完全に
「完全にやめる!」と言いたい時、
重宝するのが、副詞 ” altogether “。
【発音】 ɔ̀ːltəgéðər
【音節】 al-to-geth-er (4音節)
「 止める(やめる)」と「 辞める 」、
いずれの場面にも使える。
完全禁煙
” completely ” よりも、強烈な印象を放ち (※)、
「 金輪際、やらない ! 」 と不退転の決意を示す。
※「 completely より強意的 」(ジーニアス英和大辞典)
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◆ 次の3つを押さえておこう。
- give up altogether
( 完全に諦める )
– - quit altogether
( 完全に辞める )
– - stop altogether
( 完全に止める )
以上が、本領発揮の3表現。
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きっぱり手を引く様子を、簡明直截に表す。
中途半端さは微塵もない。
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完膚なきまでの ” altogether “。
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◆ “altogether” には、副詞と名詞がある。
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主な名詞用法は「裸」(the altogether)のみ。
“in the altogether” で「全裸で」。
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古風な言い回し(下記青字)で、ほとんど見聞きしない。
” in the altogether “
Idioms
(old-fashioned, informal)
without any clothes on.
(オックスフォード、OALD9)
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◆ ” altogether ” の語源は、中期英語「完全に」(altogedere)。
“ all “(すべて)+ “ together “(一緒に) から
派生したことは、容易に推測できる。
- 副詞 「 完全に 」「 全く(部分否定)」
「 総計で」「 要するに(文頭)」 - 名詞 「 裸 」
副詞 “altogether” の重要度と頻出度は高め。
LDOCE6(ロングマン)の表記によれば、
- 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
- 話し言葉の頻出度:<1001~2000語以内>
- 書き言葉の頻出度:<2001~3000語以内>
書き言葉では、2語の
- ” all together ” ( 一緒に集まって )
とは区別されている。
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両者の意味は異なるから、当然であろう。
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◆ ところが、話し言葉では、混同されることも珍しくない。
発音が酷似するのが一因。
” altogether “
adverb
1. in total
2. completely
3. considering everything
(ケンブリッジ、CALD4)
【発音】 ɔ̀ːltəgéðər
【音節】 al-to-geth-er (4音節)
すっきりした語釈が示す通り、意味は単純である。
このうち、最頻出は “completely” の意。
既記のように “completely” より力強く、
完全撤退の意思表明にはうってつけ。
先の<3点セット>が代表例。
語感の強みを活かした真骨頂の用途である。
いわば、はまり役。
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1. Give up altogether
- “You don’t have to give up altogether on eating out.”
(外食を完全に諦める必要はないのです。)
– - “Eventually, she gave him up altogether.”
(彼女はついに彼を完全に見放した。)
– - “He has given up altogether by taking his own life.”
(彼は自殺することで、すべてを放棄した。)
– - –“X gave up altogether after years of struggling to ramp up output.”
(X社は、生産高を上げようと何年も奮闘した後、完全に手を引いた。)
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2. Quit altogether
- “I quit smoking altogether last year.”
(昨年、喫煙を完全に辞めました。)
– - “Even if you fail, don’t quit altogether.”
(たとえ失敗したとしても、完全に辞めてはならない。)
– - “I quit boozing altogether and feel healthier.”
(完全に断酒し、以前より健康に感じる。)
–
3. Stop altogether
- “I stopped seeing her altogether.”
(彼女と会うのは完全にやめました。)
– - “His snoring stopped altogether.”
(彼のいびきが完全にやんだ。)
– - “My smartphone stopped charging altogether.”
(私のスマホはまったく充電しなくなった。)
–
“altogether” の1語で、判然たる変化が見事に表現されている。
代替不可能に近い “altogether” の使い道は、上掲3つだけ
押さえておけば、普段は間に合う。