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Shell-shocked

      2024/04/25

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 3 minutes

強烈なショックを受けて

名詞  ” shell shock ” の原義は「 砲弾神経症 」。

【類似語】  ” battle fatigue “、” combat fatigue ”

それに罹患した状態が、 形容詞 ” shell-shocked “。

< 状態 > なので、 形容詞 ( adjective ) 。  ※  後述

口頭でも文面でも使うが、口頭が多め。

【発音】  ʃɛ́lʃɑ̀kt

どちらも第一次世界大戦中から使われ始めた。


” traumatic reaction to the stress of battle, ”
recorded by 1915.

https://www.etymonline.com/word/shell


「 戦闘のストレスに対する精神的な反応 」
は1915年に記録されています。

https://www.etymonline.com/jp/word/shell

※  2024年4月25日 アクセス


戦闘下の兵士が陥るストレス反応と心理的障害を指す。

ベトナム戦争後は、 PTSD ( posttraumatic stress disorder、
心的外傷後ストレス障害 ) の一種に分類されるようになった。

【参考】  シェルショック    ※  外部サイト

” shell-shocked “

1.  Mentally ill because of the terrible
experiences of war.

( ロングマン、 LDOCE6 )

【発音】  ʃɛ́lʃɑ̀kt


普段使われる場合は、

大きな心理的ショック

を受けて、  ひどく動揺した状態を表す形容詞。

shell-shocked

2.  Feeling tired, confused, or anxious
because of a recent difficult experience.

( ロングマン、 LDOCE6 )

【発音】  ʃɛ́lʃɑ̀kt


戦闘中の兵士の苦しみ ( 後述 ) に比べるのは、
軽佻浮薄な態度で、 不謹慎とも考えられる。

けれども、 日頃、 見聞きする機会は実際にある。

日常生活にも、 苦悩があふれている証左であろう。

 

◆  ” shell ” には、 名詞・他動詞・自動詞・形容詞
がある。

語源は、 古英語 「 堅い外皮 」( sciell )。

この語源通り、名詞中心に使われている。

名詞は多義で、可算名詞と不可算名詞を兼ねる。

基本的意味は、
–  名詞 「 貝殻 」 「 閉ざした心 」 「 砲弾 」 「 外耳 」
–  他動詞 「 殻から取り出す 」 「 砲撃する 」
–  自動詞 「 殻が取れる 」 「 貝殻を集める 」
–  形容詞 「 殻のついた 」

” shell-shocked ” では、 可算名詞「 砲弾 」。

 

◆ ” shock ” にも、名詞・他動詞・自動詞・形容詞
がある。

語源は、 フランス語 「 衝突する 」( choquer )。

衝突するから、 激しく揺れて衝撃をもたらす

こちらの名詞は ” shel l” ほど多義でないが、
同じく可算名詞と不可算名詞を兼ねる。

基本的意味は、
–  名詞 「 衝撃 」 「 激突 」 「 ショック 」
–  他動詞 「 ショックを与える 」 「 びっくりさせる 」
–  自動詞 「 ショックを受ける 」 「 動揺する 」
–  形容詞 「 衝撃的な 」

” shell-shocked ” では、 他動詞 「 ショックを与える で、
その  過去分詞  ” shocked ” が形容詞となったもの。

すなわち 「 過去分詞の形容詞用法 」 である。

【例】 ” any given “、 ” self-inflicted “、 ” short-staffed


ハイフンを入れるのが原則だが、 入れない表記も見かける。
( shellshocked  または  shell shocked )

とはいえ、 英語学習者である以上、 ハイフンの基礎知識 は
押さえておきたい。

【発音】  háifn
【音節】  hy-phen (2音節)

 

  be動詞 に続くのが、 基本パターン。

形容詞 ( adjective ) だからである。

※ 「 be動詞 」 =  be、am、was、been、will be、is、were、are

なぜ、 形容詞だから動詞に続くのか。

理由は、 ” aware ” に詳述した。

英文法の基本であるので、 ぴんとくることがなければ、
この機会におさらいしていただくとよいかもしれない。

◆  したがって、 ” shell-shocked ”  の直訳は、
「 砲弾がショックを与えた 」。

 

2つの意味があり、 日常用途としては

大きな心理的ショック

を示すことは、上述の通りである。

 

  ” shell-shocked   とされる兵士の写真は、
数多く残されている。

【 閲覧注意 】 shell-shocked pictures

戦争のむごさを伝える姿である。


◆  現代社会のストレス要因は、 戦時中のそれとは異質に違いない。

しかし、 生きている限り、 大なり小なり苦しみは付きまとう。

たとえ平時であっても。

これは 「 人間の定め 」 と諦観するしかないのだろう。

” shell-shocked ”  の言い回しが消えないわけである。

  • “I was shell-shocked when I heard of her passing.”
    (彼女の死を聞き、強烈なショックを受けた。)
  • “My mother will be shell-shocked if I tell her that.”
    (そんなこと伝えたら、母は大ショックを受けるだろう。)
  • “I feel so shell-shocked now.”
    (今、ものすごく動揺しています。)

 


【類似表現】

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