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Scam

      2019/07/15

詐欺

「詐欺」と言えば、”fraud” が基本。

早くも14世紀から英語として使われ、
法律英語として確立している。

「詐欺」の意味では、不可算名詞である。
名詞のみで、動詞はない。

“fraud” 及びその派生語の形容詞 “fraudulent
は、関係法令や手順にも正式採用されると同時に、
「詐欺」の総称である。

Inline image 1ーーーーーーー ーオレオレ詐欺



◆ 一方の “scam”。

  • 【発音】 skǽm キャ

これも「詐欺」全般を意味する。

可算名詞で、自他動詞もある。
– 他動詞「だまし取る」
– 自動詞「詐欺を働く」

  • “scam” を働く者は “scammer“。

本稿では、名詞としての “scam” を取り上げる。

◆ “fraud” も “scam” も、日常英語
everyday English words)である。

中学生以上の平均的な英語ネイティブであれば、
難なく認識できるレベル。

最大の違いは、法律用語としての信用度



< ”scam” 初出と語源 >

1963。もとはカーニバル隠語。
一説には “scheme” の転化。

ランダムハウス英和大辞典 第2版

※ “scheme” = 策謀(可算名詞)


◆ アメリカには、有力な法律辞典が存在する。

“Black’s Law Dictionary”
=
ブラックス法律辞典

image.png
Amazon Japan / Amazon US


1891年に発刊され、100年以上の歴史を誇る。
判例などに最も引用される辞典である。

英米法を学ぶ学生で知らない者は皆無レベルの存在感。

現時点(2017年8月 初稿時点)における最新版
第10版、2014年刊)では、”fraud” の解説に
2ページ以上(775~777頁)を割いている。

こんな具合。

image.png

Black’s Law Dictionary, 10th Edition”  p. 775 – 777  (West Group 2014)

自炊本

ところが、この第10版(2014年刊)には、 

  “scam” の項目はない。

正式扱いされていないと考えられる。

◆ どちらも「詐欺」を表す日常語

fraud正式な法律用語
scam正式な法律用語に満たない

にもかかわらず、名詞 “scam” の方を表題に掲げた
理由は、日本で学ぶ機会が少ないと考えるからである。


◆ “scam” は、インターネットでも日々飛び交う言葉。

日常使用では、fraud” 同然 に使われている。

事件の規模は関係なく、被害が金銭中心の詐欺事件では、
“scam” が好まれる傾向も若干見られる。

経済誌 “Forbes” や “The Economist“、そして高級紙
とされる “The New York Time” や “The Times” などの
錚々たるメディアでも、以下の表現は年中見かける。

  • Internet scam
    インターネット詐欺
  • insurance scam
    (保険金詐欺)

  • imposer scam
    (なりすまし詐欺)
  • tax scam
    (税金詐欺)

  • romance scam
    (恋愛詐欺)

  • job offer scam
    (就職あっせん詐欺)


  • social media scam
    (ソーシャルメディア詐欺)


  • credit card scam
    (クレジットカード詐欺)

  • charity scam
    (義援金詐欺)

  • ticket scam
    (チケット詐欺)
  • housing scam
    (不動産詐欺)
  • offshore scam
    (オフショア詐欺)

  • phishing scam
    フィッシング詐欺)
  • student loan scam
    (学生ローン詐欺)

  • Nigerian Scam
    ナイジェリア詐欺
  • scam site
    (詐欺サイト)
  • college admissions scam
  • college admissions cheating scam
    (大学入試詐欺)※ 裏口入学の一種
    <例> 2019 college admissions scam

【参照】

  • Common Scams and Frauds
    (「よくある詐欺」 米国政府の公式サイト)
  • Business Email Compromise(BEC)
    (ビジネスメール詐欺)

image.png
        詐欺注意!

一般人にとっては、堅苦しい専門用語よりも、
発音しやすい同義語の方が親しみやすかったりする。

  専門家でないため、正確性は二の次 

こうして、語感や字面重視で普及することは珍しくない。

世間一般においては、こんな流れの方が、むしろ
自然に定着したりする。

結果的に、非公式の言葉が目立つことになる。

“scam” はその好例。

◆ 片や “fraud” は、れっきとした法律用語。

歴史もはるかに長く、使用頻度は上回る。
正式には、やはり “fraud” なのである。

<使用頻度>   出典:コウビルド(COBUILD)/ Collins

fraud トップ 10,000語以内   /  scam 30,000語以内

Inline image 1
https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/fraud
https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/scam

LDOCE6(ロングマン)の指標比較

名詞 “fraud

  • 重要:<6001~9000語以内>
  • 書き言葉頻出:3000語圏外
  • 話し言葉頻出:3000語圏外

【発音】frɔ́ːd

 

名詞 “scam

  • 重要:9000語圏外
  • 書き言葉頻出:3000語圏外
  • 話し言葉頻出:3000語圏外

【発音】skǽm

2語とも、「詐欺」関連では欠かせないものの、
英単語全体から見れば、重要でも頻出でもない。

◆ なお、“scum”(浮きかす) と混同しないことが大切。

俗語としては「精液」「人間のくず・かす」を意味し、
ネガティブイメージが “scam” と共通。

スペルも酷似し、カタカナ発音(スカム)では、
一緒に聞こえてしまいがち。

“scum” も日常的によく聞く。
しかし、品格がぐっと下がる。

卑語でも禁忌語でもないが、”scam” と異なり、
上記メディアには、めったに出てこない。

推して知るべし。

 

【関連表現】

“deceptive”
https://mickeyweb.info/archives/8375
(1)人をだまそうとする (2)誤解を招く

confidence man
→ 略して “con man” ※ 口語的

con artist” ※ 口語的

scammer” ※ 口語的
(詐欺師)

 

 

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