On the run
2020/01/04
急いで、移動中に
直訳は「走り回って」。
転じて、「活発に動いて」「逃走中で」。
be動詞 “is” “was” “been” などに続く場合が多い。
- “As a doctor, she is constantly on the run.”
(彼女は医師として、常に活発に活動しています。) - “Tokyo was the final stop on the run.”
(東京は移動の最終地だった。)
逃走犯人についてのニュースには欠かせない。
- “The bank robber has been on the run for two days.”
(その銀行強盗は2日間逃走している。) - “He is still on the run.”
(彼はまだ逃走中である。) - “She was arrested after 20 Years on the run.”
(彼女は20年にわたる逃亡の末に逮捕された。)
これらは文字通りの意味で、分かりやすい。
普通に耳にする。
だが、より使用頻度が高いのは、
<例え>としての用法である。
-「急いで」「手早く」
(同義語 “in a hurry”、”in a rush“、”quickly”)
-「移動中に」「動きながら」
(同義語 “on the move”、”on the go”)
-「その場で」
(同義語 “on the fly” )
“I am having lunch on the run.”
(急いでお昼を食べています。)
(移動中に昼食を取っています。)
“We have to decide on the run.”
(その場で決めなねばならない。)
(やりながら決めねばならない。)
“I ate a hot dog on the run.”
(急いでホットドッグを食べました。)
(移動中にホットドッグを食べました。)
いずれも、慌ただしい様子。
“be on the run”
to be very busy and continuously rushing about.
(ロングマン、LDOCE6)
“on the run” と例えるのも納得できるだろう。
日本語にも「走りながら〜する」という例えはある。
これらの<定訳>は、確立していない。
この点、「逃走中」と異なる。
よって、文脈を考慮しつつ和訳する。
「急いで」か「移動中」か「その場で」か。
文脈から分からないことも多い。
翻訳者泣かせだ。
【例題】
1)”news on the run”
-「逃走中のニュース」は明らかに間違い。
– 前置詞 “on” を「〜について」と解釈し、
「走行についてのニュース」はありうるが、不自然。
よって、
「手早く聞けるニュース」または
「移動中に聞けるニュース」が適切。
2)”take notes on the run”
-「逃走中にメモを取る」はありうるが、奇妙な行動。
「走りながらメモを取る」も同様。
-「走行についてのメモを取る」は少々不自然。
よって、
「急いでメモを取る」
「移動中にメモを取る」
のいずれかが適切。
3)”I phoned him while I am on the run.”
-「急いで彼に電話しました」はありうる。
だが、接続詞 “while” があるため、
「~中」の方が自然だろう。
– 「走りながら彼に電話しました」もありうるが、
奇妙な行動。
よって、
「移動中に彼に電話しました」
「逃走中に彼に電話しました」
のいずれかが適切。
【類似表現】
“I’ve got to run.”
https://mickeyweb.info/archives/1966
(もう行かないと。)