プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

To the extent possible

      2022/05/26

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 11 minutes

可能な限り、   できる限り

堅めのビジネス文書でよく見る 「 4語ワンセット 」。

文頭・文中・文末を問わない。

主な定訳は、

  •  可能な限り
  •  できる限り
  •  できるだけ
  •  できる範囲で
  •  可能な範囲で

” to the extent possible ”  をご紹介する理由は、
使いやすく、 応用範囲が広いから。

後述の表現と異なり、 個別具体的な形容詞や副詞、
活用形、 時制などを考える必要はない。

「 4語ワンセット 」 で済んでしまうのである。

◆  こうした強みは、次の2つに共通する。


主に文書で使うが、いずれも < ビジネス慣用句 >
で、筆舌不問が原則。

カジュアルトークには、やや場違いだが、
ビジネストークでは、違和感はない感じ。

日常用途であれば、次の類似表現の方が一般的。

< 「 可能な限り 」「 できるだけ 」 の主な英訳  >

  • as far as possible
    as much as possible
    ( できる限り )
  • as ______as possible
    ※  下線  =  形容詞・副詞・形容詞を伴う名詞
    【例】
    ・ fast ( できるだけ速い )
    ・ large ( できるだけ大きい )
    ・ long ( できるだけ長い )
    ・ many ( できるだけ多い )
    ・ often ( しょっちゅう )    ※  副詞
    ・ soon ( できるだけ速やかに )    ※  副詞
    ・ thoroughly ( 徹底的に )    ※  副詞
  • as ______as practical
    ※  下線  =  形容詞・副詞・形容詞を伴う名詞
    ※  【例】 と同じ
    ※  「 現在の条件で、実行可能な限り 」の意
  • the most ______ possible
    ※  下線には形容詞

    ・ accurate ( できるだけ正確に )
    ・ thorough ( 徹底的に )

  • as ______as X can
  • as ______as X could
    ※  X  =  主格、下線には形容詞
    【例】 とほぼ同じだが、次の例外もある

    best ( できるだけベストで )
    △  as best as possible
    ○  as best as you can imagine
    ○  as best as I could run
  • as ______as X possibly can
  • as ______as X possibly could
    ※  X  =  主格、下線には形容詞

    ・ “I will study as hard as I possibly can.”
    ( できる限り頑張って勉強します。)

    ・ “Call me as soon as you possibly could.”
    ( できるだけ早めに私に電話して。)
  • as best X can
  • as best X could
    ※  X  =  主格

    ・ “He is preparing as best he can.”
    ( 彼はできる限り準備している。)

    ・ “She answered their questions as best she could.
    ( 彼らの質問に彼女はできるだけ答えた。)
  • to the best of Y ability
    ※  Y  =  所有格

    ・ “I will cooperate to the best of my ability.”
    ( 自分に可能な限り協力します。)

  • maximize / minimize
    ( 最大限にする ・ 最小限にする )

    ・ “I need to maximize the chances of
    receiving a scholarship.”
    ( 奨学金受給の可能性を最大限にする必要がある。)

    ・ “We want to minimize the likelihood
    of food poisoning.”
    ( 食中毒の可能性を最小限に抑えたい。)


◆  日本語は「 できるだけ 」で済むが、英語の場合、
ざっと挙げても数多い。

ほとんどが基本で、中級学習者 であれば、
一度は目にされたことがあるはず。

「 できるだけ 」の意味が漠として、厳密さを欠くため、
言い回しが多彩に広がったとも考えられる。


◆  < 程度 > 表現は、 一般実務でも多様性に富む。

国家行政の場でも、混迷している模様。

一例を挙げると、

できるだけ速やかに

カナダ政府の規定する連邦法( Federal legislation )
で採用されている表現の代表格 がこちら。

  •  as soon as possible
  •  as soon as practicable
  •  as soon as reasonably practicable
  •  as soon as practical
  •  forthwith       ※  直ちに( 副詞 )
  •  immediately       ※  至急に( 副詞 )
  •  without delay
  •  within __ days

現在、標準化と統一を目指している様子だが、
推奨または努力義務の段階にとどまっている。

【 出典 】  カナダ司法省
Describing Time Periods

http://canada.justice.gc.ca
Date modified :

◆  表現の標準化は、 産業分野を問わず課題となる。

私はこれまで産学官軍を渡ってきたが、 どの組織も
「  用字用語の統一  」 に手を焼いていた。

【参考】    ※  外部サイト

統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルール ( 総務省 )
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukatsu01_02000186.html
2000年12月18日

【PDF】
https://www.soumu.go.jp/main_content/000723626.pdf
※  PDF 全22頁、 875KB


弊サイトで何度も触れているように、

人間の 感覚 には、 驚くほど差がある。

言語や文化が異なると、 なおさらだ。

ある程度の 見解の一致 が望めなければ、
円滑に実行できず、 運用に支障が出る。

とりわけ、時間感覚 に違いがあるのは確実。

この意識の差異の厄介さは、 繰り返し取り上げてきた。

私自身が、 もう散々な目に遭ってきているからである。

例えば、 以下でご説明している。

仕事で「 できるだけ速やかに 」と命じられれば、
「 当日中 」と構える人も、「 今週中 」と考える人もいる。
「 今月中 」もありうるだろう。

個人差が目立つとはいえ、 おいそれと修正しようがない。

したがって、 事前に明確な日時を取り決めておかないと、
泣きを見る。

異文化理解力 」をもろに試されるのが、 時間の認識である。


◆  表題の「 できる限り 」も似たようなもの。

努力の度合いの物差しは、人それぞれ。

ことによると、「 できる限り 」の含むあいまいさに乗じて、
自分に都合よく解釈し、 サボることもできる。

そのため法律では、 定義を明文化したり、 判例を適用したりして、

基準に一定の拘束力をもたせて、あいまいさを排除

しようとする。


◆  しかし、 実際の英文契約書において、
” to the extent possible ”  を使うことはままある。

その狙いは、この文言を挿入することで、

■  あえて不明瞭にしておき、 履行責任を回避する。

 たとえ履行できなくとも、契約上の不履行
としての 
賠償責任を負わない ようにする。

「 できる限り 」のことさえ実行すれば、
 基本的に 契約違反を問えなくなるようにする。


◆  再度掲げると、” to the extent possible ” の

一般ビジネス用法は、

  •  可能な限り
  •  できる限り
  •  できるだけ
  •  できる範囲で
  •  可能な範囲で

◇  to は、範囲の前置詞「 ~ まで 」。

◇  extent は、不可算名詞 のみの単語。

【発音】  ikstént  
【音節】  ex-tent  (2音節)

ラテン語 「 広げる 」( extenta ) が語源。

  ” extent ” の基本的意味は、

広さ 」 「 大きさ 」 「 長さ 」 「
さらに、
範囲 」 「 限度

「 程度 」 を 概ね網羅  


◆  冠詞は、程度が規定されていれば、 定冠詞  ” the “。

「 ある 」 程度 なら、 不定冠詞。    →  後述

表題は「 可能な限り 」なので、限度っぱい

すなわち、 これ以上はありえない、 ぎりぎり限界の べスト
だから、
唯一

最高 ゆえに唯一

「 ある 」 程度みたいな、 選択の余地なし

事実上規定された 「 唯一 のため、 定冠詞の  ” the “。

【類似表現】

  to the extent  allowed  by laws
( 法律が許す範囲内で )

  to the extent  feasible
( 実行可能な範囲内で )


◇ 
possible には、形容詞と名詞がある。

【発音】  pɑ́səbəl 
【音節】  pos-si-ble  (3音節)

語源は、ラテン語「 なされ得る 」( possibilis )。

ここでは、形容詞「 可能な 」「 実行できる 」。

目安として、” possible ” は、公算が 50% 以下 。

50% であれば、” probable ”  または  ” likely “。

probable = likely  > possible
       50%超                50%以下


この根拠は、米国の『 ブラックス法律辞典 』。

判例などに最も引用される辞典である。

1891年刊で、130年以上の歴史を誇る。

英米法を学ぶ学生で、知らない者は皆無レベルの 存在感

1990年刊の「 第6版 」には、こうある。

  • probable
    Having the appearance of truth.
    ( p. 1201. )
  • likely
    probable.
    ( p. 925. )
  • possible
    free to happen or not; the word denotes improbability,
    without excluding the idea of feasibility.  It is also
    sometimes equivalent to ” practicable ” or ” reasonable “.
    ( p. 1166. )

    “ Black’s Law Dictionary, 6th Edition ”
    (West Publishing Co. 1990).   より抜粋


◆  その後、およそ四半世紀を経た「 第10版 」及び「 第11版 」
に至ると、形容詞 ” possible ” は、 大見出しから消えている。

第10版は、2014年刊。

Amazon Japan  /  Amazon US


” possible ” の代わりに、最も近いと考えられる
名詞  ” possibility ” をご案内。

  • probable
    having more evidence for than against.
    ( p. 1395. )
  • likely
    probable.
    ( p. 1069. )
  • possibility
    the word often ( but not always ) conveys
    a sense
    of uncertainty or improbability.
    ( p. 1353. )

    Black’s Law Dictionary, 10th Edition
    (Thomson Reuters 2014).   より抜粋

第11版は、2019年刊。


Amazon Japan  /  Amazon US

  • probable
    Likely to exist, be true, or happen.
    ( p. 1454. )
  • likely
    Apparently true or real;  probable.
    ( p. 1113. )
  • possibility
    the word often ( but not always ) conveys a sense
    of uncertainty or improbability.
    ( p. 1410. )

    Black’s Law Dictionary, 11th Edition
    (Thomson Reuters 2019).   より抜粋

likely ” は、ここでは副詞でなく、どれも形容詞。


◆  もっとも、” possible ”  が 「 50% 」 を含むか否かは、
解釈が割れる。

ジーニアス英和大辞典 』は、
「 起る公算が 50%より小さい と話し手が考えている場合 」
と記す。

ジーニアス英和大辞典
大修館書店、2001年刊 ( アプリ版
…  “ possible ”  の語釈より
<大修館書店HP>


つまり、” possible ” は、公算が 50% 未満  とする説を採用。

◆  ” to the extent possible ” の和訳は、大して難しくない。

定訳があるため、 その通り当てはめればよい。

それより英文が問題。

本当に使いやすく、 応用範囲が広いのか、 これから見ていこう。

  • “I hope you would take advantage of this website
    to the extent possible.”
    (このサイトをできる限り活用していただければ幸いです。)

  • “I will accept your suggestions to the extent possible.”
    (皆様の
    ご提案をできるだけ取り入れます。)
  • I’ll get back to you quickly to the extent possible.”
    (できるだけ迅速にご返信いたします。)
  • To the extent possible, I will take good care of
    your personal information.”
    (可能な限り、皆様の個人情報を確実に管理いたします。)


—–どうぞ よしなに

  • “She took care of the dog to the extent possible.”
    (彼女はその犬の面倒をできる限り見た。)
  • “Make sure your requests meet their requirements
    to the extent possible.”
    (ご要望はできるだけ彼らの条件を満たすようお願いします。)

  • “He is advised to refrain from visiting the country
    to the extent possible.”
    (できるだけ
    その国に行くなと彼は言われている。)

  • “Face masks shall, to the extent possible, be worn
    at all times.”
    (マスクを可能な限り常時着用すること。)

◆  このような英文を見ると、文体の堅さ  を感じる。

上掲リストの  ” as much as possible ”  などに比べて堅苦しい。

「 可及的速やかに 」 に似通うくらい堅い。

ビジネス場面では堅めの文体の方が適切  だったりする。

【参照】

先述の通り、カジュアルトークには不似合いでも、
ビジネス用途ならば普通。

その観点から、やはり応用力と利便性は認められる。

たった4語。  ぜひ押さえておきたい。

◆  なお、表題の発展編 がこちら。

日常使用では、意味することは大同小異。

目一杯 の趣旨は同然。

  to the fullest extent possible
  to the greatest extent possible    ※  後述
  to the maximum extent possible
  to the maximum extent practical
    ※  後述

→  「 可能な限り 最大限

「 最高限度 」までという具合。

より意欲的・積極的な勢いが加わる感。

「 極力 」の極み。

これらを上回る激越な調子は、 公文書にそう見当たらない。

ビジネス英語のうち「 最も深刻な表現 」の部類に属する。

和訳に手こずる。

翻訳会社や法律事務所などが担当する、 専門性の高い内容であれば、
社内規定の定訳がある場合が多い。

そうでないとすれば、素直に置き換えると、「 激甚 」「 激切 」「 凄烈 」
「 酷烈 」「 厳烈 」のごとく、  見慣れない日本語になってしまいがち。

不自然さを避けるべく、” to the extent possible ” と一緒の和訳にすることも。

「 趣旨は同然 」なので、通常の使い方であれば、それで大丈夫だろう。

もしも、同一文書内に併用されていれば、区別して訳さなければ
ならないものの、 併用されているケースはあまり見たことない。

  • “X ordered to shelter in place.
    Residents should remain in their homes
    to the maximum extent possible.”
    (X地区に外出禁止令。 住民は、可能な限り自宅にいること。)

  • “We will promote the use of telework
    to the maximum extent possible.”
    (弊社では、テレワークの利用を、可能な限り最大限に
    促進していきます。)
  • To the maximum extent practical,
    employees should minimize the use of perfumes.”
    (従業員は、香水の使用をできるだけ最小限に抑えること。)


◆  ” practical では、「 現在の条件で、実行可能な限り 」
の意味合いが強調される点は、既に述べた。

換言すれば、「 手近な手段によってなし得る 」。

普段使う際は、” possible ”  や  ” feasible
とさほど違わない印象である。

【発音】  prǽktikəl  
【音節】  prac-ti-cal  (3音節)

語源は、ギリシア語「 実行に適した 」( prāktikos )。


『 ランダムハウス英和大辞典  第2版 』
小学館、1993年刊 ( アプリ版 )
…  ” possible ” の語釈より

  to a  reasonable  extent

→  「 常識の 」 範囲内で

表題のような 「 唯一の限界状態 」ではなく、

  常識内の「 ある 」程度で、 選択の余地あり。

「 常識 」には、 多面的・相対的な見方があり、「 唯一 」にあらず。

「 ベスト 」の常識や「 最高 」の常識なんて、 なんともそぐわない。

唯一絶対の常識は、 そこそこ健全で平和な人間社会には想定しにくい。

とりあえず、 まあまあ ゆとりがあって、 ぎりぎりではない。

だから、 不定冠詞の  ” a “。

【発音】  ríːznəbl  
【音節】  rea-son-a-ble  (4音節)

語源は、古フランス語「 道理に適した 」( raisonnable )。

reason “( 道理 ) +  ” able ” ( ~ に適した )の意味合い。

  •  reasonable  →  実際的な場面における合理性・妥当性を強調
  •  rational  →  高度に論理的な精神の働きで、感情的でない

 

  to a  great  extent

→  「 かなりの  」 範囲内で

「 常識 」同様に、 「 かなり 」は様々な解釈ができ、
「 唯一 」にあらず。

「 かなり 」 が漠然としていることは、 日頃の使い道で分かる。

大まかで、 便利に大雑把なのが、「 かなり 」。

実は、 がばがばで、 ぎりぎりではない。

  程度が「 がばがば 」で 選択の余地あり

だから、 不定冠詞の  ” a “。

【発音】  gréit  
【音節】  great (1音節)

語源は、 古英語「 ( 価値・規模・数量・程度が )大きい 」( grēat )。

ドイツ語  ” gross “( 大きい )と同語源。

量的大きさのみの “ large ”  と異なり、質的大きさも表現できる
点が  ” big ” に重なるが、 ” great ” は、もっと形式張っている。

  to the greatest extent possible

前出の上記は、 がばがば ” great ” の末尾に、
最上級 を作る接尾辞 ” est ” が追加されている。

【発音】  gréitist  
【音節】  great-est (2音節)

「 がばがば 」だったのに、 「 最上級  est 」で極めて厳しくなった。

度いっぱい で、 これ以上はありえない、 ぎりぎり限界の
グレーテスト だから、 ベストで最高 ゆえに
唯一

「 かなり 」と異なり、 選択の余地なし

よって、 定冠詞の  ” the “。

  •  great
    不定冠詞  →  to  a  great  extent
  •  greatest
    定冠詞  →  to  the  greatest  extent

例えば、 1名の「 野球史上最高の投手 」は、 並びないオンリーワン
なので、 名詞は単数形となる。

  • the  greatest  pitcher in the history of baseball “

一方、 「 野球 史上最高の投手 のうちのひとり 」 ならば、

  • one of  the  greatest  pitchers in the history of baseball “

グレーテスト だから、 ベストで最高 ゆえに、 ” the “。

◆  ぜひとも、 ご注意いただきたいポイントがこちら 

「 グレーテスト 」や「 ベストで最高 」は、 1名とは限ない

同列1位 」 「 同点1位 」 「 同率1位 」 「 1位タイ 」 に似る。

「 グレーテスト 」や「 ベストで最高 」が、 うじゃうじゃいても、

全員をグレーテスト   と評価して、 ” the “。 

そもそも、 最上級の形容詞  ”  greatest ” に随伴する ” the “。

だから、 人数は無関係。

◆  ” one of – ” ( ~ のひとつ )は、 単複が混乱しやすい。

「 史上最高の投手 」  が複数名いるので、 複数形  ” pitchers “。

「 最高 」 「 グレーテスト 」 が何人もいるのは、 なんだか妙。

感覚的にはおかしい気がするが、 前記の通り、 最上級の形容詞
グレーテスト  にくっつく  the ”  で、 何人いてもOK

皆一様に 「 同列1位 」 「 同点1位 」 「 同率1位 」 「 1位タイ
とみなせばよい。

結果的に、 トップ級の 全員  を表す。

※  複数人を指すものの、 ” the old “、 ” the poor “、 ” the weak “、
——” the sick “、 ” the vulnerable ” など、 形容詞を集団の複数扱い
——する 「 ~ な人たち 」 とは別の用法。

うじゃうじゃひしめく、greatest ”  な投手たち 全員  を指すため、
複数形になるのだが、 ” one ” に引きずられると、 単数形と間違える。

  • the  greatest  pitchers ”  ⇄  トップ水準のすごい投手たち

日本語でも、 「 史上最高の ◯◯ のうちのひとり 」 と表現することはある。

「 No.1 」 の断定には危険が伴うから、 この方が無難。

日本語の単複表現は、 それほど明解ではないため、 複数人のうちの1人は、
「 最高の投手たち のひとり 」 の代わりに 「 最高の投手 のひとり 」も可。

しかし、 英語は複数形  ” pitchers ”  でないと間違い。

逆に、 下記の動詞(  be動詞 ” is ” )が 単数用 になるわけは、
中級学習者  なら理解できるはず。

  • ” One of  the greatest  pitchers  in the history of baseball
    is  Mr. X. ”

    (X氏は、野球史上 最高の投手たち  のひとりである。)
    (X氏は、野球史上 最高の投手  のひとりである。)

今度は、” one ” そのものを指すので、 呼応する動詞は ” are ” でなく、
単数 ” is ” 。

この用法の  ” one ”  は、 代名詞( a pronoun )。

具体的には、 漠然とした不特定 の人・物・数 を表す、
不定代名詞 ( an  indefinite  pronoun ) の  ” one “。

この例文の不定代名詞  ” one ”  は、 漠然とした不特定の 「 人 」。

” one ”  の正体は「 Mr. X 」  →   1名だから、単数 ” is “。

  •  One  of  {  the greatest pitchers   in the history of baseball } 
    is   Mr. X.

    X氏は、 { 野球史上  最高の投手たち }   のひとり  である。
    X氏は、 { 野球史上  最高の投手 }   のひとり  である。


X氏 ひとり だから、 is

言い換えると、

  • ” Mr. X  is one of  the greatest pitchers  in the history of baseball.”


互角の Y氏 も加えると、

  •  Two  of  {  the greatest pitchers   in the history of baseball } 
    are  Mr. X and Mr. Y.
  • ” Mr. X and Mr. Y are two of the greatest pitchers
    in the history of baseball.”

複数形の代名詞 ” ones ”  に比べて、 ここは ” two ” の方が自然。

 

◆  英語に慣れてくると、 上記レベルの単複は使い分けられるようになる。

「 なんで、 こんなことに悩んでいたんだ … !  」  と不思議に思うくらい、
すんなり使いこなせるようになる。

この種の知識は、 理屈が通っているため、 きちんと会得すれば忘れない。

言語によくある、恣意的・気分的要素も排除されているから、難しくない。

理論を学んだ後は実践。   

「 生の英語 」 に接する機会を、 漸次増やしていく姿勢が大切。

教材ばかりやっていると、 「 使える英語 」 から遠ざかる


通じる英語から、 知らず知らずかけ離れていく、 几帳面で必死な勤勉さ。

教育業界の巧妙な不安のあおりを真に受けて、 終始一貫、 教材尽くし。

まともに英語を使うこともなく、  教材やるだけで人生が終わってしまう。

教材大国ゆえか、 教本に依存したまま寿命が尽きる、 背筋の凍る未来像。

こういう日本人が大勢おり、 実にもったいなく、 もう悔しくてたまらない。

悲しく切なすぎる反面、 自ら回避できる非運なので、 酷に言えば意気地なし。

危機を察し、 いつまでも報われない 「 万年受験生 」 から素早く脱出すべし。

私たちが大好きで、 皆が目指す資格取得にも、 同様の弊害が見受けられる。

以下、 ” no need ”  より再掲。


英語を盛んに使って仕事する実務家は、 TOEIC に構わない方が大半。

天下に威勢を示す TOEIC の弊害を、 苦々しく受け止める人も目立つ。

高得点なのに即戦力から程遠い、 多数の社会人にお会いするとこうなる。

洋画どころか、 定例会議で聞き取れないのだから、 発言には至らない。

まるで冗談だが、 よくある実話。

ナレーターやキャスターら、 プロのしゃべりに慣れてはまる、落とし穴。

プロ音声と違い、 速度も口調も間合いも容赦のないのが、リアルな社会。

もごもごしてる間に、ビュンビュン意見が飛び交い、スルーされてお終い。

敢えないものである。

一体、なにを試験してるのか、 との疑念と警戒心が沸き起こってくる。

「 TOEIC満点 」 と自惚れを口走れば、 笑い者にならぬとも限らない。

話題の糸口になりえないくらい、 皆一様に歯牙にも掛けない印象。

「 すごいけど、 よくそんなヒマあるな … 」  本音はこんな感じか。

「 録音相手に、 なにやってんのやら … 」  空しくならないのかねぇ。

生身の人間相手に勤しんでくれば、 人為的な匂いを敏感に嗅ぎ取る。

羨望の的となる 「 TOEIC満点 」 を誇負する振る舞いが、 大概の
実務家の目にどのように映っているか、 ご想像いただければと思う。


こういった実情はなかなか明るみに出ず、 世上には流布しない裏事情である。

教材や資格には「 中毒性 」があり、「 向学心 」を刺激するから気づけない。

あらぬ方向に突き進みがちの、日本人学習者の痛ましき姿、 そして予防策は、
no need  に事細かく記した。 ( →  主として、中級学習者 向けの長文 )

 

◆  仕上げに、英文読解。

先ほど抄出した『 ブラックス法律辞典 』。

各項を全文読んでみよう。

■  Black’s Law Dictionary, 6th Edition
(West Publishing Co. 1990).

( p. 1201. )

( p. 925. )

( p. 1166. )


 「 第10版 」 「 第11版 」 との比較に、possibilty  追加 

( p. 1165. )

 

■ Black’s Law Dictionary, 10th Edition
(Thomson Reuters 2014).

( p. 1395. )
( p. 1069. )
( p. 1353. )

 

■  Black’s Law Dictionary, 11th Edition
(Thomson Reuters 2019).

( p. 1454. )
( p. 1113. )

( p. 1410. )


いかがだろう。

これが、 世界一有名な英米法辞典。

法律家とその卵たちが用いる専門辞典であっても、案外、読めたのでは。

中級学習者 の場合、単語集・表現集などの市販の教材よりも、
リアルな英文を読む方が、 きっと「 自信 」がつく。

力量相応の英文を がんがん読もう

勇気を奮って、教材以外の英文を読みまくれば、ご自分の英語力を
把握しやすくなるということ。

「 単語力 」 以上に 「 多読 」 を優先することを、強く
お勧めする理由は、” no need
にて詳らかにしている。

 

 

 

 

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