死ぬほど怖がった
非常な恐怖に襲われた時の決まり文句。
「~の命のためにおびえた」が直訳。
内面を示しているため、主語は “I” が
圧倒的に多い。
全身で震え上がるような状態であるが、
日常的には比喩的に使われる場面が多い。
実際に「命の危険」がおびやかされ、
おののく機会は通常はめったにないだろう。
その割によく見聞きする表現だから、
比喩で多用されていると考えられる。
以下も同様。
- “scared to death”
(死ぬほど怖がっている) - “scared the wits out of -“
- “scared the hell out of – “
- “scared the crap out of – “
- “scared the shit out of – ” ※ 卑語
(~を死ぬほど怖がらせた)
日本語の「死ぬほど」と重なる言葉遣いである。
本来であれば、相当怖い思いを味わない限り、
出てこないはずの言い回しである。
だが、大げさな物言いをする人はどこにでもいる。
だから、必ずしもそうとは言えない場合も多く、
これまた日本語と同じである。
◆ “scared” は、形容詞のみの単語。
動詞 “scare” の過去分詞 “scared”
が形容詞化したもの。
【例】
”disgraced”、”undisclosed“、”organi
“devastated“、”estranged“、”disgr
“scare” には、自動詞・他動詞・名詞・形容詞
がある。
– 自動詞「怖がる」「おびえる」
– 他動詞「怖がらせる」「びっくりさせる」
– 名詞「恐怖」「おびえ」
– 形容詞「恐れさせる」「人騒がせな」
“scare” の形容詞化だから、
「怖がった」「おびえた」。
◆”for” は、目的の前置詞「~のために」。
—
◆”one’s” の部分には、人称代名詞の所有格、
his / her / my / our / their / your / its
のいずれかを入れる。
ここが複数ならば、”live” も複数形に。
– “scared for their lives”
—
◆”life” は、名詞のみの単語。
可算名詞と不可算名詞があるが、
ここでは不可算名詞「命」。
“for one’s life” の3語で、
「命からがら」を意味する。
比喩用途が多いと述べてきたが、
実際に「命からがら」の思いをした人
には、言葉にならない恐怖に違いない。
表現手段を超えるレベルの本能的な感情。
このような例え難く激しい感情は、
“horrified” や “terrified“(恐怖に襲われた)
などの強めの形容詞で表す方が的確だろう。
“I was followed by a stalker last night.
I have never been so scared for my life ! ”
(昨夜、ストーカーにつけられたの。
こんなに死ぬほど怖かったことはなかったわ!)
–
——