Toxic relationship
2023/03/23
有害な人間関係
日常に破綻を来すくらい 「 猛毒 」 な人間関係のこと。
人生を狂わせる力を秘める。
” a toxic relationship ” の逆は、
- ” a healthy relationship “
( 健全な人間関係 )
–
良好な関係を言い表す代表例は、
- ” a meaningful relationship “
( 有意義な関係 )
– - ” a strong relationship “
( 強い絆で結ばれた関係 )
– - ” a significant relationship “
( 重要な関係 )
– - ” a close relationship “
( 親しい関係 )
– - ” a lifelong relationship “
( 生涯続く関係 )
– - ” a lasting relationship “
( 持続的な関係 )–
–
◆ 仲良しが行きすぎると、 知らず知らず一心同体になる。
過度の 「 共依存 」 に陥る危険が高まるから厄介だ。
- ” a codependent relationship “
( 共依存の関係 )
– - ” a fairy-tale relationship “
( おとぎ話のような関係 )
これはこれで、 厄難の火種を落とす。
自ら退くなら、 まだましかもしれない。
- ” relationship suicide “
( 関係を自分で壊す ) ※ 可算・不可算兼用
適宜自立しないと、 後々面倒なことに。
関係を 「 絶つ 」 は、 ” sever “、 ” break off “、 ” cut off ”
をよく使う。
- ” I severed my relationship with the company.”
( その会社との関係を断ちました。)
– - ” We broke off the relationship years ago.”
( 私たちは何年も前に縁を切っています。)
– - “I have cut off my relationship with those people.”
( あの人たちとの関係は断ち切りました。)
こちらも際どい。
–
–
距離 の取り方が難しいのが人間関係。
–
–
◆ ” relationship ” は、 名詞のみの単語。
【発音】 rɪˈleɪ.ʃən.ʃɪp
【音節】 re-la-tion-ship (4音節)
–
可算名詞 と 不可算名詞を兼ねる。
「 関係 」 「 関連 」 が基本的意味。
- ” relationship to sponsor ”
( スポンサーとの関係 )
※ 申請書の質問項目
語源は、古フランス語「 関係 」( relacion )に、
抽象名詞を作る接尾辞 ” ship ” を足したもの。
特に 「 人間関係 」 を指すことが多い。
人間関係では、 可算名詞 が通例。
よって、 不定冠詞 ” a ” がつく。
複数形であれば、 ” relationships ”
「 家族関係 」は、 普通は複数の人間関係 ( 親子・きょうだい
など ) から構成されるため、 複数形が原則となる。
- ” family relationships “
( 家族の人間関係 )–
◆ なにかと問題だらけの、 ぎくしゃくした、
個別の 人間関係は、 単数形で、
- ” a rocky relationship “
( うまくいっていない関係 )
– - “ a sour relationship ”
( 気まずい関係 )
– - “ a bad relationship ”
( よくない関係、 悪縁 )
– - ” an uncomfortable relationship “
( 心地悪い関係 )
– - ” a strained relationship ”
( 緊迫した関係 )
– - ” a complex relationship ”
( 複雑な関係 )
– - ” a tumultuous relationship ”
( 騒動が絶えない関係 )
– - ” a turbulent relationship ”
( 波乱に満ちた関係 )
– - ” a festering relationship ”
( ただれた関係 )
– - ” a contentious relationship ”
( 争いの生じがちな関係 )
– - ” a hostile relationship ”
( 敵対的な関係 )
– - ” a distant relationship ”
( 疎遠な関係 )
– - ” a rollercoaster relationship ”
( 起伏の激しい関係 )
– - ” a shaky relationship ”
( 不安定な関係 )
関係の 「 修繕 」 は、 ” restore “、 ” mend “、 ” fix ”
をよく使う。
- ” I would like to restore our relationship and move forward. ”
( 私たちの人間関係を修復し、前に進みたいのです。)
– - ” Lisa had mended her relationship with her mother
despite years of prior estrangement.”
( リサは、何年も疎遠だった母親と関係を修復していた。)
– - ” Jack refuses to fix his relationship with his father.”
(ジャックは父親との関係を修復することを拒んでいる。)
3つとも、 ここでは他動詞 ( transitive verb )。
◆ 職場の不倫による引責辞任には、 次の表現が多用されている。
- ” an unprofessional relationship “
( 職業倫理に反する関係 )
いずれかの当事者の意思に反する場合、 大抵こうなる。
- ” Their relationship soon fell apart. “
( まもなく関係が壊れた。 )
そして、 発覚に至るのが、
- ” unwanted romantic or sexual relationships “
( 望んでいない恋愛関係または性的関係 )
– - ” an inappropriate relationship “
後者も使われるものの、 こちらは多種多様の 「 不適切な関係 」
を広範にカバーする感じ。
「 性的 」な要素が匂い立つのは、 ” unprofessional relationships “。
以上は、 どれも 婉曲的 な表現。
–
関係者でなくても、 報道記事などを吟味すれば、 中身は推察できる。
◆ 深い関係を示唆する表現の代表格は、
- ” an intimate relationship “
( 親密な関係 )
ハイフン 入りの複合形容詞 ( compound adjective ) を使うと、
- ” a full-blown relationship ”
- ” a full-out relationship “
( 本格的な関係 ) ( 全面的な関係 )
【参考】 ※ 外部サイト
◆ 下記も 「 肉体関係 」 だが、 物理的な「 位置関係 」も表し、
近頃は 「 性的 」 意味合いではあまり出てこない気がする。
- ” a physical relationship “
( 肉体的な関係 )
上記の形容詞 ” unprofessional ” 及び ” inappropriate ” は、
贈収賄事件を含め、 やたらと衆目を集めがちな不祥事にも欠かせない。
色恋沙汰を含む人間関係の年表は、
- ” a relationship timeline “
芸能雑誌の定番記事で、 異性遍歴を暴く。
–
–
–
◆ 人間関係は、 ” a human relationship ” と学ぶ。
だが実際のところ、 ” relationship ” 1語だと誤解を招く
ケース( 男女関係 )や 正式用途以外は、” human ” 抜きの
” a relationship ” の方が、 一般的な印象。
複数形であれば、 ” relationships “。
- ” Parenting & Relationships ” ※ 雑誌見出し
( 育児 と 人付き合い )
個人的ではなく、 職務上であることを前面に出したければ、
- ” a working relationship ”
( 仕事上の関係 )
( 職場での関係 )
ビジネスに付随する関係を、 ざっくり丸ごと表すと、
- ” a business relationship ”
( 取引関係 )
( ビジネス関係 )
–
“We have agreed to end our business relationship.”
( 我々は取引関係を終了することに合意した。)
こそこそ交際する、 内緒の関係は、
- ” an under-the-radar relationship “
- ” a secret relationship ”
( 秘密の関係 )
–
次のような ” relationship ” は、 概ね恋愛がらみ。
- “They both are moving forward with other relationships.”
(双方とも、 別の人との恋愛を進めていますよ。)
前掲の ” romantic or sexual ” などの形容詞が随伴しなくても、
まあ分かるだろう。
–
◆ ” toxic ” には、 形容詞( 有毒な、有害な )
及び名詞( 有毒物質 )がある。
–
◇ 形容詞 の ” toxic ” が 日常使用 の大半
–
有毒な、 有害な
–
◆ 語源は、 ギリシア語 「 矢につける毒 」( toxikon )。
派生する意味を含め、 一貫して ネガティブイメージ。
- “Bullying is toxic.”
( いじめは有害である。)
– - “Toxic masculinity glorifies unhealthy habits.”
( 有害な男らしさは、不健康な習慣を美化する。)
主な類義語は、 ” poisonous “、 ” harmful “、 ” deadly ” 。
本来は、 物理的な 「 毒物 」 を指す。
–
現場や倉庫に掲げてある、 骸骨サイン( ” Skull and Crossbones ” )
そのもの。
ー
–
【 毒 】
–
◆ 無形で不可視の人間関係の描写において、 形容詞 ” toxic ”
が頻繁に用いられるようになったのは、 1990年代頃から。
人間関係の研究が急速に発展した時期と重なる。
現在では、かなり普及した用法である。
- 重要度 :<3001~6000語以内>
- 書き言葉の頻出度:3000語圏外
- 話し言葉の頻出度:3000語圏外
英単語全体における立ち位置は、 さほど高くない。
頻出度は、筆舌ともランク外で、 頻出に至らない。
–
” toxic ”
informal : very unpleasant and causing
a lot of harm or unhappiness.
( ロングマン、 LDOCE6 )
※ 下線は引用者
【発音】 tɑ́ksik
【音節】 tox-ic (2音節)
–
” informal ” ( 非正式な表現、 くだけた表現 ) とあるが、
堅めの文章にも使用されている。
有害な人間関係ひとつならば、” a toxic relationship “。
人間関係の ” relationship ” は可算名詞ゆえ、 ” a ” つき。
見聞きするのは、 複数形 ” toxic relationships ” が目立つ感がある。
不幸な人間関係をいくつも抱える人が、 大勢いるからだろうか。
- “I want to leave all toxic relationships behind.”
( 有害な人間関係をすべて終えたいの。)
– - “You should get out of this toxic relationship.”
( こんな病的な人間関係から、あなたは逃げるべきだ。)
– - “I never want to involve in a toxic relationship.”
( 私は有害な人間関係に一切関わりたくない。)
– - “You’re trapped in a toxic relationship.”
( あなたは有害な人間関係で身動き取れなくなっている。)
– - “Their toxic relationship came to light after they left here.”
( 彼らがここを去ってから、病的な人間関係が明るみに出た。)
– - “Staying in a toxic relationship will take a toll on
your health.”
( 有害な人間関係を続ければ、あなたは健康を害するだろう。)
” toxic relationships ” は、
心身の健康をむしばみ、 幸せを遠ざける。
–
改善が望めないなら
–
逃げよう
–
状況が変わらないなら、 逃げるが勝ち
–
【関連表現】
- toxic behavior
( 有害な行動 )
ー - toxic thoughts
( 有害な考え )
ー - a toxic culture
( 有害な文化 )
ー - a toxic work environment
( 有害な職場環境 )
ー - a toxic workplace
( 有害な職場 )
ー - a toxic childhood
( 非常につらい幼少期 )
ー - toxic water
( 有毒水 )
ー - toxic waste
( 有毒廃棄物 )
ー - Toxic Substances Control Act
( 米国有害物質規制法、 TSCA )
どれも「 害がある 」レベルでなく、
とてつもない破壊力 を伴うのが特徴
” toxic parents “
毒 親
( どくおや )
Toxic Parents:
Overcoming Their Hurtful Legacy and Reclaiming Your Life
Dr. Susan Forward, Bantam Books (1989).–
–
米国の Psychotherapist ( 心理療法士 )の
故 Dr. Susan Forward の 著書( 上掲 )
” Toxic Parents “
( 1989年刊 )より、世界中に広まっていった言葉。
–
Dr. Susan Forward ( 1938-2020 ) 和訳版
毒親に 負けるな
–
- “His entire life had been all mapped out by his toxic parents.”
( 彼の全人生は、毒親によってすべて計画されていたのだ。)
– - “I try to keep an emotional distance from my toxic parents.”
( 毒親から心理的距離を保つべく努めている。)
( 毒親から情緒的距離を保つべく努めている。)
– - “I don’t know how to deal with my toxic parents.”
( 毒親とどうやって付き合えばよいか分からない。)
– - “I struggled to gain freedom from my toxic parents.”
( 毒親から自由になるため、私は戦った。)
– - “I finally decided to cut off my toxic parents.”
( ついに毒親と縁を切る決心をした。)
– - “I just ended a bad relationship with my toxic parents.”
( 毒親との悪縁を切ったばかりです。)
( やっと毒親との悪縁を切ってやった。)
– - “You need to break off relations with your toxic parents.”
( あなたは毒親と縁を切る必要がある。)
( 毒親と縁を切りなさい。)
( 毒親なんかと縁を切れ。)
–
–
◆ 毒親のしんどさは、 自ら体験しない限り、 理解しがたい苦痛。
想像だけでは、 絶対に分からない。
しかし、 ひどい親も、 いつしか衰える。
–
そんなに焦らなくてよい。
–
–
必ず 「 時の力 」 が働き、
物事は移り変わっていく
ずっと現状のままなんて、
ありえない。
万物逃れられないのが 「 時の力 」
Time works wonder.
人智が及ばぬ 「 時間 」 の絶大な影響力–
なにもかも吹き飛ばす、強烈なパワーを秘める
–
加齢に従い、形勢逆転する可能性も、念頭に置いてみる。
平均寿命から逆算することだ。
毒親育ちの方々が、着実に幸せに近づくためには、
男性も、女性も、 「 職業 」 と 「 パートナー 」
を間違ってはならないと、経験上考えている。
親と生育環境は選べなくても、正しく頑張れば、これらは選択できる。
めげずにしっかり生きていくと、 今の苦しみの大部分は、
「 時が和らげる 」 痛みに徐々に変容していくはず。
–
- 加えて、 自身の成長により、 物事の見方が変わることはざらにある
- よぼよぼ、 ぼろぼろに、 老いさらばえた親を見る目も変わってくる
- 40歳代までの親と、 70歳代後半に達した親は、 あらかた別人レベル
–
↑ こうしたことは、 我が身でもって経験しないと、 まず意味不明。
だから、 年若い頃は、 ことさら毒親が憎く、 息苦しくてたまらない。
これから、 いろいろ変わっていく。 待て。 焦るな。 時は移ろう。
–
これが、「 時の力 」。
心の楽になる日が、 きっとやってくる。
–
これまでの長い我慢と努力の日々は、
天がきちんと見ている。
–
ご自分の人生を、 もっと大切に。
Happiness is the Best Revenge
最高に効果的な復讐は、
自分が幸せになること–
–
That’s the best revenge of all : happiness.
Nothing drives people crazier than
seeing someone have a good fucking life.Chuck Palahniuk
Author of ” Fight Club ” and several other novels
–【 参考和訳 】
最も効果的な復讐は、幸せになることである。
誰かが、半端なく幸せな人生を送ってるのを見ることほど、
人を狂わせるものはない。
–
チャック・パラニューク ( 1962- )
–
【発音】 hǽpinəs
【音節】 hap-pi-ness (3音節)
【発音】 rivéndʒ
【音節】 re-venge (2音節)
–
–
◆ この世は、 毒親・毒家族 に苦しむ人々であふれている。
- bad family relationships
( よくない家族関係 )
– - bad in-law relationships
( よくない親戚関係 )
通常、 世間体やプライドを重んじるため、 皆ひた隠しに隠す。
幸福そうに見えるのに、 内実はぐちゃぐちゃな家庭は珍しくない。
よくあるパターンは、
- a bad father-son relationship
- a bad father/son relationship
( よくない父・息子関係 )
– - a bad mother-daughter relationship
- a bad mother/daughter relationship
( よくない母・娘関係 )
–
古往今来、 人類永遠の課題である。
幾多の小説や映画の題材にもなっている事実からも窺い知れる。
一見、 気楽で恵まれていそうな人も、 実際は地獄だったりする。
うらやましい境遇に思えても、 内心は見るも無残に傷ついた様子。
実態を知るにつれ、 「 自分の方がまだましだわ 」 と思わず感謝。
このような人生のからくりを見抜けるようになるには、 どうしても
年輪を重ねる必要があり、 若ければ若いほど捉えにくい側面である。
だからこそ、 焦ってはならない。
若さは、 残酷でもある。
若さが過ぎ去ってくれたおかげで、 私の心には安らぎが生まれた。
努力もしてきたが、 容赦ない加齢の方が格段にインパクトがあった。
年月の流れ・寄る年波は抗しがたく、 私の奮闘など木端微塵になる獰猛さ。
要するに、 年を重ねるだけで、 自然と変わっていくことが多いのが人生。–
◆ 先に触れた通り、「 毒親 」 の名付け親は、 米国人女性の
Dr. Susan Forward ( スーザン・フォワード、 1938-2020 )。
毒親概念の 「 本家は米国 」 と言っても、 過言ではあるまい。
日本社会に比べて、 個人主義の傾向が強めなので、
米国発情報の方が、 しっくりくる場合もあるだろう。
良質な英文情報は、 豊富に公開されている。
” How to Deal With Toxic Parents ”
これぞ、 世界のすごさ。
やはり、 英語圏は広し。
英語人口、15億人。
地球上の英語の使い手の概数である。
英語母語話者 ( 英語ネイティブ )は、 世界の全人口の 約 5%。
つまり、 世界の 95% の人にとって、 英語は母語ではない。
15億人の英語力は様々であることを体感できれば、 気が楽になる。
洋の東西を問わず、 毒親の共通点をふんだんに見出せる。
普遍性を持するゆえか、 英文でも共感を覚えたりする。
もうびっくりするくらい、 あのいやな感じが似通っているぞ。
和文記事以上に、 救いを見出すことができるかもしれない。
私自身がその口で、 体験談を読みまくった結果、 英語が身についた。
翻訳機能 ( DeepL など ) を使ってもよいのだ。
頭脳も AIも 駆使する 「 二刀流 」 はかっこいい。
「 毒親対策 」 を学びがてら、 英語に馴染んでしまおう。
–
【参照】 「 二刀流 」のメリット、 AI vs 通訳、 AI vs 翻訳
◆ できるだけ、
–
Toxic な環境を飛び出し、 心地よい「 新天地 」を見つける。
–
日本が無理なら、 海外を目指せ
–
そのためにも、 英語を身につけておくとよい。
–
–
不運を嘆き、 そこに引きこもるのでなく、
見知らぬ世界の未来へ、 早めに移動せよ。
世界は でかい。
【参考】 ※ 外部サイト
–
–
https://www.henleyglobal.com/passport-index
2022年4月5日付
【参照】
・ comfortable in one’s own skin
・ just a phase
・ estranged
–
◆ もしも、 深刻な毒親育ちならば、
育った環境に比べると、
実社会は、極楽・楽園。
世の中には、思いやりのある、
強い大人も、数多く存在する。
努力の報われやすい、 快適な
「 居場所 」を探し求めよう。
—
よく合う職業に就けば、 社会の素晴らしさが分かる。
今まで見たことない、 心優しい人たちにも出会える。
家庭では味わえなかった、 愉快な喜びが待っている。
日本がダメなら、 海外に逃げろ。
海外でダメなら、 戻ってこい。
その頃には、 いくらか潮目が変わっている
–
一度、 海外に滞在してみるとよい。
わずか数日間であっても、 心境を含め、 以前と変わるものはある。
–
行く価値は十分ある。
世界は でかい。
万物逃れられないのが 「 時の力 」
世界屈指の自由を誇る 「 日本人 」。
相対的な信用度も高い。
享受できる権利 を活用すべし。
どんな環境も、 あなたの育ったどん底よりはまし。
少なくとも、 私はそうだった。
仕事は嫌なら、 いくらでも変えられる。
ブラック企業といえど、 合法的に辞めることができる。
苦しさの本質が、 まったく異なると感じる。
◆ 己の経験を踏まえて、 総合的に検討してみると、
–
自分に適した 職に就く
–
これが、 現実的な 「 幸せへの近道 」 と私は考える。
適職にひたすら勤しめば、 運も気分も確実に上向く。
周囲の人がちゃんと見ていてくれて、 評価も上がる。
社会人として軌道に乗り、 自信と自尊心が強化される。
スキル と経済力を手にすると、 生きる力が湧いてくる。
自己肯定の循環が生じて、 人生の流れが大きく変わる。
こうして、 どうにか 「 負の連鎖 」 から脱出できる。
◆ きつかった過去( a hard childhood )は、
次第に 「 宝物 」 と化していく。
なぜなら、
既に自分は 「 どん底 」 を味わっているのだ。
どん底 とは、「 最低の状態 」 であり、 底を打つということ。
どれほどみじめで、 耐え難い苛酷さか、 骨の髄まで知り尽くす。
それ以下は、 ほぼ存在しないと思えるので、 実は安心である。
谷深ければ山高し。
◆ 愛されて育った人が、 夢想だにしない独自の境地を獲得可能。
たやすく到達した次元ではないため、 一生使えそうな知見。
–
若くして体得した生きるすべ、 これは心強い。
困難に立ち向かう手立て、「 引き出し 」 が一式
そろっている。
–
今後の心の拠り所となり、 間違いなく 「 精神的支柱 」 になる。
なにが起きても、「 昔に比べれば 」 大したことないと感じる。
昔が悲惨すぎたから。
I have never met a truly strong person with an easy past.
( 楽して生きてきた真に強い人間に、 私は出会ったことがない。)
◆ 実社会が楽ちんと思えるのも、 育った環境との相対的比較。
「 社会は厳しい 」 どころか、 私には 「 天国なんですけど 」。
好きな仕事に没頭することで落ち着ける、 居心地抜群の場。
毒親の仕打ちに比べ、 パワハラ上司は児戯に等しい甘ちゃん。
「 うちの親の方が迫力あったぞ!! 」 と心密かに悪態叩く。
こんな上司は、 かわいい ワンコ。
ワンコ ばかりで、 にぎやかな職場。
社会人って楽しいわ ♪
いつまでも、 そりが合わなければ、 さっさと転職すればよい。
生活がかかっているとはいえ、 自分の決断次第で 逃げ切れる。
毒親・毒家族の地獄と違い、 短期で永久に縁を切れる。
◆ 平然と人を許せたりするので、 周囲から 「 器の大きい人 」
などと勝手に解釈され、 図らずも信頼と好感度が増していく。
あずかり知らないところで、 よき運命へ上書きされている感触。
–
この域に達すると、 かつて苛まれた激しい怒りや悲しみなんぞ、
もうほとんど気にならず、 なんだかどうでもよくなっている。
–
時々うずくものの、 だいたい許容範囲内で、 わけない程度の痛み。
–
ついに、 毒親からの心理的 ( mentally )、 情緒的 ( emotionally )
な自立・独立 ( independent ) を見事立派に果たした証左である。
–
–
毒親に負けなかった。
–
◆ 毒親育ちであれば、 常日頃から 「 ハイリスク 」 と自己認識し、
人一倍、 「 職業 」 と 「 パートナー 」 には留意したい。
自暴自棄を避け
確かな努力を積み重ねれば
よい人生になっていく
とりわけ、 中年以降に伸びていく。
けれども、 その前に、
「 自暴自棄 」 ( self-destructive behavior )
につぶされてしまう人が、 あまりに多すぎる。
-ー
–
そこまで 「 自暴自棄 」 にならなければ、
生きてこれなかった痛みは分かる気がする。
私もそうだったから。
–
何十年も、 自他を傷つける生き方をしてしまった …
最初の半世紀は、 破れかぶれ気味だった。–
愚かで、 切ない。
–
–
潜在的な力はあるのに、 生かすことなく、 世を拗ねている大人は大勢いる。そうならざるえなかった、うら悲しい事情や屈折した心情を察すると切ない。
好き好んで、 やけっぱちになる人はいない。
◆ 子ども時代、 愛されず、 甘えることが許されなかった者の背負う十字架。
–
人間の成長と成熟に不可欠な、 安心して 「 甘えられる時代 」 がなかったため、
情緒的に成長しそびれ
( stunted emotional growth )
–
どこか満たされない苦悩が延々と続く。
–
そのせいか、 生涯通して、 軋轢が絶えないことも。
中身は 「 無条件の愛を求める子ども 」 のままだから、 トラブルを起こしがち。
–
よくある話だ。
–
–
こういう人たちが、 地球上には、 ごまんといる。
–
–
実に、 苦悶する人だらけ。
自分が知らないだけなんです。
You never know what others are going through.
他人の事情なんか、 分かりようがない。
悲しいこの現実を、 忘れないでおこう。
これまた、 古往今来、 人類永遠の課題である。
It breaks my heart to see anyone who suffers like this.
–
それでも、 居場所を間違えず、 自分を大切に して踏ん張れば、
環境はもちろん、 目上も自分も、 嫌でも変わっていく。
誰しも年を取るから。
時代は変わっていくから。
Everyone ages.
Time changes.
年を取るにつれ、 体力と健康が心もとなくなってくるため、
無事に暮らしたければ、 自分を変えざるえなくなるのが老い。
この辺りの感覚は、 体感してみないとまるでつかめない性質。
人智が及ばぬ 「 時間 」 の絶大な影響力–
なにもかも吹き飛ばす、強烈なパワーを秘める
–
ずっと現状のままなんて、
ありえない。
–
–
年食わないと、 理解不能だろうから、 あえて繰り返してみました。
年食って、 私も初めて知りました。
高齢になると、 みんな本当に、 よぼよぼ、 ぼろぼろ になります。
自分をいじめた大人らも例外ではない。
よぼよぼ、 ぼろぼろ の姿を、 じっと見届けてやればいいのでは。
ゆくゆくは、 自分も よぼよぼ、 ぼろぼろ になりますが。
–
時は移ろう。
そう焦るな。
–
–
–
『 道をひらく 』 松下幸之助 (著)
PHP研究所、 1968年刊
<出版社HP> <アマゾン> <楽天ブックス>
–
※ 松下電器産業( 現 パナソニック )
の創設者( 1894-1989 )
◆ 「 少しはまともになったかも 」 と自覚できたのは、
私の場合、 50歳代。
–
過去を振り返ってみて、 率直に生意気をぶちかますと、
–
社会は めっちゃ快適で 笑えた。
もし、 親族がイカれてなければ and/or 適職に従事できていなければ、
「 社会は厳しい 」
とかなんとか、 しかつめらしく、 一丁前にほざいていたことだろう。
みじめな子ども時代と違い、 自己決定権 も 経済力 も 経験 も あるもんね。
数十年もかけて自分を変えていく過程は、 つらかったが退屈ではなかった。
職業選択を間違えたら 「 自滅必至 」 と本能的に察知したため、 本気で行動
を起こし、 安定した日本の公務員を20歳代に退職後、 何度も職を変えてきた。
上長の命に従う公僕では、 早晩必ず行き詰まる気質。
育ちからして無理。
若年のうちに進路を修正。
正解だった。
日本の公務員を続けていたら、 メンタルやられて、 今頃死んでいた。
–
–
例えば、 年収が下がっても、 英語を使う職に変えられるか。▲ 日本の公務員を退職する際の私が、 こういう状況だった。
- 当時の自分としては、 並々ならぬ勇気を奮い立たせたものだ
- 「 絶対に後悔したくない ! 」 と奮起し、安定した職を捨てた
- 案の定、 失った身代・逃した好機・切ない苦痛 は数多生じた
- 何十年も経た現在は、 それでも正しい決断だったと結論する
人の言うことを聞き入れるのが苦手な方は、
人の言うことを聞かなければ一向に進まない
ような職業を避けると、 幸せに生きやすい。
–
人間関係が苦手な方は、 人とべたべた関わらなくても
どうにか なりそうな職 と ライフスタイル を志せばよい。
–
自分の 「 素質 」 に見合う職業を慎重に選ぶ。
頭を最大限に使うべき場面。
根本的に合わないのに、 我慢して働くと、 病みます。
–
–
蛇足ながら申し上げると、 現在の私は ” procrastination ”
から解放されている。上長の命に従う仕事は無理と早々悟り、 転職 を重ねた結果、
自己裁量の認められる職務に就けたためである。生身の人間以上に、 言葉を相手にする時間が多いためか、
ストレス少なめで、 気が楽ちん。締切り さえ守れば、 割かし自由なので、 のびのび取り組める。
おかげ様で、 ぐずな私でも、 どうにか切り盛りできている。
自己コントロールが利くと、 欠点は影を潜めるらしい。
仕事が楽しい。
–
–
” procrastinate “ より
–
◆ なかんずく毒親育ちは、 世間体・体裁・人並みよりも、 ご自分の心
に素直に進む方が、 余計な痛みを背負い続けずに生きられると思います。
外向きがどうであれ、 実質的には世間体・体裁・人並みから既に逸脱して
いるため、 それらに合わせる努力をするだけで、 いたずらに消耗する。
挙句の果て、 なかなか報われない苦に満ちた難路を突き進みがちと危惧する。
がむしゃら努力したところで、 ようやく 「 人並み 」 なんて、 もったいない。
それより、 「 個性的 」 な生き方を選ぶ方が納得が行くのではないだろうか。
毒親育ちが、 ある意味 「 ユニーク 」 であると考えるわけは、 上述した。
【参照】
◆ 良くも悪くも、 むやみやたらに 「 充実していた 」 点は否定しようがない。
痛みが少なく、「 気づかない 」 人生よりベターかもしれない、 とふと思う。
「 気づかない 」 とすれば、 本稿みたいな記事は、 決して書きようがない。
なぜなら、「 毒親のしんどさは、自ら体験しない限り、理解しがたい苦痛 」
であり、「 想像だけでは、 絶対に分からない 」 と先述通りに感じるから。
こんな風に受け止める時期を迎えるなんて、 若い時には 100% 考えられなかった。
◆ 私が苦しんでいた頃は、 前出の書籍 ” TOXIC PARENTS ” が世に出る前で、
「 毒親 」 概念は普及していなかった。
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約10年間、 毎日読んでいたのは、 社会学者の 加藤諦三( 1938- )。
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< 著作からの抜粋 >
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「 加藤諦三 ( かとう たいぞう ) 公式サイト 」 より
主に文庫本だが、 全冊少なくとも3度は読んでいる。
お手頃価格の文庫本で気を紛らすしかなかったのだ。
” relationships ” の知識が、 生きていく上で大いに役立った。
さんざん打ちのめされ、 打ちひしがれたから、 理解度が段違い。
及び 「 未来は誰にも分からない 」 と感じ入る成り行きに。
生を受けて半世紀を過ぎてから、 私の半生はこの連続だったと、
やっと感づくことができるようになってきて、 遅きに失した感。
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下記の通り、 ご紹介させていただければと願う。
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- 新装版 愛されなかった時どう生きるか
甘えと劣等感の心理学 ( PHP文庫 )
<出版社HP> <アマゾン> <楽天ブックス>
– - 新装版 人生の悲劇は 「 よい子 」 に始まる
見せかけの性格が抱える問題 ( PHP文庫 )
<出版社HP> <アマゾン> <楽天ブックス>
– - 親離れできれば生きることは楽になる
自分がもっと強くなる “ 一人立ち ” のすすめ ( PHP文庫 )
<出版社HP> <アマゾン> <楽天ブックス>
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▲ 手持ちの蔵書は旧版で、 1990年代に購入 ( 奥付 )
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私を救ってくれた3冊である。
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◆ 坂口 安吾 ( 1906-1955 ) の自伝小説も、 きっと魂が共鳴する。
『 風と光と二十の私と 』 ( 講談社文芸文庫 ) などに収録された、
以下の短編を推す。
著作権が消滅 しているため、 主要作品は 無料 で読める。
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◆ 私の卒論の指導教員は、 心理学者の 深沢道子 ( 1935-2013 )。
ゲシュタルト療法 の基本書を和訳されている。
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ロバート L. グールディング (著)
深沢 道子 (翻訳)
星和書店、 1980年刊
四六判 並製 608頁
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著者は、自己変革をもたらすための治療手段として、
効き目のあるものならどんな方法でも取り入れている。
この著者の「 再決断療法 」 を本書は詳細に説明する。
–星和書店 公式サイト より
http://www.seiwa-pb.co.jp/search/bo05/bn233.html
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深沢教授からお借りしたこの本、
古新聞に挟んだままリサイクルに出してしまい、
慌てふためいて書店に駆け込み、
素知らぬ顔して新品をお返しした思い出がある。
【参考】 ※ 外部サイト
◇ ” 15 Versions of Toxic People ”
https://www.heysigmund.com/when-its-not-you-its-them-
the-toxic-people-that-ruin-friendships-families-relationships/
日付なし
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◇ ” How to Deal With Toxic Parents ”
https://www.webmd.com/sex-relationships/features/toxic-parents
日付なし
–
◇ ” 13 signs your friendship with someone is toxic ”
https://www.businessinsider.com/signs-your-friendship-is-toxic-2018-2
2020年5月17日付
–
◇ ” 15 Signs You Have Toxic Parents ”
https://blogs.psychcentral.com/imperfect/2018/07/15-signs-you-have-toxic-parents/
2020年5月4日付
–
◇ ” 12 Clues a Relationship with a Parent Is Toxic ”
https://www.psychologytoday.com/us/blog/toxic-relationships/201808/12-clues-relationship-parent-is-toxic
2018年8月31日付
–
◇ ” How To Tell If You’re In a Toxic Relationship – And What To Do About It ”
https://time.com/5274206/toxic-relationship-signs-help/
Time.com / 2018年6月5日付
米タイム誌の記事。
有毒な人間関係の有無を自己診断。
英文も内容も容易ではないが、中級学習者 の実力があれば、
次の概要は一読して把握できる。
- 定義
” one seeks to undermine the other ”
( 相手を傷つけようとする)
– - 原因
” they were in a toxic relationship ”
( 本人も病的な人間関係を経てきている)
– - 前兆
” persistent unhappiness ”
( ずっといつまでも続く不幸)
– - 対処法
” you’ve got to get out of it. ”
( 手に負えなければ、脱出すること。)
–
◇ ” 6 Toxic Relationship Habits Most People Think Are Normal ”
https://getpocket.com/explore/item/6-toxic-relationship-habits-most-people-think-are-normal
2014年8月8日付
- The Relationship Scorecard
( 過去の誤りについて執拗に責める )
– - Dropping “ Hints ” and Other Passive-Aggression
( 遠言いたいことを遠回しに言う )
– - Holding the Relationship Hostage
( 感情・関係を人質扱いして脅迫する )
– - Blaming Your Partner For Your Own Emotions
( 相手を感情のはけ口にする )
– - Displays of “ Loving ” Jealousy
( 嫉妬のもたらす行為と愛情を混同する )
– - Buying the Solutions to Relationship Problems
( 問題をお金でごまかす )
–
◇ トキシックショック症候群 ( toxic shock syndrome; TSS )
= 非常に短い時間で重篤な病態を引き起こす、敗血症の一種
- 日本感染症学会 「 毒素性 ショック症候群 」
https://www.kansensho.or.jp/ref/d45.html
– - 日本衛生材料工業連合会 「 トキシック ショック症候群について 」
(一般用) http://www.jhpia.or.jp/standard/tss/tss1.html
(医療従事者用) http://www.jhpia.or.jp/standard/tss/tss2.html
◇ 「 限界だった 」 たった1人の介護の果て
なぜ22歳の孫は祖母を手にかけたのか
https://mainichi.jp/articles/20201028/k00/00m/040/074000c
2020年10月28日付
–
◇ 医学部受験で9年浪人 〝 教育虐待 〟の果てに …
母殺害の裁判で浮かび上がった親子の実態
https://nordot.app/741154375854899200
2021年3月15日付
–
9浪で医学部受験失敗…31歳女性が母親をメッタ刺しの特殊事情
https://friday.kodansha.co.jp/article/193698
2021年7月21日付
–
( 漫画 ) 医学部を9浪した娘がモンスター母親を手にかけた事件
https://www.youtube.com/watch?v=C6C8zll1Otk
2023年2月25日付
–
◇ 家を出られる 「 唯一の手段が結婚 」 の女性は大勢いる
https://dot.asahi.com/dot/2021092900024.html?page=1
2021年9月29日付
【参考】 ※ YouTube
( 2023年、ハリウッドを追われた嫌われ毒セレブたち )
–
https://www.youtube.com/watch?v=lr1rjMDEZmE
2023年3月14日 ( 全長 34分21秒 )
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■ Toxic Celebrities That No One Should Trust
( 決して信用してはならない毒セレブたち )
–
https://www.youtube.com/watch?v=4s0qSGGKzkQ
2023年2月14日 ( 全長 43分11秒 )
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■ Toxic Celebrities Who Are Ruining Hollywood
( ハリウッドをめちゃくちゃにしている毒セレブたち )
–
https://www.youtube.com/watch?v=6d2CcYBhTGs–
2022年12月19日 ( 全長 34分33秒 )
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■ The Most Toxic Celebrity Families In Hollywood
( ハリウッド最悪の毒セレブ家族たち )
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https://www.youtube.com/watch?v=sPuspv1-nlw
2022年9月27日 ( 全長 19分12秒 )
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Joce Bedard
※ カナダ人女性 ( 1992- )
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↑ おすすめ YouTuber ( ユーチューバー )
ゴムのように伸縮自在な口唇と舌を持ち、 口周りの運動が大振りなため、
舌・唇・歯・呼吸間の相互作用が分かりやすい、 推しの英語ネイティブ。
これほど分かりやすい口元の動きを示す英語話者を、 私は見たことない。
見本にする英語の先生を選ぶ際は、 ベロ出しの有無が目のつけ所のひとつ。
平板で均一なリズムの日本語が母語の私たちの口周りは、 こんな風に動かない。
普段は 舌運び を意識しないからこそ、 物珍しい眺めでびっくりするはず。
” no need “、 ” integrity ” 、 ” smooth out “、 ” hiatus ” にて、
学習上の着目点を事細かに記した。