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蔵書の「自炊」記録(5)

      2020/05/01

電子書籍ストアで電子書籍を購入することは、
  購読権のみを買う ことである。

書籍自体を購入しているのではない。

  サービス提供者に依存し続ける点で
  自炊本と決定的に異なる

※ PDF版などを除く

これは、蔵書管理に不可欠な知識である。

 

◆ 特に、次の2つのリスクを認識することが大切である。

1) 提供会社のサービスが終了すれば、
買ったはずの電子書籍とその利用権を失う可能性がある。

※ 端末ダウンロード済み分を除く

<終了した電子書籍ストア>

この他、2014年から2015年にかけて終了したのは、


【参考】   ※ 外部サイト

「2014〜2016年で、これだけ多くの電子書籍サービス
と電子書籍端末が終了していた!」


2) 提供会社の規約に著しく違反すれば、
同等の不利益処分を受ける場合がある。

【例】  2012年、アマゾン(米国)の規約に違反した
ノルウェー在住者が、キンドル本を遠隔削除された。

http://wired.jp/2012/10/25/amazons-remote-wipe

なお、以下の英語版(原文)には、
アマゾンによる釈明が “Update” として追記されている。

We would like to clarify our policy on this topic.
Account status should not affect any customer’s
ability to access their library.
If any customer has trouble accessing their content,
he or she should contact customer service for help.

https://www.wired.com/2012/10/amazons-remote-wipe-of-customers-kindle-highlights-perils-of-drm/

<参考和訳>
当社(米アマゾン)の方針をご説明いたします。
(キンドル)ライブラリへのアクセスに、お客様の
アカウント状況が影響することはございません。
もし、コンテンツにアクセスできない場合は、
カスタマーサービスまでご連絡ください。

自炊本の場合、上記実例のリスクとは無縁である。

電子書籍ストアで電子書籍を購入すると、
再ダウンロードができる等の安全網が種々付随する。

しかし、

どれもサービス提供の持続を前提

としている。

◆ また、2020年5月時点では、原則として譲渡不可

いわば <無期限レンタル>に近い契約になっている。

例えば、一部のキンドル本に明記されている文言がこちら。

  • 有償・無償にかかわらず
    本作品を第三者に譲渡することはできません。
  • 有償・無償にかかわらず
    このデータを第三者に譲渡することを禁じます。

  自由に処分できない以上、所有権はない。

要は「自分のもの」でないということ。

自炊本とは比較にならない度合で、
自己コントロール権が制限されているのである。

さらに、電子書籍の市場、会社間連携、
及び法的整備のいずれも成熟していない。

購入者の継続使用を担保するシステムは不十分である。

【出典元】  『モバイルワーカーの超愛用品』枻出版社、2018年刊

よって、

現状で電子書籍を買うということは、
  蔵書のコントロール権を他者に委ねる行為  

と考えることもできる。

一方、自炊本は、専用端末やアプリに依存することなく、
  著作権法の規定内で自由にできる。

出版社などが廃業しても、継続使用に影響はない。

  他者都合により読めなくなるリスクが存在しない  
に等しい。

以上が電子書籍と自炊本を比較検討する上で、
見落とされがちな重要相違点である。

蔵書管理を計画する上で、今一度考えてみたい。

 

<蔵書の「自炊」記録> 連載一覧

 

 

 

 

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