プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

Vulnerable to -

      2024/02/16

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 11 minutes

〜 にやられやすい、   〜 に傷つきやすい

” vulnerable ”  は、 形容詞 adjective のみの単語。

ビジネス・プライベート、 口頭・文面を問わず、

日常的に多用される。

ぴたりと 該当する 日本語は 見当たらない


実に和訳しにくい。

おまけに、 私たち日本人の苦手な 「 L 」 と 「 R 」 込み。

【発音】  vʌ́lnərəbl
【音節】  vul-ner-a-ble  (4音節)

発音しづらいこともあり、 相当とっつきにくい。

◆  定訳のひとつが 「  脆弱な( ぜいじゃくな ) 」。

日本工業規格( JIS ) の一規格から引用すると、
赤字部分が  ” vulnerable ”  の要点。


3.16  危害を受けやすい状態にある 消費者( vulnerable consumer )

年齢, 理解力, 身体的・精神的な状況又は限界, 製品の安全(3.14)
情報にアクセスできないなどの理由によって, 製品又はシステムから
の危害(3.1)のより大きな リスク(3.9)にさらされている 消費者。

JIS Z 8051:2015
安全側面―規格への導入指針
https://kikakurui.com/z8/Z8051-2015-01.html

※  赤字は引用者


JIS・ISOの工業規格やIT ( 情報技術 ) の分野では当たり前
でも、 世間一般では今ひとつ馴染みのない日本語であろう。

次いで、 『 広辞苑 』 のお出まし。

  ぜいじゃく脆弱

身体・器物・組織などが、 もろよわい   こと。


  ぜいじゃくせい脆弱性

もろくてよわい性質。コンピューターやネットワーク
などの情報システムでは、障害・事故・災害・不正使用・
攻撃・ 情報漏洩 などに対する  もろさ
ヴァルネラビリティー


『 広辞苑 第七版 』
新村 出(編) 岩波書店、  2018年刊
( ロゴヴィスタ  アプリ版 )


※  ヴァルネラビリティー  =  vulnerability ( 後述 )


いずれも全文なのだが、 やや物足りない。

日本最大の国語辞典  と名高い 『 日国 』 を援用してみる。

全14巻( 全13巻+別巻 )。


日本国語大辞典 第二版 』 第7巻
小学館( 2001年刊 )


ともに全文である。

詳細な 「 用例 」 「 語源 」 「 発音 」 は、

さすがに立派なものの、

もろくて弱い


こちらの 「 語釈 」 自体は簡素すぎ。

先の 『 広辞苑  第七版 』( 2018年刊 ) に軍配が上がる。


◆  とにかく、

たやすく壊れがちで、
ダメージを受けやすい


こんな 「 状態 」 が、 形容詞  ” vulnerable “。

形容詞ゆえ、「 be動詞 」(※)に続くのが基本パターンになる。

(※)  be、am、was、been、will be、is、were、are

なぜ「 be動詞 」に続くのかは、 ” aware ”  と  ” vocal about
で詳述した。

英文法の基本であるので、ぴんとくる ことがなければ、
この機会におさらいしていただくとよいかもしれない。


◆  英語の  ” vulnerable ” は、 実は難しくない。

多義でなく、 意味合いは一貫しているからである。

  vulnerable

1. someone who is vulnerable
can be easily harmed or hurt.

2. a place, thing, or idea that is vulnerable 
is easy to attack or criticize.
( LDOCE6、ロングマン )

  vulnerable (to somebody / something) 

weak and easily hurt physically or emotionally.
( OALD9、オックスフォード )

  vulnerable

able to be easily physically, emotionally, or mentally 
hurt, influenced, or attacked.
( CALD4、ケンブリッジ )

※  下線は引用者

【発音】  vʌ́lnərəbl
【音節】  vul-ner-a-ble  (4音節)


このように、 3大学習英英辞典 ( EFL辞典 ) の語釈は比較的シンプル。

にもかかわらず、

日本語の語彙にないタイプなので、
すんなり 理解しにくく、難しいと感じてしまう


形容詞  ” unsolicited “、 名詞  ” threshold ”  に共通する思い違い。

もったいない。

  ” vulnerable ” は、多岐に渡る分野に出てくる。

日本語に馴染みのない言葉のため、


和訳がまちまち
で、 混乱を引き起こす。

※  例文参照


単語そのものの難しさではない

 


「 脆弱 」 なデバイスをチェック



◆  語源は、 ラテン語 「 傷つける 」 ( vulnerabilis )。

この意味は一貫している。

先述の通り、 和訳は一筋縄にはいかない。

押さえるべきは、  次の 弱点

  精神・肉体不問 で、

 

傷つきやすい

やられやすい


→  vulnerable

 

※  状態だから、 形容詞 adjective


  反意語は、 否定の接頭辞  ” in “( 無、不、非 ) を加えた、

invulnerable “( 傷つくことのない )。

【発音】  invʌ́lnərəbl
【音節】  in-vul-ner-a-ble  (5音節)


  名詞は、不可算名詞の ” vulnerability “( 脆弱性 )( 脆弱さ )。

  • financial vulnerability  ( 金銭的脆弱性 )
  • cybersecurity vulnerability  ( サイバーセキュリティの脆弱性 )

【発音】  vʌ̀lnərəbíliti
【音節】  vul-ner-a-bil-i-ty  (6音節)

可算名詞扱いされる場合もあり、 複数形は、” vulnerabilities “。

  •  “Apple has released iOS XX to address vulnerabilities with
    older iOS versions. ”
    (アップル社は、iOS の旧バージョンの脆弱性に対処するため、
    iOS XX をリリースした。)

 

Wi-Fi の 「 脆弱性 」 をチェック

 

  • “Your privacy is vulnerable to dangerous Wi-Fi hotspots.”
    (あなたのプライバシーは危険なWi-Fiホットスポットにさらされている。)

    【発音】  déindʒərəs
    【音節】  dan-ger-ous  (3音節)

 

更新 しないと

  • “The most dangerous vulnerabilities are hidden in outdated drivers.”
    (最も危険な脆弱性は、 更新 していないドライバーに隠れている。)

    【発音】  àutdéitəd
    【音節】  out-dat-ed  (3音節)

◆  再び、 日本工業規格( JIS ) から引用。


3.77  ぜい弱性( vulnerability )
一つ以上の脅威(3.74)によって
付け込まれる
可能性のある,資産又は管理策(3.14)の 弱点

JIS Q 27000:2019
情報技術−セキュリティ技術−情報セキュリティ マネジメントシステム−用語
https://www.kikakurui.com/q/Q27000-2019-01.html

※  赤字は引用者

【発音】  vʌ̀lnərəbíliti
【音節】  vul-ner-a-bil-i-ty  (6音節)

◆  一般向けの「 カタカナ語辞典 」では、



『 コンサイス  カタカナ語辞典  第5版 』
三省堂編修所(編集)三省堂、  2020年刊
<三省堂HP>


語釈全文である。

この「 第5版 」は、 2020年9月10日に発行された。

それから、 ちょうど26年前の1994年9月10日に発行
された「 初版 」の全文はこちら。



『 コンサイス  カタカナ語辞典  初版 』
三省堂編修所(編集)三省堂、  1994年刊


「 ヴァ 」でなく、 「 バ 」を引き継いできたのは、 割かし新鮮。

前出『 広辞苑  第七版 』( 2018年刊 )では、 「 ヴァ 」。

「 急務 」( ★ )は、 1994年当時から現在に至るまで、
世界各国の課題であり続けている。


  主な同義語は、 ” fragile ” ( 壊れやすい )。

【発音】  frǽdʒəl
【音節】  frag-ile  (2音節)

  主な反義語は、 ” resilient “( 立ち直りが早い )。

【発音】  rizíliənt
【音節】  re-sil-ient  (3音節).

これまた和訳しにくいためか、 両方ともカタカナで
日本のメディアに登場する機会が増えている。

すなわち、 「 フラジャイル 」 と 「 ジリエント 」。

  さらに、その名詞形の  ” resilience ” 「 レジリエンス 」。

立ち直る力 」 または 「 回復力 」と訳されることが多い。

不可算名詞である。

【発音】  rizíliəns
【音節】  re-sil-ience  (3音節)

 

◆  字面を見ても、 まったく手掛かりがなく、 困ったカタカナ語。

” vulnerable ” と同様の理由で、 どうにも和訳しがたいのである。

翻訳者として、 もう情けなく、 心苦しい。

けれども、

「  言語が違うから、やむを得ないケース  

と考えるより致し方ない。

integrity ” に等しく、 翻訳者泣かせの厄介な英単語たち。

【参照】  日本語と英語の違い  ( 図入り )


繰り返すと、

ぴたりと 該当する 日本語は 見当たらない


実に和訳しにくいわ。

 

◆  とりわけ日本語と英語ほど大差のある言語間であれば、
最高級に熟達した通訳者・翻訳者が担当したとしても、
常に一定のリスクが伴う ことは念頭に置いておきたい。

翻訳版を作成する際は、 考慮しなければならない要素である。

文書の改訂管理 ( revision control ) の煩雑さを加味すると、
翻訳しない方がよい資料も少なくないのが実務の現場である。

言語・文化的な共通点を、 母国・母語から豊富に得られる、
英独仏を含む大規模な印欧語族 ( インド・ヨーロッパ語族 )
に属する言語間の通訳・翻訳とは明らかに違う点と考える。

版がずれないように、 翻訳版を作るコストも毎回ついて回る。

【参考】  インドヨーロッパ語族系統    ※  外部サイト

印欧語族同士は 「 りんご – みかん 」 、

日英間は 「 りんご – くるま 」 みたいな差。

この雲壌の相違が、 英語習得の難易度の隔たり。


おおよそ同じ言語から派生した同源の 「 インド・ヨーロッパ語族 」 同士は、

文法・構文・語彙に共通点が多く、 機械的に置き換えしやすい  のに対し、

日英は言語・文化の基盤が異次元であるから、 「 精度9割 」  は無謀に近い。


vocal about –  より


人間同士のコミュニケーションは、 あいまいさ・仕草・連想の連続。

意向を汲み取り、 文脈  の  ギャップ  を埋めないと時に誤解を招く。

Translation and interpretation skills have deceptive simplicity.

翻訳・通訳の技能は、 上辺はシンプルだが、 内実はそうでもない。


Perceive  より


異文化理解 ・ 人間理解 ・ 人心掌握 のスキルが物を言う職である。

そのためか、 語彙力のピーク  と共同歩調を取るかのように、

通訳者・翻訳者は晩成型で、 長持ちする職業と目されている。



通訳翻訳ジャーナル 2024冬 』  p.23.

イカロス出版 (編)
イカロス出版、 2023年刊
AB判、 120頁

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天ブックス>

 

【参照】

  •  誤訳の恐ろしさと語彙運用の機微を知らぬ 「 第一人者 」
    →  ” vocal about – ” ( 和書 『 AI翻訳革命 』 の評論 )
  •  2022年11月公開のAIチャットボット  ” ChatGPT “  の
    潜在的かつ深刻な危険性も、 ” vocal about – ”  に記した。


英語に近い言語とは、 立ち位置が違う。

例えば、 「 オランダ人は英語がペラペラ 」。

語順も文法も、 英語に類似する印欧語の代表格が、 オランダ語。

出自が同じだから、 学習上の手掛かり・足掛かりはかなり多い。

初歩から洗いざらい手ほどきを受けなくても、 普段使っている母語との
共通点を見出し、 規則性を汲み取ることで、 ある程度は独力で体得可能。

Both languages share the same root.

 「 オランダ人から学ぶ英語学習法 」

これに類した情報商材が堂々と売られている。

日本語母語話者の悩みを解決するには的外れ。

言語・文化が完全異質ゆえ、 逐一ねじり鉢巻きで勉強して学ぶ日本人。


日本語と英語の違い 」  より

◆  的確な和訳が困難すぎて、 「 誤解を招くより、まだまし

という流れから、 カタカナで取り入れられる語も数多いのが現実。

日本語にはない表現なので、 どうやって訳しても、 無理が生じる。

強引に和訳しても、 英語本来の一部しか表せないため、 高リスク

せっかくの和訳が、 様々な勘違いと不幸の火種を落としてしまう

語彙運用の間違いは  危険 で、 そんな語は普及しない方がよい

決して、 この世に出してはいけない。

だから、 表音文字の 「 カタカナ 」 で日本語の仲間入りする。

この理屈を知らずに、 カタカナ語の氾濫を一方的に批判するのは、
筋違いに感じる。

外語に親しみ、 中級 以上の実力者になれば、 自然に納得できる
論理に違いない。

専門家でなくても、 なぜカタカナなのか、 背景が推察可能になる。

全体像をつかめば、 「 これの1語和訳は無理だろう … 」 と感づく。

真剣に学び続ければ、 たいていの英語学習者はこの域まで到達可能


上述の形容詞  ” unsolicited ”  が好例で、 ぴったりの日本語はない。

動詞  ” delineate ”  や  ” condescend “、 名詞  ” empowerment “、
well-being “、 形容詞   ” challenging ”  も、和訳は容易ではない。

「 エンパワーメント 」 「 ウェルビーイング 」 「 チャレンジング 」。

これらは、 日本のメディアでめっきり見かけるカタカナ語になった。

一見して分かりにくく好ましくないが、 もとより外来の概念である。

どう訳せば満足するのか、 逆に教えてもらいたいわ、 と頻繁に思う。

概念を整理し規定するシステムは言語・文化で異なり、 定義された
概念の中身と範囲も相違する。

見えている世界とその解釈は依拠する言語・文化で食い違うのだが、
各自が血肉化した世界認識は、 概ね無意識・無自覚に作用する。

外語習得と 異文化理解 が生易しくないのは、 必然の成り行きである。

 

◆  語感に敏感になればなるほど、 慎重に語彙運用する傾向が見られる。

言葉遣いによって、 周囲の反応がだいぶ違うことを体感するからだ。

言葉遣いが、 人間関係  の親疎を決定づけることを、 自ずと学べる。

私自身、 50年以上怒られまくって、 どうにか日英を学んでこられた。

【参照】  語彙採集、  ” Puke / Barf “、  ” hopefully

外国語学習のおかげで、 これまで意識したことなかった母語の
持ち味と偉大さに気づき、 母語を見直し、 母語の知識が深まる。

英語を学ばなければ、 類いまれな日本語の美点は感じ取れなかった。


日々使う言い回しに、 英語由来の多い事実に気づけば、 母語を意識する。

    •  異常に多い擬音語 ( オノマトペ、 onomatopoeia
    •  極端に少ない音が生む、 数多の 「 同音異義語 」
      一説によると( 諸説ある )、
      –  日本語の母音は 5 個、 英語の母音は 26
      –  日本語の子音は 13 個、英語の子音は 24 
      –  濁音半濁音・短音など込みで、
      –  日本語音 114 個、英語音 2,100
    •  多彩多様な助詞により、 自由自在に近い語順
    •  3割超は外来語
    •  複雑な敬語
    •  表音文字・表意文字の併用 ( 英語は表音文字のみ )
    •  世界に誇れる3重表記 ( ひらがな、かたかな、漢字 )
    •  芸術的に繊細を極める我が言語

これほどユニークで、 高難度の言葉を操れるのは、 なかなかすごくない

どこか邪険に取り扱っていた母語の偉大さに感づき、 見直す瞬間が訪れる。

見えていなかった日本語の裏面の姿が、 急に浮かび上がってくる不思議。


英文法の参考書  より


本能で学んだ母語こそ、  思考の根幹の「 土台 」  に他ならない。

conclusive ”  では、 伝統を保持しつつ近代化を達成した日本が、
なんとも奇跡的な国家であるとの歴史話を詳しく取り上げた。
( 地図入り )

【参照】

 

◆  ” vulnerable ” と同じく、 ” fragile ”  も  ” resilient ” も、
ラテン語由来。

  •  「 壊れやすい 」 ( frangilis )
  •  「 跳ね返る 」 ( resiliēns )

語源に忠実であり、 この点も  ” vulnerable ” と一緒。

イメージは分かりやすい
イメージから会得するとよい


” vulnerable ”  に重なるイメージ

  • “Protect the  vulnerable parts  of your body.”
    ( 自分の身体の急所を守りなさい。)

vulnerable ( 傷つきやすい ) +  parts ( 部位 )

急所

private parts ” ( 陰部 ) に限らず、 頭部や顔も含む。

 

◆  表題の  ” vulnerable to ” は、 対象の前置詞 ” to “( ~ に )を伴い、

  • ~ に 傷つきやすい
  • ~ に やられやすい
  • ~ に 弱い


◆  繰り返すと、” vulnerable ” は、

日本語にずばり該当する言葉がないゆえに、
混乱を招く単語の典型。

このような場合、

和訳をざっと学び、

その後は多くの英文に触れて、
イメージを強化する方が早かったりする。

なにせ日本語に存在しないのだから、 その方が現実的

【参照】

 

◆  日常的によく使われる印象があるが、
こちらが形容詞  ” vulnerable ”  の立ち位置。

  •  重要度 : <3001~6000語以内>
  •  書き言葉の頻出度 : <2001~3000語以内>
  •  話し言葉の頻出度 : 3000語圏外
    ( LDOCE6 の指標より )

英単語全体における位置づけなので、
そこそこ重要であると言える。

現に、 ウェブサイトを 英文検索 すれば、
多彩な用法に出会える。

対となる日本語がないなら、まずは
イメージで把握してしまおう。

受験勉強や通訳翻訳者でないならば、
必ずしも和訳する必要はない。

これが 「 英語のまま理解する 」 ということかもしれない。

 

【参照】

  • perceive
    ( 知覚する、 気づく、 感じる )
  • once and for all
    ( これを最後に、 今度限り、 きっぱりと )

◆  ” vulnerable ” は、 文脈次第で和訳がかなり違ってくる。

以下の例文が理解できれば、 基本はOK


どれも頻出かつ代表的な使われ方。

和訳は一例。

 

  • “Erika was vulnerable to drug addiction.”
    (エリカは薬物依存症に弱かった。)
    (エリカは薬物依存症に負けやすかった。)
    (エリカは薬物依存症に屈しやすかった。)
    (エリカは薬物依存症に陥りやすかった。)
    (エリカは薬物依存症になりやすかった。)
    (エリカは薬物依存症にかかりやすかった。)
    (エリカは薬物依存症に冒されやすかった。)
    (エリカは薬物依存症にやられやすかった。)
    (エリカは薬物依存症にむしばまれやすかった。)
    (エリカは薬物依存症にとりつかれやすかった。)
  • “vulnerable people”
    (弱い立場の人々)
    (傷つきやすい人々)
  • “a vulnerable city”
    (攻撃を受けやすい都市)
  • “a vulnerable position”
    (弱い立場)
  • “Protecting the vulnerable”
    (弱い立場の人々を守る)    ※  ニュース見出し

       形容詞を集団の複数扱いする 「 ~ な人たち 」。
    ——” the old “、 ” the poor “、 ” the weak “、 ” the sick
    ——と同じ用法の  ” the vulnerable “。

    ~ な人たち 」 の  ” the ” の基本は、 次の通り。



    『 ジーニアス英和大辞典 』
    大修館書店、 2001年刊 ( ロゴヴィスタ アプリ版 )
    …  “ the ”  の語法より
    <大修館書店HP>


    『 研究社 新英和大辞典 第6版 』
    研究社、 2002年刊 ( ロゴヴィスタ  アプリ版 )
    …  ” the ”  の語釈より

  • Unattended children are vulnerable.”
    (付き添われていない子たちは狙われやすい。)
  • “Every organization is vulnerable to hacking.”
    (どんな組織もハッキングに狙われやすい。)
  • “They are vulnerable to Alzheimer’s disease.”
    (彼らはアルツハイマー病にかかりやすい。)
  • “Her difficult childhood left her vulnerable to sexual harassment.”
    (困難な幼少期を過ごしたため、セクハラに遭いやすかった。)
  • “The human brain is vulnerable to physical injury.”
    (人間の脳は肉体的損傷を受けやすい。)
  • “Sleeping outside puts us in a vulnerable position.”
    (外で寝ると、無防備な状態に置かれる。)
  • “Mary’s age made her vulnerable to COVID.”
    (年齢ゆえに、メアリーはコロナウイルス感染症
    にやられやすくなっていた。)
  • “Smokers are vulnerable to lung cancer.”
    (喫煙者は肺がんになりやすい。)
  • “She is vulnerable to criticism.”
    (彼女は批判に弱い。)


  • “Your device may be vulnerable.”   
    (あなたのデバイスは脆弱である可能性があります。)
  • “His story was crappy and vulnerable to ridicule.”
    (彼の話はくだらなくて、馬鹿にされやすかった。)
    (彼の話はくそすぎて、笑われてもしかたなかった。)
  • We are vulnerable to a takeover.”
    (我が社は買収されやすい状態にある。)
    (我が社は乗っ取りされやすい状態にある。)

  • “Your PC webcam is vulnerable to spying.”   
    (あなたのPCウェブカメラはスパイの被害を受けやすい。)
    (あなたのPCウェブカメラはスパイに狙われやすい。)


  • “You’re vulnerable to fake websites.”   
    (あなたは偽ウェブサイトの被害を受けやすい。)
    (あなたは偽ウェブサイトに狙われやすい。)
  • “A person’s blood type could affect how vulnerable
    they are to developing the disease.”
    (この病気にどれくらいかかりやすいかは、血液型が影響を与えうる。)
  • I was vulnerable to racial slurs.”
    (私は人種的中傷に弱かった。)
    (私は人種的中傷を受けやすかった。)
  • “I felt vulnerable.”
    (自分が無防備に感じた。)
  • “She is vulnerable to stress.”
    (彼女はストレスに弱い。)
    (ストレスにやられやすい。)

やられやすい

 

◆  最もしっくり合うのは 「 やられやすい 」 だと私は考えている。

本稿のすべての例文で 「 やられやすい 」 と訳しても、 ほぼほぼ通じる。

言い回しとして、 時に微妙だとしても、 理解には十分役立つ。

とりあえず、「 やられやすい状態 」 とだけ覚えておけば、 気が楽。

” vulnerable ”  は、「 やられやすい 」 状態だから、形容詞adjective )。

【発音】  vʌ́lnərəbl
【音節】  vul-ner-a-ble  (4音節)

 


 

◆  以下、 ” vocal about – ”  より再掲。


回りくどいと、 単文 ( simple sentence )ですら訳し損ねる。


Translators have to take a lot of liberties

with a language as different as Japanese.

( 日本語くらい異なる言語の場合、 翻訳者は多分に改める必要がある。)

※  極端に違う言語ゆえ、 大胆な意訳が欠かせないとの旨

2024年2月5日実施。

   1つ   「 Google

△  1つ  DeepL Pro 」   ※  助詞が不適切

×   3つ  「 Mirai 」 「 Bing 」「 Weblio

〇  【 和訳OK 】 Google

  〇  「 Google 」  ↑  画像の拡大


====================================

△  【 和訳微妙 】 DeepL 」 


「 翻訳者 」 ではなく、 「 翻訳者には 」 が的確な助詞。
→  係助詞 「 に 」 +  係助詞 「 は 」 = 「 には 」 

厳密には × だが、 かすかに解釈の余地を認めて

   DeepL 」  ↑  画像の拡大


====================================

×  【 誤訳 】 Mirai 」 「 Bing 」 「 Weblio 」


×
 
Mirai
 」  ↑  画像の拡大

 


×
 
Bing 」  ↑  画像の拡大

 


×
 
Weblio 」  ↑  画像の拡大


「 Mirai 」 「 Bing 」 「 Weblio 」 は、

押し並べて有用な翻訳サイトとみなされているのに、

2024年2月時点でも、 一目瞭然の誤訳を犯している。

総崩れと評してよさげな上記3つの訳文をご覧ください。

 

▲▲  再掲終わり  ▲▲

 

 

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