注意喚起の通知
職場でよく使われる “heads-up” は、
仕事上の「事前のお知らせ」。
定訳がなく、和訳しにくい名詞である。
ほとんどの英和辞典には、
名詞「警告」「注意」「注意喚起」
のいずれかが書いてある。
しかし、しかつめらしい「警告」の使われ方が
されている場面は少ない印象。
上述の通り「事前通知」としての用法中心。
すなわち、オフィス事務で多用される “heads-up” は、
こうして、前もって、お知らせしますので、
きちんと準備しておいてください。
との事前連絡を趣旨とする。
単数名詞扱いされることが多く、冠詞は “a” が通例。
「単数名詞」(singular noun)とは、
単数形で使われるのが一般的な名詞。
英英辞書では “S” または “sing” と略記されたりする。
なお、”heads-up” のマイナー用法として、形容詞もある。
「抜け目がない」「臨機応変の」の意。
- “He is good at a heads-up play.”
(彼は臨機応変な演奏が得意。)
–
◆ “heads-up” の初出は、『ランダムハウス英和大辞典 第2版』
によると、1947年。
比較的新しい表現である。
“Heads up” は、安全標識に使う「頭上注意」を意味する。
- 名詞 “heads” (頭 → この表現では複数形)
- 副詞 “up“(上げる)
頭上注意
そこから、「気をつけろ!」(同義:”Look out”)
になり、ハイフン挟んで複合名詞の「警告」。
ただし、こんな場合も。
◇ 戦場などでは逆に Heads down ! ということがある。
『ランダムハウス英和大辞典 第2版』”head” より
◆ 人命に危険を及ぼす「頭上注意」のような深刻な警告
や警鐘は、事務用途では生じにくい。
例えば、ブラウザの「ファイヤフォックス」が示す
プライバシー設定の “heads-up” の一部がこちら。
–
続いて、ウィルス対策ソフト「アバスト」。
「あなたのIPアドレスが丸見え」とある。
–
いずれも「注意喚起」の役目。
◆ 日常的なオフィス用途では、さらに穏便な感じ。
先述のように、「事前のお知らせ」の意味合いが目立つ。
以下が典型例。
- “Thank you for the heads-up.”
(事前通知をいただき、ありがとうございます。)
– - “She gave me a heads-up that my boss
will be visiting.”
(私の上司がやってくると、彼女が事前に知らせてくれた。)
– - “This is a heads-up about the upcoming seminar.”
(今度のセミナーについてのお知らせです。)
–
- “I will send you a heads-up about the project.”
(プロジェクトについての事前注意をお送りします。)
–
- “Please give me a heads-up so I can prep for it.”
(準備したいので、注意事項を知らせてくだされば助かります。)
< 注意喚起の事前通知 >
“Plan accordingly”
https://mickeyweb.info/archives/2372
(それを考慮して、行動してください。)
“reminder”
https://mickeyweb.info/archives/3312
(思い出させるための表現)
“Action required”
https://mickeyweb.info/archives/3719
(要行動、対応必須)
“wake-up call”
https://mickeyweb.info/archives/6572
(警鐘)
“raise awareness”
https://mickeyweb.info/archives/8831
(意識を高める)
“send a clear signal”
https://mickeyweb.info/archives/12260
(明確なメッセージを送る、警告を送る)
“distress signal”
https://mickeyweb.info/archives/19081
(遭難信号)
“false alarm”
https://mickeyweb.info/archives/21482
(誤報、いたずら、誤作動)