プロ翻訳者の単語帳

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Here’s the thing.

      2021/10/10

こういうことなのです。

思い切った切り口で、意見をずばり述べる。

成人男女の口語としてよく耳にする。

やや言いにくい話を切り出す前に、
相手に呼び掛け、注意を促す表現

決めの文句として、相手の注目を一身に浴びる
効果が期待できる。

少々くだけた語感だが、ビジネスでも使われる。

適訳が見つからないが、こんな感じ。

  •  こういうことなのです
  •  こんな感じです
  •  こうなのです
  •  こうしましょう


◆  ” Here is the thing. ” は、高校生くらいから
使われ始める印象がある。

同じ呼び掛けでも、日本の学校教育で学ぶ
Listen. ”  は 「 聞いてよ 」。

こちらは万能に近いものの、妥協や受身の余地がある。

ところが、

◇  ” Here’s the thing. ” は、呼び掛けと同時に、

「 こうだ 」と最初から主張を前面に出す、強気な言い様。


◇  単なる  呼び掛けや注意喚起にとどまらず、 自分の

主張を論理的に説明し、相手を説得する能力

が問われる。


したがって、小学生も使う ” Listen. ” に比べて、ハードル高め。

” Here’s the thing. ”  がビジネスでも重宝されるのは、
このような言い回しがなにかと便利だからであろう。

堅苦しすぎず簡潔で、 相手の反感を刺激しにくい。

これは、 出し抜けの自分の主張に傾聴を求める
上で、大切な要素となる。

◆  同じ特色は、次の3表現にも通じる。

  • I’ll tell you what.
    ( では こうしよう。)
  • You know what ?
    ( ちょっといい
  • The thing is
    ( 要するに )


◆  上記3つと比較すると、” Here’s the thing. ” は
なんだか分かりにくい。

対応する的確な日本語が存在しないので困る。

基本的な用途と印象は既述の通り。

直訳は「 物事は以下の通り 」。
平たく言えば「 こういうこと 」。

シンプル表現で、文法も単語も難しくはない。

 

◆  ” here’s ” は、” here is ” の縮約形。

副詞 ” here “( ここに )+ be動詞 ” is “( ある )
で「ここに ~ があります 」。

転じて「 以下の通り 」で、これから自分が示す内容
を紹介する文言となる。

複数を示す場合は ” here are ” だが、表題の用法では
単数形が通例。

” Here are the things – ”  または  ” Here are things – ”
は文法的になんら問題ないが、文字通り「 以下の通り 」
となり、単なる紹介に他ならない。

よって、 表題の趣旨とは違ってくる。

◆  “ thing ”  は名詞のみで、可算名詞と不可算名詞を兼ねる。

原則は可算名詞。

  基本的意味は 「 物事 」 = 「 」「

日本語の「 物事 」と同様、
抽象的・総称的 な意味合いがある。

【参照】   “ in place “、  “ take action “、  “ paperwork

【参考】    ※   外部サイト

・ 可算と不可算を見分ける簡単なコツ
・ 可算と不可算を兼ねる名詞について
・ 可算と不可算についてよくある質問
・ 不可算名詞は「物質」「抽象」「固有」の3つ


◆  単数  ” here is ”  が通例であれば、” thing ” も単数。

すなわち、発言者の紹介したい「 物事 」は1つ。
論理的にはこうなる。

この ” the ” は「 限定 」を受ける名詞の前に置く定冠詞 であり、
最も基礎的な  ” the “。

定冠詞 ” the ” にも、名詞単数形の前で
「 ~ というもの 」を意味する < 総称用法 > があるが、
ここでは「 限定の語句を伴う 」基本用法が該当する。

限定された ” thing ” である以上、中身がいくつも
あってはならないことになる。

だが実際のところ、” Here is the thing. ” の
直後に出てくる内容は1つに限らない。

” the thing ” と啖呵を切っておきながら、その後も
とりとめなく ベラベラ話す 人は、そう少なくない。

日常的に見かける姿だが、せっかくの決め台詞が
台無し である。

◆  周囲に直接作用する慣用句を用いる際は、
前もって 言いたい内容を整理しておくとよい。

特に、英語ネイティブではない私たちの場合、
準備 の心構えをぜひとも大切にしたい。

即興 でどうにかなると、ゆめゆめ思うことなかれ。

なめてかかると、 いずれ痛い目を見る。

ビジネスの場でこのような 失態 を繰り返すと、
徐々に軽視される立場に落ちていく。

つまり、自分自身がなめられるようになる。


https://www.wnycstudios.org/shows/heresthething/

 

米俳優のアレック・ボールドウィン( 1958年~ )の

ラジオトークショー、” Here’s The Thing “。

公営ラジオ の番組で、2011年 から毎月2〜4点の新作がアップされている。

有名人へのインタビューを、ボールドウィンが単独担当する構成。

無料 なのに、米ショウビズ界を中心とする錚々たる人物が出ている。

本音や裏事情が聴けておもしろい。

Podcasts などのメディアでも楽しめる。

ボールドウィンはしゃがれ声の持ち主だが、
発音は非常に明瞭で、聞き取りやすい。

さすが、ベテラン俳優である。

彼のきれいな発音は、一聞に値する。

インタビューを受ける側の英語は自然体。

ネイティブ英語そのものなので、中級~上級学習者向け となる。

各インタビューは、20分から1時間程度。

声質はともかく、発音はあっぱれ。

際どい会話が弾み、思わず頬がとろける。

ホストが若手であれば、きっと無理な突っ込みもままある。

円熟の域に達しつつある、ボールドウィンの面目躍如たる出番。

長寿番組に成長したのは、順当な結果に違いない。

これほど濃い内容が、無料で聴けるのは幸せ。


別稿  「TuneIn Radio」で英語リスニング より、一部再掲。

Here’s the Thing

https://tunein.com/podcasts/Arts–Culture-Podcasts/Heres-The-Thing-with-Alec-Baldwin-p460956/


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【類似表現】

“The bottom line is – ”
https://mickeyweb.info/archives/26351

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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