急いで、 移動中に
直訳は 「 走り回って 」。
そして 「 逃走中で 」。
転じて 「 活発に動いて 」。
さらに 「 急いで 」。
「 be動詞 」に続く場合が目立つ。
※ 「 be動詞 」 = be、am、was、been、will be、is、were、are
その理由は、 この「 3語ワンセット 」で 状態を表す
「 形容詞 」の役割があるからである。
- “As a doctor, she is constantly on the run.”
(彼女は医師として、常に活発に活動しています。)
– - “Tokyo was the final stop on the run.”
(東京は移動の最終地だった。)
なぜ、形容詞が「 be動詞 」に続くのかは、
” aware ” と ” vocal about ” で事細かにご案内した。
英文法の基本であるので、ぴんとくる ことがなければ、
この機会におさらいしていただくとよいかもしれない。
◆ 逃走犯人についてのニュースには欠かせない。
- “The bank robber has been on the run for two days.”
(その銀行強盗は2日間逃走している。)
– - “He is still on the run.”
(彼はまだ逃走中である。)
– - “She was arrested after 20 Years on the run.”
(彼女は20年にわたる逃亡の末に逮捕された。)
これらは文字通りの意味だから、分かりやすい。
◆ 日頃、 使用頻度がより高い印象があるのは、
次のように派生した用法である。
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- 「 急いで 」「 手早く 」
→ ” in a hurry “、 ” in a rush “、 ” quickly ”
– - 「 移動中に 」「 動きながら 」
→ ” on the move “、 ” on the go ”
– - 「 その場で 」
→ ” on the fly “
- “I am having lunch on the run.”
(急いでお昼を食べています。)
(移動中に昼食を取っています。)
– - “We have to decide on the run.”
(その場で決めなねばならない。)
(やりながら決めねばならない。)
– - “I ate a hot dog on the run.”
(急いでホットドッグを食べました。)
(移動中にホットドッグを食べました。)
いずれも余裕がなく、 慌ただしい状態が目に浮かぶ。
” on the run ” と例えるのも、 理解はできるだろう。
–
–
日本語にも 「 走りながら 〜 する 」という言い回しはある。
ビジネス場面では、 ごく普通だったりする。
「 逃走中 」と異なり、 定訳は確立していない
よって、 文脈を考慮しつつ和訳する。
On the run
走って 急いで 移動して
「 急いで 」か「 移動中 」か「 その場で 」か。
文脈から、よく分からないことも多い。
翻訳者泣かせ。
◆ 以下、 実際に出てきそうな3例を考えてみたい。
–
1) news on the run
「 逃走中のニュース 」は明らかに間違い。
前置詞 ” on ” を「 〜 について 」と解釈し、
「 その走行についてのニュース 」はありうるが、不自然。
よって、
「 手早く聞けるニュース 」または
「 移動中に聞けるニュース 」。
2) take notes on the run
「 逃走中にメモを取る 」 と 「 走りながらメモを取る 」
はありうるが、 やや奇妙な行動。
「 その走行についてのメモを取る 」 は不自然。
よって、
「 急いでメモを取る 」 または
「 移動中にメモを取る 」。
3) I phoned him while I am on the run.
「 急いで彼に電話しました 」 はありうる。
だが、接続詞 ” while ” があるため、「 ~ 中 」 の方が自然だろう。
「 走りながら彼に電話しました 」もありうるが、 やや奇妙な行動。
よって、
「 移動中に彼に電話しました 」 または
「 逃走中に彼に電話しました 」 。
以上、 解釈を試みたが、いかがだろうか。
◆ これまで述べてきたことを、写真入りで要領よくまとめて
くれているのが、 こちら。
–
– https://www.britannica.com/dictionary/eb/word-of-the-day/2022/02/23
https://www.britannica.com/dictionary/on-the-run
https://www.britannica.com/dictionary/eb/word-of-the-day/archives
※ 2022年2月23日 アクセス
–
” The Britannica Dictionary ” の日替わりイベント、
” Word of the Day “( 今日の単語 )で取り上げられた。
2022年2月23日付である。
2022年1月頃までは、アメリカ系の老舗辞書である、
「 メリアム ウェブスター 」( ” since 1828 ” ) が提供する
英語学習者向けサイトとして、 長年公開されていた。
現在は 「 メリアム ウェブスター 」 から完全分離した様子で、
サイト名称からロゴから、 がらっと一新されている。
名称は、” Merriam-Webster’s Learner’s Dictionary ” から、
” The Britannica Dictionary ” へ変更された。
今後は、親会社であるアメリカ企業「 ブリタニカ 」が
直々に運営する模様だが、 主たる機能に変わりはなく、
過去分も引き継いでいるので、 使い心地は一緒。
【類似表現】
” I’ve got to run. ”
https://mickeyweb.info/archives/1966
( もう行かないと。 )