Disgruntled
2020/11/06
不満を抱いた
英単語全体から見れば、頻出でも重要でもないが、
特定の場面では欠かせない単語がある。
人事 においては、”disgruntled” がそのひとつ。
【発音】 disgrʌ́ntld
【音節】 dis-grun-tled (3音節)
日本の学校教育には、ほとんど縁のない形容詞。
だから、ここで取り上げたい。
”disgruntled”
annoyed or disappointed, especially because
things have not happened in that way
that you wanted.
(ロングマン、LDOCE6)
【発音】 disgrʌ́ntld
【音節】 dis-grun-tled (3音節)
今風に言えば 、「ブーたれる」様子。
ムッとした心情と語感が重なる。
<代表格の三者> 単数・複数
- a disgruntled employee
disgruntled employees
(不満を抱いた従業員)
–
- a disgruntled student
disgruntled students
(不満を抱いた学生)
–
- a disgruntled customer / client
disgruntled customers / clients
(不満を抱いた顧客)
◆ “disgruntled” は、形容詞のみ。
語源は、他動詞 “disgruntle” の過去分詞 “disgruntled”
が形容詞になったもの(past-participle adjective)。
“disgruntle” は他動詞のみで、意味は単純。
「~に不満を抱かせる」「~を不機嫌にする」。
この過去分詞である “disgruntled” が、そのまま形容詞化
したものなので、意味も引き継ぐ。
■ 一般的な組織が、
a disgruntled employee
とレッテルを貼って表現する際、
その大半が、
–積もり積もった不満と恨みを抱く従業員を指す。
組織側は「不満分子」「抵抗勢力」とみなしている
可能性が高い。
突発的な日常トラブルならば、話し合いなどで、
さっさと解決にこぎ着けるはず。
さもないと仕事が進まない。
長年に渡り不満 が蓄積するのは、
労使双方に不都合 であり、
雇用契約の基本 となる
信頼関係の破綻 を示唆する。
一方、学生や顧客については、単発的な問題でも
“disgruntled” で表したりする。
労使が長期契約に基づく雇用関係に対し、
学生・顧客にはそこまでの縛りがない。
従業員と異なり、学生は期間限定の身分であり、
時間が解決するため、深刻な怨恨に発展しにくい。
顧客についても、相互に選択の自由が認められている。
「クレーマー」でもない限り、長期的な反目は回避できる。
◆ 結果的に、“disgruntled” と言えば “employees“。
用法として筆頭に常住するほど、相場が決まっている。
労務不正・情報流出・詐欺・横領・パワハラを含む組織内
のトラブル事例とその対応策を学ぶと、きっと目にする言葉。
それが “a disgruntled employee“。
我慢も限界
–
◆ 対応策の主要論調をまとめると、
disgruntled employees は、
不正の温床
まるでスパイ扱い。
内部者がもたらす脅威ゆえ、” insider threats ” に分類される。
まさに「 内なる敵 」。
- 「 敵は内にあり 」 ( the enemy within )
- 「 脅威は内にあり 」 ( the threat within )
“a disgruntled employee” とのラベル付けの時点で、
こう位置づけされていると考えてよいだろう。
なんとも切ない。
- “Employees are becoming disgruntled about the pay cut.”
(今回の賃金カットで、従業員が不満を抱きつつあります。)
– - “Don’t be disgruntled about such a thing.”
(そんなことで不満になるなよ。)
– - “The upshot is that we have too many
disgruntled employees.”
(結論としては、我が社には不満を抱えた
従業員が多すぎます。)–
–
- “Disgruntled clients were very vocal about
their dissatisfaction.”
(不満を抱いた顧客たちは、自分たちの不平を
相当口にしていた。)–
– - “Most of them are unhappy and disgruntled.”
(彼らの大半が不平不満の状態です。)
– - “A disgruntled employee lashed out violently.”
(不満を抱いた従業員が大暴れした。)
– - “I don’t want to deal with disgruntled customers.”
(不満なお客の対応はしたくないです。)
ー - “She was known for her disgruntled look.”
(彼女は不満な顔つきで知られていました。)
– - “We need to do something about disgruntled employees.”
(不満分子をどうにかしないと。)
–
- “The disgruntled employees are pushing for
wage increases.”
(不満を抱いた従業員が賃上げを要求している。)
–
- “She treated me like a dirt so I left feeling disgruntled.”
(彼女は私をゴミ扱いしたので、不満な気持ちになった。)
◆ 既記のように、長期雇用とは 信頼に基づく契約 に他ならない。
敵対意識 (animosity) が長く続くのは、労使双方にとって好ましくない。
私自身、従業員の立場から、何度か味わってきた苦しみである。
–
【参照】 “walk out“、 “転職とは、一緒に働きたいと思ってもらうこと”
なによりも、–
「雇用のミスマッチ」は
–自己コントロール可能–
–
疲れ切る前に、すばやく動こう。
幸せをつかめる生き方を選ぼう。
ご自分の人生を、もっと大切に。
【類似表現】
“get worked up”
https://mickeyweb.info/archives/555
(かっかと興奮する)
“act out”
https://mickeyweb.info/archives/9967
(態度に出す)
“have an attitude”
(反抗的な態度をとる)
“act up”
(身勝手に振る舞う)