プロ翻訳者の単語帳

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Fully

      2026/10/05

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 6 minutes

十分に、  完全に

完全に満たされた状態を示す副詞。

【発音】 fúli
【音節】 ful-ly (2音節)

–
要求通りまたはそれ以上の出来映えなので、
満足感の漂うポジティブ単語。

次の類義の副詞に比べると、日本で学ぶ機会は
少ないように感じる。

–
” fully ”  は、これらと比較してもシンプルで
使い勝手がよいため、 ここで取り上げてみたい。
–

◆  ” fully ” の品詞は副詞のみ。
ー
俗語としては、他動詞「 しょっぴく 」がある。

相当マイナーな語義。   覚えておく必要はない。

3大学習英英辞典 の語釈をご紹介する。

青字は共通する語。

–
fully

  • completely
    (ロングマン、LDOCE6)
    –
  • 1.completely
    2. (formal)
    the whole of; as much as

    (オックスフォード、OALD9)
    –
  • 1. completely
    2. as much as possible
    (ケンブリッジ、CALD4)

【発音】 fúli
【音節】 ful-ly (2音節)

–
3冊すべて、” completely ” と記す。
–

–
completely

  • to the greatest degree possible
    SYN: totally
    ( LDOCE6、 ロングマン )
    –
  • in every way possible
    SYN: totally

    ( OALD9、 オックスフォード )
    –
  • in every way or as much as possible
    ( CALD4、 ケンブリッジ )

※   SYN  =  synonym  =  同義語

【発音】 kəmplíːtli
【音節】 com-plete-ly (3音節)

–
これまた、 おそろい。–

簡明直截である。

以上の語釈から分かるのは、 中身の単純さ。

定訳に近いのは、 こちらの7つ。
–

  •  完全に
  •  十分に
  •  確かに
  •  まったく
  •  きちんと
  •  すっかり
  •  いっぱい

–
英日もろとも、簡潔さが際立つ。
成り立ちも分かりやすい。

–  形容詞  ” full ” ( いっぱいに満ちた )
–  接尾辞  ” ly ” ( 形容詞につけて、様態の副詞に )

” full ” は、カタカナでも使われている。
–

–
フル 【 full 】

いっぱいであるさま。 全部。 十分。

( 広辞苑 第七版 )

–
これは形容詞の説明だが、 意味合いは
そのまま副詞 ” fully ” に引き継がれている。

【参考】  ハートフルは、和製英語に近い

  •  ” full-frontal  nudity ”  ( 全裸 )
    【直訳】  前が全部ある裸体、 前が丸見えの裸
    →  陰部 が露わ ( 男女不問 )
    ※  「 前張り 」 なし
    ※  女性の胸部  の裸を指すこともある。
    –
  •  ” full load test ”  ( 全負荷試験 )
    ー
  •  ” full movie ”  ( 映画全編 )
    ー

◆  以上5つの枠内に目を通すだけでも、
” fully ” のイメージはつかめるはず。
ー
この上ないほど、単純。
ー
< 様子 >を表す副詞なので、つかみどころがない
側面もあるものの、「 いっぱい 」なイメージを貫く
ため、混乱しにくい。

問題は、最初に掲げた類語との差異を含む、
実際の適用面での適不適である。

” fully ” 自体は、 語源に沿った素直な副詞。
ー
目立つ癖も特色もない。  換言すれば、個性がない。

類語と比べても、 単純な作りなのは 自明 だろう。

語源通りで個性がない。

だからこそ、 他意に染まりにくく、 広範に使える。

それが ” fully “。
ー

◆  公私不問で、幅広く使えることを、以下の例文で示す。

 

–

満タン

 

  • ” How long does it take to fully charge this car ? ”
    ( この車を満充電するには、どれくらいの
    時間がかかりますか?)
    –
  • ” I’m fully aware of the danger.”
    ( その危険は十分に承知しています。)
    –
  • ” Services have been fully restored to our customers.”
    ( サービスが完全復旧したため、お客様はご利用できます。)
    –
  •  ” I need to be fully present for my sick child.”
    ( 私は病気の子に全力で付き添う必要があります。)
    –
  •  ” The former child star is now a fully grown adult.”
    ( かつての子役スターは、今ではすっかり大人になった。)
    –
  • ” Your site has been fully restored.”
    ( サイトが完全復旧しました。)
    –
  • ” Your privacy is fully protected.”
    ( プライバシーは完全に守られます。)
    –
  • ” X fell into his bed fully clothed.”
    ( Xは服を着たままベッドに倒れ込んだ。)
    –
  • ” A teenager’s brain is not fully developed.”
    ( 10歳代の脳はまだ十分に発達していない。)
    –
  • ” I still don’t fully trust my wife to this day.”
    ( 私は今でも妻を完全には信用していない。)
    –
  • ” I have fully cooperated with the police since then.”
    ( あれから、全面的に警察に協力してきました。)
    –
  • ” His career has never fully recovered.”
    ( 彼のキャリアが完全に回復することはなかった。)
    –
  • ” They are fully cooperating with the police investigation.”
    ( 彼らは警察の取り調べに全面的に協力しています。)
    –
  • ” This program fully covers the costs of tuition.”
    ( このプログラムは、授業料の全額に適用される。)
    –
  • ” I will fully accept any and all consequences for my conduct.”
    ( 自分の行動に対するいかなる処分も全面的に受け入れます。)
    –
  • ” The Department of Defense is fully funded for
    Fiscal Year 2019.”
    ( 2019会計年度の予算を、国防総省は十分確保している。)
    –
  • ” Vaccination is fully funded by the government.”
    ( ワクチン接種は全額公費負担です。)
    –
  • “All students will be fully supported
    by scholarships from the university. ”
    ( 全学生が、大学から全額支給される奨学金の対象です。)
    –
  • ” She is fully independent from her parents.”
    ( 彼女はご両親から完全に独立している。)
    –
  • ” Please complete fully in BLOCK letters.”
    ( ブロック体で全部ご記入ください。)
    –
  • ” Please fully read the direction below.”
    ( 下記の指示をよくお読みください。)
    –
  • ” Our operations are fully automated.”
    ( 弊社の作業工程は完全に自動化されています。)
    –
  • ” Apply the parking brake fully.”
    ( サイドブレーキを目一杯引いてください。)
    –
    ※  ブレーキをかける  =  ” apply the break(s) ”
    決まり表現だが、 堅めの言い回し。 

    –
  • ” We need to rent a fully-equipped meeting room.”
    ( 完全装備の会議室を借りる必要がある。)
    –
  • ” I am fully responsible for my life.”
    ( 自分の人生について、自分が全責任を負う。)
    –
  • ” He had fully recovered from the accident.”
    ( 彼はその事故から完全に回復した。)
    –
  • ” The seats are fully booked through August 31.”
    ( 8月31日まで、席の予約は完全に埋まっています。)
    ( 8月31日まで、予約は満席です。)
    ( 8月31日まで、予約はいっぱいです。)
    –
  • ” That flight was fully booked.”
    ( その便は満席だった。)    ※  後述
  • ” The new system should be fully in place by next week.”
    ( 来週までに、新しいシステムは完全に実施されるはず。)
    –
  • ” Your position is fully budgeted through the fiscal year.”
    ( あなたのポジションには、本会計年度中、全面的に
    予算がついています。)
    –
  • ” I fully understand what you are saying.”
    ( あなたのおっしゃることは、十分理解しています。)
    –
  • ” My boss did not fully explain the reason to me.”
    ( その理由を、上司は十分に説明してくれなかった。)
    –
  • ” We just moved to a fully furnished apartment.”
    ( 家具完備のアパートに引っ越したばかりです。)
    –
  • ” The administration fully approved the vaccines.”
    ( 当局はワクチンを全面的に承認した。)
    –
  • ” Fully vaccinated people can skip Covid quarantines.”
    ( 規定のすべての予防接種を受けた人たちは、コロナ
    感染症の隔離措置の対象から外れることができます。)
    –
  • “ Fully booked flight burst into flames after landing in Tokyo ”
    ( 満席の飛行機が東京に着陸後炎上 )
    https://www.youtube.com/watch?v=V5sExMiFGUo
    2024年1月2日付    ※  動画全長 8分13秒
    –

–
DoD Drops Mask Requirement for Fully Vaccinated Troops, Staff
( 米国防総省、ワクチン接種完了の軍人・職員のマスク着用要件を廃止 )
–
–
https://www.military.com/daily-news/2021/05/14/dod-drops-mask-requirement-fully-vaccinated-troops-staff.html
2021年5月14日付

–
※  ” fully vaccinated ”  =  「 ワクチン接種が完了した 」
→  必要とされる回数のワクチン接種を完了し、
効果が表れる目安とされる期間を経過した状態

【発音】 ˈvæksʌnetɪd
【音節】 vac-ci-nat-ed (4音節)

 


–
◆  以下、 ” Please be aware that – ”  より再掲。
–

上述の通り、 「 be動詞 」 は 「 極めて基礎に位置する 」 英語の必須知識。

議論の余地はないが、 実は「 be動詞 」 を抜いても、 おおよそ趣旨は伝わる。

その証拠のひとつとして、 記事見出し ( headlines )・ 看板 ・ 掲示板 ・
格言 ・ 慣用句 ・ 常套句では、 「 be動詞 」 と 「 冠詞 」 を略すのが一般的。

視認性を重視する指示・注意喚起と等しく、 簡潔明快を旨とするため、 英文法
の基本から逸脱する表記が少なくなく、 「 be動詞 」 と 「 冠詞 」 なしが普通。

プロの手による文言とはいえ、 「 be動詞 」 と 「 冠詞 」 を省略 して世間一般
に
公開され、
必要十分な情報伝達ができている。

–

◇  「 見出し 」 英語の解説は、 こちらが秀逸  ↓
英語ニュースの読み方 ( 見出し編 ) RNN時事英語

–
–
「 be動詞 」
が分からないと通じない、 と神経質になりすぎないことだ。

大意は伝わるから、 学習者は英語の間違いをそんなに恐れないでよい。

日本人はむしろ、 英語を使わずじまいになる損失に、 神経質になるべき。

これこそ深刻な事態、 人生を費やし骨折り損のくたびれもうけに終わる。

もったいない。

 

Battery full.

愛用の ボーズ ( 2024年発売 ) が実際に発するガイダンス音声である。

2026年10月04日撮影。

–
文法的に正しい英文は、“ The battery is full.”

冠詞 “ the ” も、 be動詞 “ is ” も抜きで、 天下の BOSE が正式に採用。

世界中のユーザーに向けて、 堂々と製品化されている。

be動詞と冠詞がなくても、 英語として成立している。

 

◆  前出の 「 一般動詞 」 は、 文脈上省略しがたい点も

「 be動詞 」 と異なる。

–
文意が理解不能に陥るから、 「 be動詞 」 と異なり、 見出しでも省けない。

 

◆  省略して文脈上通じる 「 be動詞 」 と、 まともに通じない「 一般動詞 」 。

「 第2文型 SVC 」 を作る 「 be動詞 」 には、 「 一般動詞 」 みたいに

一目で分かる動詞の意味合いがないため、 日本人には恐ろしく手強い。

この 「 be動詞 」 は、 動詞の意味合いがないゆえ、 抜いても通じる。

 

「 be動詞 」 は、 英語の 「 全体像 」 がうっすら見え始めた

中級学習者が、 ようやく把握できるようになってくる性質を有する。

 

「 冠詞 」 「 時制 」 「 前置詞 」  と同様に、 「 be動詞 」 は

初級レベルで 真に理解するには 無理がある。

最初から完璧に理解しようなどと意気込まないことが大切。

挫折をもたらす。
–

▲▲  再掲終わり  ▲▲

 

 

 

 

 

 

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