プロ翻訳者の単語帳

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On one’s radar

      2020/09/05

~の認識内にある

直訳は「 ~のレーダーの上 」。

その人(one’s)に着目されている状態を示す。

「レーダー」を用いて、認識の有無を表す<比喩>。

さほどフォーマルな表現ではないが、口頭ではよく聞く。

◆  “one’s とは、「誰々の」。

“one’s” には、通常は人称代名詞の
所有格 を入れる。

  • my  私の
  • your  あなたの
  • his  彼の
  • her  彼女の
  • their  彼らの
  • our  我々の
  • its  それの

“one’s” は、所有格の代表形として、
辞書などで起用される。

具体的には、不定代名詞 ”one” の所有格が “one’s”。
上記の所有格を代表する。

いわば、所有格のワイルドカードとして使われる。

代名詞でなく、固有名詞や無生物でもよい。

  •  “on John’s radar”
    (ジョンの認識下に)
  • “on the company’s radar”
    (その会社の認識内に)

◇ 「認識」という 内面の作用 を示すため、
主体は自分側 (my radar、our radar)
である場合が多い。

他者の認識を推察して描写するのは、容易でないからである。

◆  “radar” とは、「 電波探知機 」のこと。

電波を探知するのでなく、電波で探知する装置。

目標物から電波が反射する時間・方向で、
位置を決定している。

【発音】   réidɑr
【音節】   ra-dar  (2音節)

radio detecting and ranging
または
radio detection and ranging

radar

初出は、戦時中の1941年。

品詞は名詞のみで、可算名詞 不可算名詞 を兼ねる。

  • 装置」としての “radar”  →  可算名詞
  •  <比喩>としての「探知能力」「探知網」 →  不可算名詞

ここでは後者の比喩なので、不可算名詞。

よって、無冠詞または定冠詞 “the” が原則である。

 

◇  レーダーの探知能力 を、人間のもの
(one’s → 所有格)に見立てた表現

on one’s radar

“on” は、接触の前置詞「~の上に」。
“He was on TV.” と同様の用法。

したがって、”on one’s radar” とは、
「~のレーダーの上に」。

これは「状態」表す。

したがって、<3語ワンセット>で 形容詞
のような役割を担う。

 

◆  「レーダーの上に」は形容詞の役割なので、
be動詞」に続くのが基本パターンになる。

※ 「be動詞」= be、am、was、been、will be、is、were、are

なぜ、形容詞が「be動詞」に続くのかは、
aware”、”vocal about”、”conclusive” で詳述した。

英文法の基本であるので、ぴんとくることがなければ、
この機会におさらいしていただくとよいかもしれない。

 

◆  能動態で意訳すると、「~のレーダーが捕らえている」。

be動詞の主語となるのは、対象となる人や物。

下図であれば、「AのレーダーがBを捕えている」で、「B」が主語。

話題の主は、Aに狙われた「B」となる。

 

Aの認識(レーダー)内のB↑ A(所有格)の発する「レーダー」の狙いは B ↑

 

◆  主に会話で使うが、比較的分かりやすい比喩である。

なんだか、様になる感じ。

文面に使っても不自然ではない。

「レーダー上」「レーダーが捕らえている」
とはいえ、敵対的な内容に限定するものではない。

肯定的にも否定的にも使える フレーズである。

on somebody’s radar
on the radar

if something is on your radar, 
you have noticed it and are giving it 
some attention.

(ロングマン、LDOCE6)

※  下線・ハイライトは引用者

対象に、

◇  “noticed
気づいている
notice (気づく、他動詞・自動詞)→  変化などをさっと感知

◇  “giving it some attention
なんらかの注意を払っている


本気で注目しているわけでない
が、
意識はしている状態。

ざっくり分かるものの、どこかあいまい。

定訳もない。

そのため、認識の度合いの把握が難しい

一体、どのくらい真剣に意識しているのだろうか。

それは、状況や言い方から判断するしかない。

仕事では、進捗報告または言い訳に使う印象がある。

  • “I couldn’t prevent it because
    this was never on my radar.”
    (まったく認識していなかったことなので、
    自分には防ぎようがなかったのです。)
  • “This issue is on our radar.”
    (これは、我々が注目している問題だ。)
  • “She is not on my radar.”
    (彼女なんか俺の眼中にない。)
    (彼女は圏外だ。)
  • No worries, this must be on his radar.”
    (心配無用だよ、彼がチェックしてるはずだから。)

◆  逆の意味「見落とした」は、

■  “slip under one’s radar
■  “fly under one’s radar

to not be noticed by someone.

(ロングマン、LDOCE6)

表題に比べると、それほど見聞きしない模様。

  • “This new item slipped under my radar.”
    (この新作に気づかなかった。)
  • “Their under-the-radar relationship became public.”
    (彼らの秘密にしていた関係が表沙汰になった。)
  • This is the best under-the-radar product at X.”
    (X社の知られざる天下の逸品はこれです。)

 

 

 

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