病気で休むと電話する
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■ ” call in sick ”
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To call one’s place of work and say you will not
come work because of an illness.
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(Manhattan Review Smart Business Talk, 2nd Ed.)
■ ” to call in sick ”
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If you call in sick, you telephone the place where
you work to tell them you will not be coming to work
because you are ill.
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( “ COBUILD9 ” コウビルド英英辞典 第9版 )
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職場などに病気休暇を申し入れる場合の決まり文句。
” phone in sick “ とも言う。
【発音】 fóun (1音節)
この2つ以外の表現を、私は聞いたことがない。
定番中の定番。
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◇ ” sick ” には、形容詞・名詞・他動詞・自動詞がある。
語源は、古英語「 病気の 」( sēoc )で、形容詞。
<基本的意味>
– 形容詞 「 病気の 」「 病気になった 」「 気分が悪い 」
– 名詞 「 病人 」「 吐くこと 」 ※ まれ
– 他動詞 「 吐く 」 ※ まれ
– 自動詞 「 吐く 」 ※ まれ
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このうち、圧倒的に使われる のは、形容詞。
形容詞以外は、マイナー用法。
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◆ 初めて ” call in sick ” や ” phone in sick ” を学ぶと、
日本人学習者の多くは不自然さを覚える。
文法的に、なんだか妙な気がするのだ。
主な原因は、” sick ” を名詞「 病気 」と誤解している から。
” sick ” の名詞用法はまれ。
しかも、「 病気 」そのものを意味しない。
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◇ 名詞 「 病気 」
- ailment
( 慢性的で重度ではないもの )
可算名詞
– - disease
( ~ 病、 伝染病などの重度なもの )
可算・不可算
– - disorder
( 疾患、 不調 )
可算・不可算
– - illness
( 特定の病気、 軽い風邪は含まない )
可算・不可算
– - sickness
( 病名のはっきりしないもの )
可算・不可算
– - syndrome
( 一連の徴候のある「 症候群 」 )
可算
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LDOCE6の表記によれば、最頻出は ” disease “。
日常的には、” disease ” と ” illness ” で間に合う。
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◆ ” sick ” と ” ill ” の原則は 形容詞 で、 病気である 状態。
状態 だから 形容詞。
形容詞なので、「 be動詞 」 に続くのが基本パターンになる。
※ 「 be動詞 」 = be、am、was、been、will be、is、were、are
なぜ、形容詞が「 be動詞 」に続くのかは、
” aware ” と ” vocal about ” で事細かに検証した。
英文法の基本であるため、ぴんとくる ことがなければ、
この機会におさらいしていただくとよいかもしれない。
【参照】
・ “ aware ” は動詞でなく、 形容詞
・ “ vocal ” は動詞でなく、 形容詞
・ ” dead ” は動詞でなく、 形容詞
・ ” limbo ” は形容詞でなく、 名詞
・ ” necessary ” は動詞でなく、 形容詞
” sickness ” と ” illness ” が、それぞれの 名詞形 に該当する。
もっとも、” ill ” は可算名詞「 病気 」も指すが、
” illness ” の方が多用される。
この点は、” terminally ill ” でご説明した。
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ill のほうが sick より形式張った語である。
《米》では両語は事実上区別なく使われているが、
《英》ではsick の代わりに ill を使うことはできず、
sick は常に「 吐き気 」の意を含んでいる。
–He is ill.
《英》《米》彼は病気だHe is sick.
《英》彼は吐き気をもよおしている
《米》彼は吐き気をもよおしている [彼は病気だ]ただし限定用法・集合名詞的用法に用いる場合には
《英》《米》共に常に「病気の」の意で sick を用いる。a sick person
病人a home for the sick
病人の療養所
( ◆ ill も副詞を伴えば限定的に用いられる:
a seriously ill man 重病人 )以上、『 ランダムハウス英和大辞典 第2版 』より
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◇ 吐き気 ( nausea )
【発音】 nɔ́ːziə
【音節】 nau-se-a (3音節)
→ ” Puke / Barf ” に詳述
◆ ” call in sick ” は、 句自動詞 + 形容詞。
- 句動詞 ” call in ” ( 電話を入れる )
- 形容詞 ” sick ” ( 病気になった )
→ 「 病気になったと 電話を入れる 」 が直訳
◼︎ 自動詞 ” call in ”
自動詞 ” call “( 電話をかける )+ 副詞 ” in “( 中に )
“ phone in sick ” も同様。
- 自動詞 ” phone” ( 電話をかける )
- 副詞 ” in ” ( 中に )
- 形容詞 ” sick ” ( 病気になった )
次の < 動詞 + 形容詞 > と文法的に大差ないのである。
- ” feel sick ” ( 気分が悪い ) ※ 自動詞 ” feel “
- ” get sick ” (病気になる) ※ 自動詞 ” get ”
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■ ” sick ” は < 形容詞 > が基本
病気である「 状態 」を表す
< 名詞 >と勘違いすると、 違和感が生じやすい
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◇ とりわけ、 中級学習者 を惑わせ、混迷脱落を招くため、
” aware ” と ” vocal about ” で深掘りした ( 図入り )
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◆ そもそも < 常套句 >なので、文法云々より、
この形で使われるものだと考える方がよい。
皆が使っているので、慣れるとなんとも思わなくなる。
- “I called in sick this morning.”
(今朝、電話で病欠を伝えた。)
– - “I have to call in sick.”
(病欠の電話をかけないと。)
– - “She intimidated him into calling in sick.”
(彼女は彼を脅して、病欠の電話を入れさせた。)
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病気の「 状態 」
だから「 形容詞 」
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【関連表現】
- ” sick leave ”
( 病欠 ) = 病気による欠席・欠勤
– ” She is taking a sick leave. “
( 彼女は病気で休んでいます。)
- ” on sick leave “
- ” be out sick ” ※ “out” は副詞(形容詞説もある)
( 病欠中 )
– ” He is on sick leave for five days. ”
– ” He is out sick for five days. ”
( 彼は病気で5日間休んでいます。)
- ” terminally ill ”
https://mickeyweb.info/archives/29801
(末期症状の )