明るみに出る。 表沙汰になる。
これまで陰に隠れていたものが、
表に出てきて、人々に知られる様子。
” come to light “
to become known to people.
( OALD10、 オックスフォード )
–
パッと光が当たるイメージ。
パッと–
明るみに出る
◆ ” come to light ” は、良い内容にも悪い内容にも使われる。
しかし、
実際には、 ネガティブ用法が目立つ
隠していたことがばれてしまう、 不都合な悪事露見。
凶報の方が、 報道価値を生む傾向があるからでもある。
事後的に描写される状況が中心となるため、
” come ” の過去形 ” came ” が多用される。
英語では、 良し悪し両様で “came to light” と表せる
が、 和訳時は要注意。
きちんと考慮しないと、 印象が大きく違ってきたりする。
日常使用では、 ざっくりこんな風。
< ネガティブ >
- ばれた
- 発覚した
- 暴露した
- 表沙汰になった
- 露見した
- 露呈した
- 割れた ( = さらけ出された )
< 中立 > ※ ネガポジ不問
- 明らかになった
- 明かされた
- 明るみに出た
- 表面化した
- 公になった
- 知れた
- 見つかった
–
◆ “ come ” には、自動詞・他動詞・名詞がある。
【発音】 kʌ́m (1音節)
【活用形】 comes – came – came – coming
語源は、 古英語 「 やってくる 」( cuman )。
–
圧倒的に多用されるのが 自動詞( intransitive verb )。
ここでも自動詞で、意味は「 至る 」「 達する 」。
方向の前置詞 ” to ” ( ~ に )を伴う。
よって、” come to ” は「 ~ に至る 」「 ~ に達する 」。
–
◆ ” light ” には、 名詞・形容詞・他動詞・自動詞がある。
【発音】 láit (1音節)
語源は、 古英語 「 光、 明るい 」( lēoht )。
カタカナ「 ライト 」「 ライトアップ 」が日本社会に
根付いており、 イメージはたやすい。
ここでは、名詞「 光 」。 語源そのものである。
したがって、” come to light ” の直訳は、
「 光に至る 」 または 「 光に達する 」。
名詞 ” light ” は、最頻出かつ最重要の英単語。
全3項目が最上位に位置する。
- 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
- 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
- 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
( LDOCE6、 ロングマン の表記より )
–
◇ 名詞 ” light ” は、 可算 と 不可算 を兼ねる。
■ エネルギーとしての光は、不可算名詞
1. natural / artificial light
a) [U]
the energy from the Sun, a flame, a lamp etc
that allows you to see things.
b) [C]
a particular type of light, with its own
particular color, level of brightness etc.
■ 照明器具は、可算名詞
2. lamp / electric light etc [C]
a)
something that produces light,
especially electric light, to help you to see.
b)
something such as a lamp that you can
carry to give you light.
( LDOCE6、 ロングマン ) ※ 後掲
※ 下線・太字・色・漢字は引用者
–
「 光 」である以上、 目で見る( see )ためには
どちらも役立つ。
英和辞典の一部では、 人工的な光を一律「 可算名詞 」
としているが、 これは正確ではない。
上掲英文2つは、” LDOCE6 ” ( 後掲 )からの引用だが、
不可算名詞には ” natural / artificial light “ ( 緑字 )とある。
–
自然か人工かは、可算・不可算の決め手にならない。
人工でも、物理的なエネルギー である光は、不可算。
–
例えば、電気スタンドが発する光そのもの( エネルギー )
は、不可算名詞である。
–
■ 電気スタンド本体は、 可算名詞
常用語としての 【 照明 】 も、
エネルギーとしての光よりは、 通常は
「 器具 」を指しているので、 可算名詞である。–
–
【 炎 】
” flame ” そのものは「 可算 」と「 不可算 」いずれもありうる。
その「 光 」は不可算名詞。
もっとも、” flames” と複数で使われる場合が多く、
説が分かれる単語である。
【発音】 fleim (1音節)
–
【 太陽 】
” the Sun ” は、 唯一の存在なので「 不可算名詞 」。
さらに、単数名詞である。
日光( 太陽光 )は 不可算。
–
–
◇ 以下、 ” LDOCE6 ” 全文
–
LDOCE6、ロングマン ( 書籍版 )
pp. 1055-1056. (Pearson Education 2014).
–
【 英英辞典 の 基本凡例 】
・ n = noun = 名詞
・ U = uncountable = 不可算名詞
・ C = countable = 可算名詞
・ sth = something = 代名詞( 何か )
・ Singular = singular noun = 単数名詞
→ 単数形で使われるのが一般的な名詞
–
◆ ” come to light ” には、 文字通り、
「 光の当たる所へ出てくる 」意味もある。
明るい場所に、 とことこやって来る感じ。
けれども、 ニュース用法の大半は、冒頭の
「 明るみに出る、 表沙汰になる 」。
–
輝く光そのもの であり、 照明器具は無関係。
エネルギーとしての光、 つまり、
不可算名詞 ” light “ を指す。
そのため、本稿ではこちらを取り上げる。
–
◆ これから実例を見ていこう。
–
上記のように、” come to light ” は、 良しかれ悪しかれ、
使われるフレーズ。
実際のニュースでは、ネガティブ用法及び過去形 “came”
が多めであること、そして和訳時の注意点は既に説明した。
- “It came to light that she was flirting with him.”
(彼女が彼といちゃついていたことが表沙汰になった。)
– - “Their toxic relationship came to light after they left here.”
(彼らがここを去ってから、病的な人間関係が明るみに出た。)
– - “Her role in ordering an illegal cover-up came to light.”
(彼女が違法な隠蔽を指示したことが明るみに出た。)
–
- “A dark secret came to light.”
(ある暗い秘密が明らかになった。)
– - “More truth will come to light as we continue investigation.”
(調査を進めれば、真実がもっと明らかになるだろう。))
– - “More cases of bullying came to light after she took her own life.”
(彼女の自殺後、さらなるいじめ事例が発覚した。)
– - “His past sexual misconduct is coming to light.”
(彼の犯してきた性的不正行為が、表面化しつつある。)
※ ” sexual misconduct ” は、セクハラ( sexual harassment )
や 性的暴行( sexual assault ) を含む
—
【類似表現】
他動詞 ” bring “(持ってくる、提示する)
を用いて、「 → 」のように換言できる。
” The evidence finally came to light.”
(ようやく証拠が明らかになった。)
- ” be brought to light ”
受動態の表現なので、 過去分詞 ” brought “
→ “ The evidence was finally brought to light.”
( ようやく証拠が明らかになった。)
–
- ” bring X to light ”
「 X 」にはその目的語を入れる。
” come ” と同じく、 過去形 ” brought ”
が多用される。
→ ” They finally brought the evidence to light. ”
( 彼らはようやく証拠が明らかにした。)
※ 主格は便宜上 ” they ” にした
◆ 名詞 ” light ” のような最頻出かつ最重要の英単語の場合、
組むべき単語、 すなわち 「 コロケーション( collocation ) 」
は、 学習英英辞典( EFL辞典 )に併記されている場合が多い。
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LDOCE6、ロングマン ( 書籍版 )
p. 1056. (Pearson Education 2014).
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【関連表現】
” Dim the lights. ”
https://mickeyweb.info/archives/24542
( 照明を落とす。 照明を落として。)