( シートベルトを ) 締める
何十年も昔、 助手席に着いた途端、
バッカ ー ラ ッ
と運転手に言われ、固まった覚えがある。
「 いきなりバカって … なんなんだ ? 」
これが ” buckle up ” との出会いだった。
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◆ ” buckle ” は、 ベルトの「 バックル 」。
語源は、 ラテン語 「 ヘルメットの頬あて 」( buccula )。
名詞・他動詞・自動詞がある。
- 名詞 「 バックル 」 「 よじれ 」
- 他動詞 「 締め金で留める 」 「( 熱・圧力で ) 曲げる 」
- 自動詞 「 締め金で留まる 」 「( 熱・圧力で ) 曲がる 」
【発音】 bʌ́kl
【音節】 buck-le (2音節)
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◆ ここでは他動詞 ” buckle “。
副詞 ” up ” を伴い、 句動詞 「 バックルを締める 」。
この副詞 ” up ” は、 「 完全に 」「 すっかり~してしまう 」
を意味する強意の副詞。
” open up “、 ” screw up “、 ” shake up ”
と重なる用法。
シートベルトが最頻出なので、 ” buckle up ” の2語のみでも、
普段は 「 シートベルトを締める 」 を意味する。
もっとも、 シートベルトに限らず、 例えば
ヘルメットのあごひもを締める 際にも使える。
イギリス英語では ” belt up ” とも言う。
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◆ 車社会のアメリカでは、 ” Buckle Up ” は
国民的スローガンのように使われている。
とりわけ 1990年代以降、 DUI と等しく、 ポスター
や公共広告 ( public service announcement、PSA )
を通じて盛んに喧伝されている。
その結果、 運転席はもちろん、 助手席( passenger seat )
においても、 シートベルトを着用する習慣が浸透した。
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“ Buckle Up for Safety ”
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◆ 日本では、 2020年9月以降の新型車から、
下記のような警告灯 「 シートベルト リマインダー 」
を全席対象に義務化する運びとなった。
( 国土交通省 2016年11月18日 発表 )
◆ ちなみに、 アメリカでは < 助手席は最上席 >
が一般通念。
助手席を勧められたら、 厚遇されていると考えてよい。
日本では、 運転席の後ろが最上席、 助手席は末席。
大きな違いなので、 要注意。
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【類似表現】
- ” Please wear your seat belt. ”
( シートベルトを着けてください。)
– - ” Fasten Seat Belt ”
( シートベルトをお締めください)
近年は、 電光サインが目立つ。
Fasten Seat Belt
【関連表現】
- ” Buckle down ”
( 仕事・勉強などに専念する。)
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– I need to buckle down to study.
( 勉強に専念しなければならない。)
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– There is no easy way to buckle down.
( 本腰入れて取り組むのは容易ではない。)
【関連表現】 ※ 車関係
- ” Pull over the car.”
https://mickeyweb.info/archives/284
( この車を止めてください。)
– - ” under the influence”
https://mickeyweb.info/archives/286
( 酒または薬に酔った状態で )
– - ” at the wheel / behind the wheel”
https://mickeyweb.info/archives/1239
( 1. 車を運転する 2. 舵取りをする )
– - ” raise awareness”
https://mickeyweb.info/archives/8831
( 意識を高める )