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蔵書の「自炊」記録(6)

      2021/01/10

2015年12月以来、蔵書の「自炊」を継続している。

【参照】  蔵書の「自炊」記録 (1)~(5)

毎月10冊から20冊ずつなので、緩慢なペースである。

「自炊」とはいえ、現在は専門業者2社に任せきり。

【参照】  その後の進捗状況

 

◆  何年間も懸念した、法律面の不安は杞憂であった。

【参照】  「自炊代行」訴訟の行方

2016年3月の最高裁判決( ≒ 自炊代行は著作権侵害)後も、
2社が提供するスキャンサービスに変化は感じられなかった。

ユーザーとしては、うれしい限りである。

 

◆  この1年余りで、本の山がいくつか消えた。

部屋が広くなり、とてもうれしい。
「自炊」の結果は目に見えるので、達成感がある。

一方で、

「 本を電子化しても、再び読む機会は少ない

との批判をよく耳にする。

 

◆  我が蔵書は 4,000冊以上。

増加の一途をたどる。

残された人生で、再び全冊に目を通すことはあるまい。

果たして「自炊」は、推定200万円 の投資に値するか。

約2,900冊の自炊を経た今(2021年1月 現在)、
その効用を考察してみる。

1) 本を手元に置く「安心感」は予想以上

普段は使わなくても、「読みたい時に絶対読める」
との安心は「保険」に等しい。

  欲しい本が、必ず手元にある  

この状況は、筆舌に尽くし難い安心感をもたしてくれた。


2) 即刻入手できる「便利さ」も予想以上

私にとって大事なことは、短時間で確実に入手できること。

そのため、必要資料は自己管理が望ましい。

しかし、将来必要なものは見当が付きにくい。

この判断の迷いを、端的に払拭する手段が、

  丸ごと「自炊」 

である。


◆  全国の図書館や国会図書館から取り寄せてもらえば、
大半の和書が入手できる。

自治体間の「相互貸借」(inter-library loan requests)は、
通常業務として行われている。

利用代金は、原則無料。

【参考】

図書館の本、スマホで閲覧可能に   文化審議会が報告書

2020年11月付

著作権のうち、作家らが作品のネット送信をコントロールできる
権利である「公衆送信権」を弱め、図書館が許可を取らずに
データを送れるようにする。

(中略)

国会図書館はデジタル化した資料のうち、著作権の保護期間が
切れた約55万点はネットで公開している。だが、著作権が
切れていない絶版本など約150万点は著作権法規定で
各地の図書館の端末までしか送信できない。
法改正が実現すれば、これらも利用者の端末で見られるようになる。

(中略)

図書館の蔵書をネット経由で気軽に読める「電子図書館」
に向けた大きな一歩と言える。

【出典】   https://www.asahi.com/articles/ASNC96CZBNC9UTIL018.html
図書館の本、データをスマホに送信 文化審議会が報告書
2020年11月9日付

【出典】   https://www.asahi.com/articles/photo/AS20201106003034.html
図書館の本、スマホで閲覧可能に 文化庁が法改正検討
2020年11月6日付

手元にあることの利便性は高い。

なによりも、
 その場で入手できれば、意欲を失わずに済む。

読みたい本が目の前にあれば、誰しも手に取るだろう。

もし数ヶ月待ちであれば、  時間との兼ね合いもあり、
「もういいや」となりがち。

 

◆  このような機会損失を、私は非常に恐れてきた。

「もういいや」と諦めた途端、失うものは大きい。

得られたかもしれない知識と楽しみの自己放棄。

自ら成長の好機を捨てるに忍びない。

さらに、急に頭をもたげた(a sudden urge)、

「この本を読みたい!」

の欲求裏には、重大な意味が込められているかもしれない。

目当ての本に、自分の人生を変える、なにかが潜むのではないか …

読書好きの方なら、きっとご存知の直観であろう。

「即座に読みたい」

これぞ自炊実行の動機のひとつだった。

すぐ手に取れるのが自炊本の強みである。

◇  他者を一切煩わせることなく、
が読みたい本がその場で読める  

自炊本の即効性を何度も享受してからは、
投資価値を素直に認められるようになった。

そして、推定コスト200万円の捻出を決意したのである。

 

◆  自炊本のPDFデータは、先述の自炊業者の専用ページに加えて、
ノートパソコン本体、有料のクラウドサービス 及び
ポータブルHDD( 2台、各5TB )に保存中。

合計5ヶ所に分散し、消滅リスクを回避している。

外出先で読む場合は、PDFをタブレット(iPad mini)にコピーする。

◇  使用 ipad mini  →  写真 ( 辞書の「自炊」と辞書アプリ )

Wi-Fi を用いて、クラウドから直接ダウンロードする場合が多い。

300ページ程度の菊判(ほぼA5サイズ)の活字和書なら、
1冊70MB前後。

5秒~30秒でダウンロードでき、至って簡単。

※  Wi-Fi の電波状況により、所要時間に差がつく

自分に合った方法を見つければ、データ管理は楽しくなる。

【参照】  「Gmail」で作る単語帳

慣れれば、手間なしである。

現時点( 2021年1月 )の結論として、
「自炊」導入は正しかったと考える。

不便は感じないので、今後も続けていきたい。

 

<蔵書の「自炊」記録> 連載一覧

 

 

 

 

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