Out of date
2021/01/05
期限切れの、 時代遅れの 、 無効の
「期日が過ぎた」状態が、 “out of date”。
- 副詞 “out” (外れて)
- 前置詞 “of” (~から)
- 名詞 “date” (期日)
「期日から外れて」 → 「期日が過ぎた」
「期日が過ぎた」とは「期限切れ」の状態。
となれば、状況によっては「無効」となりうる。
また、旬が過ぎ、時代の傾向から外れてしまい、
「時代遅れ」とも考えられる。
以上が、”out of date” の概要。
素直な流れで分かりやすい。
意味もシンプル。
公私問わず、普通に出てくる
のは、容易に想像できるだろう。
青字の和訳とほぼ同じように使えるため、
学びやすい表現である。
–
◆ 上記青字は<状態>を表す。
青字の内容が、名詞を修飾する場合が「形容詞」。
名詞でないものを修飾する場合が「副詞」。
※ 「修飾」(modify または qualify)とは、
意味を説明したり、限定したりすること
“out of date” は、形容詞にも副詞にもなるということ。
名詞を飾る形容詞の場合、ハイフンを入れて “out-of-date”
と表記するのが原則。
「複合修飾語 (compound modifier)」の種類のひとつで、
「 複合形容詞 ( compound adjective ) 」と称される。
副詞として使う場合は、ハイフンなしが多い。
ところが、副詞用法は、英和辞典と英英辞典でも論が分かれている。
副詞の表記が一切なく、形容詞のみとする辞典も少なくない。
例えば、形容詞のみ記載する 『 ジーニアス英和大辞典 』 は、
「叙述的にはハイフンなしで、out of date」
と記す。
ハイフンなしの用言も形容詞、ということ。
–
◆ 一方、叙述的な使い方を副詞扱いするのが、コリンズ。
次のように、形容詞と副詞を同列に記載する。
” out of date in British “
adjective, adverb (out-of-date when prenominal)
no longer valid, current, or fashionable; outmoded.
(Collins English Dictionary, 12th Edition)
※ “prenominal” = 名詞の前に置かれる
それでも名詞を飾る時に、ハイフンを用いる点は他の辞書と同じ。
2語以上の語が他の語を修飾する場合、ハイフンでつなぎ、
「複合修飾語 (compound modifier)」にする。
「ハイフネートの原則」 通りである。
3大学習英英辞典の “LDOCE”、”OALD”、”CALD” を含む、
次の5つのオンライン英英辞典では、形容詞のみ記載する。
コリンズを含む合計6点のうち、”out-of-date” と
ハイフン入りで<項目立て>されていたのは、次の3点。
残りの3点は “out of date” だったが、コリンズ以外に
「副詞」の表示はなかった。
形容詞と副詞の区分について、辞書間で説が異なることは
それほど珍しいわけではない。
特に、”out of date” の場合、副詞扱いでも用途・用法に
差が出ることは考えずらい。
そう目くじらを立てるべき問題ではないだろう。
- 英語の形容詞の用法は2つ
→ 「限定用法」と「叙述用法」
– - 日本語の形容詞の用法は3つ
→ 「限定用法」と「叙述用法」と「副詞的用法」
【参照】 ※ 外部サイト
–
・ 形容詞の「叙述的用法」と「限定的用法」
・ 形容詞の限定用法と叙述用法
–
◆ 名詞の前に置くのは「ハイフン入り」。
–
この点、調べた8冊の辞書に争いはなかった。
それ以外ではばらつきが見受けられたため、便宜上、
ハイフン抜きを基本として、以下説明していく。
既記の通り、表題は素直な成り立ちのシンプル表現である。
- 副詞 “out“(外れて)
- 前置詞 “of“(~から)
- 名詞 “date“(期日)
副詞 “out”(外れて)に分離の前置詞 “of”(から)
で “out of – “(~から外れて)。
広義の “out of” の日常用例を挙げると、
- out of balance
(不均衡)
– - out of business
(失業した、廃業した)
– - out of character
(柄にもない)
– - out of compliance
(規制に従っていない)
– - out of control
(コントロールできない、 手に負えない)
– - out of context
(文脈から切り離して)
– - out of court
(法廷外で、示談で)
– - out of danger
(危険から脱して)
– - out of doors
(屋外で)
– - out of fashion
(時代遅れで)
– - out of focus
(焦点がずれている)
– - out of hand
(手に負えない)
– - out of mind
(正気を失う)
– - out of money
(金がない)
–
- out of order
(故障した、 不適切で、 順序がばらばらで)
– - out of place
(場違いの)
– - out of pocket
(自腹を切って)
– - out of public view
(公の場から姿を消して)
– - out of print
(絶版の)
– - out of proportion
(つりあいがとれていない)
– - out of question
(疑いがない)
→ out of the question
(問題外である、 不可能である)
– - out of reach
(手が届かない)
– - out of season
(季節外れの)
– - out of service
(使用不能)
– - out of sight
(見えなくなる)
– - out of stock
(在庫切れ)
– - out of the loop
(蚊帳の外に置かれて)
– - out of the mainstream
(主流から外れて)
– - out of the picture
(無関係である)
– - out of touch
(実態を把握していない、 無関心、 音信不通)
– - out of town
(不在の)
– - out of work
(失業した)
– - out of sync
(同調しない)
ここでの “date” は、可算名詞「期日」。
“target date“(目標期日)と同じ。
語源は、ラテン語「与えられた」(data)。
手紙の冒頭に、「与えられた(= data)」場所や時を
添える役目だった句が、日取り自体を指すようになった。
–
◆ 3語とも、英単語として最頻出かつ最重要。
- 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
- 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
- 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
(ロングマン、LDOCE6 の表記より)
すべて、最高ランクの位置づけにある単語ばかり。
「期日から外れて」 → 「期日が過ぎた」
———————————– ↓———–↓
————————–「時代遅れ」「無効」
この流れについても、先に触れた。
“out of date” の初出は1628年。 古い。
語釈をまとめると、
“out of date”
1. old-fashioned or without the most recent information
and therefore no longer useful.
2. no longer valid.
(オックスフォード、OALD9)
1. 期限切れの、 時代遅れの
2. 無効の
<発音注意>
名詞 “invalid”(病人) は、前にアクセントが来るため、
この形容詞とは別単語に聞こえる / ɪnvəlɪd /
–
期限切れ
- “Don’t eat that out-of-date meat.”
(消費期限の切れたその肉を食べるな。)
– - “My passport is out of date.”
(私のパスポートの有効期限が切れている。)
(私のパスポートは無効だ。)
- “Your approach is out of date.”
(あなたの手法は時代遅れだ。)
– - “I think this policy has gone out of date.”
(この方針は時代に合わなくなったと思う。)
– - “She only has an out-of date driving licence.”
(彼女は期限切れの運転免許証しか持っていない。)
– - “We don’t need such out-of-date technology.”
(そんな時代遅れの技術なんていらない。)
– - “This hat looks so out of date.”
(この帽子はすごく時代遅れに見える。)
– - “The information here is out of date.”
(ここにある情報は最新でない。)
– - “He gave me an out-of-date map.”
(彼は最新でない地図をくれたの。)
– - “Tell me if it becomes out of date.”
(それが最新でなくなったら、教えてください。)
【参照】 ※ 外部サイト
–
・「賞味期限」と「消費期限」の違い
・「賞味期限」の英語表現