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Slam

      2019/01/27

激しく非難する

<ニュース見出し>でよく目にする動詞のひとつ。
エンタメ系など、堅くない記事中心に起用される。

 

◆「非難する」を意味する動詞は少なくない。

動詞「非難」実用トップ6
 ※ 私見

  1. criticize(自動詞・他動詞)
  2. blame(他動詞・名詞)※ 弱い非難
  3. attack(自動詞・他動詞)←「非難」は他動詞のみ
  4. accuse(自動詞・他動詞)
  5. condemn(他動詞のみ)
  6. denounce(他動詞のみ)

上記6つに比べると、”slam” の重要度は低い。

「非難」の意味としては、次のすべての英和辞典で、
【話し言葉】または「口語」と明示されている。

自ら使えなくても、一目で意味が分かれば
間に合うレベルの単語である。

その程度にもかかわらず、本稿でご紹介する理由は、
<見出し>にやたら多用されるからである。

 

◆ 見出しは記事内容の要約であり、中身を読む
べきかどうかの判断基準を示す。

したがって、見出しのキーワードを読み取れない
ことの
潜在的な機会損失は少なくないと考える。
そのため、見出しによく出る表現を優先させる
方針を弊サイトでは採用している。

 

◆ “slam” の語源は、擬声語

日本語なら「バタン」「ドカン」「ドシン」くらい。

「スム」(slǽm)と聞こえても、不思議でないだろう。

イメージは、バスケの「スラムダンク」(slam dunk)。
または「ドアをバタンと閉める」(slam the door)。

Inline image 1
↑「ドカン」とリングに叩きつけ(slam)、
沈める(dunk)ショット

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↑「ドアをバタンと閉めないでください」

他動詞・自動詞・名詞がある。

※「スラム街」は、”slum”(slʌ́mで別物

基本的意味は、
– 他動詞「バタンと閉める」「ドシンと置く」「強打する」
– 自動詞「バタンと閉まる」「ドシンとぶつかる」
– 名詞「バタン(との音)」「強打」

語形変化は、slams – slammed – slammed – slamming。

  • “I slammed down the books on the desk.”
    (机に本をドシンと置いた。)
  • “He slammed the brake.”
    “He slammed on the brake.”
    (彼はブレーキを思いきり踏んだ。)
  • “The door slammed shut.”
    (ドアがバタンと閉まった。)

静けさに欠けるものの、”slam” の基本的な
意味合いは、あくまでも中立的である。

 

◆ この基本から派生したのが、「激しく非難する
さらに「酷評する」の意。

「バタン」「ドカン」「ドシン」と
乱暴に叩きつける様子から、他者を責めとがめる
「非難」の意味が生じた。

中立的な基本的用法から一線を画しており、
用法としては【話し言葉】または【俗語】
とされている。

インパクトがあるため、集客が見込める表現。
その反面、堅めのメディアからは
敬遠されがち。

以下にも、同じ傾向が見られる。

 

◆ 2017年のニュース見出しを見ていこう。

“X Slams Y for Comments About Late Father”
(亡父へのYのコメントをXが非難)

“P Slams Q’s Racial Slurs
(Qの人種差別的中傷をPが非難)

“M Slams N for Cheating”
(MはNの浮気を非難)

“X Slammed for Defending Y”
(YをかばったXに非難)

“Y Slams Media Speculation about Plastic Surgery”
(整形疑惑のYがマスコミの憶測を非難)

“President Slams Congress”
(大統領が議会を非難)

“K Slammed for Offensive Comments”
(侮辱的発言でKに非難)

“X Slams Women Who Voted for Y”
(Yに投票した女性たちをXが非難)

“School Slammed Over Anthem Walkout
(国歌ボイコットで学校に非難)

出るわ、出るわ。
3分間の「タイトル検索」で、これだけ採集できた。

<タイトル検索>

単一キーワード「intitle:」
複数キーワード「allintitle:」

Inline image 2
現在形 “slams” で「タイトル検索」した理由
「見出し」の場合、
1)現在形は、過去の出来事にも用いられる
2)現在形は、現在・過去の両方を表す

◆「見出し」英語の解説は、ここが秀逸 ↓
英語ニュースの読み方(見出し編)RNN時事英語

 

◆ 2018年以降のニュース見出しも以下追加

“President Slams Reporter as Fake News
(大統領が記者をフェイクニュースで非難)

【類似表現】
“lambaste”
https://mickeyweb.info/archives/14647
(酷評する、非難する)

“point the finger”
https://mickeyweb.info/archives/22974
(公然と非難する、責める、名指しする)

“lash out”
https://mickeyweb.info/archives/25403
(食ってかかる、激しく非難する)

 

 

 

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