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Let's face it.

      2018/12/11

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直視しよう。素直に認めよう。

ぴしっとした緊張感をもたらす一文である。

<不都合な事実>を突き付け、
—-相手を目覚めさせる趣旨     

新聞・雑誌などの評論文はもちろんのこと、
スピーチなど口頭でも使う。

提起する内容の冒頭に置くのが一般的。

直訳は私たちはそれに向き合おう
転じて直視しよう」「認めよう

発言者を主体とすれば、
はっきり言おうと意訳できる。

LDOCEとCALD(EFL辞典)も、
<不都合な事実>を語釈に明記する(下線部)。

“let’s face it / let’s be honest”
used to say that someone must accept
an unpleasant fact or situation.
(LDOCE6、ロングマン)

“let’s face it”​
something that you say before you say
something that is unpleasant but true.
(CALD4、ケンブリッジ)

※ 下線は引用者

◆ “let’s” は “let us” の縮約形で、
「私たちは~しよう」または「さあ皆さん、ご一緒に」。

“let” は、他動詞「~しよう」。
“us” は、”we” の目的格「私たち」。

※「レッツゴー」は “let’s go.”

“face” には、名詞・他動詞・自動詞がある。

語源は、ラテン語「顔」(faciēs)。
かなり多義だが、基本的意味は以下の通り。

– 名詞「顔」「図々しさ」 ※ 可算・不可算兼用
– 他動詞「向き合う」「立ち向かう」
– 自動詞「面している」「向いている」

ここでは、他動詞「向き合う」。

◆ 代名詞 “it” は、文脈から明らかなケースもあるが、
決まり文句として、総称的になることが多い。

表題では、提示した「現実」を示唆する。
この場合、訳出しないのが一般的。

【総称的な “it” 例】 ※ 普通は訳出しない

要するに、言いたいことは、

この厳しい現実をよく見よ。
さらに、自分の頭で考えよ。

他人事と考える当事者を打破し、
気付きのきっかけを与える。

直視したくない側面を指摘し、
思考を揺さぶる結果、緊張感をもたらす。

“Let’s face it, this is not going well.”
(これがうまくいってないことを認めよう。)

“Let’s face it, this is so challenging.”
(よく見てください。これは簡単ではないよ。)

“Let’s face it. We are just wasting our time.”
(はっきり言います。時間を浪費しているだけです。)

“Let’s face it. Our workload is too high.”
(仕事量が多すぎることを直視しましょう。)

“Let’s face it. We’re no longer young.”
(よく考えろ。我々はもう若くない。)

 

 

 

 

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