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蔵書の「自炊」記録(7)

      2020/09/01

こちらの連載でお伝えしたいのは、

  蔵書と自炊全般についての <考え方> 

である。

スペース維持の点では共通するものの、
いわゆる「断捨離」や「ミニマリスト」、
さらに効率化を追求する「ライフハック」
とは、自炊の趣旨が異なる。

スキャナーを使った具体的な自炊方法は、写真満載の
他サイトYouTube で存分に説明されている。

ハウツーを必要とされる方は、上記リンクをご高覧ください。

 

◆  この連載の想定読者様とは …

日常生活に本が欠かせない読書家、
及び多数の蔵書を要する職業に就く方々を、
主な読者層に想定している。

単なる「娯楽」を超えて、

「読書=人生」の<本読み> のための
ーーーーー
との付き合い方

を真剣に考察したい。


◆  本人以外には不用で、処分に困るのが蔵書である。

蔵書は、属人的な性質が強い。

そのため、価値観の共有や評価を求める期待は、
望むべくもないのかもしれない。

有名作家の死後、貴重な蔵書が四散した例は枚挙に暇がない。

多くの場合、古本屋に引き取られるか、廃棄処分されている。

これは文学史が証明する事実(史実)である。

◆  作家の生前の資力や人気は、さほど関係ないらしい。

  ほとんどの遺族にとって、大量の本は迷惑千万 

文筆稼業を支えた道具なのに、実に不条理な話である。

一部の作家の蔵書のみが、「〇〇文庫」などと称されて、
大学や自治体に引き取られる。

このような幸運なケースとて、永年死蔵される運命が
待ち構えていたりする。

利用者が少ない割に、維持管理費がかさみ、ありがた
迷惑ばりに邪険にされる「○○文庫」さえ少なくない。

これが実態なのである。

 

◆ 「司馬遼太郎記念館」(東大阪市)に収められた、
作家蔵書の活用例は、稀有な例外である。

高さ11メートルの書架に、約2万冊の蔵書


◆  2017年に発行された紀田順一郎(1935年~)
の著書には、蔵書3万冊を生前処分するに至った苦しい
事情が詳述されている。

鬼籍に入った知人作家の蔵書が散逸したことを慨嘆。

そして、汗牛充棟もただならぬ自らの蔵書にも、
同じ運命が定まったことを受け入れざるない老境の悲哀。

読んでいて、涙が出る

紀田 順一郎(著)松籟社、2017年刊

【参照】  蔵書の「自炊」記録(3)


◆  一般人の蔵書については、言を俟たない。

文化的価値や資産的価値はないに等しい。

もはや 「ゴミ」扱い 

そんなものに、時間と大金をかける方がどうかしている。

「くだらない」

読書に親しまない人なら、一笑に付しても無理はない。

 

◆  しかし、他人の思惑など、どうでもいい。

■ 本読みが目指すべきは、

<自分の読みたい本>
いつでもどこでも読める状態。


蔵書の自己コントロール権を確保し、
自由気ままに、
読書を楽しむため、生涯役立つ
【システム構築】である。

◇  手間隙かけて作った 自作の電子ライブラリ

→ 読書家にとって
人生の支え となりうる

自炊し電子化することで、この取り組みの実効性
は高まり、将来の見通しが立ちやすくなる。

万一の際の取り扱いについても、電子データであれば、
心配無用

なぜなら、データの性質上、「古本の山」や「散逸」
とは無縁だからである。

不要であれば、即刻削除できる。

  • 物理的スペースが不要だと、
    ものすごく気楽

  • 引っ越しや地震の面で心強い

  • 保管場所の心配のない 解放感・爽快感

これが、約2,700冊以上(2020年9月現在)
を自炊した後の実感。

  この「さわやかな気分」こそ、
   電子化の最大級の利点     

あふれる蔵書に悩む本読みの皆様にも、
ぜひ味わっていただきたい快感である。

 

◆  自炊導入のポイント

切断しても支障のない本から着手

  少しでも気がかりな本は、すべて対象外にする。

蔵書の一部を電子化するだけでも、相当変わる。

もし心理的に抵抗があるならば、蔵書ではなく、
1冊100円未満の古本を10冊ほど購入
して試すとよい。

専門業者に依頼しても、自分でスキャンしてもOK。

自宅にスキャナー・裁断機がなければ、レンタル業者
や「キンコーズ」などのビジネスセンターを活用する。

ネット検索すれば、簡単に調べられる。

◇ まずは、10冊くらい自炊して、様子を見よう。

  それから考え始めても、十分間に合う。

何となく感触を得たら、本腰を入れて検討すればよい。


◆  「国立国会図書館デジタルコレクション
もかなり参考になる(閲覧無料)。

発行当時の資料をそのままスキャンしており、
まさしく「自炊本」そのもの。

いずれの方法でも、お試し予算は1万円以内。

各種ノウハウは、ネット上に転がっている。
<自炊解説書(電子書籍含む)>は10冊以上も市販されている。

「マイ本棚」を持ち歩ける毎日は、
喜び自信>をもたらす。

私なりの結果と効果が、以下の通り。

  電子化した「マイ本棚」の成果物が、弊サイト  

【参照】  英語辞書は「紙」か「電子版」か

蔵書の氾濫に困りつつ、訳あって処分できない
<本読み>の皆様には、

自炊の一部導入をお勧めしたい

きっと、人生と読書生活が、もっと楽しくなります。

 

※ この連載は今後も続きます。

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