In what context – ?
2021/07/15
どんな文脈で ~ ? どんな状況で 〜 ?
聞きさしならない話を小耳に挟んだ際、
「 それって、どんな文脈で出てきた話 ?」
と確認したりする。
前後の文脈を把握しないことには、真相は見えない。
断片的な情報でなく、全体像をつかみたい。
そんな時の発言。
この英語版が、” In what context – ? “。
ダッシュ部には、具体的な質問内容を入れる。
–
◇ 会話中であれば、3語のみで通じる 場合が多い。
In what context ?
( どんな文脈で ? )
( どんな状況で ? )
ちょうど、
( どの程度まで ? )
に似ている。
–
シンプルな質問文であり、応用が利く。
–
◇ いずれも、丁寧ではないが、簡明直截で分かりやすい
“ What’s this ? “ や “ How much ? “ と似通う雰囲気。
ー
◆ 猜疑心にかられて口にするばかりでなく、
英語の使い方を尋ねる際にも役立つ。
英語学習者としては、ぜひ身につけたい。
言い回し例を6つを、後でご案内する。
–
文脈が分からないと、
なんとも言えないね。
◆ “ context ” は、名詞のみの単語。
【発音】 kɑ́ntekst
【音節】 con-text (2音節)
可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
語源は、ラテン語「 結びついた 」( contextus )。
◇ 英単語全体から見た、名詞 “ context ” の位置づけは、
中堅レベル。
・ 重要度 :<3001~6000語以内>
・ 書き言葉の頻出度:<1001~2000語以内>
・ 話し言葉の頻出度:3000語圏外
だが、< Academic Word List >(※)入り
しており、高等教育では大切な位置にある。
※ 英語圏の大学教科書の頻出単語570語
( 以上、ロングマン LDOCE6 の表記より )
- 文脈
- 前後関係
- 状況
- 背景
英語の “context” の主な意味は上記4つ。
語源に沿った意味合い中心で、多義ではない。
ここで気になるのは、日本語の「 文脈 」。
「 文脈 」
文中での語の意味の続きぐあい。
文章の中での文と文との続きぐあい。
比喩的に、筋道・背景などの意にも使う。
( 広辞苑 第七版 )
定義は、LDOCE6 とほぼ重なっている。
” context “
1. the situation, events. or information
that are related to something and
that help you to understand it.
2. the words that come just before and after
a word or sentence and that help you
understand its meaning.
( ロングマン、LDOCE6 )
【発音】 kɑ́ntekst
【音節】 con-text (2音節)
※ 下線は引用者
–
各下線部が驚くほど共通している。
多用される熟語も数えるばかり。
基本は6つ。
–
-
in the context of –
(~の文脈では)(~の状況では) -
in context
※ “the” なし
(文脈上で)(状況下で) -
in the wrong context
(誤った文脈で) -
out of context with –
(~と前後関係はなく) -
take out of context
(文脈から切り離す) -
depend(s) on the context
(その文脈次第)
–
・ ” The choice of word depends on the context. ”
( 言葉の選択は文脈次第。)
–
◆ ” context ” は、可算・不可算兼用のため、
冠詞の有無がひっかかる。
” in context ” は、冠詞抜きの<2語ワンセット>。
不可算名詞の用法で、「 ~ の文脈では 」「 ~ の状況では 」。
特定の文脈・状況を指しているのではなく、
「 一般的に、このような文脈・状況であれば 」
という 抽象的なニュアンス。
すなわち、抽象名詞 扱い。
一方、” in the context ” または ” in this context ” は、
「 この文脈では 」「 この状況では 」と特定済みの
具体的な 文脈・状況を指している。
例文で比較してみよう。
- “We need to consider these things in context.”
(このようなことは、文脈から考えないと。)
→ 特定の文脈は指しておらず、一般論・抽象論
– - “We need to consider these things in the context.”
(このようなことを、この状況下で考えないと。)
→ 特定の状況を指している - “You must be able to use any words in context.”
(どんな単語も文脈で使えるようにならないと。)
→ 特定の文脈は指しておらず、一般論・抽象論
– - “You must be able to use this word in the context.”
(この単語をその文脈で使えるようなならないと。)
→ 特定の文脈を指している
一般論・抽象論か、特定の具体例かで判別する。
–
これが基本。
もっとも、実際の使用を多数調べると、
冠詞の有無はごっちゃになっているケースも少なくない。
ー
◆ 冠詞を除けば、” context ” の理解はそう難しくない。
既述の通り、品詞は名詞のみ。多義でない上、
日本語の「文脈」に意味合いがそっくりだからである。
最後に、表題 ” in what context ” を用いた
疑問文を掲げる。
” in ” は、場所の前置詞「 ~ において 」。
” what ” は、疑問代名詞「 どのような 」。
幅広く活用できる質問方法なので、これらをチェック
してから、”context” 全体を学ぶとよい。
–
◆ こちらの6つは、英語の用法を確かめる時に使える。
- “In what context is this used ? ”
(これはどんな文脈で使われますか?)
(これはどんな状況で使われますか?)
– - “In what context is this word used ? “
(この単語は、どんな文脈で使用されますか?)
– - “In what context should I use this phrase ? ”
(このフレーズは、どんな文脈で使えば
よいでしょうか?)
– - “In what context would the words
‘out of the picture‘ make sense ? ”
(「無関係である」という言葉は、どんな文脈
で意味をなしますか?)
– - “In what context can I use the phrase ‘real quick’ ? ”
(「今すぐに」というフレーズは、どんな状況で使えますか?)
– - “In what context would you say ‘go ahead‘ ? ”
(どんな状況で「お先にどうぞ」と言いますか?)
英語学習に取り入れると便利。
ー-
- “In what context did this happen? ”
(どんな状況でこんなことになったの?)
– - “In what context did he mention it ? ”
(どんな文脈で彼はそう言ったの?)
– - ”We need to ask how these weapons are used,
in what context and for what purpose. ”
(それらの武器がどのように、どんな状況で、そして
どんな目的で使われるか問わなければならない。)
– - “When and in what context should we get
rid of them ? ”
(いつ、どんな状況で、彼らを追い出すべきですか?)
–
【関連表現】
“out of context”
(文脈から切り離して)
(文脈を無視して)