Test of time
2021/02/05
時の試練
時間の流れに耐えた実力者を表す際に用いる。
「 時間の試験 」が直訳。
転じて、「 時の試練 」。
–
こちらの方が、定訳に近い。
冠詞は ” the ” が通例で、”the test of time” がワンセット。
つまり、
■ the test of time = 時の試練
文中の基本表現は、他動詞の ” stand ” または ” withstand ” を伴う。
【発音】 stǽnd (1音節)
【発音】 wiðstǽnd
【音節】 with-stand (2音節)
–
ここでは同義で、ともに他動詞「耐える」「持ちこたえる」。
過去形・過去分詞形は、それぞれ “stood” と “withstood”。
“stand the test of time”
to continue to work well over
a long period of time.
Cambridge Dictionary of American Idioms
※ 現在では、米語を超えて幅広く使われている
- “Her books have stood the test of time.”
(彼女の著書は時代を超えて愛されてきた。)
– - “My parents’ marriage has stood the test of time.”
(私の両親の結婚生活は長続きしている。)
– - “Most music cannot withstand the test of time.”
(ほとんどの楽曲は忘れ去られてしまう。)
–
◆ 形容詞用法は、”time-tested”
(複合形容詞、compound adjective) 。
–
ハイフンを入れない用法もある。
- “She is a time–tested player.”
(彼女は実績のある選手です。)
– - “He is my time-tested best friend.”
(彼は長年の親友です。)
( 時の試練 に耐えた米海兵隊 )
–

誇り高き少数精鋭の米海兵隊(1798年~)
1950年代の募兵ポスター
–
◆ “time” には、名詞・形容詞・他動詞・自動詞がある。
【発音】 taɪm (1音節)
ー
語源は、古英語「時」「時間」(tīma)。
ー
圧倒的に使われるのは名詞。
不可算と可算を兼ねる。
基本的知識は、以下の通り。
「時」は、個数として数えられないので、
基本は無冠詞の不可算名詞。
この場合でも、<この時間・あの時間>など
「区別」する場合は、可算名詞。
一方、何時何分、何月何日など「出来事」の時間
を示す場合は、可算名詞が原則。
次の差異が分かるだろうか。
- Do you have time ?
(今、時間ある?)
–
- Do you have the time ?
(今、何時?)
名詞 “time” については、どの辞書を調べても、
不可算が優先されている。
よって「基本は不可算名詞」と覚えてよい。
ー
ここでも 不可算名詞。
◆ “test” も “time” も、「1音節(one syllable)」の単語。
「音節」(syllable、シラブル)とは、発音の最小単位。
1音節は、腹の底から ゲロする 迫力で、一息に発声する。
一方、日本語の場合、原則として「仮名一字が1音節」。
「 平板で、均一なリズムが、日本語の持ち味 」である。
したがって、
■ test / tɛst / 1音節
【日】 3音節 「 テ – ス – ト 」
【英】 1音節
テッストウ
■ time / taɪm / 1音節
【日】 3音節 「 タ – イ – ム 」
【英】 1音節
タイム
–
→ 音節の差異が顕著な日英比較は、”integrity” 参照
ー
–
◆ 「 時の力 」は圧倒的。
万物抗いがたく、往々にして残酷。
しかし、真の実力を自ずと明らかにしてくれる。
強者が「 時の試練 」を耐え抜くとは限らないが、
長年持続したものには相応の実力が具わっている。
変化の猛烈な現代では、油断すると取り残される。
第一線にいるビジネスパーソンは、日々実感しているはず。
一方、10年単位の 長期的視点では、
かなりの事象において 帳尻が合っている と私は感じる。
若い時分には分からなかったが、今、冷徹に
周囲を観察すると、基本的に納得できる状態
にそれぞれ収まっている。
旧友を見渡しても、各自の 資質に見合った分野
で頑張ってきた人には、幸せそうな人が目立つ。
皆、長い年月を経て熟成された雰囲気をたたえ、
いい顔している。
◇ 持って生まれた素質 を大切に育み、
「時間の力」を味方につけて努力を重ねれば、
充実した人生に恵まれやすい模様
” the test of time ” にも耐えうる実力を身につける
ためには、次の3要素が合致することが肝要と私は考える。
1) 自分の適性・資質・好み
2) 時流
3) 正しい努力(方向・方法)
–
◆ 時の流れは苛酷だが、心構え次第でコントロール可能。
発酵して滋味を増すか、それとも腐敗してしまうか。
時宜を逃し、チャンスをふいにする 人は大勢いる。
むしろ、大多数かもしれない。
中年期を迎えると、体験的に理解できる話だろう。
–
Don’t miss out on opportunities.
好機逸すべからず。
若い時期は、あっという間に過ぎ去っていく。
これ、本当。
–
Time works wonder.
(時のもたらす奇跡)
(時がすべてを癒す)
(時間がすべてを解決する)
(時間が薬)
↓
時は偉大なり<時の力>
–
【参照】
・ “comfortable in one’s own skin”
・ “just a phase”
・ “toxic relationship”
・ “estranged”