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蔵書の「自炊」記録(6)

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2015年12月以来、 蔵書の 「 自炊 」 を継続している。

【参照】  蔵書の「 自炊 」記録 (1)~(5)

2020年12月までの5年余りは、 毎月50冊から60冊をスキャンした。

2021年1月からは、 毎月10冊から20冊ずつで、 ペースを落とした。

【参照】  その後の進捗状況

「 自炊 」とはいえ、 今や全工程を、 大手専門業者2社に任せきり。

「 一般書 」 及び 「 辞書・専門書 」 と分別し、 依頼先を分ける。

よって、 自分でスキャンする、 本来の 「 自炊 」 ではない。

しかし、 弊サイトの共通定義 「 紙をスキャンして電子化 」
に従い、 外注分も 「 自炊 」 と称している。

◇  紙が極薄な辞書にも対応できる専門業者はまれ

【 辞書の自炊の詳細 】  →  辞書の「 自炊 」と辞書アプリ

◆  何年間も懸念した、 法律面の不安は杞憂であった。

【参考】  「 自炊代行 」 訴訟の行方

2016年3月の最高裁判決 ( ≒ 自炊代行は著作権侵害 ) 後も、
2社が提供するスキャンサービスに変化は感じられなかった。

ユーザーとしては、 うれしい限りである。

 

◆  この1年余りで、 本の山がいくつも消えた。

部屋が広くなり、 とてもうれしい。

「 自炊 」 の結果は目に見えるので、 達成感がある。

一方で、

「 本を電子化しても、再び読む機会は少ない

との批判をよく耳にする。

 

◆  我が蔵書は  4,000冊以上。

増加の一途をたどる。

残された人生で、 再び全冊に目を通すことはあるまい。

果たして 「 自炊 」 は、 推定200万円  の投資に値するか。

約 3,500冊の自炊を経た今 ( 2024年11月 現在 )、
その効用を考察してみる。

1) 本を手元に置く 「 安心感 」 は予想以上

普段は使わなくても、 「 読みたくなった時、 絶対読める 」。

この安心感は、 「 保険 」 に等しい。

  欲しい本が、 必ず手元にある  


この状況は、 えも言われぬ安心感をもたしてくれた。


2) 即刻入手できる 「 便利さ 」 も予想以上

私にとって大事なことは、 短時間で確実に入手できること。

そのため、 必要資料は自己管理が望ましい。

けれども、 将来必要なものは見当が付きにくい。

この判断の迷いを、 端的に払拭する手段が、

  丸ごと 「 自炊 」 

 


◆  全国の図書館や 国会図書館 から取り寄せてもらえば、
大半の和書は閲覧できる。

自治体間の 「 相互貸借 」( inter-library loan requests
は、 通常業務として行われている。

利用代金は、 原則無料。

【参考】    ※  外部サイト

図書館の本、スマホで閲覧可能に   文化審議会が報告書

2020年11月付


著作権のうち、作家らが作品のネット送信をコントロールできる
権利である「 公衆送信権 」を弱め、図書館が許可を取らずに
データを送れるようにする。

( 中略 )

国会図書館はデジタル化した資料のうち、著作権の保護期間が
切れた約55万点はネットで公開している。 だが、著作権が
切れていない 絶版本 など約150万点は 著作権法規定で
各地の図書館の端末までしか送信できない。

法改正が実現すれば、これらも利用者の端末で見られるようになる。

( 中略 )

図書館の蔵書をネット経由で気軽に読める「 電子図書館 」
に向けた大きな一歩と言える。

【出典】   https://www.asahi.com/articles/ASNC96CZBNC9UTIL018.html
図書館の本、データをスマホに送信 文化審議会が報告書
2020年11月9日付


【出典】   https://www.asahi.com/articles/photo/AS20201106003034.html
図書館の本、スマホで閲覧可能に 文化庁が法改正検討
2020年11月6日付



◆  国会図書館 の提供サービスも活用したい。

 

◆  手持ちの利便性は、 際立って高い。

なによりも、

 その場で入手できれば、意欲を失わずに済む。

読みたい本が  目の前にあれば、 誰しも手に取る  だろう。

もし  数ヶ月待ち であれば、  時間との兼ね合いもあり、
「 もういいや 」 となりがち。

 

◆  このような機会損失を、 私は非常に恐れてきた。

「 もういいや 」と諦めた途端、 失うものは少なくない。

得られたかもしれない知識と楽しみの自己放棄。

自ら成長の好機を捨てるに忍びない。

さらに、急に頭をもたげた ( a sudden urge )、

「 この本を読みたい

の欲求裏には、 重大な意味が込められているかもしれない。

目当ての本に、 自分の人生を変える、 なにかが潜むのではないか …

読書好きの方なら、 きっとご存知の直観であろう。

「 即座に読みたい 」

これぞ自炊実行の動機のひとつだった。

すぐ手に取れるのが自炊本の強みである。

◇  他者を一切煩わせることなく、
が読みたい本がその場で読める  


自炊本の即効性を何度も享受してからは、
投資価値を素直に認められるようになった。

そして、 推定コスト200万円 の捻出を決意したのである。

 

◆  自炊本のPDFデータは、 先述の自炊業者の専用ページに加えて、
パソコン本体、 有料の クラウド サービス 及び
ポータブルHDD ( 2台、 各5TB ) に保存中。

合計5ヶ所に分散し、 消滅リスクを回避している。

外出先で読む場合は、 PDFをタブレット( iPad mini )にコピーする。

◇  使用 ipad mini  →  写真 ( 辞書の 「 自炊 」 と辞書アプリ )

Wi-Fi を用いて、 クラウドから直接ダウンロードする場合が多い。

300ページ程度の菊判 ( ほぼA5サイズ ) の活字和書なら、
1冊70MB前後。

5秒~30秒でダウンロード でき、 至って簡単。

※  Wi-Fi の電波状況により、 所要時間に差がつく

自分に合った方法さえ見つければ、 データ管理は楽しい。

【参照】  「 Gmail 」 で作る単語帳

慣れれば、 手間なしである。

 

◆  現時点 ( 2024年11月 ) の結論として、

「 自炊 」 導入は正しかったと考える。

今後も続けていきたい。

 

< 蔵書の「 自炊 」記録 >  連載一覧

 

 

【参考】    ※  外部サイト

 

 

 

 

 

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