Tentative
2021/02/28
仮の、 仮押さえの
確定前の「仮」状態を表すには、
“tentative”。
口頭・文面を問わず、ビジネスで多用される。
【発音】 téntətiv
【音節】 ten-ta-tive (3音節)
語源は、ラテン語「やってみる」「触ってみる」(tentāre)。
多人数が関わる仕事では、諸々の調整が必要なため、
いきなり確定するケースは少なめ。
「仮」を入れて、全体の動きが滞らないようにする。
名詞の直前に入れるのが、”tentative” の一般用途。
冠詞は基本に従う。
(1) 仮押さえ の日取り、場所
- a tentative date
- a tentative place
–
(2) 仮承認、 仮合意–
- a tentative approval
- a tentative agreement
(3) 暫定予算、 試案–
- a tentative budget
- a tentative plan
上記は、いずれも久しく定着したビジネス英語である。
“tentative” 単独で、可算名詞「試案」「仮説」
を示すマイナー用法もある。
–
◆ 予定表では、カッコで識別したりする。
一目瞭然で、すこぶる重宝。
-
Date: March 8 (tentative)
-
Place: Conference Room B (tentative)
-
Participants: Johnson, Lewis (tentative), Smith
- 日付 : 3月8日(仮)
- 場所 : 会議室B(仮)
- 参加者 : ジョンソン、ルイス(仮)、スミス
- “Her schedules were too tentative to announce.”
(彼女のスケジュールは、公表するには未定すぎた。)
– - “My tentative plan is to leave early in the morning.”
(自分の仮の予定では、朝早く出発します。)
→ 定訳 「試案」よりは、話し言葉では「仮の予定」が目立つ
–
◆ 国際フォーラムでも、こうして使われる。
3本の青線が、” tentative “(仮)。
–
◆ “tentative” の基本的意味は「 仮の 」「 一時的な 」。
その不確かなあいまいさ・あやふやさから、
形容詞 「 ためらいがちな 」 「 自信のなさそうな 」 「 不確かな 」
をも意味する。
同義語は “hesitant“。
【発音】 hézitənt
【音節】 hes-i-tant (3音節)
- “a tentative knock” (ためらいがちのノック)
- “a tentative smile” (ためらいがちの微笑み)
- “a tentative writing” (あいまいな文書)
様態を示す接尾辞 “ly” を加えて、副詞 に。
【発音】 ˈten.t̬ə.t̬ɪv.li
【音節】 ten-ta-tive-ly (4音節)
- “He knocked tentatively on the door.”
(彼はためらいがちにドアをノックした。)
– - “She smiled tentatively.”
(彼女はためらいがちに微笑んだ。)
(照れ笑いした。)
– - “He writes tentatively.”
(彼は自信なさげに書く。)
(彼の書くものはあいまいである。)
ただ、これらの用法はビジネスでは使われにくい。
内容として、ビジネス場面にそぐわないから。
–
◆ 基本的意味「仮の」の副詞 ” tentatively ” も便利。
【発音】 ˈten.t̬ə.t̬ɪv.li
【音節】 ten-ta-tive-ly (4音節)
「 暫定的に 」と和訳する場合が多い。
- “The meeting is tentatively being scheduled for Monday.”
(その会議は、暫定的に月曜日に予定されている。)
– - “She was tentatively assigned as a member.”
(彼女は暫定的に会員に指名された。)
– - “We tentatively agreed to the plan.”
(その計画に暫定的に合意した。)
–
- “No attendees have tentatively accepted.”
(仮に承諾した参加者はいない。)
– - “I tentatively set a world record that
was not official.”
(非公式で暫定的に世界記録を更新した。)
– - “Remains Tentatively Identified as Missing Boy”
(遺体は行方不明の少年と暫定的に特定)
※ ニュース見出し
◆ “tentative” の発音と音節には特徴がある。
【発音】 téntətiv
【音節】 ten-ta-tive (3音節)
「音節」(syllable、シラブル)とは、
日本語では、原則として「仮名一字が1音節」。
平板で、均一なリズムが、日本語の持ち味である。
→ 音節の差異が顕著な日英比較は、”integrity” 参照
■ イギリス英語 の発音だと、
ˈten.tə.tɪv
「テン – ティ – ティヴ」
と舌先を3回連続で、上顎前方に打ち付ける。
3音節で、 ten-ta-tive
「タン、タ、タッ」といったリズム。
- 3つの “T” のうち、最初の “T” に強いアクセント。
- 2番目の “T” はほとんど聞こえず、
- 3番目 “T” で再び隆起する。
以上のイギリス英語は、スペルに忠実な印象。
■ 他方の アメリカ英語 では、
ˈten.t̬ə.t̬ɪv
「テネ – ティヴ」
などと、より平板に聞こえる。
2番目の “T” が、直前の “N” に吸収され、
消滅している。
ほぼ聞こえないので、「2音節」に近い感じ。
スペル通りではない発音である。
【発音】 téntətiv
【音節】 ten-ta-tive (3音節)
米英の発音を比べてみると勉強になる。
もっとも、”tentative” の場合、イギリス英語
と同じ発音をするアメリカ人も目立つため、
発音の区別に神経質になる必要はないだろう。
何度も口ずさんで、感触をつかむとよい。
日本語から程遠い語調ゆえ、
身につけると達成感を味わえる。
【類似表現】
“To be decided (TBD)”
https://mickeyweb.info/archives/1948
(仮の、 仮押さえの)
“Up in the air”
https://mickeyweb.info/archives/1943
(未定)