞 “see” の過去分詞形
※ “aforementioned”
= 形容詞「前述の」
【発音】 æfərˌmenʃənd
【音節】 a-fore-men-tioned(4音節)
いずれも “as” を用いている。
繰り返すが、この 様態・状態の接続詞 “as”
「~のように」「~の通り」「~のまま」
は、根拠提示を常とするビジネスで重宝する。
上掲の黄枠の用法を押さえておくとよい。
ー
ー
【関連表現】
“to the extent possible”
https://mickeyweb.info/archives/18574
(可能な限り、できる限り)