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Right mind

      2017/11/05

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 2 minutes

正気、まとも

「まともな人なら~」などと
憤慨した場面で、よく飛び出す発言。

興奮した状況で多用されるのは、
子どもにも分かる基礎単語にかかわらず、
差別ニュアンスを完全回避できる便利さ
ゆえだろう。

◆<差別用語>の範囲の拡大傾向は、
日本語でも英語でも共通している。
「正気」の逆を表すのは容易でない。

不用意な発言は、時に失脚につながる。
(”racial slur” 参照)
SNSや動画の普及により、いとも簡単に
世界中に拡散してしまう時代。

立場のある人ほど、失言に留意しているだろう。

そこで、危険を伴う言葉には一切触れずに、
その内容を表す工夫が講じられることとなる。

表題 “right mind” はその典型。
「正気なら」「まともなら」と示しつつ、
その反対の場合をも示唆している。

口語使用が多めだが、文面でも問題ない。

———————————-
◆ “right” には、形容詞・副詞・名詞・
他動詞・自動詞がそろう。
基本、重要で頻出、かつ多義な単語。

口語・文面とも、頻出は<トップ1000語以内>。
重要も<トップ3000語以内>。
(ロングマン、LDOCE6 の表記より)

英単語として、最重要レベルにある。

ここでは「正しい」で、形容詞の基本的意味。

◆ “mind” も重要かつ頻出。
名詞・他動詞・自動詞がある。

ここでは名詞「精神」「心」。
語源は、中期英語「記憶」(mynd)。

– “mind”  理性・知性の宿る心
– “soul”   魂の宿る心

名詞 “mind” も、”right” と同じく、
口語・文面とも、頻出は<トップ1000語以内>。
重要も<トップ3000語以内>。
(LDOCE6 の頻出度表記より)

やはり、最重要レベルの名詞で、
可算名詞と不可算名詞を兼ねる。

◆ よって、”right mind” とは、
非常に基本的な単語から構成されている。

形容詞 “right”(正しい)+
名詞 “mind”(精神)
で、「正しい精神」。
すなわち「正気」。

ハイフンを用いた形容詞もある。
“right-minded”
(まともな考えをもった)

※「正気」とは、
道義的・倫理的に正しいことではなく、
「精神が正常であること」
「気がたしかなこと」
(広辞苑 第六版)

◆「正気」の意味での “right mind” は、
単数形が通例とされる。
しかし、実際には複数形もよく使われている。
主語が複数(they など)なら、単数と
複数 “right minds” の両方とも使われている。

“No one in their right mind would do it.”
“No one in their right minds would do it.”
(まともな人間なら、そんなことしない。)

———————————-
◆ “right mind” の日常使用には、
いくつかのパターンがある。
次の2つを覚えておけば、基本はOK。

1)”in one’s right mind”
(正気の)
2)“not in one’s right mind”
(正気でない)

1)の反意語は、”out of one’s mind“。

※ one’s には、人称代名詞の所有格
(my、your、his、her、their)を入れる
※ one’s の代わりに “the” を入れる場合も多い
※ 無冠詞 “in right mind” も「見出し」では見かける

You’re not in your right mind.”
“You can’t be in your right mind.”
(あなたは正気でないよ。)(大丈夫か。)

“No one in their right mind would
openly use a racial slur.”
(人種差別語を公然と使うまともな人はいない。)

“Any mother in her right mind would
leave her baby unattended.”
(正気な母親なら赤ちゃんを置き去りにしない。)

“He would never have done it
if he had been in his right mind.”
(彼が正気であったなら、そんなこと
は決してしなかったはず。)

“I was screwed-up then and was not in my
right mind.”
(当時、私は頭が混乱していて、
正気でなかった。)

———————————-
繰り返しになるが <差別用語
には、気をつけよう。

◆ 日英問わず、「口を滑らせてしまった」
では済まされない場合が多々ある。

「普段から意識にない差別用語が、
突然、口から飛び出すことはありえない。
その発言は、その人の本音である。」

現に、こう解釈される傾向がある。
結果的に、たった一度の発言で品性を疑われて
しまうことは、数々の失脚の歴史が示している。

実社会は学校でない。
間違いを正してくれる親切な人は多くない。

そのため、英語学習の際に「卑語」や “slang”
などの注記に着目することが大切。
もし分からなければ、複数の辞書を引いたり、
検索したりして、理解してから使う方がよいだろう。

他方で、不適切な使用により<赤っ恥>をかけば、
脳みそに銘記
されることが多い。
絶対に忘れないほどの強烈なインパクトを伴う。

<赤っ恥>の繰り返しで英語を学び、
日本語を磨いてきた私にしてみれば、
<失敗は悪くないかも>と密かに信じている。

【関連表現】
“politically correct”
(差別的でない)

“all over the place”
https://mickeyweb.info/archives/8529
(理性を失う、おかしくなる)

“screwed-up”
https://mickeyweb.info/archives/7701
(情緒的・精神的に正常でない状態)

“blow one’s mind”
https://mickeyweb.info/archives/16361
(ぶったまげる、ひどく驚く)

 

 

 

 

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