頑張れ! やってみろ!
挑戦する人にかける励ましの言葉。
味方への声援や応援幕でよく見聞きする。
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逆に、対戦相手の<挑発>に使う場合もある。
◆ 米映画『ロッキー3』(1982)の名シーン
Clubber Lang :
“I’m going to bust you up ! “
(お前をとっちめるぞ!)
Rocky Balboa :
“Go for it ! “
(やってみろ!)
https://www.youtube.com/watch?v=lLW3CFZBdXI
【参照】”square off” の図
]◆ “Go ! ” が「行け!」を意味することは、
多くの日本人が理解できるだろう。
1音節で発音しやすく、世界中で通じるらしい。
動的で活発なのが “go” の基本イメージ。
- “go-go dance”(ゴーゴーダンス)
- “the go-go 80s”(めくるめく1980年代)
- “the go-go generation”(イケイケ世代)
◆ ポジティブで語調の強い自動詞 “go” に、
前置詞 “for”(~のために)と人称代名詞 “it”(それ)
を加えて、「それのために行け!」が表題の直訳。
この代名詞 “it” は総称的で、訳出しないのが一般的。
何を指すか具体的には問わない。
だが、当事者であれば漠然と把握しているだろう。
試合なら「勝利」や「克己」など。
【総称的な “it” 例】 ※ 普通は訳出しない
“Have it your way.”
(どうぞご勝手に。)
“Let’s face it.”
(直視しよう。素直に認めよう。)
“I got it.”
(了解です。分かりました。)
“Just do it.”
(とにかくやりなさい。)
“We can work it out.”
(なんとかなるさ。)
“Get it over with.”
(けりをつける。)
“I’ve had it.”
(もうたくさんだ。)
◆ 「頑張れ!」「ガッツ!」「ファイト!」
などの激励文句の英訳は容易でない。
これらの日本語は、状況不問で適用できる感がある。
当事者か口頭か、などと考える必要はなく、用途も広範。
これほど万能な励まし英語は、なかなか見つからない。
“Go for it ! ” は「頑張れ!」の対訳の筆頭に挙げてよい。
嫌みがなく、応援の心意気にあふれている。
ともに “G” から始まり、語勢が強く、言いやすく聞き取りやすい。
また、ある種のあいまいさを含み、無難である点も共通する。
◆ なお、”Go for it.” のマイナー用法に「承諾」がある。
“Can I have this ?”
(これ頂いてよいでしょうか?)
“Go for it.”
(どうぞ。)
この場合、”!”(exclamation point)は用いないのが一般的。
無邪気な励ましは、時として相手の重荷となり、
逆効果にもなりうることを心得ておきたい。
【類似表現】
“Hang in there.”
https://mickeyweb.info/archives/597
(頑張れ!)
【関連表現】
“Just do it.”
https://mickeyweb.info/archives/1722
(とにかくやりなさい。)
“Take a chance.”
https://mickeyweb.info/archives/3329
(一か八かやってみなさい。)
“I know you can do better than that.”
https://mickeyweb.info/archives/5664
(あなたなら、もっとよくできると分かっています。)
“Give it a shot.”
https://mickeyweb.info/archives/10716
(試してみたら。やってみれば。)
“You can do it ! ”
(あなたならできる!)