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On one's radar

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~ の認識内にある

直訳は 「 ~ のレーダーの上 」。

その人( one’s )に着目されている状態を示す。

「 レーダー 」を用いて、 認識の有無を表す < 比喩 >。

さほどフォーマルな表現ではないが、 口頭では割と聞く。

◆  “ one’s とは、「 誰々の 」。

one’sには、 通常は人称代名詞 ( personal pronoun )の
所有格possessiveを入れる。

  •  my   私の
  •  your   あなたの
  •  his   彼の
  •  her   彼女の
  •  their   彼らの
  •  our   我々の
  •  its   それの

“ one’s ” は、所有格の代表形 として、
辞書などで起用される。

具体的には、不定代名詞 ( an  indefinite  pronoun )
” one ”  の所有格が  “ one’s ”。

上記の所有格を代表する。

いわば、所有格のワイルドカードとして使われる。


代名詞( a pronoun )でなく、固有名詞や無生物でもよい。

◇  「 認識 」という 内面の作用 を示すため、
主体は 自分側my radar、our radar )
である場合が多い。


他者の知覚を推察して描写するのは、 容易でないからである。

【参照】   perceive

◆  ” radar ” とは、「 電波探知機 」 のこと。

電波を探知するのでなく、 電波で探知する装置。

目標物から電波が反射する時間・方向で、
位置を決定している。

【発音】   réidɑr
【音節】   ra-dar  (2音節)

radio detecting and ranging
または
radio detection and ranging

radar

初出は、 戦時中の1941年。


品詞は名詞のみで、可算名詞 不可算名詞 を兼ねる。

ここでは後者の 比喩 なので、不可算名詞。

よって、無冠詞または定冠詞 ” the ” が原則である。

 

 

レーダーに仮託

 

◇  レーダーの探知能力 を、人間の「 認識 」に見立てた表現


on one’s radar

” on ” は、接触の前置詞「 ~ の上に 」。

” He was on TV. ” と同様の用法。

したがって、” on one’s radar ” とは、
「 ~ のレーダーの上に 」。

これは「 状態 」表す。

したがって、< 3語ワンセット > で  形容詞
のような役割を担う。

 

◆  「 レーダーの上に 」 は形容詞の役割なので、

be動詞 」 に続くのが基本パターンになる。

※ 「 be動詞 」= be、am、was、been、will be、is、were、are

なぜ、 形容詞が基本的に 「  be動詞  」 に続くのかは、
aware ”  で事細かにご説明した ( 図入り )。

英文法の基本であきるので、ぴんとくる ことがなければ、
この機会におさらいしていただくとよいかもしれない。

 

◆  能動態( active )で意訳すると、「 ~ のレーダーが捕らえている 」。

「 ~ のレーダーが 捕捉( ほそく ) する 」 と表現することもある。

be動詞 の主語となるのは、 対象となる人や物。

下図であれば、「 AのレーダーがBを捕えている 」で、「 B 」が主語。

話題の主は、Aに狙われた「 B 」となる。

 

A の認識( レーダー )内の B


↑ A( 所有格 )の発する「 レーダー 」の狙いは B ↑

A のレーダー が B を捕捉

 

◆  主に会話で使うが、比較的分かりやすい 比喩 である。

なんだか、様になる感じ。

文面に使っても不自然ではない。

「 レーダー上 」 「 レーダーが捕らえている 」
とはいえ、 敵対的な内容に限定するものではない。

肯定的にも否定的にも使える  フレーズである。

on somebody’s radar
on the radar

if something is on your radar, 
you have noticed it and are giving it 
some attention.

( ロングマン、 LDOCE6 )

※  下線・ハイライトは引用者

対象に、

◇  ” noticed
気づいている
・  notice ( 気づく、他動詞・自動詞 )  →  変化などをさっと感知

◇  ” giving it some attention
なんらかの注意を払っている


本気で注目しているわけではない
が、

意識はしている  状態。


ざっくり分かるものの、どこかあいまい。

定訳もない。

そのため、認識の度合いの把握が難しい

一体、どのくらい真剣に意識しているのだろうか。

それは、状況や言い方から判断するしかない。

仕事では、進捗報告 または 言い訳 に使う印象が強め。

◆  逆に 「 見落とした 」 は、

■  slip under one’s radar

■  fly under one’s radar

to not be noticed by someone.

( ロングマン、 LDOCE6 )


レーダー探知を 「 すり抜けた 」 様相。

表題に比べると、それほど見聞きしない。

■  drop off one’s radar  も、「 誰々が見落とした 」 の意。

一方、

■  drop off the radar は、 直訳は 「 レーダーから消える 」。

比喩 でよく使われており、 「 世間から忘れ去られる 」 の意。

 

◆  これまで述べてきたことを、ちょうどよい案配にまとめて
くれているのが、 こちら。



https://www.learnersdictionary.com/word-of-the-day/2022/01/21
https://www.britannica.com/dictionary/eb/word-of-the-day/2022/01/21

https://www.learnersdictionary.com/definition/radar
https://www.britannica.com/dictionary/radar

https://www.learnersdictionary.com/word-of-the-day
https://www.britannica.com/dictionary/eb/word-of-the-day/archives

※  2022年1月21日 初回アクセス
※  2022年2月23日 再アクセス

※  スクショ は初回時のまま


アメリカ系の老舗辞書 「 メリアム ウェブスター
( ” since 1828 ” ) が提供する英語学習者向けサイト
である。

この   ” Merriam-Webster’s Learner’s Dictionary ”  が、
恒例の日替わりイベント  ” Word of the Day “( 今日の単語 )
で、 ” radar ”  を取り上げている。

2022年1月21日付。

通常版と違い、写真入り豪華版なので、 即刻 キャプチャー し、
おすそ分け( share )。

【発音】   réidɑr
【音節】   ra-dar  (2音節)

 

◆  2022年2月頃、 上掲の英語学習者向けサイトは、
「 メリアム ウェブスター 」 から完全分離した様子で、
サイト名称からロゴから、 がらっと一新された。

新しい名称は、” The Britannica Dictionary “。

今後は、親会社であるアメリカ企業「 ブリタニカ 」が
直々に運営する模様だが、 主たる機能に変わりはなく、
過去分も引き継いでいるので、 使い心地は一緒。

【旧】
Merriam-Webster’s Learner’s Dictionary
https://www.learnersdictionary.com/

↓↓↓ redirect ( 転送 )される

【新】
The Britannica Dictionary
https://www.britannica.com/dictionary

 

※  学習者向け英英辞典( EFL辞典 )の詳細は、
LDOCE( ロングマン現代英英辞典 )

 

 

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