ひどい、 不吉な、 悲惨な、 差し迫った
社会・経済記事で見かける形容詞。
内容は総じてネガティブ。
すなわち、陰惨で不吉な感じ。
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絶望的な衰運の兆しに、一刻も早く
逃げ出したくなるような状況を示す。
【発音】 dáiər (1音節)
1音節だから、腹の底から ゲロする 勢いで、
「 ダイャ~ 」と一気に吐き出して発音。
→ 音節の差異が顕著な日英比較は、” integrity ” 参照
-あゃあ
◆ 語源は、ラテン語 ” dīrus “。
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「 恐ろしい 」「 不吉な 」の意。
やばい
” dire ” は、この語源をそのまま継承している。
酸鼻な状態を表すのは当然であろう。
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◆ 英単語全体から見た頻出度は高くない。
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LDOCE6( ロングマン )の指標によれば、
- 重要度 :<6001~9000語以内>
- 書き言葉の頻出度:3000語圏外
- 話し言葉の頻出度:3000語圏外
ところが、特定分野では目立つ印象がある。
冒頭の通り、社会・経済方面の記事である。
停滞して悲観的な先行きほど、報道価値 が上がる
わけではないだろうが、 経済変動はあって当然。
また、暗いニュースも現実の社会にはつきもの。
そのためか、本来マイナーなはずの形容詞 ” dire ”
が、この2分野では幅を利かせている感がある。
成り立ちからして、 忌まわしく不祥である。
よって、 多用される分野が偏る。
しかし、 意味の単純な1音節( syllable )の単語である。
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しっかり覚えておけば、気分が滅入っている際に、
” dire ” 入りのむごたらしいニュースを回避できる。
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◆ ” dire ” は、形容詞のみ。
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語源に忠実で、 ネガティブ一辺倒。
次の7語がほぼすべて。
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【 語源 】
恐ろしい、 不吉
—↓
陰惨な、 悲惨な
—↓
差し迫った、 緊急の
—↓
ひどい
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悪い意味での「 ひどい 」。–
それが ” dire “。
–
ひどい 【酷い】
1. だまって見ていられないほど残酷だ。 むごい。
2. 非常に悪い。 きわめてお粗末だ。
3. 程度がはなはだしい。 はげしい。
( 大辞林 第四版 )
–
1. むごい。残酷である。苛酷である。
2. 甚だしい。過度である。
特に、甚だしく出来栄えが悪い。
( 広辞苑 第七版 )
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3大学習英英辞典( EFL辞典 )によれば、
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” dire “
exteremely serious or terrible.
( LDOCE6、ロングマン )
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1. (formal) very serious.
2. (British English, informal) very bad.
( OALD9、オックスフォード )
–
– very serious or extreme.
– MAINLY UK INFORMAL very bad.
( CALD4、ケンブリッジ )
–
【発音】 dáiər (1音節)
–
とてもシンプルな語釈だが、 ひたすら暗い。
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ハイライトした「 ベリーバッド 」など、
カタカナでも通じる不気味な雰囲気。
先の国語辞典の語義(青字)とも重なる。
意味合いが単純なのは、これで分かるだろう。
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◆ めぼしい熟語は、 次の2つだけ。
1. in dire straits
( ひどい窮地に陥って )
- ” I’m in dire straits.”
( ひどくまずい状態です。)
( ものすごくピンチです。)
–
※ ” strait ” = 窮地、苦境( 可算名詞 )
この用途では、”s” つきの複数形が通例
–
2. in dire need
( すぐさま必要としている )
- ” I’m in dire need of help.”
( 助けをすぐ必要としています。)
( 至急助けて。)
–
※ ” need ” は「 差し迫った要求 」
–
これらの決まりきった言い回しも、かなり深刻な中身。
縁起が悪い成り立ちだからこうなる。
先の絵図を思い出していただきたい。
とにかく “ very bad ” で一貫しているのが、” dire ” の特色。
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◆ 今月2018年10月発表のニュース見出しをご紹介。
- “Major Climate Report Just Issued a Dire Warning”
(気候報告書が緊急警告を発令)
ー - “Human rights situation ‘dire‘ in X”
(X国の人権状況は悲惨)
ー - “We are in dire straits, please help us’ a desperate
Y urged govt”
(「苦境を救済して」窮余のY社が政府に懇願)
ー - “Dire Need for New Therapies for PTSD”
(PTSDの新しい療法が深刻に必要)
ー - “Adopting dogs in dire need in Z”
(犬の引き取り手に差し迫った必要があるZ地方)
ー - “Orphan teenager in dire need of help”
(孤児の若者が深刻に救いを求めている)
ー - “How To Tell If You Are In Dire Need Of A Life Makeover”
(あなたが人生改革を必要とする証拠)
ー - “The race to create world’s most powerful supercomputer
– that could have dire consequences”ー
(世界一のスパコン開発競争に、悲惨な結果を招く可能性)
ー - “‘Great Depression’ ahead? IMF sounds dire warning”
(大恐慌がやってくる?国際通貨基金が警鐘を鳴らす)
ー - “A student has stage 5 kidney failure, in dire need of donor”
(ステージ5の腎機能不全の学生が、今すぐ腎移植が必要)
ー
- “X in dire shape and desperately needs help.”
(Xが悲惨な状態で、すぐ助けが必要)
すさまじく滅入るニュースばかりである。
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◇ 「見出し」英語の解説は、ここが秀逸 ↓
英語ニュースの読み方(見出し編)RNN時事英語
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【類似表現】
“shell-shocked”
https://mickeyweb.info/archives/13823
(強烈なショックを受けて)
“devastated”
https://mickeyweb.info/archives/25962
(打ちひしがれた、がっかりした)
“doldrums”
https://mickeyweb.info/archives/27328
(停滞、不振、ふさぎ込み)
“dire”
https://mickeyweb.info/archives/31503
(ひどい、不吉な、悲惨な)