こちらの 連載 でお伝えしたいのは、
蔵書と自炊全般についての < 考え方 >
である。
スペース維持の点では共通するものの、
いわゆる 「 断捨離 」 や 「 ミニマリスト 」、
さらに効率化を追求する 「 ライフハック 」
とは、 自炊の趣旨が大きく異なる。
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スキャナーを使った具体的な自炊方法は、 写真満載の
他サイト や YouTube で存分に説明されている。
ハウツーを必要とされる方は、 上記リンクをご高覧ください。
◆ この連載の想定読者様とは …
日常生活に本が欠かせない読書家、
及び多数の蔵書を要する職業に就く方々を、
主な読者層に想定している。
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■ 単なる「 娯楽 」を超えて、
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「 読書 = 人生 」の
< 本読み > のための
本の付き合い方
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を真剣に考察したい。
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◆ 本人以外には不用で、 処分に困るのが蔵書である。
蔵書は、 属人的 な性質が強い。
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そのため、 蔵書に対する他者の理解は、 望むべくもないのかもしれない。
有名作家の死後、 貴重な蔵書が四散した例は枚挙に暇がない。
多くの場合、古本屋に引き取られるか、 廃棄処分されている。
これは、文学史が証明する事実( 史実 )である。
–
◆ 作家の生前の資力や人気は、さほど関係ないらしい。
ほとんどのご遺族にとって、
大量の本は迷惑千万
–
文筆稼業を支えた道具なのに、 実に不条理な話である。
一部の作家の蔵書のみが、「 〇〇文庫 」 などと銘打ち、
大学や自治体に引き取られる。
このような幸運なケースとて、 永年死蔵される運命が
待ち構えていたりする。
利用者が少ない割に、 維持管理費がかさみ、 ありがた
迷惑ばりに邪険にされる「 〇〇文庫 」さえ少なくない。
総じて、 これが実態なのである。
【参考】 ※ 外部サイト
- 高知県立大学が蔵書3万8000冊を焼却。
貴重な郷土本、 絶版本多数。
譲渡や売却は考えなかったのか ?
https://www.fnn.jp/articles/-/5678
2018年8月24日付
– - 高知県立大学、 検証委員会の報告書を公開
https://current.ndl.go.jp/car/37317
2019年1月4日付
◆ 「 司馬遼太郎記念館 」( 東大阪市 )に収められた、
作家蔵書の活用事例は、 稀有な例外である。
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高さ11メートルの書架に、約2万冊の蔵書
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◆ 2017年に発行された 紀田順一郎 ( 1935- )
の著書には、 蔵書3万冊を生前処分するに至った苦しい
事情が詳述されている。
鬼籍に入った知人作家の蔵書が散逸したことを慨嘆。
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そして、 汗牛充棟 もただならぬ、 自身の大事な蔵書にも、
同じ運命が定まったことを、 受け入れざるない老境の悲哀。
読んでいて、 涙が出る。
–
◆ 一般人の蔵書については、言を俟たない。
文化的価値や資産的価値はないに等しい。
もはや、 「 ゴミ 」扱い 。
そんなものに、 時間と大金をかける方がどうかしている。
–
「 くだらない 」
読書に親しまない人なら、 一笑に付しても無理はない。
◆ しかし、 他人の思惑など、 どうでもいい。
ー
■ < 本読み > が目指すべき は、
自分が読みたい本を、
いつでも、 どこでも、 自由気ままに読める状態。
蔵書の 「 自己コントロール権 」を確保し、
読みたい時に、 好き放題、 読書を楽しむ。
生涯を通じて役立つ ナレッジベース ( knowledge base )、
自分らしい 【 システム構築 】 である。
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◇ 手間隙かけて作った 自作の電子ライブラリ
→ 読書家にとって < 人生の支え > となりうる
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若い頃から一緒に人生を歩んできた書物に、
温かく見守られている安心感と心地よさ。
切断しても 「 温もり 」 は消えなかった。
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◆ 自炊し、 電子化することで、 この取り組みの実効性は高まり、
将来の見通しを立てやすくなる。
万一の際の取り扱いについても、 電子データであれば、 心配無用。
なぜなら、 電子データの性質上、「 古本の山 」 や 「 散逸 」
とは無縁だからである。
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不要なら、即刻削除 できる。
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- 物理的スペースが不要だと、 ものすごく気楽
– - 引っ越しや地震の面で心強い
– - 保管場所の心配のない 解放感・爽快感
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生きることが ぐっと楽に なった
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大げさではなく、 こんな気がする。
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蔵書の後処理に他者を煩わせる旨の、 大懸念が払拭でき、
「 これで、いつでも死ねる … 」
相反するような安堵が胸に広がった。
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これが、 約 3,500冊 ( 2024年11月 現在 ) を自炊後の実感。
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この 「 さわやかな気分 」 こそ、
電子化の最大級の利点
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あふれる蔵書に悩む < 本読み > の皆様に、
ぜひとも 味わっていただきたい快感である。
すがすがしいとしか言いようがない。
◆ 自炊導入のポイント
切断しても、支障のない本から 着手
–
ほんの少しでも、気がかりな本は、 すべて対象外
例えば、「 温もり 」が薄まりそうな気がする愛読書は、 全部除外。
蔵書の 一部 を電子化するだけでも、 相当変わる。
◆ もし心理的に抵抗があるならば、 ご自分の蔵書ではなく、
1冊100円未満の古本を、 10冊ほど購入
して試してみるとよい。
専門業者に依頼しても、 ご自身でスキャンしてもOK。
自宅にスキャナー・裁断機がなければ、 レンタル業者
や 「 キンコーズ 」 などのビジネスセンターを活用する。
ネット検索すれば、簡単に調べられる。
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◇ まずは、10冊くらい自炊してみて、様子を見よう。
それから考え始めても、十分間に合う。
なんとなく感触を得たら、本腰を入れて検討すればよい。
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◆ いずれの方法でも、お試し予算は1万円以内。
各種ノウハウは、ネット上に転がっている。
日本語の自炊解説書( 電子書籍含む )は、10冊以上、市販されている。
2010年から2023年までに、 10冊以上、 自ら読んだので、間違いない。
( 電子書籍も全部アマゾンで入手可能 )
「 国立国会図書館デジタルコレクション 」 もかなり参考になる。
- 個人向けデジタル化資料送信サービス ( 個人送信 )
https://www.ndl.go.jp/jp/use/digital_transmission/individuals_index.html
※ 2022年5月開始 ↓
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法改正で実現した国会図書館のウェブサービスがコロナ禍でヒット
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20221025/se1/00m/020/057000c
2022年10月13日付
– - 国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/
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発行当時の姿のまま、マイクロフィルム処理またはスキャン
されたものが、 インターネットで無料公開されている。
【例】
” What is the significance of – ? ”
の 『 哲学字彙 』( 1884年刊 )
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「 マイ本棚 」 を持ち歩ける毎日は、
–< 喜び > と < 自信 > をもたらす。
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なにより、楽しい。
日日是好日。
◆ 私なりの結果と効果が、
電子化した 「 マイ本棚 」 の成果物が、弊サイト
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【参照】
・ 「 Gmail 」で作る単語帳
・ 英語辞書は「 紙 」か「 電子版 」か
・ 辞書の「 自炊 」と辞書アプリ
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◆ 蔵書の氾濫に困りつつ、 ゆえあって処分できない
< 本読み > の皆様には、
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自炊の 一部導入 をおすすめしたい。
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きっと人生と読書生活が、 もっと愉快になります。
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◇ この連載は今後も続きます。