信用が失墜した
この形容詞ひとつで、信用失墜した人物の苦境を示す。
報道価値を要するニュースでは、社会的地位の高い
組織人または有名人に多用される。
◆ 形容詞 “disgraced” は、他動詞 “disgrace” が
形容詞となったもの。
“disgrace” の語源は、古イタリア語 “disgrazia”。
“dis”(奪う)+ “grazia”(面目)で、「面目を奪う」。
“disgrace” の名詞も他動詞も、ネガティブな語源
のイメージをそのまま継承している。
– 名詞「不名誉」「不面目」「恥辱」
– 他動詞「恥となる」「面目を失わせる」「名を汚す」
“disgraced” は、この他動詞 “disgrace” の過去分詞
が形容詞化したもの。
【例】
”scared”、”undisclosed“、”organi
“devastated“、”estranged“、”disgr
各種英和辞典によると、形容詞 “disgraced” の基本的意味は、
「信用を失った」「面子をつぶされた」「不祥事を起こした」。
- 「面目」「面目玉」
人に合わせる顔。世間に対する名誉。
(広辞苑 第六版)
– - “disgrace”
人の不興を買う程度の軽い意味もあるが、
面目失墜の不明を意味することもある。
– - “dishonor”
特に自らの不都合による名誉・名声の汚れ
– - “infamy”
恥ずかしい評判または行動や性格の卑しさが
知れ渡っていること
–
(ランダムハウス英和大辞典 第2版)
◆ ニュースでの使用例を確認すると、理不尽に巻き込まれた
ケースより、多分に自業自得な要素を含むものが大半。
不正行為の中でも、セクハラ、詐欺、権利濫用が目立つ。
■ 不名誉な行為を自ら行った者が、
形容詞 “disgraced” の主な対象
■ 組織の不祥事などで、
筋違いな罪をかぶったような人物に、
“disgraced” を冠することは少なめな印象
多数の記事を読み込むと、<不祥事>とはいえ、
書き手はその本質を嗅ぎ分けて言葉を選択し、
描写しているのがよく分かる。
この点、上掲の英和辞書よりも、ずっと厳格に適用されて
いる感がある。
栄華を極めた人物が、自ら顔をつぶす “disgraced”。
先述の通り、一般市民ですら眉をひそめる内容に用いられる
場合が多い。
マスメディアに報道されると、社会的制裁は拡大する。
地位が高ければ高いほど、有名であればあるほど、
堕ちるインパクトも強烈。
もろに矢面に立たされ、悲惨である。
地位・名誉を奪われ、再起不能のまま、そのまま引退に
追い込まれる事件は珍しくない。
◆ 今年2017年のニュース見出しから、形容詞 “disgraced”
を見ていこう。
- “The Disgraced Producer’s Crash and Burn”
(地に堕ちたプロデューサーの破滅)
– - “X Slams Disgraced Brother Y”
(Xが恥さらしの兄Yを非難)
– - “Disgraced Former Lawyer Who Swindled Investors Out of Millions”
(投資家から大金を騙し取った不名誉な元弁護士)
– - “Where do all the disgraced CEOs go?”
(信用失墜した全CEOたちの行き場は?)
– - “Disgraced Doctor Q Has Medical License Suspended”
(医師免許を停止された堕ちた医師Q)
– - “Disgraced Scientist P Bankrupt”
(恥辱の科学者Pが自己破産)
それぞれの分野の有力者ばかりである。
高転びに転ぶ大企業や大物の転落と格落ち。
–
いずれも同情しがたい中身の不祥事なのだが、
支払う代償が巨大で、実にもったいない。
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