Give it a shot.
2020/01/24
試してみたら。やってみれば。
親しい知人に対し、挑戦するよう励ます掛け声。
シンプルで、心から勇気づけようとするしている。
激励に含まれがちな嫌味や挑発はない。
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◆ ポイントは “shot”。
“shot” の語源は、古英語「射撃」(scot)。
名詞・形容詞・動詞がある。
このうち名詞(可算と不可算を兼ねる)
は非常に多義である。
基本的意味は、
– 名詞「発射」「ひと突き」「憶測」「試み」
– 形容詞「玉虫色の」「擦り切れた」
– 動詞「弾丸を込める」「試みる」(他動詞)
※ “shoot“(撃つ)の過去・過去分詞形 “shot”
とは同根であるが、厳密には区別される
ここでは、名詞「試み」で、可算名詞。
したがって、”Give it a try.” と同義となる。
※ 可算名詞 “try” =「試み」
–
◆ カタカナ語「ショット」は、数多くの球技
(テニス・ゴルフ・サッカー・ビリヤードなど)
で使われており、英語 “shot” と意味合いは重なる。
さらに、写真・動画の撮影や飲酒にも根付いて
いることからも、”shot” の多義が示されている。
◆「試み」の「ショット」は、カタカナ語にほぼ
含まれないだろうが、英語では日常的に出てくる。
もともとは球技で得点を目指す「ショット」から、
名詞「試み」に派生したとされる。
4. Attempt to score: an attempt in sport to
throw, kick, or hit the ball towards the place
where you can get a point.
6. Attempt: (informal) an attempt to do
something or achieve something,
especially something difficult.
(ロングマン、LDOCE6)
この用法の “shot” は可算名詞であり、
冠詞 “a” がつくのは、上記 “try” と同じ。
【参照】 “long shot“(期待薄)
–
◆ ここでの “give” は、他動詞「(努力を)注ぐ」。
代名詞 “it” は、目標とする「それ」。
よって、他者への掛け声としての直訳は、
「それに試みを注げ」。
平たく言えば、「やってみなよ」。
–
◆ 冒頭の通り、嫌味や挑発のニュアンスがないため、
数ある激励文句(【関連表現】参照)の中でも、
温かみが感じられる。
迷っている様子の親しい友人に、
「やってみれば」と勧める際に使ってみよう。
ただ、相手には相手の事情もあるはず。
下手な励ましは、時として相手の重荷となり、
逆効果になりうることも心得ておきたい。
【関連表現】
“Just do it.”
https://mickeyweb.info/archives/1722
(とにかくやりなさい。)
“Take a chance.”
https://mickeyweb.info/archives/3329
(一か八かやってみなさい。)
“Hang in there ! ”
https://mickeyweb.info/archives/597
(頑張れ!)
“I know you can do better than that.”
https://mickeyweb.info/archives/5664
(あなたなら、もっとよくできると分かっています。)
“Go for it ! ”
https://mickeyweb.info/archives/7377
(頑張れ! やってみろ!)
“You can do it ! ”
(あなたならできる!)