Raise eyebrows
2020/06/24
眉をひそめる、 眉をひそめさせる、 驚かす
“eyebrows” とは、「眉毛(まゆげ)」。
眉毛は左右一対あるから、複数形 “eyebrows” が通例。
1本につながった眉毛は、”unibrow”。
接頭辞 “uni” は「単一の」の意。
英語発音は「アイブラウ」(áibràu)
眉墨は「アイブロー」または「アイブロウ」と表現するが、
もし英語発音に忠実であれば「アイブラウ」が適切。
【発音】 áibràu
【音節】 eye-brow (2音節)
日本では、「まゆ」”brow”(bráu、ブラウ) の間違った
読みである「ブロー」「ブロウ」で定着してしまった。
片や、”blow”(殴打) は、英語発音も「ブロー」(blóu)。
ややこしい。
◆ “brows” だけでも「眉毛」を意味する。
よって、”raise brows“(複数形) とも言うが、
表題通り “eyebrows” の方が普通。
いずれも可算名詞である。
単数形 “brow” として使われる場合は、通常
「額(ひたい)」(同義語:”forehead”)を意味する。
単語としての使用頻度は、”brow” の方が高いのは、
「眉毛」と「額」を兼ねるからと推測できる。
<使用頻度>
■ “brow” 10,000語以内
■ “eyebrow” 30,000語以内
【出典】コウビルド(COBUILD)/ Collins
https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/brow
https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/eyebrow
–
◆ “raise” には、他動詞・自動詞・名詞がある。
どれも多義だが、語源は古ノルド語「起こす」
(reisa)に沿った意味が多い。
【発音】 reɪz
【音節】 raise (1音節)
基本的意味は、
– 他動詞「上げる」「高める」「立てる」
– 自動詞「上がる」
– 名詞「値上げ」「上げること」
日常使用では、他動詞用法が中心。
ここでも、他動詞の基本的意味「上げる」。
よって、”raise eyebrows” の直訳は、
「眉毛を上げる」。
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◆ 眉毛の最大の機能は、汗、雨やゴミが目に入らない
ようにすること。
そのため、目の真上にある。
人間の眉毛には、生理的役割はないので、
好きなだけ剃ったり抜いたりできる。
※ 猫などの「眉毛」は感覚器で、ひげの一種
同時に、人の表情を作る重要なパーツでもある。
顔全体の印象を決定づけ、性格や感情まで表す。
普段は意識しないものの、私たちは幼少時から、
相手の眉毛周辺(目から額まで)で人を判断している。
眉毛がないと、人付き合いに支障をきたすほど。
以上の眉毛の役目は、文字表現でも確立している。
–
◆ 英語表現として最頻出なのが、表題の
“raise eyebrows”。
「眉毛を上げる」で、
-「驚かせる」
-「不快にさせる」(非難)
-「ひんしゅくを買う」(軽蔑)
次の2つの日本語表現を兼ねる。
「眉を上げる」= 怒り
「眉をひそめる」= 不快・疑い
“raise eyebrows”
to move your eyebrows upwards in order
to show surprise or disapproval.
(ロングマン、LDOCE6)
※ 下線・太字は引用者
結果を示す内容なので、現在形よりは過去形 “raised”
を用いる場面が目立つ。
また、上記の反応を示した主体が明記されないこと
が多い点も特徴である。
この場合、和訳時は「人々」が一般的。
–
◆ なお、単数形の “raise an eyebrow” は、
「片方の眉を上げる」で「驚かす」。
表題の複数形に比べると、出番は少ないため、
ここでは取り上げない。
こちらも、さほどポジティブとは言えない感情。
–
◆ 弊サイトで繰り返し述べているように、
ネガティブ感情は文字に表すのが簡単ではない。
【参照】
“offensive“、”act out“、”disgusting“、”gross“、
“crap / crappy“、”annoy / annoying”
“raise eyebrows” にせよ、「眉を上げる」にせよ、
それぞれの意味には複数の解釈の余地がある。
文脈からそれを読み取る必要がある。
はっきり区別できないことも少なくない。
- “His behavior raised eyebrows.”
(彼の態度はひんしゅくを買った。)
(彼の態度に人々は驚いた。)
– - “Her resignation raised eyebrows.”
(彼女の辞任は人々を驚かせた。)
– - “I raised my eyebrows when they started flirting.”
(彼らがいちゃつき始めたので、私は眉をひそめた。)
– - “His racial slurs raised eyebrows.”
(彼の人種差別的な中傷は人々を驚かせた。)
(彼の人種差別的な中傷は人々のひんしゅくを買った。)
– - “The event caused a few raised eyebrows.”
(そのイベントは少数の人を驚かせた。)
(そのイベントは少数の人を怒らせた。)
※ “a few” = 少数の
–
◆ その場で瞬時に判断し、無意識に対応できている
日常茶飯も、いざ書き出そうとすると容易でなかったりする。
口頭説明と、書き表す行為の違いに似ている。
実際に文字に起こすとなると、難しく感じる。
英語ならなおさらだが、それだけにやりがいも伴う。
英語学習はぜひ続けたい。