苦境にある
日常的に見聞きするが、なぜか日本人学習者には
親しまれない “distress”。
私たちには発音しにくいのが、その一因かもしれない。
【発音】 distrés
【音節】 dis-tress (2音節)
後半の第2音節に強勢(アクセント)
類義の “suffer” や “pain” に比べ、確かに
重要度も頻出度も落ちる。
–
◆ 重要度と頻出度によるランキング:
–
suffer > worry > pain > distress
- “suffer” ( 自動詞・他動詞 )
最頻出 かつ 最重要 の英単語
–
■ 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
■ 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
■ 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
–
– 自動詞 「苦しむ」「悩む」
– 他動詞 「被る」「経験する」
– - “worry” ( 名詞・他動詞・自動詞 )
最重要 だが、文面の 頻出度がやや劣る
–
■ 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
■ 書き言葉の頻出度:<2001~3000語以内>
■ 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
–
– 名詞 「心配(不可算)」「心配の種(可算)」
– 自動詞 「心配する」「悩む」
– 他動詞 「心配させる」「悩ませる」
– - “pain“(名詞・他動詞・自動詞)
–
■ 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
■ 書き言葉の頻出度:<2001~3000語以内>
■ 話し言葉の頻出度:<2001~3000語以内>
–
– 名詞 「苦痛(不可算)」「局部的な痛み(可算)」
– 他動詞 「苦しめる」「悩ます」
– 自動詞 「悼む」 ※ まれ–
–
■ 重要度: <3001~6000語以内> ※ 名詞用法
■ 書き言葉の頻出度:ランク外
■ 話し言葉の頻出度:ランク外 –
–
– 名詞 「苦しみ(不可算)」「災難(不可算)」
「苦しみの種(可算)」
– 他動詞 「悩ませる」「苦しめる」
– 形容詞 「救済の」「投売りの」
以上、 ロングマン “LDOCE6” の表記より
最高レベルの “suffer” と比肩できないものの、
“distress” もそれなりに重要であることが分かる。
普段使いの “distress” は、ネガティブを貫く。
そして、”distress” の日常用法は、不可算名詞中心。
可算名詞・他動詞・形容詞は、めったに出てこない。
出てきたとしても、後述の基本さえを理解しておけば、
容易に推察できる。
つまり、ポイントが明確で、把握しやすいのが特色。
–
これからご紹介する内容だけで、日常的には十分。
さっと覚えてしまうとよい。
–
◆ 英文解説(ケンブリッジ、CALD4)とイメージでまとめてみた。
” distress “
1.
a feeling of extreme worry, sadness, or pain.
きつすぎる
2.
a situation in which you are suffering or are in
great danger and therefore in urgent need of help.
Help is on the way
【発音】 distrés
【音節】 dis-tress (2音節)
※ 下線は引用者
–
日常的に出てくるのはこの2つで、両方とも不可算名詞。
–
◇ ポイントは下線部
–
1 「極めて」 → 些細でなく、非常な苦しみ
2 「大きな危険」と「緊急の支援を必要」
→ 「遭難」 などの危険な状態
船舶や航空機などの「遭難信号」の英訳は、
“distress signal“ または “distress call“。
※ 後者は、信号の<呼び出し>も含む
これは救助を求めるための国際的な手段であり、
モールス符合の「SOS」が最も有名である。
米海軍の遭難信号例は、次の通り。
【出典】 NAVEDTRA 12968-D Lookout Training Handbook
※ 漢字は追加
–
◆ “distress” の頻出用法をまとめると、
” distress ”
–
1. 非常な苦しみ
2. 緊急で危険な状態
この2つの意味と ” in distress ” 及び be動詞
に続く用法を押さえれば、通常は間に合う。
“in” は、状況の前置詞 「 ~の状態で 」。
ここでは不可算名詞なので、無冠詞。
◆ 具体的にみていこう。
まずは、上掲枠内の2人の台詞から。
下線が 「be動詞」 = be、am、was、been、will be、is、were、are。
- “I‘m in distress because I lost my job.”
(失職したので、とてもつらいです。)
– - “I received a distress call. Help is on the way ! ”
(遭難信号を受信した。今すぐ助けに行くよ!)
次に、よく使われる文言(太字)を8つ挙げる。
- “He was in emotional distress after getting fired.”
(解雇されてから、彼は精神的に苦しんだ。)
– - “We are in financial distress.”
(我々は財政難にある。)
– - “Expressing distress at work can have negative
impacts for employees.”
(仕事上の悩みをもらすことは、従業員に
悪影響を与えかねない。)
–
- “The airplane is in distress.”
(その飛行機は遭難した。)
– - “We need to help families in distress.”
(追い詰められた世帯を助ける必要がある。)
–
- “Her passing has caused great distress.”
(彼女の死は、かなりの苦しみをもたらした。)
–
- “To my distress, my son is acting out again.”
(大変悩ましいことに、息子がまた反抗しているわ。)
_
- “They are in deep distress after the earthquake.”
(その地震の後、彼らは非常に苦しんでいる。)
以上の10文が理解できれば、基本は大丈夫であろう。
Whoever is in distress can call on me.
I will come running wherever they are.( 苦しんでおられる人は、誰でも私を頼りにしてね。
その人がどこにいても、駆け付けるから。)Princess Diana ( 1961-1997 )
< 注意喚起の事前通知 >
“Plan accordingly”
https://mickeyweb.info/archives/2372
(それを考慮して、行動してください。)
“reminder”
https://mickeyweb.info/archives/3312
(思い出させるための表現)
“Action required”
https://mickeyweb.info/archives/3719
(要行動、対応必須)
“raise awareness”
https://mickeyweb.info/archives/8831
(意識を高める)
“heads-up”
https://mickeyweb.info/archives/9871
(注意喚起の通知)
“wake-up call”
https://mickeyweb.info/archives/6572
(警鐘)
“send a clear signal”
https://mickeyweb.info/archives/12260
(明確なメッセージを送る、警告を送る)
“false alarm”
https://mickeyweb.info/archives/21482
(誤報、いたずら、誤作動)