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Dire

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ひどい、  不吉な、  悲惨な、  差し迫った 

社会・経済記事で見かける形容詞。

内容は総じてネガティブ。

すなわち、陰惨で不吉な感じ。

絶望的な衰運の兆しに、一刻も早く
逃げ出したくなるような状況を示す。

【発音】   dáiər  (1音節)

1音節だから、 腹の底から ゲロする 勢いで、
イャ~ 」 と一気に吐き出して発音。

→  音節の差異が顕著な日英比較は、” integrity ” 参照
( 図入り、 動画入り )
-あゃあ

◆  語源は、 ラテン語 ” dīrus “。

恐ろしい 」 「 不吉な 」 の意。

やばい

 

この語源をそのまま継承している ” dire “。

酸鼻な状態を表すのは当然であろう。

 

◆  英単語全体から見た頻出度は高くない。

LDOCE6( ロングマン )の指標によれば、

ところが、特定分野では目立つ印象がある。

冒頭の通り、社会・経済方面の記事である。

停滞して悲観的な先行きほど、報道価値 が上がる
わけではないだろうが、 経済変動はあって当然。

また、暗いニュースも現実の社会にはつきもの。

そのためか、本来マイナーなはずの形容詞 ” dire ”
が、この2分野では幅を利かせている感がある。

成り立ちからして、 忌まわしく不祥である。

よって、 多用される分野が偏る。

しかし、 意味の単純な1音節( syllable )の単語である。

しっかり覚えておけば、気分が滅入っている際に、
” dire ” 入りのむごたらしいニュースを回避できる。

◆  ” dire ” は、形容詞のみ。

語源に忠実で、 ネガティブ一辺倒。

次の7語がほぼすべて。

【 語源 】

恐ろしい、 不吉

陰惨な、 悲惨な

差し迫った、 緊急の

ひどい


悪い意味での「 ひどい 」。

それが ” dire “。


ひどい 【酷い】

1. だまって見ていられないほど残酷むごい
2. 非常に悪い。 きわめてお粗末
3. 程度がはなはだしいはげしい
( 大辞林 第四版 )

1. むごい残酷である。苛酷である。
2. 甚だしい過度である。
特に、甚だしく出来栄えが悪い。
( 広辞苑 第七版 )


3大学習英英辞典( EFL辞典 )によれば、


dire

exteremely serious or terrible.
( LDOCE6、ロングマン )

1.   (formal) very serious.
2.  (British English, informal) very bad.
( OALD9、オックスフォード )

–  very serious or extreme.
–  MAINLY UK INFORMAL very bad.
( CALD4、ケンブリッジ )

【発音】   dáiər  (1音節)


とてもシンプルな語釈だが、 ひたすら暗い。

ハイライトした「 ベリーバッド 」など、
カタカナでも通じる不気味な雰囲気。

先の国語辞典の語義(青字)とも重なる。

意味合いが単純なのは、これで分かるだろう。

◆  めぼしい熟語は、 次の2つだけ。

1.   in dire straits
( ひどい窮地に陥って )

  • ” I’m in dire straits.”
    ( ひどくまずい状態です。)
    ( ものすごくピンチです。)

    ※  ” strait ” = 窮地、苦境( 可算名詞 )
    この用途では、”s” つきの複数形 ” straits ” が通例


2.   in dire need
( すぐさま必要としている )

in desperate need ” ( 深刻に必要としている )と同趣旨。


これらの決まりきった言い回しも、かなり深刻な中身。

縁起が悪い成り立ちだからこうなる。

先の絵図を思い出していただきたい。

とにかく “ very bad ” で一貫しているのが、” dire ” の特色。

◆  今月2018年10月発表のニュース見出し ( headlines ) をご紹介。

 

すさまじく滅入るニュースばかりである。

2018年以降のニュース報道からも、 追加でご案内。

◇  「 見出し 」英語の解説は、 ここが秀逸  ↓
英語ニュースの読み方( 見出し編 )RNN時事英語

【類似表現】

 

 

 

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