プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

蔵書の「自炊」記録(6)

      2020/10/01

2015年12月以来、蔵書の「自炊」を継続している。

【参照】  蔵書の「自炊」記録 (1)~(5)

毎月50冊から70冊ずつなので、緩慢なペースである。

「自炊」とはいえ、現在は専門業者2社に任せきり。

【参照】  その後の進捗状況

 

◆  何年間も懸念した、法律面の不安は杞憂であった。

【参照】  「自炊代行」訴訟の行方

2016年3月の最高裁判決(=自炊代行は著作権侵害)後も、
2社が提供するスキャンサービスに変化は感じられなかった。

ユーザーとしては、うれしい限りである。

 

◆  この1年余りで、本の山がいくつか消えた。

部屋が広くなり、とてもうれしい。
「自炊」の結果は目に見えるので、達成感がある。

一方で、

「本を電子化しても、再び読む機会は少ない

との批判をよく耳にする。

 

◆  我が蔵書は 4,000冊以上。 増加の一途をたどる。

残された人生で、再び全冊に目を通すことはあるまい。

果たして「自炊」は、推定200万円 の投資に値するか。

約2,750冊の自炊を経た今(2020年10月現在)、
その効用を考察してみる。

1) 本が手元にある「安心感」は予想以上

普段は使わなくても、「読みたい時に絶対読める」
との安心は「保険」に等しい。

  必要な本が必ず手元にある  

この状況は、筆舌に尽くし難い安心感をもたしてくれた。


2) 即刻入手できる「便利さ」も予想以上

私にとって大事なことは、短時間で確実に入手できること。
そのため、必要資料は自己管理が望ましい。

しかし、将来何が必要になるかは見当が付きにくい。
この迷いを端的に払拭する手段が、

  丸ごと自炊

である。

◆  全国の図書館や国会図書館から取り寄せてもらえば、
ほとんどの和書が入手できるのは事実である。

自治体間の「相互貸借」(inter-library loan requests
は通常業務として行われている。

利用代金は通常無料。

だが、必要な本が手元にある利便性はこの比でない。

何よりも、
 その場で入手できれば、意欲を失わずに済む。

読みたい本が目の前にあれば、誰しも手に取るだろう。

もし数ヶ月待ちであれば、  間との兼ね合いもあり、
「もういいや」となりがち。

 

◆  このような機会損失を、私は非常に恐れてきた。

「もういいや」と諦めた途端、失うものは大きい。
得られたかもしれない知識と楽しみの自己放棄。

自ら成長の好機を捨てるに忍びない。

さらに、急に頭をもたげた(a sudden urge)、

「この本を読みたい!」

の欲求裏には、重大な意味が込められているかもしれない。

目当ての本に、自分の人生を変える何かが潜むのではないか…
読書好きの方なら、きっとご存知の直観であろう。

「即座に読みたい」

これぞ自炊実行の動機のひとつだった。
すぐ手に取れるのが自炊本の強みである。

他者を一切煩わせることなく、
読みたい本がその場で読める

自炊本の即効性を何度も享受してからは、
投資価値を素直に認められるようになった。

そして、推定コスト200万円の捻出を決意したのである。

 

◆  自炊本のPDFデータは、先述の自炊業者の専用ページに加えて、
ノートパソコン本体、有料のクラウドサービス 及び
ポータブルHDD(2台、各5TB)に保存中。

合計5ヶ所に分散し、消滅リスクを回避している。

外出先で読む場合は、PDFをタブレット(iPad mini)にコピーする。
Wi-Fi を用いて、クラウドから直接ダウンロードする場合が多い。

300ページ程度の菊判(ほぼA5サイズ)の活字和書なら、
1冊70MB前後。

5秒~30秒でダウンロードでき、至って簡単。
※  Wi-Fi の電波状況により、所要時間に差がつく

自分なりの方法を見つければ、データ管理は楽しくなる。
慣れれば、手間なしである。

現時点(2020年10月)の結論として、
「自炊」導入は正しかったと考える。

不便は感じないので、今後も続けていきたい。

 

<蔵書の「自炊」記録> 連載一覧

 

 

 

 

Sponsored Link




Jetpack

 - 本の「自炊」, 読書