お掛けください。
「ハバシー」などと聞こえる。
日本の学校教育で学ぶ “Sit down.” は、
「座って」という風。
“Please sit down.” は、
「座ってください」。
どちらも、押し付けがましく聞こえる場合がある。
【参照】“please” の弱点
さらに、”Sit ! ” =「お座り!」
と犬への命令を連想させる響きを伴う。
加えて、一般的な日本人が発音すると、
卑語 “shit”(糞)に聞こえがち。
・ “Please sit here.” (こちらにお掛けください。)
・ “Please shit here.“ (こちらにクソしてください。)
日本人の英語に聞き慣れている外国人ばかりでない。
「ここに脱糞して」とだしぬけに言われれば、誰しも驚く。
その場に居合わせ、笑いをこらえた経験が何度かある。
本当に “shit” と聞こえるので、ぎくっとする。
相手によっては、笑い話では済まされない。
ともに1音節(one syllable)。
腹の底からゲロする 勢いで、一息に発声する。
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◆ 友人・同僚など、気のおけない仲間または部下
が相手ならば、”Sit down.” でも問題ないだろう。
しかし、お客様をもてなすのであれば、
“Have a seat.” (お掛けください)
の方が上品な印象。
少なくとも、強制・命令に聞こえるリスクは低減できる。
丁寧にするには、”Please have a seat.”。
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◆ “sit” には、自動詞・他動詞・名詞がある。
圧倒的に使われるのは自動詞で、非常に多義である。
ここでも自動詞。
語源は、古英語「座る」(sitten)。
“seat” は「座席」のこと。
「シートベルト」「チャイルドシート」のそれ。
直訳は「席をもらってください」だから、
「お席をどうぞ」で「お掛けください」。
可算名詞なので、不定冠詞 “a” がつく。
「おもてなし」に備えて、
反射的に口から出るようにしておこう。
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【類似表現】
“Please be seated.”
(ご着席ください。)
※ 講堂などにおける号令。
“All rise.” (全員起立)と対。
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【関連表現】
“Come in.”
https://mickeyweb.info/archives/2798
(お入りください。)
“sit down with – ”
https://mickeyweb.info/archives/15627
(~と話し合う)