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Slam

      2021/09/06

激しく非難する

<ニュース見出し>でよく目にする動詞のひとつ。

エンタメ系など、さほど堅くない記事中心に起用される。

【発音】  slǽm  1音節)

◆ 「 非難する 」を意味する動詞は少なくない。

私見を述べると、

◇  動詞 「 非難する 」 実用トップ 7  ( 私見 )

  1.  criticize  (自動詞・他動詞)
  2.  blame  (他動詞・名詞)  ※  弱い非難
  3.  attack  (自動詞・他動詞)   ←  「非難」は他動詞のみ
  4.  accuse  (自動詞・他動詞)
  5.  condemn  (他動詞のみ)
  6.  denounce  (他動詞のみ)
  7.  chastise  (他動詞のみ)


◆  上記7つに比べると、”slam” の重要度は低め。

その割には、よく見かける。

「 非難 」の意味としては、次のすべての英和辞典で、
【 話し言葉 】 または「 口語 」と明示されている。

自ら使えなくても、一目で意味が分かれば
間に合うレベルの単語である。

その程度にもかかわらず、本稿でご案内する理由は、
< 見出し > にやたらと多用される からである。

 

◆  見出しは記事内容の要約であり、中身を読むべきか
どうかの 判断基準 を示す。

したがって、見出しのキーワードを読み取れない
ことの
潜在的な機会損失は少なくない と考える。

そのため、見出しに出がちの表現を優先させる方針を、
弊サイトでは採用している。

メディア側も、販促などマーケティングのため、
一目瞭然の平明な表現に努める。

見出し作りに叡智を集めているのだから、
英語学習には非常に役立つ。

 

◆  ” slam ” の語源は、擬声語( ぎせいご )。

【発音】  slǽm  1音節)

擬声語 」とは、実際の音を真似た言葉。

擬音語 ( オノマトペ、 onomatopoeia ) とも言う。

【参照】   “tingling sensation (ASMR)”、  “ring a bell


日本語の擬声語で似通うのは、

  •  バタン

  •  ドカン

  •  ドシン


◆  イメージは、バスケの 「  ダンク  」 ( slam dunk )。

または 「 ドアを  バタン  と閉める 」 ( slam the door )。


ドカン 」 とリングに 叩きつけ ( slam )、
沈める( dunk )のが、ダンク ショット



「 ドアを バタン と閉めないでください 」

 

◆  “slam” には、他動詞・自動詞・名詞がある。

基本的意味は、

–  他動詞  「 バタンと閉める 」 「 ドシンと置く 」 「 強打する 」
–  自動詞  「 バタンと閉まる 」 「 ドシンとぶつかる 」
–  名詞  「 バタン( との音)」 「 強打 」

【活用形】    slams  –  slammed  –  slammed  –  slamming

  • “I slammed down the books on the desk.”
    ( 机に本をドシンと置いた。)
  • “He slammed the brake.”
    “He slammed on the brake.”
    ( 彼はブレーキを思いきり踏んだ。)
  • “The door slammed shut.”
    ( ドアがバタンと閉まった。)
  • “Naomi slammed her racket to the court twice in the second set.”
    ( なおみは、第2セットでラケットをコートに2度叩きつけた。)
  •  “Hurricane X slams Louisiana, kills six”
    ( ハリケーンX、ルイジアナを襲撃、死者6名 )
    ※  見出し
  • “Coronavirus Slams Houston Hospitals”
    ( コロナウイルス、ヒューストンの病院を襲う )
    ※  見出し

 

◆  「 グランドスラム( Grand Slam )」とは、
スポーツなどにおける主要大会の優勝を独占すること。

野球なら「 満塁ホームラン 」の俗称。

「 総なめ 」することだが、トランプのブリッジでは、早くも
1892年の初出 が確認されている。

「 大勝 」を意味する名詞  ” slam ” の語源には、諸説ある。

バタン 」「 ドカン 」「 ドシン 」といった、
猛烈な語感の流れを引く点については、異論はない模様。

 

◆  地味な落ち着きと静けさに欠けるものの、”slam”
の基本的な意味合いは、あくまでも中立的である。

なお、「 スラム街 」は、” slum “で別単語。

スペルも発音も異なる。

【発音】  slʌ́m   (1音節)

いずれも「1音節(one syllable)」なのが共通点。

ゲロする勢いで、「ス」と一気に吐き出す。

  •   

「音節」(syllable、シラブル)とは、発音の最小単位。
日本語の場合、原則として「仮名一字が1音節」。

そのため、音節を意識する機会は乏しい。

→  音節の差異が顕著な日英比較は、”integrity” 参照

 

◆  こちらの基本から派生したのが、「 激しく非難する
さらには 「 酷評する 」の意。

  •  バタン

  •  ドカン

  •  ドシン

こうして乱暴に叩きつける様子から、
他者を責めとがめる「非難」の意味が生じた。

  •  ピシャリ

  •  ピシャ

中立的な基本的用法から、一線を画した使い方で、
用法としては【 話し言葉 】または【 俗語 】
とされている。

■  インパクトがあるため、集客が見込める表現
■  その反面、堅めのメディアからは
敬遠の印象

以下にも、同じ傾向が見られる。

 

◆  今年2017年のニュース見出しを見ていこう。

  • “X Slams Y for Comments About Late Father”
    (亡父へのYのコメントをXが非難)
    -|
  • “P Slams Q’s Racial Slurs
    (Qの人種差別的中傷をPが非難)
  • “M Slams N for Cheating”
    (MはNの浮気を非難)
  • “X Slammed for Defending Y”
    (YをかばったXに非難)
  • “Y Slams Media Speculation about Plastic Surgery”
    (整形疑惑のYがマスコミの憶測を非難)
  • “President Slams Congress”
    (大統領が議会を非難)
  • “K Slammed for Offensive Comments”
    (侮辱的発言でKに非難)
  • “X Slams Women Who Voted for Y”
    (Yに投票した女性たちをXが非難)
  • “School Slammed Over Anthem Walkout
    (国歌ボイコットで学校に非難)

出るわ、出るわ。

3分間の「タイトル検索」で、これだけ採集できた。

有名人の発言や言い合いには、話題性があり、
なにかと注目されやすい。

既に触れた通り、見栄えがするので、重宝される。

 

◆  2018年以降のニュース報道からも、追加でご紹介。

  • “President Slams Reporter as Fake News
    (大統領が記者をフェイクニュースで非難)
  • “Scientist slams ‘chaotic’ conditions on quarantined cruise ship”
    (科学者が検疫クルーズ船の「無秩序」状態を非難)
  • “Scientist slams X on TV”
    (科学者、テレビでXを非難)
  • “X and Y Slam Grammys for Being ‘Corrupt’”
    (グラミー賞は「腐っている」と非難するXとY)
  • “President slams whistleblower, suggests treason”
    (大統領、内部告発者を非難し、反逆を示唆)
  • “The victim’s family slammed the police for
    describing it as an accident.”
    (事故と表現した警察を遺族は非難した。)

 

< タイトル検索 >

  • 単一キーワード  intitle:
  • 複数キーワード  allintitle:

現在形 “slams” で「タイトル検索」した理由

「見出し」の場合、

1) 現在形は、過去の出来事にも用いられる
2) 現在形は、現在・過去の両方を表す

とはいえ、「 あいまい検索 」風に出てくることも
多いので、そう神経質にならなくてもよい感触。


◇  「見出し」英語の解説は、ここが秀逸  ↓
英語ニュースの読み方(見出し編)RNN時事英語

 

【類似表現】

“lambaste”
https://mickeyweb.info/archives/14647
(酷評する、非難する)

“point the finger”
https://mickeyweb.info/archives/22974
(公然と非難する、責める、名指しする)

“lash out”
https://mickeyweb.info/archives/25403
(食ってかかる、激しく非難する)

 

◆  なお、自動運転の要となる「 SLAM 技術 」は、

  •  Simultaneous  Localization  and  Mapping

頭字語( acronym )。

「 自己位置推定 と 環境地図作製 」くらいの意。

デバイス自身の居場所(現在地)を推定するSLAM技術は、
自律飛行する「 ドローン 」にも搭載されている。

読み方は一緒だが、本稿の ” slam ” とは、もとより無関係。

 

 

 

 

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