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Estranged

      2020/06/18

仲違いした、 別居中の、 疎遠になった

かつて良好だった人間関係が悪化し、
仲が悪くなった状態を表す形容詞。

【発音】  ɪˈstreɪndʒd
【音節】  es-tranged (2音節)

estranged” 1語だけで、
ドロドロ
した強烈な愛憎を示唆

有名人のトラブル報道によく出てくる。

苦境に見舞われている状況では、
たいてい不和な人間が周囲に存在するもの。
“estranged” は、その描写に使われる。

実際の報道では、夫婦間・親子間・恋人間
の仲違い
を表すケースが大半。

つまり、次のいずれか。

  • estranged wife
  • estranged husband
  • estranged daughter
  • estranged son
  • estranged sister
  • estranged brother
  • estranged family member
  • estranged couple
  • estranged loved one
  • estranged boyfriend
  • estranged girlfriend
  • estranged lover

※ 単数の場合


◆ “estranged” は、他動詞 “estrange” が形容詞になったもの。

【発音】  ɪˈstreɪndʒd
【音節】  es-tranged (2音節)

“estrange” は他動詞のみで、
「仲違いさせる」「疎遠にする」「遠ざける」の意。

  • “He was estranged from his mother.”
    (彼は母親と疎遠になっていた。)

他動詞 “estrange” 語源は、ラテン語「見慣れない」(extraneus)。

  • 接頭辞 “e“(外へ)
  • 形容詞 “strange“(見慣れない)

で、「見慣れないものを外へ出す」。

◆ 基本使用パターンは、be動詞と過去分詞と前置詞。

  • be estranged from
    (~と疎遠になっている)
  • be estranged by
    (~に遠ざけられた)

形容詞だから、「be動詞」に続くのが基本パターンになる。

※「be動詞」= be、am、was、been、will be、is、were、are

なぜ「be動詞」に続くのかは、”aware”、”vocal about”、
conclusive” で詳述した。

英文法の基本であるので、ぴんとくることがなければ、
この機会におさらいしていただくとよいかもしれない。

◆ 前置詞を使わずに、目的格を直接置くこともある。

  • “His racial slur estranged them.”
    (彼の人種差別的な中傷が、彼らの仲を引き裂いた。)

“estranged” は、この他動詞 “estrange” の過去分詞
が形容詞化したもの。

【例】
scared”、”undisclosed“、”organized“、
disgraced”、”devastated“、”disgruntled

◆ 形容詞 “estranged” の意味は、
仲違いした」「疎遠になった」。

– no longer seeing or talking to a relative
or good friend, because of an argument.

– no longer feeling any connection with
something that used to be important in your life.

 

◆ 特に、”estranged husband” “estranged wife
であれば、「別居中」を指すのが基本。

しかし、単に「仲違いした」意味合いもある(例文参照)。

婚姻関係は継続中なのが、一般的な模様。

– someone’s husband or wife whom
they are no longer living with
.

(英文はすべてLDOCE6、ロングマン)

※ 下線は引用者

◆ 名詞は、”estrangement“(仲違い、疎遠)。

【発音】  ɪˈstreɪndʒ.mənt
【音節】  es-trange-ment (3音節)

可算名詞と不可算名詞を兼ねる。

 

◆ 特定の人物を話題としている場合、通常、
“estranged” の直前に人称代名詞の所有格を置く。

my / your / his / her / their / our

  • his estranged wife
    (彼の別居中の妻)
  • her estranged son
    (仲の悪い彼女の息子)
  • our estranged family member
    (疎遠になった家族)
  • my estranged loved one
    仲違いした最愛の人)

<一般論>として取り上げる際は、
不定冠詞 “an” を代わりに置くのが普通。

◆ 家族とは、永遠の課題である。

生を受けた以上、一生背負わされるような性質を伴う。

超長寿社会に加速的に移行しつつある日本では、
社会問題としてますます重みが加わっているのが、
家族の問題。

健全な関係(a healthy relationship) を築けた
としても、何十年も続く関係は容易でない。

ましてや、家族とうまくいかなかった人にとって、
人生は諸々厳しくなるだろう。

もともと他人同士の夫婦なら、「離婚」や「婚姻無効
などの手立ても存在するが、親子間の離縁は難しい。

その結果、双方が不幸のまま終わることは珍しくない。

All happy families are alike;
each unhappy family is unhappy
in its own way.

(幸福な家族はどれも似通っているが、
不幸な家族は不幸のあり方がそれぞれ異なる。)

※ 原文はロシア語

これは、トルストイの代表作『アンナ・カレーニナ』
(1877年刊)の有名な書き出しである。

家族問題の複雑さを鮮やかに示す至言である。

悪妻に悩まされたトルストイの本音であろう。

この冒頭だけで、17回も推敲を重ねたという。

この通り、家族問題には様々な要素が絡み合う。

当事者以外には計り知れない事情も多い。

激しい葛藤に苦しむのも、家族だからこそ。

  • an estranged relationship
    (疎遠な人間関係、こじれた人間関係)

は往々にして、

である。

もしそうであれば、一時的にでも、縁を切ってしまう
方が、お互いのためだと考えられる。

それができないなら、生き地獄。

この<際限のない苦悩>は、自ら経験しない限り、決して
理解できない類のしんどさで、終生つきまとったりする。

毒親(a toxic parent / toxic parents) についても、
上述の “toxic relationshipで触れた。

◆ 最後に、今年2017年のニュース見出しから、
“estranged” の用法をご紹介してみたい。

  • “X and Estranged Wife Y Hold Hands in Paris”
    (Xと別居妻Yがパリで手を握り合った)
    (Xは仲のこじれた妻とパリで手を握り合った)
  • “P Reunites With Estranged Daughter”
    (Pは疎遠の娘と再会)
  • “M’s Estranged Sister Arrested for DUI
    (Mと疎遠の姉が飲酒運転で逮捕)
  • “P’s Estranged Ex-Wife Charged With Murder”
    (Pと疎遠の元妻が殺人容疑で起訴)}
  • “Y Still Living With Estranged Husband”
    (Yは仲悪い夫と今も同居中)

※ 「見出し」英語の解説は、ここが秀逸 ↓
英語ニュースの読み方(見出し編)RNN時事英語

 

 

 

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