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Crackdown

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取り締まり、弾圧、検挙 

ニュースで年中見聞きする “crackdown”。

【発音】   krǽkdàun
【音節】   crack-down  (2音節)


だが、一般個人が日常的に使う言葉でないため、
中級学習者でも知らなかったりする。

もったいない。

「取り締まり」なので、基本的には警察や役所など、
不正や違反に対処する捜査・行政機関などの公的組織
が主体となる。

しかし、民間企業が内部規則に基づき、自社の社員を
取り締まる時にも用いることができる(例文参照)。

官民問わず、取り締まるには<正当な権限>が必須。

“crackdown”

strong official action that is taken to punish
people who break laws.
(ロングマン、LDOCE6)

【発音】   krǽkdàun
【音節】   crack-down  (2音節)

※ 下線は引用者

字面・発音ともに、インパクトのある単語なので、
この場で覚えてしまおう。

◆ “crackdown” を<話し言葉>と記す辞書もある。
(『ランダムハウス英和大辞典 第2版』など)

しかし、冒頭の通り、ニュースでも、
「取り締まり=crackdown」として定着済みである。

堅めの文章でも、当たり前のように使われている。

よって、<話し言葉>とは言えないだろう。

LDOCE6やOALD9(オックスフォード)には、
そのような表記はない。

◆ “crackdown” の初出は、1930年代

“crack down”(厳しく取り締まる)を
名詞にしたもの。

“crack down on“(後述)の前置詞 “on” を
省略したものの名詞化との説もある。

◆ “crack down” は句動詞。

“crack” には、名詞・自動詞・他動詞・形容詞・副詞
があり、いずれも非常に多義である。

“crack” の語源は、古英語「鳴り響く」(cracian)。
多義といえども、語源からイメージできるものも多い。

クラッカー(cracker)もここから派生。


名詞 “crack” は、鞭や銃などが鳴る「鋭い音」を示す。

パーン、ピシャッ、ガツン、パチン

実際の音を真似た擬音語onomatopoeia擬声語)である。

→ 詳細は、“ring a bell”、”Tingling sensation (ASMR)

そこから「ひび」「割れ目」も意味する。

いずれも可算名詞。

– 自動詞「鋭い音を立てる」「炸裂する」「砕ける」
– 他動詞「鋭く鳴らす」「ぴしゃりと叩く」「押し入る」
– 形容詞「一流の」※ まれ
– 副詞「バチンと」

句動詞 “crack down” は、自動詞の句動詞なので、
句自動詞(intransitive phrasal verb)。

鋭く穏やかでない様子が、”crack” の共通イメージ。

副詞 “down”(倒れて、伏して)を伴い、句動詞「取り締まる」に。

2語が合体し、初めて「取り締まる」を意味するので、
典型的な句動詞と言える。

“crack down” には、2つのパターンがある。

crack down on
crack down against

副詞や形容詞が挟まれることもあるが、前置詞は
この2つでほぼカバーされる。

両方とも、取り締まりの対象を示す前置詞。

◆ 先述の通り、”crack down” または “crack down
on” が名詞化されたものが、可算名詞 “crackdown”。

「~の取り締まり」は、前置詞を引き継ぎ、

a crackdown on
a crackdown against

句動詞と同様、”on” の方が頻出。

「取り締まり」「取り締まる」にとどまらず、
検挙」まで “crackdown” で表す場合もある。

※ 「検挙」とは、警察や検察などの捜査機関が、
犯罪の被疑者(起訴前)や違反行為を特定すること。

任意取り調べ、逮捕、書類送検などを含む。
正式な法律用語ではない。

◆ 可算名詞 “crackdown” の使い方は難しくない。

以下、句動詞と一緒に実例を挙げる。
(上:名詞「取り締まり」、下:動詞「取り締まる」)

◆ 名詞などを加えて完全文にするには、
基本的な英文法に従う。

 


【類似表現】

 

【関連表現】

 

 

 

 

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