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In / with regard to -

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~ に関して、   ~ について  

同義の < 3語ワンセット > の決まり表現が、
” in regard to ”   と  ” with regard to “。

定訳「 ~ に関して 」同様、堅めの言い回し。

後掲の ” LDOCE6 ” と ” OALD9 ” には、 ” formal ” 表記がある。

「 堅めの表現 」「 正式 」の意。

会議を含むビジネス場面では、口頭でも
普通に使われる。

文面にすんなり溶け込む点も「 ~ に関して 」と共通。

文頭 または 文中 で使う。

 「 教育の機会均等 」

 

◆  ” in regard to ” と ” with regard to ” が同義扱い
されていることは、4大学習英英辞典( EFL辞典 )
の項目立てからも明らか。

■  ” with / in regard to something “
formal
relating to a particular subject.
( LDOCE6、ロングマン )

■  ” in / with regard to somebody / something “
formal
concerning somebody / something.
( OALD9、オックスフォード )

■  ” in / with regard to “
in connection with.
( CALD4、ケンブリッジ )

■  ” in / with regard to “
You can use with regard to or in regard to to indicate
the subject that is being talked or written about.
( COBUILD9、コウビルド )

【 英英辞典の基本表記 】  スラッシュ( / ) = 「 または ( or ) 」

→   ” in regard to ”  または  ” with regard to


◆  ” COBUILD9 ”  以外の3点は、わずかの言葉で説明する。

これが語釈のすべて。

いずれも ~ に関係して 」 「 ~ に関連して の意。

すなわち ~ に関して 」 「 〜 について 」。


◆  片や、COBULD9 の記述は、冗長の きらい がある。

なかなかユニークな語釈が目立つのである。

【 例 】
initial “、” pros and cons “、” thrilled “、” handy

この個性こそ、弊サイト流「 3大EFL辞典 」の選に漏れた一因。

落選の主因は、自動詞・他動詞の別を示さない こと。

もっとも、コウビルドの方が、具体的な中身があるケースも多々ある。

「 話題の対象を示す 」とあるので、「 ~ について 」。

単純な語釈4点を見れば、表題が多義でなく、
実にシンプルであることが把握できよう。

和訳は、上記4つの青字でカバーできる ほど。

しかも、 意味合いは微差である。


◆  ぶれない語義を押さえた上で、単語と文法を分析していく。

ポイントとなる語は、regard

【発音】   rigɑ́ːrd
【音節】   re-gard  (2音節)

2音節で、後半の第2音節に強勢( アクセント )を置く。

※  「音節」( syllable、 シラブル )とは、発音の最小単位

” regard ” の語源は、 中期フランス語「 見る 」( regarder )。

他動詞・自動詞・名詞( 不可算名詞 )がある。

動詞、名詞とも、初出は14世紀。

表題  ” in this regard ”  の初出は15世紀。

◆  ” regard ” の基本的意味は、

  •  他動詞  ( transitive verb )
    「 考える 」 「 みなす 」 「 思う 」 「 注視する 」 「 尊敬する 」
  •  自動詞  ( intransitive verb )
    「 注視する 」 「 注意を払う 」
  •  不可算名詞  ( uncountable noun )
    「 関係 」 「 関連 」 「 箇所 」 「 尊敬 」 「 評価 」


一見ばらばらな語義だが、先述の語源「 見る 」の影
をにじませるものが中心となる。

ざっと眺める見方でなく、 じっと見守る  感じ。

そこから、「 考える 」 「 尊敬する 」 に発展。

注意深く見ることから、「 関係 」「 関連 」も浮かび上がってくる。

” regard ” の主な使い方は、不可算名詞と他動詞で、以下同格。

注意点は、他動詞の進行形  ” regarding ” は使えないこと。

英和「 進行形不可 」、英英  ” not in progressive ” と
辞書が明記する通りである。


◆  普段、目にする regarding は、分詞構文から前置詞
となった「 ~ に関して、 〜 について 」が大半。

表題と同義で、 やはりビジネス用途中心。

【発音】   rigɑ́ːrdiŋ
【音節】   re-gard-ing  (3音節)

3音節で、真ん中の第2音節に強勢( アクセント )を置く。

表題  ” in / with regard to ”  の  ” regard ”  が、
不可算名詞 「 関係 」 「 関連 」 であることは、
これまでの説明より推論できるはず。

◆  in with は前置詞。

冒頭に記したように、同義フレーズのため、
両前置詞の語義も等しい。

ここでは、限定・範囲を示す前置詞。

in this sense”(この意味では)、
with this matter”(この件について)
と同じ用法。

◆  to も前置詞。

ここでは、関連「 ~ について 」を示す。
直後に続くのは、名詞が基本(必要に応じ冠詞も)

と同じ用法。

したがって、先の  ” in / with ” と作用が重なる。
慣用句にはよくある現象 である。

これまでの解説を理解しておき、 あとは
< 3語ワンセット > の決まり文句 として、
考えすぎずに受け入れるのが適切だろう。

◆  既述したように、多用される和訳は、次の4つ。

大同小異であり、当てはめるだけに近いので、難しくない。

とにかく、” in regard to ” または ” with regard to ”
が出てきたら、

「 〜 について 」を意味する < 3語ワンセット >

と即刻認識できるようにするとよい。

中級学習者であれば、筆舌問わず、自由自在に
駆使できるレベルまで持っていく。

 

◆  本稿でご紹介した4点のEFL辞典以外にも、
以下5点の英英辞典を調べた。

< 辞書アプリ3点 >
Collins English Dictionary, 12th Edition
Webster’s New World College Dictionary, 5th Edition
Oxford Learner’s Dictionary of Academic English

< オンライン英英辞書 >
Macmillan Dictionary
Merriam-Webster

単数形の ” in regard to ” または ” with regard to
ばかりであった。

しかしながら、近頃は複数形の “ in regards to
または ” with regards to ” も見かける。

こちらの辞書サイト ” dictionary.com ” によれば、
in regards to ” は、” in regard to ” の2倍近く
も使用されているとのこと。

 

However, in recent years,
these once unfavored  variants

have risen drastically in usage,
especially in regards to,

which, according to our data,
is used nearly twice as often as in regard to.

https://www.dictionary.com/e/with-regard-to-or-with-regards-to/

※  赤字・太字は引用者


◇  ” variant ”  =  異形語

【発音】   əriənt
【音節】   var-i-ant  (3音節)

・  Coronavirus variants
・  COVID-19  variants
( コロナウイルス 変異株 )

【参考】    ※  外部サイト

変異「 種 」の誤用について ( 報道機関 各位 )
https://www.kansensho.or.jp/modules/news/index.php?content_id=221
日本感染症学会
2021年1月29日付


辞書表記の単数形をこれほど上回るとは、
にわかに信じがたい。

けれども、 いろいろ調べる と複数形も幅を
利かせていることが分かる。



【類似表現】

 

 

 

 

 

 

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