Test of time
2022/06/29
時の試練
時間の流れに耐えた実力者を表す際に用いる。
「 時間の試験 」が直訳。
転じて、「 時の試練 」。
–
こちらが、 定訳に近い。
冠詞は ” the ” が通例で、 ” the test of time ” がワンセット。
つまり、
■ the test of time = 時の試練
–
文中の基本表現は、他動詞の ” stand ” または ” withstand ” を伴う。
【発音】 stǽnd
【音節】 stand (1音節)
–
【発音】 wiðstǽnd
【音節】 with-stand (2音節)
–
ここでは同義で、両方とも、
他動詞 「 耐える 」「 持ちこたえる 」。
過去形・過去分詞形は、それぞれ ” stood ” と ” withstood “。
–
” stand the test of time “
to continue to work well over
a long period of time.
Cambridge Dictionary of American Idioms
※ 現在では、米語を超えて幅広く使われている
–
- “Her books have stood the test of time.”
(彼女の著書は時代を超えて愛されてきた。)
– - “My parents’ marriage has stood the test of time.”
(私の両親の結婚生活は長続きしている。)
– - “Most music cannot withstand the test of time.”
(ほとんどの楽曲は忘れ去られてしまう。)
–
◆ 形容詞用法は、” time-tested ”
( 複合形容詞、 compound adjective )。
–
ハイフンを入れない用法もある。
- “She is a time–tested player.”
(彼女は実績のある選手です。)
– - “He is my time-tested best friend.”
(彼は長年の親友です。)
–
( 時の試練 に耐えた米海兵隊 )
–

誇り高き少数精鋭の米海兵隊( 1798年~ )
1950年代 の 募兵ポスター
–
◆ “ time ” には、名詞・形容詞・他動詞・自動詞がある。
【発音】 taɪm (1音節)
ー
語源は、 古英語「 時 」「 時間 」( tīma )。
ー
圧倒的に使われるのは名詞。
不可算と可算を兼ねる。
基本的知識は、以下の通り。
–
◇ 「 時 」は、個数として数えられないので、
基本は無冠詞の不可算名詞。
この場合でも、「 この時間・あの時間 」 など
「 区別 」する場合は、可算名詞。
一方、
何時何分、何月何日など「 出来事 」の時間
を示す場合は、可算名詞が原則。
次の差異が分かるだろうか。
–
- Do you have time ?
( 今、時間ある ? )
–
- Do you have the time ?
( 今、何時 ? )
–
名詞 “ time ” については、どの辞書を調べても、
不可算が優先されている。
「 名詞 ” time ” の基本は、不可算 」 と覚えてよい。
ー
表題でも、 不可算名詞。
◆ “ test ” も “ time ” も、「 1音節( one syllable )」の単語。
「 音節 」( syllable、シラブル )とは、発音の最小単位。
1音節は、腹の底から ゲロする 迫力で、一息に発声する。
一方、日本語の場合、原則として「 仮名一字が1音節 」。
「 平板で、均一なリズムが、日本語の持ち味 」である。
したがって、
■ test / tɛst / 1音節
【日】 3音節 「 テ – ス – ト 」
【英】 1音節
テッストウ
■ time / taɪm / 1音節
【日】 3音節 「 タ – イ – ム 」
【英】 1音節
タイム
–
「 音節 」の日英比較は、” integrity ” で事細かに述べている。
ー
–
◆ 「 時の力 」は圧倒的。
万物抗いがたく、 往々にして残酷。
しかし、 真の実力者を自ずと明らかにしてくれる。
強者が「 時の試練 」を耐え抜くとは限らないが、
長年持続したものには相応の実力が具わっている。
変化の猛烈な現代では、 油断すると取り残される。
第一線にいるビジネスパーソンは、 日々実感しているはず。
一方、10年単位の 長期的視点では、
かなりの事象において、帳尻が合っている と私は感じる。
若い時分には分からなかったが、今、冷徹に
周囲を観察すると、基本的に納得できる状態
にそれぞれ収まっている気がする。
旧友を見渡しても、 各自の 資質に見合った分野 で
頑張ってきた人には、 男女とも、幸せそうな人が目立つ。
皆、 長い年月を経て熟成された雰囲気をたたえ、
いい顔している。
–
–
◆ 自分に適した居場所に身を置く。
これが、 「 幸せへの近道 」 と私は言い切りたい。
男女不問。
とりわけ、 自分に適した職 に就くべし。
【参照】 toxic relationship
–
◇ 持って生まれた素質 を大切に育み、
「 時間の力 」を味方につけて努力を重ねれば、
充実した人生に恵まれやすい模様
–
” the test of time ” にも耐えうる実力を身につける
ためには、次の3要素が合致することが肝要と私は考える。
–
1) 自分の適性 ・ 資質 ・ 好み
2) 時流
3) 正しい努力( 方向・方法 )
–
◆ 時の流れは不可逆的で、 苛酷。
それでも、心構え次第で、ある程度はコントロール可能。
発酵して滋味を増すか、それとも腐敗してしまうか。
時宜を逃し、チャンスをふいにする 人は大勢いる。
むしろ、大多数かもしれない。
中年期を迎えると、体験的に理解できる話だろう。
–
Don’t miss out on opportunities.
–
好機逸すべからず。
若い時期は、あっという間に過ぎ去っていく。
これ、本当。
–
Time works wonder.
( 時のもたらす奇跡 )
( 時がすべてを癒す )
( 時間がすべてを解決する )
( 時間が薬 )
↓
時は偉大なり「 時の力 」
–
【参照】
・ comfortable in one’s own skin
・ just a phase
・ toxic relationship
・ estranged
【関連表現】
- ” time-honored ”
(由緒ある)