Newsworthy
2024/06/20
報道価値のある
たった1語で 「 報道価値のある 」 を表せる 形容詞 ( adjective )。
「 報道価値のある 」と言いたい時には、 即刻飛び出る
ようにするとよい。
文面でも使うので、 ビジネスパーソンに役立つ。
” newsworthy ” は型通りの単語である。
この構成を一度学んでおけば、同パターンの形容詞の
多くを、初見で読み取ることができるようになる。
◆ 構成は、
- 不可算名詞 ” news “( 報道 )
- 形容詞 ” worthy “( 価値のある )
すっきりシンプル、分かりやすい。
“newsworthy” の初出は、1932年( 昭和7年 )。
ちょうど英国のテレビで、 世界初の定期番組が
始まった年である。
先行するラジオに次ぐ電波メディアの登場
により、 情報の伝達範囲が広まっていく。
印刷メディアしかなかった時代と違い、
ニュースも 急速に拡散する ようになっていった。
そんな黎明期に生まれた形容詞である。
3大学習英英辞典( EFL辞典 )の語釈にも、
メディア媒体が明示されている。
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–
” newsworthy ”
- important or interesting enough to be
reported in newspapers, on the radio,
or on television.
( LDOCE6、ロングマン )
–- interesting and important enough to be
reported as news.
( OALD9、オックスフォード )
–- interesting enough to be described
in a news report.
( CALD4、ケンブリッジ )【発音】 núzwɝ̀ði
【音節】 news-wor-thy (3音節)→ “ th ”( ð ) の発音は、 ” smooth out ” 参照 ( 図入り )
※ 下線は引用者
–
これから ” newsworthy ” を分解していく。
◆ ” news ” の語源は、 中期英語「 新しいこと 」の複数形( newis )。
形容詞が名詞化したもの。
–
< 名詞 ” news ” の基本的意味 >
1. ニュース、 報道
2. 消息、 うわさ
–
日本社会に定着した「 ニュース 」と
そっくりそのまま重なる意味合い。
–
–
ニュース【 news 】新しい出来事。 また、その知らせ。 報道。
報知。 特に 新聞・ラジオ・テレビ による報道。( 広辞苑 第七版 )
※ 下線は引用者
◆ 英語学習上は、 次の5点に留意する。
ー
いずれも基本だが、 間違いやすい。
–
< 名詞 “ news ” の原則 >
1) 不可算名詞
2) 単数扱い
3) 不定冠詞 ” a ” はつけない ※ 定冠詞 ” the ” は可
4) 個々のニュースは、”a piece of news”
※ イギリス英語では、” a bit of news ” も使う
5) ニュース番組・記事は、” the news ”
–
◆ ” worthy ” の語源は、
- 不可算名詞 ” worth “( 価値 )
- 接尾辞 ” –y “
この接尾辞( suffix ) ” y ” は、 名詞の後につけて、
- ~ のような
- ~ がたくさんの
という意味の形容詞をつくる。
【例】
” juicy “( 汁の多い )、” sugary “(甘ったるい)
よって、” worthy ” は、 形容詞「 価値のある 」。
多用される ” y ” の単語は、 ” handy ” に一覧にした。
◆ 先に「 型通りの単語 」と書いたが、” worthy ”
を含む形容詞には、 以下の日常語がある。
-
blameworthy ( 非難する価値がある )
-
creditworthy ( 信用付与する価値がある )
-
noteworthy ( 注目する価値がある )
-
praiseworthy ( 称賛する価値がある )
-
trustworthy ( 信頼する価値がある )
それぞれ次のように言い換えることができる。
-
worthy of blame ( 非難に値する )… worth blaming
-
worthy of credit ( 信用付与に値する )… worth crediting
-
worthy of note ( 注目に値する )… worth noting
-
worthy of praise ( 称賛に値する )… worth praising
-
worthy of trust ( 信頼に値する )… worth trusting
和訳の言い換えは、 < 可能 >または< 当然 >
の助動詞「 べし 」 の連体形 「 べき 」 を用いて、
- 非難すべき
- 信用付与すべき
- 注目すべき
- 称賛すべき
- 信頼すべき
◆ 以上は 「 1語 」 の形容詞である。
一方、 複合形容詞 の ” -worthy ” も目立つ。
すなわち、 連結形 ” worthy “ をハイフンで
つないだ形容詞である。
2語以上の語が他の語を修飾する場合は、 ハイフンでつなぎ、
「 複合修飾語 ( compound modifier )」 にする。
「 ハイフネートの原則 」 である。
接尾辞 “ -wise ” 同様、 辞書に載っていない形容詞を
自作することもできる。
「 複合形容詞 ( compound adjective ) 」 となる。
–
< 複合形容詞の例 >
- Guinness-worthy ( ギネスブックに値する )
- headline-worthy ( 見出しに値する )
- medal-worthy ( メダルに値する )
- quote-worthy ( 引用に値する )
ただ、辞書によって、ばらつきのある語も見受けられる。
ハイフンの有無が分かれるケースである。
例えば、
- ” blameworthy ” と ” blame-worthy “
- ” creditworthy ” と ” credit-worthy “
表題 ” newsworthy “、” noteworthy “、” trustworthy ”
は、 1単語として 確立 している。
ばらつきはなく、 ハイフン入りは不適切。
ハイフンの付け方には、 例外が多くある。
厳密に文法を適用すると、 相当厄介なのがハイフン。
実際に、 誤用がまかり通っている感がある。
私たちは英語学習者であるから、 ハイフンの基礎知識 は
押さえておきたい。
【発音】 háifn
【音節】 hy-phen (2音節)
–
ざっとまとめると、
–
◼︎ 形容詞 ” 〇〇worthy “、” 〇〇-worthy “
= 〇〇する 価値がある
= 〇〇に 値する
≒ 〇〇 すべき( 当然または可能の助動詞 )
このように、 ” worthy ” または ” -worthy “
を含む形容詞の場合、 ほぼ機械的に和訳できる。
「 型 」 に当てはめることができるため、
「 型通りの単語 」 と記してみた。
◆ ” -worthy ” は、 先述の ” -y ” と異なり、「 接尾辞 」( suffix )
ではなく、 「 連結形 」( combining form )。
独立した形容詞 “ worthy ” から生じた点で、
単独使用できない 「 接尾辞 」 と異なる。
間違いやすい点なので、 おさらいしてみよう。
–
■ 「 接尾辞 」 suffix
単語の 意味を変えたり、広げたり する。
【例】
- ” ly ”
1) 形容詞につけて副詞に 「 ~で 」「 ~に 」
2) 名詞につけて形容詞に 「 ~のある 」「 ~のような 」
3) 時間の単位につけて 「 ~ごとに 」
- hopefully ( できることなら )
- originally ( 当初は、 もともとは、 出身は )
- knowingly ( 意味ありげに、 故意に )
- unsightly ( 醜い、 見苦しい )
■ 「 連結形 」 combining form
組み合わせて 新しい用語を作りだす。
技術・科学・医学など、理系の専門分野で重宝される。
【例】
- – mania( ~ マニア ) → ” bibliomania “( 蔵書マニア )
- – phobia( ~ 嫌い )→ ” claustrophobia “( 閉所恐怖症 )
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この2つを混同して説明する日本の参考書は少なくない。
普段はそう意識しなくてもよいとはいえ、 英文法上、
「 連結形 」 と 「 接尾辞 」 ( suffix ) は区別すべきものである。
一例を挙げる。
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–
『 NHK やさしいビジネス英語実用フレーズ辞典 』 p.276.杉田 敏 (編集)、 NHK出版、 2003年刊
■ 四六判 1,216頁 → 自炊後 311MB ( OCR済み )
<出版社HP> <アマゾン> <楽天>※ 下線は引用者
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” -driven ” は、 過去分詞の形容詞化からの連結形 ( combining form )。
【発音】 drívn
【音節】 driv-en (2音節)
上図の下線部 「 接尾語 」 は、 通常 「 接尾辞 」 ( suffix ) と同義だが、
ここは 「 接尾語 」 よりは、 「 連結形 」 の方が的確であると考える。
同じく 「 連結形 」 と 「 接頭辞 」 ( prefix ) も混同されがち。
本書では、 「 連結形 」 と 「 接頭・ 接尾語 」 をごっちゃにしている。
「 混同して説明 」 しているが、 学者ではない実務家の著書にはよくある。
もっとも、 ” -driven ” を 「 接尾辞 」 ( suffix ) 扱いする有力辞書もある。
かの有名なケンブリッジもその一つ。
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https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/driven※ 下線は引用者
※ 2024年6月20日 アクセス
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◆ なお、” worthy ” ” -worthy ” のマイナー用法として、
「 ~ に耐える 」 「 ~ に適した 」 の意味もある。
技術系の言葉中心で、代表格はこちらの4つ。
- airworthy ( 耐空性のある )
→ 航空機の強度などが基準に適合すること
– - seaworthy ( 耐航性のある )
→ 船舶が正常に航海できる状態のこと
– - crashworthy ( 衝撃に耐える )
– - roadworthy ( 路上使用に適した )
- “A dog biting a human isn’t newsworthy, ↑
but a man biting a dog is.”
(犬が人間をかみつくことに報道価値はないが、
人間が犬にかみついたらニュースになる。)
– - “The 2018 FIFA World Cup opening ceremony
was a newsworthy event.”
(2018年FIFAワールドカップの開会式は、
報道価値のあるイベントだった。)
– - “The high number of deaths made the disaster
more newsworthy.”
(死者が多数に上り、その災害の報道価値が高まった。)
– - “I don’t consider that a newsworthy topic.”
(それが報道価値のある話題とは思えない。)
– - “Nothing newsworthy ever happens here.”
(報道価値のあることは、何もここでは起こらない。)