以下の通り
報告書など、 堅めの堅めの文書を作成する際、
- 以下の通り
- 下記の通り
- 次の通り
と内容を記す場面は多々生じる。
英文でも同様。
これらの文言は、 決まり文句 である。
- “The time frame for implementation is as follows: June 19-23.”
(導入時期は、以下の通りです:6月19~23日。)
–
◆ 英語では、” as follows “ が、最も一般的な印象
< 2語ワンセット > で 「 副詞句 」
応用範囲が広く、 ほぼ万能
◇ 直後に提示する項目数は問わない
→ 単数でも複数でもOK = 「 単複不問 」
< 2語ワンセット > の 「 副詞句 」 だから、
動詞の 三人称複数形 などを考える必要がない。
→ 成り立ちとして「 三単現のS 」つき ( 後述 )
–
” s ” 抜きの ” as follow ” が正しくない理由は、
後ほど有力辞書を掲げてご案内する。
◆ 多用される同義フレーズは、次の通り。
< 単複不問 > ※ 文頭・文中・文末を問わない
「 以下に 示した 通り 」 「 下記の通り 」
- as described below
- as indicated below
- as mentioned below
- as stated below
太字は < 他動詞の過去分詞形 > である。
–
◆ 接続詞 ” as ” の直後に、 使い手の主格( 通常 ” I ” )
を入れることもある。
「 私が以下に示した通り 」
( 文頭 ) As I described below, –
( 文中 ) – as I indicated below, –
( 文末 ) -, I mentioned below.
–
–
着眼点に違いはあるものの、 2つの黄枠内の
表現すべてが 「 以下の通り 」 を意味する。
少々煩雑であろう。
” as follows ” は、もっとすっきりしており、
深く考えなくても使える便利さ が特長。
まさしく 「 以下の通り 」 同然で、手間いらず。
この強みで表題に選んだ。
ー
◆ 文法構成も単純。
–
-
様態・状態の 接続詞 ” as ”
( ~ のように ) -
他動詞 ” follow ”
( ~ に続く )
–
◆ ” as ” には、接続詞・副詞・代名詞・前置詞がある。
LDOCE6( ロングマン )の指標によれば、
最頻出かつ最重要レベルの英単語である。
- 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
- 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
- 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
ここでは、様態・状態を示す接続詞 の ” as “
- ~ のように
- ~ の通り
- ~ のまま
◆ 様態・状態の接続詞 ” as “
「 ~ のように 」 「 ~ の通り 」 「 ~ のまま 」
ビジネス用途では頻出。
” as follows ” に加え、 代表的なものはこちら。
–
-
as advertised ( 広告通りに )
-
as agreed ( 合意に従い )
-
as directed ( 指示に従い )
-
as described ( 記載の通りに )
-
as discussed ( 話し合いに従い )
-
as mentioned ( 述べた通りに )
-
as promised ( 約束に従い )
-
as planned ( 計画通りに )
-
as scheduled ( 予定通りに )
-
as requested ( ご要望の通りに )
-
as is ( 現状のままで )
◇ 全部 「 2語ワンセット 」 の 「 副詞句 」扱い が原則
※ ” as is ” は「 形容詞句 」になる場合もある
–
◆ 上記の副詞句は、本来の意味として、
- 過去形 ( past tense ) の受動態 ” as it was ○○ ”
または - 過去完了形 ( past perfect ) の受動態 ” as it had been ○○ “
ゆえに、 動詞 ○○ はどれも 過去分詞形 ( past participle )。–
唯一、 末尾の ” as is ” は、 もともと ” as it is ” で、
人称代名詞の単数主格 ” it ” が省略されている。
副詞句 ” as follows ” も、 似たパターンで、
” as it follows ” が本来の形。
こちらの ” it ” は、 非人称の ” it ” であり、
「 非人称構文 」と解説する、 英語ネイティブ用辞書がある。–
1926年から版を重ねる、ファウラーの語法辞典によれば、
–
The reason for its fixed form is that
it was originally an impersonal construction
= ‘ as it follows ’.
–
–
–
–
P.71.Jeremy Butterfield
” Fowler’s Dictionary of Modern English Usage ”
Oxford University Press (4th ed. 2015).
–
文中の “ impersonal construction ” ( 非人称構文 )
とは、 最初から主語をとらない構文のこと。
あるはずの主語が省略されている構文では ない。
論理的主語は不要なので、” it ” は人称代名詞ではない。
すなわち「 非人称 」の ” it ” とされる。
この「 非人称の it 」の典型は、天候や時を指す “it”。
人称代名詞ではないのに、この ” it ” も形態上は、
三人称単数の主格となるため、三人称単数語尾を伴う。
つまり、「 三単現のS 」( ※ )がつき、 ” follows ” となる。
※ 主語が「
→ 動詞「 原型 」の語尾に ” s ” がつく
◆ なんだか、わけ分からない話である。
その他、諸説あるが ( 下記の外部サイト参照 )、
–
単複不問 で “ as follows “
–
この点に対する異論は見当たらない。
【参考】 ※ 外部サイト
The singularity of “ as follows ”
https://www.grammarphobia.com/blog/2013/02/as-follows.html
2013年2月21日付
–
成立の経緯はともかく、
◇ 単複不問 で “ as follows ”
–
これだけは覚えておこう。
◆ ” follow ” には、他動詞・自動詞・名詞がある。
【発音】 fɑ́lou
【音節】 fol-low (2音節)
【活用形】 follows – followed – followed – following
語源は、 古英語 「 後についていく 」( folgian )。
基本的意味は、 この意味合いを貫く。
動詞 ” follow ” の持ち味は、” follow through ” で、
かなり深堀りしている。
– 他動詞 「 後について行く 」「 次に来る 」「 続く 」
– 自動詞 「 後から行く 」「 次に起こる 」「 続く 」
– 不可算名詞 「 追うこと 」「 追随 」
ここでは、他動詞 「 続く 」 の意味合い。
しかし、” as follows ” の < 2語ワンセット >で、
副詞句 ( adverb phrase ) とされる。
もとは ” as it follows ” だった点は、既に触れた。
” as follows ” は 「 ~ のように続く 」 だから、
「 以下の通り 」となる。
–
” as follows ”
used to introduce a list of things that
you will mention next.
( ロングマン、LDOCE6 )
–
これまで見てきた通り、” as follows ” はシンプルな常套句。
留意点はこちら。
–
◆ 複数 の内容を示す場合も、” as follows “
【正】 The 20 books are as follows.
【誤】 The 20 books are as follow.
(その20冊の本は、以下の通りである。)
–
単複不問 で “ as follows “
< 2語ワンセット > の 副詞句( adverb phrase )
として扱われるため、 単数形・複数形は関係ない。
” as it follows ” 由来とはいえ、 副詞句 ” as follows ”
の ” follow ” は、 もはや動詞扱いされていない。
–
◇ 箇条書きなどに使う記号「・」は、” bullet ” という。
【発音】 búlit
【音節】 bul-let (2音節)
語源は、 中期フランス語 「 小さな球 」( boullette )。
日本では、「 中黒 ( なかぐろ )」 または 「 ビュレット 」
と呼ばれてきたが、「 バレット 」でも定着しつつある模様。
世界的人気を博す手帳術「 バレットジャーナル 」は、
” bullet journal “。
【公式サイト】 https://bulletjournal.com/
–
上記 LDOCE 同様、独立項目(見出し)として
” as follows ” を掲げている英英辞典は少なくない。
–
” as follows “
You use as follows in writing or speech to introduce
something such as a list, description, or explanation.
–
【 参考和訳 】
文面または口頭で、リスト・内容・説明などを
紹介する時に使う。
※ 下線・太字は引用者
–
◆ 日本語の 「 以下の通り 」と同じく、文面に用いる方が多いが、
コウビルドの語釈( 下線部 )にあるように、筆舌両方で使える。
本稿でご紹介した同義フレーズも同様である。
- “Our teachers are as follows: A. Smith; C. Johnson; W. Gate.”
(我々の先生は以下の通り:スミス、ジョンソン、ゲート)
– - “You can finish this if you do as follows.”
(以下の通りやれば、君はこれを終えられる。)
– - “Let me clarify my understanding as follows.”
(自分の理解していることを、以下の通り説明させてください。)
– - “My suggestions are as follows: call her up and
ask her out.”
(俺の提案は以下の通り。 彼女に電話し、デートに誘え。)
– - “Our replies are as follows.”
(我々の回答は以下の通りです。)
– - “Our plan is as follows.”
(私たちの計画は以下の通り。)
– - “My address is as follows.”
(私の住所は以下の通りです。)
– - “Your interview date is as follows.”
(あなたの面接日は以下の通りです。)
ー
◆ 対義の常套句は、先述の同義フレーズ
と対になるものなので、理解しやすい。
副詞 ” below “(下の)で、 ” above “(上の)
を置き換えればよいだけ。
他動詞の過去分詞形は、そのまま流用できる。
< 単複不問 > ※ 文頭・文中・文末を問わない
「 以上に 示した 通り 」 「 上記の通り 」
- as described above
- as indicated above
- as mentioned above
- as stated above
※ 副詞 “above” → 副詞 “before” 「前に」 に置換え可
- as previously described
- as previously indicated
- as previously mentioned
- as previously stated
※ ” previously ” = 副詞 「 以前に 」
【発音】 príːviəsli
【音節】 pre-vi-ous-ly (4音節)
- as seen above
- as aforementioned
※ ” seen ” = 他動詞 ” see ” の過去分詞形
※ ” aforementioned ” = 形容詞 「 前述の 」
【発音】 əfɔ́ːmènʃənd
【音節】 a-fore-men-tioned (4音節)
–
いずれも ” as ” を用いている。
繰り返すが、
この 様態・状態の接続詞 ” as ”
- ~ のように
- ~ の通り
- ~ のまま
は、根拠提示を常とするビジネスで重宝する。
上掲の黄枠の用法を押さえておくとよい。
ー
ー
【関連表現】
“ to the extent possible ”
https://mickeyweb.info/archives/18574
(可能な限り、できる限り)