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In what context - ?

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どんな文脈で ~   どんな状況で 〜 ? 

聞きさしならない話を小耳に挟んだ際、

それって、どんな文脈で出てきた話

と確認したりする。

前後の文脈を把握しないことには、 真相は見えない。

断片的な情報でなく、 全体像をつかみたい。

そんな時の発言。

この英語版が、 ” In what context – ? “。

ダッシュ部には、 具体的な質問内容を入れる。

  会話中であれば、3語のみで通じる 場合が多い。


In what context ?

( どんな文脈で
( どんな状況で


ちょうど、


To what extent ?

( どの程度まで

に似ている。


シンプルな質問文であり、 応用が利く。

“  What is this ?  “  や  “  How much ?  “  と似通う雰囲気。

◇  いずれも  特に丁寧ではないが、 簡明直截で分かりやすい


とはいえ、 3語だけだと、 ぶっきらぼうな印象を帯びる。

口調 ( tone )・相手・状況によっては、 非礼となる。

中級者であれば、 ぜひ押さえておきたい注意点である。

この弱みは  ” What time is it ? ”  にも共通する。


現在の時刻 ( current time ) を他者に尋ねる英語表現として、

What time is it ?   と学校では学んだりするが、

これは実は相当ぶしつけな尋ね方。

今、何時 ? 」 同然の響き。

露骨でむき出しゆえ、 いきなり聞かれた側は不快かも。

赤の他人やさほど親しくない人に時間を聞くには、 先述の

Do you have the time ? ” ( 今、何時でしょうか


” Time frame “  より


しっかり通じるものの、  上品ではないということ。

「  どの程度 」 「 どんな文脈で 「 今、 何時

「  これなに 」 「 これいくら 「 なんで ?

これらの日本語と同程度。

【参照】  緊急時は、上品な言葉遣い以上に、 有用な援助が大事

 

◆  ぶしつけさを避けたければ、仮定法 subjunctive mood )
を用いるとよい。


Could you provide some more context ?

Could you provide more context ?

( もう少し文脈を説明していただけませんか


  Could you –  ? 

丁寧な依頼表現
「 ~ していただけますでしょうか 」。

文法的には、「 もし 仮に  頼んだら ~ していただけますか 」。

仮定法  ” could you ” とは、

  遠慮がちに 
「 もし  仮に  頼んだら … やってくれますか

と  仮定しつつ お伺い を立てる流れ  


すべてが 仮の想定 にすぎない。  ←  「 現実 」ではない

仮の設定 なので、 「 仮定法 」。

仮定法 」 については、
Could you update me on – ? ” で、 事細かに取り上げた。
( 図入り )

◆  猜疑心にかられて口にするばかりでなく、

英語の使い方を尋ねる際にも役立つ。

英語学習者としては、 ぜひ身につけたい。

言い回し例を6つを、 後でご案内する。

文脈が分からないと、
なんとも言えないね。

 

◆  “ context ” は、名詞のみの単語。

【発音】  kɑ́ntekst
【音節】  con-text  (2音節)

可算名詞と不可算名詞を兼ねる。

語源は、ラテン語「 結びついた 」( contextus )。

◇  英単語全体から見た、 名詞  “ context ” の位置づけは、
中堅レベル。

  •  重要 :<3001~6000語以内>
  •  書き言葉の頻出:<1001~2000語以内>
  •  話し言葉の頻出:3000語圏外

だが、< Academic Word List >(※)入り
しており、 高等教育では大切な位置にある。

※  英語圏の大学教科書の頻出単語570語

( 以上、ロングマン LDOCE6 の表記より )

英語の  ” context ”  の主な意味は上記4つ。

語源に沿った意味合い中心で、 多義ではない。

ここで気になるのは、 日本語の「 文脈 」。

  ぶんみゃく 【 文脈 】

文中でのの意味の続きぐあい
文章の中での文と文との続きぐあい
比喩的に、筋道・背景などの意にも使う。

『 広辞苑 第七版 』
新村 出(編) 岩波書店、  2018年刊
( ロゴヴィスタ  アプリ版 )


定義は、 LDOCE6 とほぼ重なっている。

” context “

1.  the situation, events. or information
that are related to something and
that help you to understand it.

2.  the words that come just before and after
a word or sentence and that help you
understand its meaning.

( ロングマン、LDOCE6 )

【発音】  kɑ́ntekst
【音節】  con-text  (2音節)

※  下線は引用者


各下線部が驚くほど共通している。

多用される熟語も数えるばかり。

基本は6つ。

  • in the context of –
    ( ~ の文脈では )( ~ の状況では )
  • in context  
    ※  ” the ” なし
    ( 文脈上で )( 状況下で )
  • in the wrong context
    ( 誤った文脈で )
  • out of context with –
    ( ~ と前後関係はなく )
  • take out of context
    ( 文脈から切り離す )
  • depend(s) on the context
    ( その文脈次第 )

    ・  ” The choice of word depends on the context. ”
    ( 言葉の選択は文脈次第。)


◆  ” context ” は、 可算・不可算兼用のため、
冠詞の有無がひっかかる。

in context ” は、 冠詞抜きの < 2語ワンセット >。

不可算名詞の用法で、「 ~ の文脈では 」「 ~ の状況では 」。

特定の文脈・状況を指しているのではなく、
一般的に、このような文脈・状況であれば 」
という  抽象的な  ニュアンス

すなわち、 抽象名詞 abstract  noun ) 扱い。

一方、 ” in the context ”  または  ” in this context ” は、
この文脈では 」「 この状況では 」 と特定済みの
具体的な  文脈・状況を指している。

例文で比較してみよう。

一般論・抽象論かは、 特定の具体例かで判別する。

これが基本。

もっとも、実際の使用を多数調べると、
冠詞の有無はごっちゃになっているケースも少なくない。

◆  冠詞を除けば、” context ” の理解はそう難しくない。

既述の通り、品詞は名詞のみ。

多義でない上、
日本語の「文脈」に意味合いがそっくりだからである。

最後に、表題  ” in what context ” を用いた
疑問文を掲げる。

幅広く活用できる質問方法なので、これらをチェック
してから、 ” context ” 全体を学ぶとよい。

◆  こちらの6つは、 英語の用法を確かめる時に使える。

  1.  “In what context is this used ?
    ( これはどんな文脈で使われますか?)
    ( これはどんな状況で使われますか?)
  2.  “In what context is this word used ?
    ( この単語は、どんな文脈で使用されますか?)
  3.  “In what context should I use this phrase ?
    ( このフレーズは、どんな文脈で使えば
    よいでしょうか?)
  4.  “In what context would the words
    out of the picture ‘  make sense ?
    ( 「 無関係である 」という言葉は、 どんな文脈
    で意味をなしますか?)
  5.  “In what context can I use the phrase  ‘ real quick ‘ ?
    ( 「 今すぐに 」というフレーズは、 どんな状況で使えますか?)
  6.  “In what context would you say  ‘ go ahead ‘ ?
    ( どんな状況で「 お先にどうぞ 」と言いますか?)

英語学習に取り入れると便利。
ー-

 

【関連表現】

 

 

 

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