それを考慮して、行動してください。
事務連絡の文書やメールの2語のビジネス慣用句。
状況説明の末尾によく顔を出す。
日本の辞書ではめったに見かけない印象。
副詞 “accordingly” は、
動詞の後に使う場合(
接続詞として用いる場合( したがって )がある。
【発音】 əkɔ́rdiŋli
【音節】 ac-cord-ing-ly (4音節)
どちらの “accordingly” も、
ここでは、動詞 “plan”(計画する)の直後なので、
前者の用法。
◇ こっちは こんな状況だから、
そっちも それを念頭に 行動して
事前注意を促す趣旨
–
要は、次のように要請したいのである。
- ” Plan ahead. ”
(前もって計画しておけ。)
【発音】 əhéd
【音節】 a-head (2音節)
ー
◆ ここでの “plan” は、「計画する」に限定されず、
相手側の(その後の)行動全般 を指している。
よって、” Schedule work accordingly. ”
などと換言できる。
【発音】 plǽn
【音節】 plan (1音節)
平板で、均一なリズムの日本語では、3音節の
「 プ – ラ – ン 」だが、英語では「 1音節 」。
→ 音節の差異が顕著な日英比較は、”integrity” 参照
–
◆ 本来であれば、”plan” と “accordingly” の間に、
具体的な行動が入るはず。
- “Plan your travel accordingly. “
- “Plan to travel accordingly.”
(それを考慮して、出張してください。)
しかし、”Plan accordingly.” では省略されている。
先述の通り、2語で行動全般をカバーする言い回しである。
–
◇ 相手の事情を、個別具体的に考慮
する必要がないため、使い勝手がよい
ビジネス慣用句として、すこぶる便利である。
–
◆ こちら側の都合の結果として、相手を制約するケースが多い。
そのため、”Please plan accordingly.”
と3語で丁寧に表現されるのが通例である。
- “We will be on a business trip tomorrow.
Please plan accordingly.”
(我々は明日に出張となりますので、
ご協力をお願いいたします。)
ー - “The office will be closed next week,
so please plan accordingly.”
(来週、当事務所は休みとなりますので、
ご注意ください。)
ー - “This offer is for a limited time only.
Please plan accordingly.”
(このサービスは期間限定ですので、
ご了承ください。)
–
◆ テンプレート的な英文は楽ちんだが、
日本のビジネスに適した和訳は難しい。
お願いする立場である以上、工夫(意訳)して
訳さないと反発を食らう。
–
< 注意喚起の事前通知 >
- “reminder”
https://mickeyweb.info/archives/3312
(思い出させるための表現)
– - “Action required”
https://mickeyweb.info/archives/3719
(要行動、対応必須)
– - “raise awareness”
https://mickeyweb.info/archives/8831
(意識を高める)
– - “heads-up”
https://mickeyweb.info/archives/9871
(注意喚起の通知)
– - “send a clear signal”
https://mickeyweb.info/archives/12260
(明確なメッセージを送る、警告を送る)
– - “distress signal”
https://mickeyweb.info/archives/19081
(遭難信号)
– - “wake-up call”
https://mickeyweb.info/archives/6572
(警鐘)
– - “false alarm”
https://mickeyweb.info/archives/21482
(誤報、いたずら、誤作動)