自明の
日英ともに、読んで字のごとく、
「自ず(=self)と明らか(≒explanatory)」。
それ自体で明白なので、説明不要の意。
日常口語では “obviously” や “apparently”
の方が使われる。
しかし、論理的な説明場面では、口頭・文面問わず、
“self-explanatory” もよく出てくる。
◆ “self-” は「自分で」「自己」を意味する
「連結形」(combining form)。
独立した単語 “self” から生じた点で、
単独使用できない「接頭辞」(prefix)と異なる。
この2つを混合して説明する日本の参考書は少なくない。
だが英文法上、「連結形」と「接頭辞」は区別すべき。
※ 区別については、”well-established” を参照
◆ “explanatory” は「説明的な」を意味する形容詞。
よって、”self-explanatory” の直訳は「自分で説明的な」。
自ら説明しているので、別途証明・説明がなくても、
「自ずと明らか」で「自明」。
“self-explanatory” =
Clear and easy to understand
without needing any more explanation.
(ロングマン、LDOCE6)
“self-explanatory” は、ハイフンでつないだ
「複合形容詞」(compound adverb)。
2語以上の語が他の語を修飾する場合、
その2語以上の語を合わせて「複合修飾語」
(compound modifier)と呼ぶ。
特に、修飾される語が名詞の場合が、
「複合形容詞」(
【例】 “laid-back“、”so-called“、
”unheard-of“、“fill-in”、”wake-up“、
“worst-case“、“long-overdue”
“self-conscious”(自意識過剰)
“self-reliant”(自立している)
◆ “self-explanatory” は堅めの言葉だが、
「自明」そのままの形容詞なので、
単純で使い勝手がよい。
LとRを含み、発音練習にも便利。
- “It was a self-explanatory error.”
(それは自明の誤りであった。) - “His unhealthy lifestyle was self-explanatory.”
(彼の不健康な生活は自明であった。) - “The warning is quite self-explanatory.”
(その警告は実に自明であった。) - “I know it looks self-explanatory in hindsight.”
(後知恵なら、自明に見えるけどね。) - “It was not self-explanatory to an untrained eye.”
(素人目にはそれは自明でなかった。)
【類似表現】
“self-evident”
(自明の)