( 話をするため ) ~ を脇に連れ出す
複数人がいる場所から、 特定の人を連れ出す行為。
趣旨は、 個別に 話をすること。
■ 話の主目的は < 注意を与えること >
–
うれしい知らせの場合もあるだろうが、
わざわざ陰に連れていく 流れからして、
好ましくない話題の可能性が高めと考えられる。
–
◆ その人だけに話すべき内容は、 周囲に聞かすべきでない。
–
大勢の前で忠告しない配慮は、 とても大切である。–
ご本人の面子のためにも、 他者から離れた所で、 そっと行おう。
こうして、
■ その場で、傍らに連れ出す行為
–
→ ” pull – aside ”
–
” pull – to a side ” と表すこともある。
” side “( 脇、そば、サイド ) は、 可算名詞。
【発音】 sáid
【音節】 side (1音節)
いずれも、ダッシュ部には、連れ出す相手( 目的格 )を入れる。
人称代名詞の目的格は、
me、you、him、her、us、them、it
代名詞ではなく、具体的な氏名でもよい。
◇ 「 人称代名詞 」の解説は、ここが秀逸 ↓
ーちょいデブ親父の英文法 「 人称代名詞 」
◆ ” pull – aside ” は、 決まり文句。
–
口頭でも文面でも使われる。
このような言い回しは、 日本語には思い当たらない。
- “I pulled him aside to talk.”
(彼に話をするため、脇に引っ張った。)–
– - “A police officer pulled me aside for questioning.”
(警察官に連れ出され、職務質問を受けた。)
– - “That’s why I pulled Mary aside.”
(だからメリーを脇に連れ出したんだ。)
– - ” I pulled Ben aside to ask him what was wrong. ”
( 私はベンを脇に連れ出し、どうしたのか尋ねた。 )
ー - “Our teacher pulled Jack aside and told him
that his father had passed away.”
(先生はジャックを連れ出し、父親が亡くなった
ことを伝えた。)
– - “Mom pulled me aside and hit me.”
(ママは私を連れ出してぶったのよ。)
– - “Mary pulled me aside and gave me this.”
(メリーが陰でこれくれたの。)
口頭でも文面でも、連れ出した後に描写する機会が多い。
そのため、現在形よりは、過去形 ” pulled ” が多用される。
◆ ” pull ” には、名詞・他動詞・自動詞がある。
【発音】 púl
【音節】 pull (1音節)
–
非常に多義であり、成句・熟語・句動詞も豊富。
だが、語源の古英語「 引っ張る 」( pullian )から
派生した意味中心なので、比較的分かりやすい。
【活用形】 pull – pulls – pulled – pulled – pulling
基本的意味は、
– 名詞 「 引くこと 」 ※ 可算・不可算
– 他動詞 「 引く 」「 引き寄せる 」
– 自動詞 「 引く 」「 こぐ 」
–
【関連表現】
- ” Pull over the car. ” ※ 他動詞の決まり文句
( この車を止めて。 )
◆ ” aside ” には、副詞・名詞・前置詞がある。
【発音】 əsáid
【音節】 a-side (2音節)
- 接頭辞 ” a ” ( ~ に )
- 名詞 ” side ” ( 脇、そば )
日常使用の “aside” は、次を意味する 副詞 ばかりの印象。
- 脇へ
- 別にして
- さておき
ここでは、副詞 「 脇へ 」。
よって、直訳は 「 脇へ引く 」。
「 脇 」とは、「 傍ら 」 「 そば 」 の意。
もろに 「 脇の下 」 ( ” armpits ” または ” under the arms ” )
ではないのだが、 人を脇に連れ出す際、 なぜだか、
–
脇の下あたりを、 がっちりつかんでくる外国人が
やたらといる。
私たち日本人の大半は、 身体のそんな部位を、
前触れなく、 他人に触られることに慣れていない。
–
–
◆ あまりの強引ぶりに、 一般的な日本人なら、
「 ええっ! なに? なんなの !? 」
とショックを受けること必至。
いきなり脇をぎゅっと握られ、 連行された上に、
叱責を浴びれば、 大概の日本人はびっくりする。
不意を衝かれて、 トラウマになりかねないほど。
誘拐めいていて、 かえって目立つ。
これでは周囲も気づくはず。
わざわざ脇に連れ出す意味が半減してしまう。
相手を < 注意 > する意図で引っ張るため、
気色ばんで、 勢いづくのだろう。
文化の違いを強く感じる場面である。
映画・ドラマにも出てくるシーンなので、
じっくり観察していただければと思う。