仲違いした、 別居中の、 疎遠になった
かつて良好だった人間関係が悪化し、
仲が悪くなった状態を表す形容詞。
【発音】 istréindʒd
【音節】 es-tranged (2音節)
–
■ 形容詞 ” estranged “ 1語 で、
ドロドロ した 痛烈な愛憎の葛藤を示唆
有名人のトラブル報道によく出てくる。
苦境に見舞われている状況では、
たいてい不和な人間が周囲に存在する。
” estranged ” は、その描写に使われる。
実際の報道では、夫婦間・親子間・恋人間
の仲違いを表すケースが目立つ。
つまり、おおよそ次のいずれか。
–
- estranged wife
- estranged husband
- estranged daughter
- estranged son
- estranged sister
- estranged brother
- estranged family member
- estranged couple
- estranged loved one
- estranged boyfriend
- estranged girlfriend
- estranged lover
※ 単数の場合
–
◆ ” estranged ” は、他動詞 ” estrange ” が、形容詞になったもの。
【発音】 istréindʒd
【音節】 es-tranged (2音節)
” estrange ” は、他動詞のみで、
「 仲違いさせる 」「 疎遠にする 」「 遠ざける 」の意。
- “His racial slur estranged them.” ※ 他動詞
(彼の人種差別的な中傷が、彼らの仲を引き裂いた。)
形容詞 ” estranged ” は、 他動詞 ” estrange ” の
過去分詞 ” estranged ” が、 形容詞化したもの。
疎遠な 「 状態 」 を表すから、 形容詞 ( adjective )。
- ” He was estranged from his mother.”
( 彼は母親と疎遠になっていた。)
– - “Tom is said to be estranged from his daughter. ”
( トムは娘と疎遠になっていると言われています。)
– - “I was told my estranged father was dying.”
( 疎遠の父が死にかけていると聞かされた。)
–
–
◆ 他動詞 ” estrange ” の語源は、
ラテン語 「 見慣れない 」 ( extraneus )。
- 接頭辞 ” e ” ( 外へ )
- 形容詞 ” strange ” ( 見慣れない )
で、「 見慣れないものを、 外へ 出す 」。
–
–
◆ 基本使用パターンは、be動詞と過去分詞と前置詞。
-
be estranged from –
( ~ と疎遠になっている ) -
be estranged by –
( ~ に遠ざけられた )
形容詞なので、「 be動詞 」 に続くのが基本パターンになる。
※ 「 be動詞 」 = be、am、was、been、will be、is、were、are
なぜ 「 be動詞 」 に続くのかは、 ” aware ” で事細かに記した。
英文法の基本であるので、ぴんとくる ことがなければ、
この機会におさらいしていただくとよいかもしれない。
◇ 形容詞 ” estranged ” の意味は、
「 仲違いした 」 「 疎遠になった 」。
– no longer seeing or talking to a relative
or good friend, because of an argument.
– no longer feeling any connection with
something that used to be important in your life.
◇ 特に、” estranged husband ” ” estranged wife ”
であれば、「 別居中 」を指す傾向が強い。
しかし、単に「 仲違いした 」意味合いもある( 例文参照 )。
婚姻関係は継続中なのが、一般的な模様。
– someone’s husband or wife whom
they are no longer living with.
( 英文はすべてLDOCE6、 ロングマン )
※ 下線は引用者
—
–
◆ 名詞は、” estrangement” ( 仲違い、 疎遠 )。
結果・状態を表す接尾辞 ( suffix ) の ” ment ” を添加。
【発音】 istréindʒmənt
【音節】 es-trange-ment (3音節)
可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
- ” Lisa had mended her relationship with her mother
despite years of prior estrangement.”
( リサは、何年も疎遠だった母親と関係を修復していた。)
◆ 特定の人物を話題としている場合、通常、
” estranged ” の直前に人称代名詞の 所有格 を置く。
my / your / his / her / their / our
–
- his estranged wife
(彼の別居中の妻)
– - her estranged son
(仲の悪い彼女の息子)
– - our estranged family member
(疎遠になった家族)
– - my estranged loved one
(仲違いした最愛の人)
–
< 一般論 > として取り上げる際は、
不定冠詞 ” an ” を代わりに置くのが普通。
–
◆ 家族とは、永遠の課題である。
生を受けた以上、一生背負わされる ような性質を伴う。
超長寿社会に加速的に 移行しつつ ある日本では、
社会問題としてますます重みが加わっているのが、
家族。
健全な関係( a healthy relationship ) を築けた
としても、 今後何十年も、 それが続く保証はない。
ましてや、 家族とうまくいかなかった人にとって、
人生は諸々厳しくなるだろう。
少なくとも、 人生の初期は。
もともと他人同士の夫婦なら、「 離婚 」や「 婚姻無効 」
などの手立ても存在するが、 親子間の離縁は難しい。
その結果、 双方が不幸で終わることは珍しくない。
–
–
–
All happy families are alike;
each unhappy family is unhappy
in its own way.( 幸福な家族はどれも似通っているが、
不幸な家族は不幸のあり方がそれぞれ異なる。)※ 原文はロシア語
–
これは、トルストイ ( 1828-1910 ) の代表作
『 アンナ・カレーニナ 』 ( 1877年刊 )の
有名な書き出しである。
家族問題の複雑さを鮮やかに示す至言である。
悪妻に悩まされたトルストイの本音であろう。
この冒頭は、 17回も推敲を重ねたという。
–
◆ こうして、 家族問題には様々な要素が絡み合う。
身内以外に、 計り知れない事情は多い。
プロの介入も困難。
まさに、 密室の 出来事。
激しい葛藤に苦しむのも、 家族だからこそ。
- ” an estranged relationship ”
( 疎遠な人間関係、 こじれた人間関係 )
は往々にして、
- ” a toxic relationship ”
( 有害な人間関係 )
もしそうであれば、 一時的にでも、 縁を切ってしまう
方が、 お互いのためだと考えられる。
ともあれ、 ひどい 毒親 も、 いつしか衰える。
–
そんなに焦らなくてよい。
–
–
必ず 「 時の力 」 が働き、
物事は移り変わっていく
ずっと現状のままなんて、
ありえない。
万物逃れられないのが 「 時の力 」
Time works wonders.
人智が及ばぬ 「 時間 」 の絶大な影響力–
なにもかも吹き飛ばす、強烈なパワーを秘める
–
加齢に従い、形勢逆転する可能性も、念頭に置いてみる。
平均寿命から逆算することだ。
毒親育ちの方々が、着実に幸せに近づくためには、
男性も、女性も、 「 職業 」 と 「 パートナー 」
を間違ってはならないと、経験上考えている。
親と生育環境は選べなくても、正しく頑張れば、これらは選択できる。
めげずにしっかり生きていくと、 今の苦しみの大部分は、
「 時が和らげる 」 痛みに徐々に変容していくはず。
–
- 加えて、 自身の成長により、 物事の見方が変わることはざらにある
- よぼよぼ、 ぼろぼろに、 老いさらばえた親を見る目も変わってくる
- 40歳代までの親と、 70歳代後半に達した親は、 あらかた別人レベル
–
↑ こうしたことは、 我が身でもって経験しないと、 まず意味不明。
だから、 年若い頃は、 ことさら毒親が憎く、 息苦しくてたまらない。
これから、 いろいろ変わっていく。 待て。 焦るな。 時は移ろう。
–
これが、「 時の力 」。
心の楽になる日が、 きっとやってくる。
–
これまでの長い我慢と努力の日々は、
天がきちんと見ている。
God is My Witness.
–
ご自分の人生を、 もっと大切に。
→ 毒親 ( toxic parents ) についての詳細は、 こちら
Happiness is the Best Revenge
最高に効果的な復讐は、
自分が幸せになること–
–
That’s the best revenge of all : happiness.
Nothing drives people crazier than
seeing someone have a good fucking life.Chuck Palahniuk
Author of ” Fight Club ” and several other novels
–【 参考和訳 】
最も効果的な復讐は、幸せになることである。
誰かが、半端なく幸せな人生を送ってるのを見ることほど、
人を狂わせるものはない。
–
チャック・パラニューク (1962- )
–
【発音】 hǽpinəs
【音節】 hap-pi-ness (3音節)
【発音】 rivéndʒ
【音節】 re-venge (2音節)
–
◆ 年を重ねるだけで、 自然と変わっていくことが多いのが人生。
全員が一律に年食うから、 実は放っておいても、 形勢は変化していく。
–
–
それでも、 居場所を間違えず、 自分を大切に して踏ん張れば、環境はもちろん、 目上も自分も、 嫌でも変わっていく。
誰しも年を取るから。
時代は変わっていくから。
Everyone ages.
Time changes.
Every tide turns.
万物は流転する
… ヘラクレイトス Heraclitus ( 紀元前540頃 – 480頃 )
人の心も、 自分の心も変わっていくから、
人間関係は必然的に変わる。
今の見様は当てにならない。
否応なしに強引に変化する。
したがって、 そんなに焦らなくて大丈夫。
10〜30歳代の自分に語りかけたいことがあるとすれば、
「 状況は変わっていくから、焦るな。 」
どうせ変わるのだから、 頭ごなしに決めつけなくてもOK。
–
年齢を重ねると過去は違って見えて、 過去の印象は変わる。
単なる記憶の薄れ ・ 妄想補完 ・ 「 思い出補正 」 ではないと感じる。
思うに、 人体の衰えが主要因で、 甘酸っぱい感傷の入り込む余地は微小。
移り変わりの仕組みが、 若い肉体を持つ人間に分からないのは当たり前。
–
–
” toxic relationship “ より
–
【参照】
- comfortable in one’s own skin
- just a phase
- test of time
- toxic relationship
→ 毒親 ( toxic parents ) からの解放 ( emancipation ) を詳述
–
–
◆ 最後に、今年2017年のニュース見出しより、
“estranged” の用法をご紹介してみたい。
- “X and Estranged Wife Y Hold Hands in Paris”
(Xと別居妻Yがパリで手を握り合った)
(Xは仲のこじれた妻とパリで手を握り合った)
– - “P Reunites With Estranged Daughter”
(Pは疎遠の娘と再会)
– - “M’s Estranged Sister Arrested for DUI”
(Mと疎遠の姉が飲酒運転で逮捕)
– - “P’s Estranged Ex-Wife Charged With Murder”
(Pと疎遠の元妻が殺人容疑で起訴)
– - “Y Still Living With Estranged Husband”
(Yは仲悪い夫と今も同居中)
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◇ 「見出し」英語の解説は、ここが秀逸 ↓
英語ニュースの読み方(見出し編)RNN時事英語
時は移ろう。
そう焦るな。
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–
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『 道をひらく 』 松下幸之助 (著)
PHP研究所、 1968年刊
<出版社HP> <アマゾン> <楽天>
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※ 松下電器産業( 現 パナソニック )
の創設者( 1894-1989 )
【参考】 ※ 外部サイト
- 夫に今すぐ死んで欲しい 「 旦那 デスノート 」
https://danna-shine.com/
– - 母親、父親に今すぐ死んでほしい 「 毒親 デスノート 」
https://dokuoya-shine.com/
– - 「 限界だった 」 たった1人の介護の果て
なぜ22歳の孫は祖母を手にかけたのか
https://mainichi.jp/articles/20201028/k00/00m/040/074000c
2020年10月28日付
– - 医学部受験で9年浪人 〝 教育虐待 〟の果てに…
母殺害の裁判で浮かび上がった親子の実態
https://nordot.app/741154375854899200
2021年3月15日付
ー
9浪で医学部受験失敗 … 31歳女性が母親をメッタ刺しの特殊事情
https://friday.kodansha.co.jp/article/193698
2021年7月21日付
–
【動画】 医学部を9浪した娘が母に復讐
「 モンスターを倒した。 これで安心だ 」
–
https://www.youtube.com/watch?v=Wuhtu532OUc
2021年11月2日付
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https://www.youtube.com/watch?v=C6C8zll1Otk
2023年2月25日付
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https://www.youtube.com/watch?v=sRuU-sPnczw
2023年7月22日付
- 家を出られる 「 唯一の手段が結婚 」 の女性は大勢いる
https://dot.asahi.com/dot/2021092900024.html?page=1
2021年9月29日付–
日本が無理なら、 海外を目指せ
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そのためにも、 英語を身につけておくとよい。
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【参考】 ※ 外部サイト
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–
https://www.henleyglobal.com/passport-index
2023年4月
海外でダメなら、 戻ってこい。
その頃には、 いくらか潮目が変わっている
Time changes. Every tide turns. Everyone ages.
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一度、 海外に滞在してみるとよい。
わずか数日間であっても、 心境を含め、 以前と変わるものはある。
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行く価値は十分ある。
世界は でかい
万物逃れられないのが 「 時の力 」
世界屈指の自由を誇る 「 日本人 」。
相対的な信用度も高い。
享受できる権利 を活用すべし。
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https://www.youtube.com/watch?v=9beMtUKgf0Y
2023年11月29日付
( 動画全長 11分49秒 )–
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https://www.asahi.com/articles/ASS6X2T4XS6XULLI00HM.html
2024年7月1日付
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